概要: WinSCPで「ネットワークエラー」や「認証失敗」などの接続問題に直面していませんか?本記事では、よくあるエラーの原因と具体的な解決策を解説します。エラーメッセージごとに的確な対処法を知り、スムーズなファイル転送を実現しましょう。
WinSCPで「ネットワークエラー」が発生した場合の確認点
WinSCPでファイル転送やサーバー管理を行おうとした際、「ネットワークエラー」に遭遇することは少なくありません。このエラーは、サーバーへの接続が何らかの理由で阻害されていることを示しており、原因は多岐にわたります。まずは、サーバー側の基本的な稼働状況と、WinSCPで設定している接続情報が正しいかを確認することが重要です。特にポート番号や接続モードは、サーバーの設定と一致している必要があります。SSH/SFTPサービスが適切に動作しているか、また指定されたポートが開いているかは、トラブルシューティングの初期段階で必ず確認すべき点です。これらの基本的な確認を行うことで、問題の切り分けが大幅に進み、解決への道筋が見えてくるでしょう。サーバー管理者との連携も視野に入れつつ、着実に確認を進めていきましょう。
サーバーの状態とポート番号の確認
WinSCPで「ネットワークエラー」が表示された際、まず疑うべきは接続先のサーバーの状態です。サーバーがメンテナンス中で停止している、あるいはSSH/SFTPサービスがダウンしているといった状況では、当然ながら接続はできません。サーバー管理者に連絡を取り、サービスが正常に稼働しているかを確認することが最初のステップとなります。次に重要なのがポート番号の設定です。SFTP接続では標準的にポート22を使用しますが、FTP接続ではポート21、FTPSではポート990など、プロトコルによってデフォルトのポートが異なります。また、セキュリティ強化のために標準ポートから変更されているケースも多いため、WinSCPのセッション設定で指定しているポート番号が、サーバー側で設定されているポート番号と一致しているかを必ず確認してください。特に、SFTP接続を試みているのに誤ってFTPのポート番号を指定しているといったミスは頻繁に発生します。
ファイアウォールとセキュリティソフトの設定
サーバーの状態やポート番号に問題がない場合、次に確認すべきは自身のPCやネットワーク環境のセキュリティ設定です。Windows標準のファイアウォールや市販のウイルス対策ソフト、あるいは社内ネットワークのファイアウォールが、WinSCPの接続をブロックしている可能性があります。まずはこれらのセキュリティ設定を確認し、WinSCPの通信を許可するよう例外設定を追加することを検討してください。一時的なテストとして、セキュリティソフトを無効にしたり、ファイアウォールの設定を緩めたりして接続を試みるのも有効ですが、その際はセキュリティリスクを十分に理解し、テスト後は必ず元の設定に戻しましょう。特に、パブリックなWi-Fi環境や企業ネットワークでは、外部への接続が厳しく制限されている場合があるため、ネットワーク管理者に問い合わせて必要なポートが開放されているかを確認することも重要です。
ホスト名・IPアドレスの確認と疎通テスト
ネットワークエラーのもう一つの一般的な原因は、WinSCPに入力したホスト名やIPアドレスの間違いです。「ホストが見つかりません」といったエラーメッセージが表示される場合は、入力ミスがないか繰り返し確認してください。もしホスト名で接続できない場合は、直接IPアドレスを入力して試すことで、DNS解決の問題なのか、それともサーバー自体への到達性の問題なのかを切り分けることができます。また、Windowsのコマンドプロンプトからping [ホスト名またはIPアドレス]コマンドを実行し、サーバーとの基本的な疎通が取れているかを確認することも有効です。pingが成功しない場合は、サーバーがオフラインであるか、自身のPCからサーバーまでのネットワーク経路のどこかで通信が遮断されている可能性が高いです。また、WinSCPには「パッシブモード(PASV)」という接続設定があります。特にFTP接続において、ルーターやファイアウォールの問題で接続がうまくいかない場合に、このモードに切り替えることで解決することがあります。WinSCPのログイン画面でセッション設定を編集し、「接続」設定内の「パッシブモード(P)」にチェックを入れて試してみてください。
ワンポイントアドバイス!
WinSCPで特定のホストに接続できない場合、まずは「サーバーが正常に稼働しているか」、そして「WinSCPのホスト名・ポート番号がサーバー設定と完全に一致しているか」の2点を真っ先に確認しましょう。これだけで多くの問題が解決します。
WinSCPで「接続が拒否されました」「タイムアウト」の原因と対策
WinSCPでの接続試行時に「接続が拒否されました」や「タイムアウト」といったエラーメッセージは、ネットワークの到達性やサーバー側の応答に問題があることを示唆しています。これらのエラーは、単なる入力ミスだけでなく、より複雑なネットワーク経路上の問題やサーバー設定の不備に起因することが多いため、段階的に原因を切り分けていく必要があります。特に、自身の環境からサーバーまでのネットワーク経路全体に目を向け、どこで通信がブロックされているのかを特定するアプローチが重要です。時には、サーバー側の見えない設定変更や、一時的なネットワーク障害が原因であることも考えられます。
サーバーへのアクセス経路とポート開放の確認
「接続が拒否されました」エラーは、サーバーが接続要求に応答しなかった場合に発生します。これは、サーバーのSSH/SFTPサービスが起動していない、またはサーバー側のファイアウォールで指定のポートが閉じられている可能性が非常に高いです。特に、AWSのEC2インスタンスやVPSなどのクラウドサーバーを利用している場合、「セキュリティグループ」や「ファイアウォールルール」でSSH/SFTP(ポート22など)のインバウンドルールが設定されているか、対象のIPアドレスからのアクセスが許可されているかを必ず確認してください。許可されていないIPアドレスからの接続は、サーバー側で拒否されます。また、自宅や会社のルーター設定でポートフォワーディングが正しく行われていない場合も、外部からのアクセスがサーバーに到達しない原因となります。サーバー管理者に連絡を取り、サーバー側のポート開放状況とアクセス制限について確認してもらいましょう。
タイムアウト発生時のネットワーク診断
「タイムアウト」エラーは、WinSCPが指定された時間内にサーバーからの応答を得られなかった場合に発生します。これは、サーバーのIPアドレスが間違っている、サーバーがダウンしている、またはネットワーク経路の途中で通信が著しく遅延しているか、完全に遮断されていることを示します。pingコマンドでサーバーとの疎通確認が取れない場合は、ネットワークの問題が濃厚です。さらに詳細な経路確認には、Windowsのtracert(Linux/macOSではtraceroute)コマンドが有効です。これにより、自身のPCからサーバーまでの通信がどのルーターで停止しているかを確認でき、問題の箇所を特定するヒントになります。VPNを利用している場合は、VPN接続がサーバーへのアクセスを阻害していないか、一時的にVPNを切断して試すことも検討してください。
「タイムアウト」の多くは、サーバーが応答していないか、その応答が自身のPCまで届いていないネットワークレベルの問題です。
特に、サーバーのIPアドレスやネットワーク経路上の障害を確認することが解決の第一歩となります。
アクティブ/パッシブモードの切り替えと接続設定の見直し
WinSCPでのFTP接続において、特に「接続が拒否されました」や「タイムアウト」が発生しやすい状況の一つに、データ転送モードの問題があります。FTPには「アクティブモード」と「パッシブモード」の2種類があり、特にクライアント側のファイアウォールやNAT環境下では「パッシブモード(PASV)」が推奨されることが多いです。アクティブモードでは、サーバーがデータ接続のためにクライアントのポートに接続しようとするため、クライアント側のファイアウォールがこれをブロックしてしまうことがあります。一方、パッシブモードでは、クライアントがサーバーの特定のポートに接続しにいくため、ファイアウォールの設定を回避しやすい傾向があります。WinSCPのセッション設定を開き、「接続」項目にある「パッシブモード(P)」にチェックを入れて再接続を試してみてください。また、WinSCPのログイン画面で「高度な設定」から「接続」タブに進み、接続タイムアウト値を少し長めに設定することで、一時的なネットワークの不安定さによるタイムアウトを防げる場合もあります。
WinSCPの「認証失敗」や「サポートされない認証方法」の解決法
WinSCPでサーバーに接続する際、最も頻繁に遭遇する問題の一つが「認証失敗 (Authentication failed)」です。このエラーは、サーバーとの接続は確立できたものの、提供された資格情報(ユーザー名、パスワード、秘密鍵など)がサーバーによって受け入れられなかったことを意味します。また、「サポートされない認証方法 (Unsupported authentication method)」は、サーバーが特定の認証方法を許可していない場合に表示されます。これらの問題を解決するには、WinSCPの設定とサーバー側の認証設定の両面からアプローチする必要があります。
ユーザー名とパスワードの再確認
認証失敗の原因として最も単純で頻度が高いのが、ユーザー名またはパスワードの入力ミスです。大文字と小文字の区別(特にパスワード)、全角と半角、不要なスペースの混入、Caps Lockキーがオンになっていないかなどを注意深く確認してください。キーボードのレイアウト設定が変わっている場合も、意図しない文字が入力されることがあります。手入力ではなく、コピー&ペーストで入力している場合は、余計な改行文字などが含まれていないかを確認しましょう。また、パスワードが最近変更されたにも関わらず、WinSCPに古いパスワードが記憶されている可能性もあります。念のため、別のSSHクライアント(Tera Termなど)や、サーバーへのWeb管理コンソール(もしあれば)から同じユーザー名とパスワードでログインできるかを確認し、サーバー側のアカウント情報が正しいか検証することも重要です。
SSH鍵認証の正しい設定方法
公開鍵認証を使用している場合は、秘密鍵ファイルの設定が非常に重要です。まず、WinSCPで指定している秘密鍵ファイル(通常は.ppk形式)のパスが正しいかを確認してください。AWSなどからダウンロードした鍵ファイルは.pem形式であることが多く、WinSCPで直接使用するためには、PuTTYgenというツールを使って.ppk形式に変換する必要があります。変換手順は以下の通りです。
- PuTTYgenを起動し、「Load」ボタンから
.pemファイルを読み込みます。 - 「Save private key」ボタンをクリックし、
.ppk形式で秘密鍵を保存します。 - WinSCPのセッション設定で、「認証」項目からこの
.ppkファイルを指定します。
また、サーバー側で公開鍵が正しく登録されているか(通常は~/.ssh/authorized_keysファイルに設定)も確認が必要です。鍵ファイルに適切なパーミッションが設定されていない場合も、認証が失敗することがあります。
SSH鍵認証でエラーが出る場合は、まず秘密鍵が正しい形式(.ppk)で指定されているか、そしてその鍵がサーバーに登録されているかを重点的に確認しましょう。
AWSのEC2などでは、初回接続時にSSH鍵認証が必須となるケースが多いです。
サーバー側での認証設定の確認
認証失敗の原因がWinSCPの設定やユーザーの入力ミスではない場合、サーバー側の認証設定に問題がある可能性があります。サーバーのSSHデーモン設定ファイル(通常は/etc/ssh/sshd_config)で、パスワード認証や公開鍵認証が有効になっているかを確認する必要があります。例えば、PasswordAuthentication no と設定されている場合、パスワード認証は一切受け付けられません。また、該当ユーザーにシェルへのアクセス権限がない、あるいは特定のIPアドレスからの接続のみを許可するといった制限が設けられている可能性もあります。サーバー管理者に連絡を取り、以下の点を確認してもらうと良いでしょう。
- 対象ユーザーのパスワードが正しいか、アカウントがロックされていないか。
/etc/ssh/sshd_configでPasswordAuthentication yesやPubkeyAuthentication yesが設定されているか。- 該当ユーザーの公開鍵が
~/.ssh/authorized_keysに正しく記述されているか、およびそのファイルのパーミッションが適切か(600または644)。 - サーバーのログファイル(例:
/var/log/auth.logや/var/log/secure)に認証失敗に関する詳細なエラーメッセージが記録されていないか。
これらのサーバー側の設定は、WinSCPクライアントからは変更できないため、サーバー管理者との密な連携が不可欠です。
その他のWinSCPエラー(ディスク容量不足、ファイルが見つからない等)
WinSCPの使用中に遭遇するエラーは、ネットワークや認証に関するものだけではありません。ファイル操作時やサーバーの状態に起因する様々なエラーも発生します。これらのエラーは、通常、特定の操作を行った際に表示されることが多く、メッセージの内容から原因を推測しやすい傾向にありますが、その解決にはサーバー側の設定や状況を理解している必要があります。ディスク容量不足、ファイル操作権限の不足、あるいはホストキーの変更といったエラーに直面した際の具体的な対処法を見ていきましょう。
ファイル操作時の権限不足とパーミッションエラー
WinSCPでファイルをアップロード、ダウンロード、削除しようとした際に「Permission denied (権限拒否)」や「Access denied (アクセス拒否)」といったエラーが発生する場合、それはサーバー側のファイルまたはディレクトリに対するパーミッション(アクセス権限)が不足していることを意味します。特にLinuxサーバーでは、ファイルの所有者、グループ、その他ユーザーに対する読み取り・書き込み・実行権限が厳密に管理されています。
- 対象のディレクトリやファイルに対する書き込み権限があるか確認してください。WinSCPで対象のファイルやディレクトリを右クリックし、「プロパティ」からパーミッション設定を確認できます。
- 権限がない場合は、サーバー管理者に連絡して、該当ユーザーに適切なパーミッションを与えてもらうか、権限を持つユーザー(例:
rootユーザーやsudo権限を持つユーザー)でログインし、chmodコマンドでパーミッションを変更する必要があります。例えば、Webサーバーのpublic_htmlディレクトリにファイルをアップロードする場合、そのディレクトリとその親ディレクトリに書き込み権限が必要となることがあります。 - WinSCPのセッション設定で「リモートディレクトリ」を指定している場合に、そのディレクトリへのアクセス権限がないとエラーになることがあります。一時的にこの設定を空欄にして、ユーザーのホームディレクトリに接続を試みることで、問題が解消される場合もあります。
「ディスク容量不足」と「ファイルが見つからない」エラーへの対処
* 「ディスク容量不足 (Disk full)」: このエラーは、サーバーのディスクスペースが不足していることを示します。特にログファイルが肥大化したり、バックアップファイルが溜まったりすることで発生しがちです。
- 解決策: サーバー管理者に連絡し、ディスク使用状況を確認してもらい、不要なファイルを削除したり、ディスク容量を拡張したりする必要があります。Linuxサーバーでは
df -hコマンドでディスク使用状況を確認できます。
* 「ファイルが見つかりません (File not found)」: 指定したパスにファイルが存在しない場合に発生します。これは、入力したファイルパスが間違っているか、ファイルが実際に存在しないかのどちらかです。
- 解決策: ファイルパスを正確に確認し直してください。特にLinux系OSでは大文字と小文字が区別されるため、パスのスペルミスがないか注意深くチェックしましょう。ファイルが本当に存在しない場合は、サーバー側のファイルシステムの確認が必要です。
ファイル操作時のエラーは、「権限」または「存在」のいずれかに起因することがほとんどです。
エラーメッセージをよく読み、どちらの問題かを特定して対処しましょう。
ホストキー変更時の警告と対処法
WinSCPでサーバーに初めて接続する際、そのサーバーの「ホストキー」がWinSCPに登録され、次回以降の接続時にはそのホストキーがサーバーから提示されるものと比較されます。もし、サーバーのホストキーが以前登録したものと異なる場合、「ホストキーが変わりました (Host key changed)」という警告が表示されます。
* 原因:
- サーバー自体が再構築され、異なるホストキーが生成された。
- サーバーのIPアドレスが再利用され、以前に接続した別のサーバーのIPアドレスと重複している。
- 中間者攻撃(Man-in-the-Middle attack)の可能性。これは稀ですが、不正なサーバーに接続しようとしている危険性もゼロではありません。
* 解決策:
- まずは、サーバー管理者に連絡し、ホストキーが変更された正当な理由があるかを確認してください。
- 正当な理由があることが確認できた場合のみ、WinSCPの
known_hostsファイルから該当するホストキー情報(警告メッセージに表示される行番号やホスト名)を削除し、再度接続を試みます。これにより、新しいホストキーが登録され、警告は表示されなくなります。known_hostsファイルは通常、WinSCPの設定ファイルディレクトリ内にあります。 - 理由が不明な場合は、安易に警告を承諾せず、詳細な調査を行うべきです。
WinSCPのトラブルシューティングと安全な接続方法
WinSCPはサーバー管理やファイル転送に非常に便利なツールですが、時には複雑なエラーに遭遇することもあります。そうした時、やみくもに対処するのではなく、体系的なトラブルシューティング手順を踏むことが解決への近道です。また、日々の運用においては、セキュリティを確保した上で効率的に作業を進めるための工夫も重要になります。ここでは、エラー発生時の効果的なログ活用法、接続設定の管理、そしてWinSCPをより安全に利用するためのベストプラクティスについて解説します。
エラーログの確認と問題特定のヒント
WinSCPが提供するエラーメッセージは、問題の特定に非常に役立ちますが、より詳細な情報が必要な場合もあります。WinSCPは内部的に接続試行の詳細なログを記録しており、これを確認することで、エラー発生箇所や原因を深く掘り下げることができます。
* ログの確認方法:
- WinSCPのログイン画面で、接続設定を選択し「編集」をクリックします。
- 「高度な設定」ボタンをクリックし、左側のリストから「ログ」を選択します。
- 「ログファイル」のパスを確認し、そこに保存されているログファイルを開きます。または、「デバッグレベル」を「完全」に設定して再度接続を試み、より詳細なログを出力させます。
* ログから得られるヒント:
- 接続プロセスのどの段階で失敗しているか(例:DNS解決、TCP接続、SSHハンドシェイク、認証など)。
- サーバーからの具体的な応答メッセージ。
- 使用されている認証方法の詳細。
- ファイアウォールやプロキシが関与している場合の通信状況。
これらのログは、サーバー管理者やサポートチームに問題報告する際にも重要な情報源となります。
接続設定の最適化と再利用
複数のサーバーに接続したり、異なる認証方法を使用したりする場合、WinSCPのセッション管理機能を活用することで、作業効率を大幅に向上させることができます。
* セッションの保存:
- 一度設定した接続情報は、ログイン画面で「保存」ボタンをクリックすることでセッションとして保存できます。ホスト名、ポート、ユーザー名、パスワード、秘密鍵のパスなど、すべての設定が保存されるため、次回からはリストから選択するだけで素早く接続できます。
- 保存したセッションには、分かりやすい名前(例: 本番サーバー_Web_SFTP)を付けておくと管理しやすくなります。
* セッションの複製と編集:
- 既存のセッションを複製して、一部だけ変更する(例: 異なるユーザー名で接続する、テスト環境用に設定を変更するなど)ことで、ゼロから設定し直す手間を省けます。
* 設定のエクスポートとインポート:
- 複数のPCでWinSCPを使用する場合や、設定をバックアップしておきたい場合は、WinSCPの全セッション設定をエクスポートし、別の環境にインポートすることができます。「ツール」メニューから「設定のエクスポート/インポート」を選択してください。これにより、接続情報の一元管理と共有が容易になります。
効率的な作業のためには、接続先ごとにセッションを保存し、適切に名前を付けて管理することが不可欠です。
これにより、接続ミスを防ぎ、素早いアクセスを実現できます。
WinSCPを安全に利用するためのベストプラクティス
WinSCPは強力なツールですが、その利便性と引き換えにセキュリティリスクを伴うこともあります。以下のベストプラクティスを実践し、安全な運用を心がけましょう。
- 鍵認証の積極的な利用: パスワード認証よりも公開鍵認証(SSH鍵認証)の方が、ブルートフォース攻撃などに対する耐性が高く、より安全です。パスワードは推測される可能性がありますが、秘密鍵は複雑な文字列であり、さらにパスフレーズで保護できるため、セキュリティレベルが格段に向上します。
- 強力なパスワード/パスフレーズの設定: パスワード認証を使用する場合や、秘密鍵にパスフレーズを設定する場合は、複雑で推測されにくいものを選択しましょう。定期的に変更することも推奨されます。
- 不要なポートの閉鎖: サーバー側では、SSH/SFTPに必要なポート(通常22)以外の不要なポートは閉じておくべきです。これにより、攻撃対象を減らすことができます。
- WinSCPソフトウェアの定期的な更新: WinSCPの新しいバージョンには、セキュリティ修正や機能改善が含まれている場合があります。常に最新版を使用することで、既知の脆弱性から保護されます。
- 接続先の確認: 特に初めて接続するサーバーや、ホストキー変更の警告が表示された場合は、安易に接続を許可せず、サーバーの正当性を慎重に確認しましょう。
これらの対策を講じることで、WinSCPを通じたサーバーへの不正アクセスリスクを最小限に抑え、安全なファイル転送とサーバー管理を実現できます。
WinSCPの「認証失敗」や「ネットワークエラー」をAIアシスタントで迅速解決!
WinSCPの接続エラーに悩む時間は、本来の業務を遅らせる大きな要因です。そんな時、AIをあなたの「秘書」や「優秀なアシスタント」として活用すれば、問題解決のスピードと効率を劇的に向上させることができます。AIは、エラーメッセージを的確に分析し、考えられる原因のリストアップや、具体的な解決策の提案まで、あなたの「調べる」「試す」という作業を強力にサポートしてくれます。
【思考の整理】記事のテーマをAIで整理・優先順位付けするコツ
WinSCPで「ネットワークエラー」や「認証失敗」といった問題に直面した際、AIにエラーメッセージを提示し、考えられる原因を網羅的にリストアップしてもらうことから始めましょう。AIは、膨大な情報の中から関連性の高い情報を抽出し、原因の仮説を複数提示してくれます。これにより、闇雲に試行錯誤するのではなく、論理的なアプローチで問題解決に取り組むための「思考のたたき台」を得ることができます。
さらに、AIには提示された原因の中から、より可能性の高いものや、ご自身の環境で確認しやすいものに優先順位をつけてもらうことも可能です。例えば、「まずはファイアウォールの設定を確認してください」「次にSSHサーバーのログをチェックしましょう」といった形で、具体的なアクションプランを整理してもらえます。これにより、限られた時間の中で最も効率的な解決策へとたどり着くための指針が得られます。
【実践の下書き】そのまま使えるプロンプト例( を使用)
AIに具体的な解決策を提案してもらうには、エラーメッセージと状況を明確に伝えることが重要です。以下のようなプロンプトを使用することで、AIはあなたの状況に合わせた、より的確なアドバイスを生成しやすくなります。
WinSCPで「ネットワークエラー:Connection refused」というメッセージが表示され、サーバーに接続できません。サーバーのIPアドレスはXXX.XXX.XXX.XXX、ポート番号は22です。ファイアウォールは無効にしており、SSHサービスは稼働しているはずです。このエラーの原因として考えられることと、試すべき具体的な解決策をいくつか教えてください。
このように、具体的なエラーメッセージ、接続先情報、そしてご自身で確認済みの状況を共有することで、AIはより的確な原因究明と解決策の提案を行うことができます。AIが生成した解決策は、あくまで「可能性のある対応」として捉え、ご自身の環境に合わせて検証・実行することが重要です。
【品質の担保】AIの限界を伝え、人がどう微調整すべきかの知恵
AIは、過去のデータに基づいた情報提供や、パターン認識による分析を得意としますが、あなたの特定のネットワーク環境や、サーバー内部の複雑な設定、あるいは未知のバグといった、個別性の高い問題に対する「最終的な判断」を下すことはできません。AIが提示する解決策は、あくまで「候補」であり、そのまま実行しても問題が解決するとは限りません。
そのため、AIが生成した情報を鵜呑みにせず、必ずご自身の状況に合わせて内容を吟味し、必要に応じて調整することが不可欠です。例えば、AIが提案した解決策が、ご自身の権限では実行できないものであったり、セキュリティポリシーに反するものであったりする可能性もあります。AIを「壁打ち相手」や「情報収集のサポート役」として活用し、最終的な判断と実行はご自身で行う、というスタンスを忘れないようにしましょう。
まとめ
よくある質問
Q: WinSCPで「ネットワークエラー:接続が拒否されました」と表示されるのはなぜですか?
A: これは、接続先のサーバーが接続を拒否している状態です。ファイアウォール設定、SSHサービスが稼働していない、IPアドレス制限などが原因として考えられます。
Q: WinSCPで「接続がタイムアウトしました」となる場合の対処法は?
A: ネットワークの遅延や、サーバーが応答しない場合に発生します。ネットワーク接続の確認、サーバーの稼働状況、ポート番号(通常は22)が正しいかを確認してください。
Q: WinSCPで「認証に失敗しました」と表示されるのは、どのような原因が考えられますか?
A: ユーザー名、パスワード、秘密鍵が間違っている、SSHキーのパーミッション設定が不適切、またはサーバー側で許可されていない認証方式が選択されているなどが原因です。
Q: WinSCPで「no supported authentication methods」というエラーが出た場合はどうすれば良いですか?
A: これは、サーバーがWinSCPで試行されている認証方法をサポートしていないことを意味します。サーバー側のSSH設定を確認し、パスワード認証や公開鍵認証など、サーバーがサポートしている方式を選択してください。
Q: WinSCPの「no such file」や「no buffer space available」といったエラーはどういう意味ですか?
A: 「no such file」は指定したファイルやディレクトリが存在しない場合、「no buffer space available」は一時的なメモリ不足など、リソースが不足している場合に表示されます。ファイルパスの確認や、サーバーのディスク容量、メモリ状況を確認してください。