NTT以外の電話会社を徹底比較！固定電話選びのポイント

現代の通信環境は多様化し、固定電話の選択肢もNTTだけではありません。光回線の普及に伴い、NTT以外の通信事業者も魅力的な固定電話サービスを提供しています。本記事では、NTT以外の主要な電話会社とそのサービスを徹底比較し、あなたに最適な固定電話を見つけるためのポイントを詳しく解説します。

NTT以外にもこんなに！主要な電話会社を紹介

NTT以外の固定電話サービスは、主に光回線とセットで提供されるIP電話サービスが主流です。これにより、通話料金がNTTのアナログ回線よりも安価になるケースが多く、インターネットとのセット割引も期待できます。

大手通信キャリア系：KDDI（auひかり電話）

KDDIが提供する「auひかり電話」は、auひかり回線を利用した高品質なIP電話サービスです。光ファイバーならではの安定した通信品質が特徴で、従来の固定電話番号（NTT東日本・西日本で利用していた番号）をそのまま引き継ぐことも可能です。

「auスマートバリュー」などの割引サービスを適用すれば、auの携帯電話料金と合わせて月々の通信費を大幅に抑えることができます。例えば、auひかり電話の基本料金は月額550円（税込）で、NTTの加入電話ライトプラン（住宅用）の基本料金1,595円（税込）と比較しても経済的です。

初期費用として、工事費や契約料が発生しますが、キャンペーンによって無料になる場合もあります。また、ナンバーディスプレイや着信転送などの付加サービスも充実しており、NTTと遜色ない使い勝手を実現しています。（出典：KDDI公式サイト情報）

大手通信キャリア系：SoftBank（SoftBank光電話・おうちのでんわ）

SoftBankは、光回線とセットで「SoftBank光電話」を提供しています。これはSoftBank光回線を利用したIP電話サービスで、KDDIと同様に光回線の安定性と通話料の安さが魅力です。

さらにSoftBankは、自宅のインターネット回線とは別に、VoIP技術を利用した固定電話サービス「おうちのでんわ」も提供しています。こちらは工事不要で、コンセントに挿すだけで利用開始できる手軽さが特徴です。固定電話回線を持たない方や、手軽に固定電話を持ちたい方におすすめです。

SoftBankの携帯電話とのセット割引「おうち割 光セット」を適用すれば、携帯電話の月額料金も割引になり、通信費全体の節約に貢献します。SoftBank光電話の基本料金は月額550円（税込）から、おうちのでんわは月額1,078円（税込）から提供されています。（出典：SoftBank公式サイト情報）

その他選択肢：地域プロバイダ・電力系・CATV

大手キャリア以外にも、地域に密着した多様な固定電話サービスが存在します。例えば、関西電力グループのeo光が提供する「eo光電話」や、東京電力グループのTEPCOひかりを利用したサービス、J:COMなどのケーブルテレビ会社が提供するIP電話サービスなどです。

これらのサービスは、その地域のインターネット回線やケーブルテレビサービスとセットで提供されることが多く、既存の契約と組み合わせることで割引が適用されるメリットがあります。特に、特定の地域でしか利用できないサービスの場合、地域に特化したサポートや、地域独自のキャンペーンが展開されていることも少なくありません。

これらのプロバイダは、自社の光回線網を活用しているため、高速インターネットと安定した電話サービスを一体で提供できます。NTTや大手キャリアではカバーしきれないニッチなニーズや、特定のエリアでの料金優位性がある場合もあるため、お住まいの地域で利用できるサービスを調べてみる価値は十分にあります。

固定電話を選ぶ際のチェックリスト

NTT以外の固定電話サービスは魅力的ですが、自分に最適なサービスを選ぶためには、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。漠然と選ぶのではなく、具体的な利用シーンを想定して比較検討することが大切です。

月額料金と通話料：総コストを把握する

固定電話を選ぶ上で最も重要なのは、月額料金と通話料の合計コストです。多くのIP電話サービスは、NTTのアナログ回線に比べて基本料金が安く設定されています。さらに、同一プロバイダのIP電話同士の通話は無料、あるいは格安になることが多いです。

通話料については、国内固定電話宛て、携帯電話宛て、国際電話宛てなど、発信先によって料金が異なります。例えば、携帯電話への発信が多い場合は、携帯電話宛ての通話料が安いプランを選ぶと良いでしょう。また、無料通話分が含まれるプランや、特定の時間帯の通話が無料になるプランもあります。

初期費用として工事費や事務手数料がかかる場合もあるため、契約から数年間の総費用で比較することをおすすめします。ウェブサイトの料金シミュレーターなどを活用し、自身の利用状況に近い形で試算してみましょう。（出典：各社公式サイト情報）

契約期間と解約金：将来の変更を見据える

ほとんどの通信サービスには契約期間が設けられており、期間内の解約には解約金（違約金）が発生することがあります。特に、2年や3年といった長期契約プランを選ぶ場合は、契約期間と解約金の条件を必ず確認してください。

引っ越しやライフスタイルの変化によって、将来的にサービス内容を変更したり、他社へ乗り換えたりする可能性も考慮しておく必要があります。契約期間が短いプランや、解約金がないプランを選ぶことで、より柔軟にサービスの見直しが可能になります。

総務省のデータ（概念として）でも、利用者のライフスタイルの変化に対応できるような契約条件の透明性が求められています。契約書の重要事項説明書を熟読し、不明な点があれば契約前に必ず問い合わせてクリアにしておきましょう。（出典：総務省の通信利用動向調査の趣旨より）

付加サービスと機能：必要なものは何か

固定電話には、基本サービス以外にも便利な付加サービスが多数用意されています。代表的なものとしては、着信時に相手の電話番号を表示する「ナンバーディスプレイ」、留守中にメッセージを録音する「留守番電話」、複数の電話番号を使い分ける「追加番号」などがあります。

FAXを利用する予定がある場合は、そのIP電話サービスがFAX通信に対応しているかどうかも確認が必要です。一部のIP電話ではFAXの送受信が不安定になるケースもあります。また、迷惑電話対策機能や、緊急通報（110番、119番）への対応状況も重要なポイントです。

これらの付加サービスは、月額料金に含まれている場合もあれば、オプションとして別途料金が発生する場合もあります。自身の利用頻度や必要性を考慮し、本当に必要な機能だけを選ぶことで、無駄な出費を抑えることができます。

NTT以外の電話会社、料金プランを比較

ここでは、代表的なNTT以外の固定電話サービスであるKDDIとSoftBankの料金プランを具体的に比較し、それぞれの特徴を掘り下げていきます。ご自身の利用状況と照らし合わせながらご覧ください。

KDDI（auひかり電話）の料金プランと特徴

KDDIのauひかり電話は、auひかり回線に付帯するIP電話サービスです。基本料金は月額550円（税込）と、NTTのアナログ回線に比べて非常に経済的です。通話料は、国内の固定電話宛てが3分あたり8.8円（税込）で、NTTの市内通話料金（3分9.35円税込）と比較しても安価です。

最も大きな特徴は、auのスマートフォン・携帯電話とのセット割引である「auスマートバリュー」の適用です。これにより、携帯電話の月額料金が永年最大1,100円（税込）割引され、家族全員の通信費を大きく削減できます。初期費用として契約料や工事費が発生しますが、キャンペーンで実質無料になるケースも多いです。

また、ナンバーディスプレイや着信転送、迷惑電話撃退サービスなどのオプションも月額制で提供されており、必要に応じて追加できます。特にauユーザーにとっては、固定電話を持つメリットが非常に大きい選択肢と言えるでしょう。（出典：KDDI公式サイト情報）

SoftBank（SoftBank光電話・おうちのでんわ）の料金プランと特徴

SoftBankは2種類の固定電話サービスを提供しています。「SoftBank光電話」は、SoftBank光回線を利用したIP電話で、基本料金はauひかり電話と同様に月額550円（税込）です。国内固定電話宛ての通話料も3分あたり8.8円（税込）と、KDDIと同水準の料金体系です。

一方、「おうちのでんわ」は、SoftBank AirやSoftBank光の契約がなくても単体で利用できる、コンセントに挿すだけの固定電話サービスです。こちらは月額1,078円（税込）と、光電話よりは高めですが、工事不要という手軽さが魅力です。通話料は固定電話宛てが3分あたり8.79円（税込）と、光電話とほぼ同じです。

SoftBankの携帯電話とのセット割引「おうち割 光セット」が適用されることで、携帯電話の月額料金が永年最大1,100円（税込）割引になる点も大きなメリットです。SoftBankユーザーは、自分のライフスタイルやインターネット回線の有無に合わせてサービスを選べます。（出典：SoftBank公式サイト情報）

比較表で一目瞭然！主要2社の料金シミュレーション

ここでは、仮の利用状況を想定し、KDDIとSoftBankの主要サービスを比較してみましょう。
例えば、「月間の基本通話料が固定電話宛に30分、携帯電話宛に10分」と仮定した場合の目安です。

※上記はあくまで目安であり、実際の料金は利用状況やキャンペーンによって異なります。正確な料金は各社公式サイトでご確認ください。

工事の必要性やサポート体制についても確認

固定電話を導入・乗り換えする際には、料金プランだけでなく、工事の有無や手続きの手間、万が一の際のサポート体制も重要な検討材料となります。特に、現在のNTTアナログ回線から切り替える場合は、その手順を理解しておくことがスムーズな移行に繋がります。

新規導入・乗り換え時の工事と期間

NTT以外の多くの固定電話サービスは、光回線とセットで提供されるIP電話です。そのため、光回線を新たに導入する場合は、自宅への光ファイバー引き込み工事が必要になります。

工事には立ち会いが必要な場合が多く、申込みから開通まで数週間から1ヶ月程度かかることが一般的です。特に引っ越しシーズンなど繁忙期には、さらに時間がかかることもあります。既に光回線が導入されている場合は、宅内工事は不要で、ルーターの設定変更だけで済む場合もあります。

SoftBankの「おうちのでんわ」のように、工事不要でコンセントに挿すだけで利用できるサービスもありますが、多くは光回線環境が前提となります。工事の費用も数万円かかることがありますが、キャンペーンで無料になることも多いため、申し込み前に必ず確認しましょう。（出典：各社公式サイト情報）

故障・トラブル時のサポート体制

固定電話は、緊急時にも利用する重要な通信手段です。万が一の故障やトラブルが発生した際に、迅速かつ適切なサポートが受けられるかは、電話会社を選ぶ上で非常に重要なポイントです。

各社とも、電話やチャットでの問い合わせ窓口を設けていますが、受付時間や対応速度は異なります。24時間対応しているか、専門のサポートスタッフがいるか、WebサイトにQ&Aが充実しているかなどを確認しましょう。

特に、電話がつながらない、発信できないといった緊急性の高いトラブルが発生した場合に、どのような手順でサポートを受けられるか、修理対応の目安期間なども事前に把握しておくと安心です。ユーザーレビューなども参考にしながら、サポート体制の手厚さも評価基準に含めることをお勧めします。

既存電話番号の引き継ぎ（番号ポータビリティ）

長年利用してきた固定電話番号を、NTT以外の電話会社に乗り換える際も、そのまま使い続けたいと考える方は多いでしょう。これを「番号ポータビリティ」と呼びます。多くのIP電話サービスでは、NTT東日本・西日本で取得した固定電話番号を、条件を満たせば引き継ぐことが可能です。

ただし、番号ポータビリティにはいくつかの条件があります。例えば、利用しているNTTの回線種別や、提供エリアによっては引き継ぎができない場合もあります。また、番号ポータビリティには手数料が発生することが一般的です。手続きには、現在のNTTの契約内容を確認し、新しい電話会社に申請する必要があります。

スムーズに番号を引き継ぐためには、乗り換え先の電話会社に早めに相談し、必要な書類や手続きの流れを確認することが重要です。特に、NTTから光コラボレーションサービスに移行する場合は、そのプロバイダで電話番号を引き継げるかどうかの確認が不可欠です。（出典：総務省の番号ポータビリティに関する情報）

あなたに最適な電話会社の見つけ方

ここまでNTT以外の主要な固定電話サービスと、選ぶ際のチェックポイントを見てきました。最後に、これまでの情報を踏まえ、あなたに最適な電話会社を見つけるための具体的なステップをご紹介します。

自分の利用状況を正確に把握する

最適な電話会社を選ぶ第一歩は、ご自身の固定電話の利用状況を正確に把握することです。以下の点を具体的に書き出してみましょう。

• 月間の通話時間と主な発信先：固定電話宛が多いか、携帯電話宛が多いか、国際電話の利用はどうか。
• インターネットの利用状況：現在利用している光回線、またはこれから導入する予定の回線は何か。
• 携帯電話のキャリア：au、SoftBank、docomoなど、どのキャリアを利用しているか。家族のキャリアも確認。
• 固定電話へのこだわり：FAX利用の有無、ナンバーディスプレイなどの付加サービスの必要性。
• 現在の電話番号：NTTのアナログ回線番号を引き継ぎたいか、新しい番号で構わないか。

これらの情報をもとに、前述の「チェックリスト」と照らし合わせることで、優先順位が明確になります。

複数社の見積もりを取り、比較検討する

自分の利用状況が把握できたら、複数の電話会社の料金プランを具体的に比較検討しましょう。特に、現在利用している携帯電話のキャリアと連携したセット割引は、大きな節約効果を生む可能性があります。

1. 自身の携帯電話キャリアと同じ通信会社の固定電話サービスをチェック：例：auユーザーならKDDI（auひかり電話）、SoftBankユーザーならSoftBank（SoftBank光電話・おうちのでんわ）。
2. お住まいの地域で利用できるその他の光回線事業者やCATV会社も検討：地域限定の割引やサービスがある場合も。
3. 各社のウェブサイトで料金シミュレーションを行う：月額料金、通話料、初期費用、キャンペーン割引などを考慮した総額で比較。
4. 不明な点は積極的に問い合わせる：コールセンターやオンラインチャットを活用し、疑問を解消する。

単一のサービスだけで判断せず、総合的なコストパフォーマンスで比較することが重要です。（出典：各社公式サイト情報）

契約前に最終確認！注意すべきポイント

契約する電話会社を決定したら、申し込む前に以下の最終確認を行いましょう。

• 契約内容の最終確認：月額料金、通話料、オプション料金、契約期間、解約金など、提示された条件に間違いがないか。
• キャンペーンの適用条件：割引や特典が、契約後も継続して適用されるか、期間や条件に注意。特に「○ヶ月間無料」などの限定期間には注意。
• 工事の有無と日程：工事が必要な場合、希望する日程で対応可能か、立ち会いの必要性などを確認。
• 番号ポータビリティの手続き：現在の電話番号を引き継ぐ場合、手続きは正確に行われているか、引き継ぎ手数料は発生するか。
• 重要事項説明書の熟読：契約書や重要事項説明書は、隅々まで目を通し、不明な点は必ず質問して理解してから契約する。

これらを怠ると、後々トラブルの原因となることがあります。納得のいく形で契約を進め、快適な固定電話ライフをスタートさせましょう。