概要: MBO(マネジメント・バイアウト)による企業非上場化は、経営陣が自社株を買い取り、上場を廃止するプロセスです。本記事では、MBO後の持株会や株主、配当、報酬といった様々な疑問点について解説します。
MBOとは?非上場化の背景と目的
MBOの基本的な仕組みとメリット
MBO(マネジメント・バイアウト)とは、既存の経営陣が自社の株式を買い取り、経営権を掌握して非上場化する手法を指します。これは、企業価値の向上や経営の自由度を高めることを主な目的として行われます。
非上場化によって、企業は短期的な株価変動や市場の評価に左右されることなく、中長期的な視点での事業戦略や投資に集中できるようになります。これにより、より大胆な改革や投資が可能となり、本質的な企業価値向上に繋がりやすいとされています。
また、上場企業特有の厳しい情報開示規制や、監査・IR活動にかかるコスト、そして敵対的買収からの防衛といった側面も、MBOを選択する大きなメリットとなります。経営陣が直接的なオーナーシップを持つことで、迅速な意思決定と実行が期待できる点も特筆すべきでしょう。
このようなメリットから、近年MBOによる非上場化の動きが活発化しており、特に経営環境が大きく変化する現代において、その strategic な意義が再評価されています。市場の目が届かないところで、じっくりと企業を育て直すという選択は、多くの企業にとって魅力的に映るのです。
東証市場改革とアクティビストの影響
MBOによる非上場化が増加している背景には、東京証券取引所(東証)の市場改革が大きく関係しています。2022年の市場区分再編以降、東証は上場維持基準の厳格化を進めており、多くの企業がその基準を満たすための対応を迫られています。
特に、2025年11月6日時点では、新しい上場維持基準を下回る企業が174社に上ることが明らかになっています。内訳はプライム市場で50社、スタンダード市場で86社、グロース市場で38社と、全市場で広範に影響が出ています。これらの企業は、基準適合、市場区分の変更、地方取引所への重複上場、あるいは非公開化といった対応策を検討せざるを得ない状況にあります。
さらに、株主価値の最大化を求める「アクティビスト(物言う株主)」からの圧力の高まりも、MBOを促す要因となっています。アクティビストは、低収益や低PBR(株価純資産倍率)の企業に対して、事業売却や自社株買い、役員交代などを要求し、経営陣に大きなプレッシャーをかけます。
このような外部からの圧力から解放され、より自由度の高い経営環境を構築するために、MBOによる非上場化を選択する企業が増えているのです。市場のプレッシャーやコストから逃れ、企業本来の姿を取り戻す動きとも言えるでしょう。
近年のMBO事例とその動機
2024年には、MBOによる非上場化を選択する大手企業の事例が相次いで報じられ、その傾向はさらに顕著になっています。代表的な事例としては、永谷園、ベネッセホールディングス、ローソンなどが挙げられます。
これらの企業がMBOに踏み切った動機は様々ですが、共通するのは、上場企業としての制約から脱却し、より柔軟かつ迅速な経営判断を行いたいという思いです。例えば、永谷園は「中長期的な視点での抜本的な事業構造改革」を目的とし、ベネッセは「教育事業の変革を加速させるため」と説明しています。
ローソンの場合は、NTTとKDDIが共同でTOB(株式公開買付け)を実施し、ローソンを非上場化することで、コンビニエンスストア事業のデジタル化や新サービスの展開を加速させる狙いがあります。これは、単独での非上場化だけでなく、企業グループ再編の一環としてMBOが活用されるケースも示しています。
これらの事例からわかるように、MBOは単なる「上場廃止」ではなく、企業が激変するビジネス環境の中で生き残り、成長していくための戦略的な選択肢として、ますますその重要性を増していると言えるでしょう。企業が真に望む姿を実現するための手段として、MBOの活用が広がりを見せています。
MBO実施後の持株会や株主の疑問
持株会制度の役割と非上場化後の変化
持株会制度は、従業員や役員が自社株式を共同購入する仕組みであり、企業と従業員の関係強化や財産形成支援を目的としています。非上場企業においても導入されているケースは多く、安定株主の確保や相続税の節税、後継者の株式買い取り資金対策といったメリットが挙げられます。
MBOによる非上場化後、持株会が既存の少数株主の受け皿となることもあります。しかし、非上場化に伴い、持株会のメンバーにとってはいくつかの重要な変化が生じます。最も大きな点は、株式の換金性の著しい低下です。市場での売買が不可能になるため、株式を売却して現金化したい場合、買い手を見つけることが極めて困難になります。
また、非上場株式の株価評価の不透明さもデメリットとして挙げられます。市場価格がないため、公正な株価を算定することが難しく、売却時の価格設定でトラブルが生じる可能性もあります。MBOのプロセスにおいては、経営陣と持株会の間に利益相反が生じる可能性も指摘されており、公正な情報提供と透明性のあるプロセスが不可欠です。
非上場化後の持株会は、これまでとは異なる視点でその役割を再定義する必要があります。従業員へのメリット維持と、少数株主としての権利保護の両立が重要な課題となるでしょう。
既存株主が直面する利益相反と公正性の確保
MBOは、経営陣が自社の株式を買い取るという性質上、既存の少数株主との間で利益相反が生じるリスクを常に抱えています。経営陣はできるだけ低い価格で株式を買い取りたいと考える一方、既存株主はできるだけ高い価格で売りたいと考えるためです。
このような状況で、公正な買収価格を決定し、少数株主の利益を適切に保護することがMBOの成功には不可欠です。TOB(株式公開買付け)を通じて株式を買い取る場合、市場価格に上乗せされる「プレミアム」が重要な指標となります。
最新の動向では、TOBを成功させるためには、市場価格に対して20〜40%程度のプレミアムを設定するのが一般的とされています。例えば、パリミキホールディングスの事例では、1株当たり581円の買付価格が提示され、これは3ヶ月平均プレミアムで47.46%に相当しました。このような十分なプレミアムが提示されることで、少数株主は公正な対価を得たと納得しやすくなります。
公正性を確保するためには、独立した第三者機関による株価算定や、特別委員会による交渉など、透明性の高いプロセスが求められます。また、全ての株主が平等に情報にアクセスし、十分に検討する期間が確保されることも重要です。
非上場化後の株主構成とガバナンス
MBOによる非上場化が完了すると、企業の株主構成は大きく変化します。これまで市場に分散していた株式は、主に経営陣や特定の投資ファンド、そして一部の既存株主(持株会など)に集約されます。
この変化は、経営の意思決定プロセスに大きな影響を与えます。上場企業では、多数の株主の意見や市場の動向を常に意識する必要がありましたが、非上場化後は、株主の数が限定されるため、より迅速かつ柔軟な意思決定が可能となります。これは、長期的な視点での大胆な事業戦略や投資を実行する上で、大きな強みとなり得ます。
しかし、一方で、少数株主保護の重要性も増します。市場という公開された監視の目がなくなるため、経営陣の独走を抑制する仕組みや、透明性の高いガバナンス体制の構築が不可欠です。非上場企業であっても、取締役会の独立性確保や、監査役会によるチェック機能の強化など、健全な経営体制を維持するための努力が求められます。
非上場化後のガバナンスは、株主との信頼関係を基盤とし、企業の持続的な成長を支える上で極めて重要な要素となります。新たな株主構成のもとで、いかに効率的かつ公正なガバナンスを実現するかが、MBO成功の鍵を握るでしょう。
MBOにおける株式併合の役割
株式併合とは?その目的と手続き
MBOによる非上場化において、株式併合は少数株主を排除(スクイーズアウト)し、会社を完全な非公開会社とするために非常に重要な役割を果たします。株式併合とは、複数の株式を一つにまとめて発行済み株式数を減らす手続きのことです。
例えば、100株を1株に併合するといった形で、発行済み株式数を大幅に削減します。この際、併合比率に応じて1株未満の端株が発生することがあります。この端株を持つ株主は、議決権を行使できなくなるため、会社法に基づき、その端株に相当する金銭(公正な対価)を受け取ることになります。
MBOにおける株式併合の主な目的は、非上場化後の経営をより円滑に進めるために、経営陣やMBOを主導するスポンサーが全株式を保有する状態を目指すことにあります。これにより、少数株主の意見に配慮する負担が軽減され、迅速な意思決定が可能となります。
株式併合の手続きには、取締役会での決定、株主総会での特別決議(発行済み株式総数の過半数を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上の賛成が必要)、そして所定の期間内の債権者保護手続きなどが含まれます。これらの手続きを経て、株主は保有株式数に応じて金銭を受け取るか、新たな株券(またはその端数に応じた金銭)を受け取ることになります。
株式併合と現金交付:少数株主の権利
株式併合は、MBOにおける少数株主のスクイーズアウトに不可欠な手段ですが、その過程で少数株主の権利が不当に侵害されないよう、法的な保護が与えられています。株式併合によって1株未満の端数しか持たなくなった株主には、その端数に応じた金銭が交付されることになります。
この金銭交付の際、その対価が公正な価格であるかどうかが重要な論点となります。会社法では、株式併合に反対する株主は、会社に対して公正な価格での株式買い取りを請求できる「株式買取請求権」が認められています。これは、少数株主が一方的に不利な条件で株式を奪われることを防ぐための重要な権利です。
交付される金銭の公正性を担保するためには、独立した第三者機関による株価算定が不可欠です。株価算定は、MBOの提案時だけでなく、株式併合の局面でも行われ、株主に対して詳細な説明がなされるべきです。透明性のある情報開示と、株主が十分な情報に基づいて判断できる期間の確保が求められます。
少数株主にとっては、市場での売却機会が失われることへの対価として、適正な価格での現金交付は極めて重要です。企業側は、株主への丁寧な説明と、法的な手続きの遵守を徹底することで、不要な紛争を避ける努力をしなければなりません。
株式併合に伴う法的な論点と注意点
株式併合は、MBOを完了させる上で不可欠な手続きですが、会社法に基づく厳格な手続きと、いくつかの法的な論点を伴います。これらを適切にクリアしなければ、MBO自体が頓挫したり、後々紛争に発展したりするリスクがあります。
まず、会社法上の手続きとして、株主総会の特別決議が必要です。この際、株主への招集通知には、株式併合の理由、併合の割合、効力発生日、端数処理の方法、そして反対株主の買取請求権に関する事項などを詳細に記載することが義務付けられています。特に併合価格の適正性は、株主から異議が出やすい論点の一つです。
また、株式併合には、債権者保護手続きも必要となる場合があります。これは、資本金の減少を伴う併合の場合など、会社の財務状況に影響を与える可能性があるため、債権者の権利を保護するための措置です。適切な公告期間を設け、債権者が異議を申し立てる機会を確保しなければなりません。
さらに、株式併合に伴う税務上の影響も無視できません。株主が受け取る金銭が、税務上どのように扱われるか(例えば、みなし配当として課税される可能性など)について、事前に十分に情報提供を行うことが重要です。企業は、これらの法的な要件を遵守し、株主や債権者に対して透明性の高いプロセスで説明責任を果たす必要があります。
MBOと配当:みなし配当や報酬の実際
非上場化が配当政策に与える影響
MBOによる非上場化は、企業の配当政策に直接的かつ明確な影響を与えるとは限りませんが、間接的には大きな変化をもたらす可能性があります。上場企業は、株主への還元として配当を重視する傾向にあり、市場の期待に応える形で配当政策を決定することが少なくありません。
しかし、非上場化することで、企業は短期的な株価変動や市場からのプレッシャーから解放されます。これにより、経営陣はより中長期的な視点で事業戦略を立案し、投資を実行できるようになります。例えば、成長のための設備投資や研究開発に資金を集中させ、一時的に配当を抑制するという選択肢も、非上場化後には取りやすくなります。
つまり、非上場化は配当を減らすことを意味するのではなく、配当を「経営戦略の一部」としてより自由に、柔軟に決定できる環境が整うということです。企業が持続的な成長を実現し、将来的に大きな収益を生み出すことで、結果的に株主へのリターンが向上する可能性も考えられます。
現時点での最新情報からは、MBOが直接的に配当政策に影響を与えるという具体的なデータは見られませんが、経営の自由度が高まることで、戦略的な配当政策の策定が可能になるという間接的な影響は十分に考えられるでしょう。
みなし配当の税務上の扱いと注意点
非上場株式の譲渡や、MBOに伴う株式併合の際に株主が受け取る金銭には、「みなし配当」という税務上の概念が適用されることがあります。これは、譲渡価格が株式の額面価格を超過した場合に、その超過分が配当とみなされ、課税対象となる仕組みです。
具体的には、非上場株式を売却した際に、取得費を上回る部分だけでなく、資本金等の額を超える部分が配当として扱われることがあります。この「みなし配当」は、通常の株式譲渡益とは異なり、配当所得として総合課税の対象となる可能性があり、税率が高くなるケースもあるため、注意が必要です。
特にMBOにおいて、少数株主が株式併合などで金銭を受け取る場合、その金銭の一部がみなし配当として課税される可能性があります。株主は、自身が受け取る対価がどのように課税されるのか、事前に税理士などの専門家に相談し、正確な情報を把握しておくことが重要です。
また、参考情報にあるように、非上場株式の譲渡益や損失は、上場株式の譲渡益とは損益通算できません。さらに、著しく安価な取引は、贈与税や所得税(低額譲渡)などの税務上のリスクを伴う可能性もあります。MBOプロセスにおける株式の売買は、税務上の影響を十分に考慮して進める必要があります。
経営陣の報酬体系と企業価値向上
MBOによる非上場化後、経営陣の報酬体系は、上場企業時代とは異なるアプローチが取られることが多くなります。上場企業では、短期的な業績や株価に応じたインセンティブ報酬が中心となりがちですが、非上場化後は中長期的な企業価値向上にコミットするような報酬体系が導入される傾向にあります。
例えば、株式報酬(ストックオプションや譲渡制限付株式など)を通じて、経営陣が企業の真のオーナーシップを実感できるような仕組みが強化されます。これにより、経営陣は自らの手で企業価値を高めることに直接的なメリットを感じ、より意欲的に経営に取り組むことが期待できます。
また、外部の投資ファンドがMBOに参画する場合、ファンドの投資期間(通常は5年〜7年程度)に合わせた目標設定や、その達成度に応じた報酬体系が構築されることも一般的です。これにより、経営陣は明確な目標に向かって努力し、最終的な企業売却や再上場時に大きなリターンを得るインセンティブを持つことになります。
非上場化後の経営陣の報酬体系は、単なる給与だけでなく、企業価値向上に連動したインセンティブプランが中心となり、経営陣のモチベーションとコミットメントを最大限に引き出す設計が重要となります。これが結果として、企業の持続的な成長と発展に繋がることが期待されます。
MBOによる非上場化のメリット・デメリット
企業側の主なメリットと戦略的意義
MBOによる非上場化は、企業にとって多岐にわたる重要なメリットをもたらし、その戦略的意義は非常に大きいと言えます。最も大きなメリットは、経営の自由度の大幅な向上です。
上場企業は、四半期ごとの業績発表や株主からの短期的なリターン要求、市場の評価に常に晒されています。しかし、非上場化することで、こうした外部からのプレッシャーから解放され、経営陣は中長期的な視点での大胆な事業戦略や投資計画を実行しやすくなります。例えば、短期的には利益を圧迫する可能性のある研究開発や設備投資なども、腰を据えて推進できるようになります。
また、情報開示コストや上場維持費用といったコスト削減も無視できないメリットです。これらの資源を本業に集中させることで、企業の本質的な競争力強化に繋がります。さらに、敵対的買収からの防衛策としてもMBOは有効であり、経営の安定化に寄与します。
これらのメリットを活かすことで、企業はより迅速な意思決定と実行が可能となり、激変する市場環境において、競争優位性を確立し、持続的な成長を実現するための強固な基盤を築くことができるのです。
株主側が直面するデメリットとリスク
MBOによる非上場化は企業にとってメリットが大きい一方で、既存の株主、特に少数株主にとってはいくつかのデメリットやリスクが存在します。
最大のデメリットは、株式の換金性の喪失です。上場企業の場合、株式市場で自由に売買できますが、非上場化するとその機会が失われます。MBOプロセスで株式が買い取られなかった株主は、非上場株式の買い手を探すことが非常に困難になり、現金化が望めなくなる可能性があります。これは、資産の一部が流動性の低い状態に固定されることを意味します。
次に、株価評価の不透明さもリスクの一つです。市場価格が存在しないため、非上場株式の公正な価値を判断することが難しくなります。MBOにおけるTOB価格が、果たして公正な対価であったのか、疑問が残るケースも少なくありません。TOBプレミアムは20〜40%が一般的とされますが、個別の状況によっては不十分と感じる株主もいるでしょう。
また、非上場化後は、上場企業に課せられる厳格な情報開示義務がなくなるため、株主は企業の財務状況や経営に関する情報にアクセスしにくくなります。少数株主保護の体制が弱まる可能性もあり、ガバナンスの透明性が損なわれるリスクも考慮する必要があります。
これらのデメリットを理解し、MBO提案時に提示される買付価格や、非上場化後の株主としての扱いについて、慎重に検討することが株主には求められます。
非上場化後の企業の成長戦略と課題
MBOによって非上場化した企業は、新たな成長戦略を描くための自由なキャンバスを手に入れますが、同時に新たな課題にも直面します。
非上場化後の成長戦略としては、プライベートカンパニーとしての強みを最大限に活かすことが挙げられます。具体的には、市場の短期的な評価を気にせず、大胆な事業再編、新分野への投資、M&Aなどを迅速に実行できるようになります。例えば、永谷園が「抜本的な事業構造改革」を目指すように、時間をかけて基盤を立て直し、競争力を高めることが可能になります。
しかし、課題も少なくありません。まず、非上場化することで新たな資金調達の選択肢が限定されることがあります。株式市場からの直接的な資金調達は不可能となり、銀行借入やプライベートエクイティからの出資などが主な資金源となります。これは、大規模な投資が必要な場合に制約となる可能性があります。
また、上場企業としての外部からのチェック機能が喪失することで、経営の透明性や規律が失われるリスクもあります。そのため、非上場化後も独立した監査役や社外取締役を置くなど、健全なガバナンス体制を維持する努力が不可欠です。将来的には、企業価値を高めた上で、再び上場(再上場)を目指すケースも存在しますが、その道のりも決して平坦ではありません。
MBOによる非上場化は、企業が一度立ち止まり、深く潜行して力を蓄えるための戦略的な一手です。その後の成長戦略と、それに伴う課題にいかに向き合うかが、MBOの真の成否を分けることになります。
まとめ
よくある質問
Q: MBOとは具体的にどのようなものですか?
A: MBO(マネジメント・バイアウト)とは、企業の経営陣が、外部の投資家などから資金調達を行い、自社の株式を買い集めることで、その会社を非上場化する手法です。経営の自由度を高めたり、短期的な株価の変動に左右されない長期的な経営戦略を実行したりすることを目的とします。
Q: MBOで非上場化すると、持株会や株主はどうなりますか?
A: MBOにより非上場化する場合、通常、既存の株主は保有株式を経営陣に売却することになります。持株会についても、その目的や規約によって取り扱いが異なりますが、一般的には株式の換金や、一部のケースでは退職金としての受け取りなどが検討されます。
Q: MBOで株式併合が行われることはありますか?
A: はい、MBOのプロセスにおいて、株式併合が行われることがあります。これは、少数株主の買い取りを容易にするためや、発行済株式数を調整するために実施される場合があります。株式併合により、保有株式数は減るものの、原則として株主の持分価値は維持されます。
Q: MBOにおける配当や報酬はどうなりますか?
A: MBO実施前の配当については、株主への利益還元として実施されることがあります。また、MBOを主導した経営陣への報酬は、MBOの成約やその後の経営実績に応じて設定されることが一般的です。MBOに伴うみなし配当についても、税務上の取り扱いを確認する必要があります。
Q: MBOで非上場化するメリットとデメリットは何ですか?
A: メリットとしては、経営の自由度向上、長期的な視点での経営戦略実行、株主との関係性変化(少数株主の解消など)が挙げられます。一方、デメリットとしては、資金調達の制約、経営陣の責任増大、非公開化による情報開示の減少などが考えられます。