1. 育児休業制度改正!10月から始まる新たな育児休業について徹底解説
  2. 【10月1日施行】育児休業制度、何が変わる?
    1. 「産後パパ育休」で父親の育児参加が促進!
    2. 企業に求められる環境整備と情報公開の義務化
    3. 育児休業給付金と期間延長に関する変更点
  3. 2回目以降の育児休業取得、どうなる?
    1. 柔軟な取得が可能になった「分割取得」
    2. 再取得時の給付金、通常の育休との併用ルール
    3. 育児休業中の就業、どこまで認められる?
  4. 2人目以降の出産と育児休業の活用法
    1. 上の子がいる家庭での育児休業戦略
    2. 夫婦で協力!育児休業のバトンパス
    3. 制度延長や給付金活用の注意点
  5. パパもママも!知っておきたい育児休業のポイント
    1. 男性育児休業取得率30%超え!取得への後押し
    2. キャリアを中断しない!「育児休業中の就業」の活用
    3. 申請期限と給付金のシミュレーションの重要性
  6. 育児休業取得で迷ったら?よくある質問に答えます
    1. Q1: 会社に育休取得を申し出るタイミングは?
    2. Q2: 育休中の収入が心配。給付金はどれくらいもらえる?
    3. Q3: 育休取得でキャリアに影響はありますか?
  7. まとめ
  8. よくある質問
    1. Q: 2024年10月1日から具体的に何が変わりますか?
    2. Q: 2回目の育児休業は、1回目と比べて取得しやすくなりますか?
    3. Q: 2人目の出産の場合、育児休業はどのように取得できますか?
    4. Q: 育児休業中に給付金はもらえますか?
    5. Q: 育児休業の取得を迷っています。相談できる窓口はありますか?

育児休業制度改正!10月から始まる新たな育児休業について徹底解説

2023年10月からの育児休業制度の改正は、働きながら子育てをする方々にとって、より柔軟で支援的な環境をもたらします。
特に、男性の育児参加を強力に後押しする「産後パパ育休」をはじめ、企業に求められる役割も大きく変化しました。
本記事では、この改正のポイントを詳しく解説し、夫婦で育児休業を最大限に活用するための情報をお届けします。

【10月1日施行】育児休業制度、何が変わる?

「産後パパ育休」で父親の育児参加が促進!

2022年10月1日より施行された「産後パパ育休」(正式名称:出生時育児休業)は、父親が子の出生後8週間以内に、最大4週間(28日間)まで取得できる画期的な制度です。この期間は2回まで分割して取得することが可能で、出産直後の妻の身体的な回復をサポートしたり、新生児との絆を深めたりする貴重な機会となります。

特筆すべきは、通常の育児休業が原則1ヶ月前までの申請が必要なのに対し、産後パパ育休は原則として休業開始の2週間前までに会社に申し出れば良い点です。これにより、出産時期が前後するなどの予期せぬ事態にも柔軟に対応しやすくなりました。また、労使協定が結ばれていれば、休業中でも最大10日間まで就業が認められるため、収入の心配を軽減しつつ育児に専念できる環境が整っています。

この制度は、男性がこれまでよりも早期に、かつ柔軟に育児に参加できるよう設計されており、夫婦で協力して育児を行う新しいライフスタイルを強力に支援します。

企業に求められる環境整備と情報公開の義務化

育児休業制度の改正は、働く個人の権利だけでなく、企業の責任も明確にしました。2022年4月1日からは、企業に対して以下の義務が課せられています。

  • 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備
  • 妊娠・出産を申し出た従業員への個別周知・意向確認

さらに、従業員数1,000人を超える大企業には、男性の育児休業取得率などの公表が義務付けられました。これにより、企業の育児休業取得への意識が高まり、男性が育児休業を取りやすい職場環境づくりが進むことが期待されます。

また、2025年10月には、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対し、柔軟な働き方(テレワーク、短時間勤務など)を支援するための措置を企業が2つ以上講じることが義務化されます。これは、育児休業期間だけでなく、その後の長期的な仕事と育児の両立を支援するための重要な一歩と言えるでしょう。

育児休業給付金と期間延長に関する変更点

育児休業期間中の収入不安を軽減するため、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。産後パパ育休の場合、「出生時育児休業給付金」として、休業開始時の賃金の最大67%が支給されます。この給付金は、通常の育児休業給付金とは独立して受給できるため、より手厚い経済的支援が期待できます。

原則として子どもが1歳になるまで取得できる育児休業ですが、保育所に入れないなどのやむを得ない理由がある場合には、最長で2歳まで延長が可能です。ただし、2025年4月からは、この延長手続きがより厳格化されます。単に保育所入所保留通知書を提出するだけでなく、速やかな職場復帰のために保育所の利用申し込みが確実に行われたものであることが求められるようになります。

これにより、制度の悪用を防ぎつつ、本当に支援が必要な家庭に確実に給付が行き届くようにするための変更と言えます。育児休業を検討する際は、給付金に関する最新の情報を確認し、計画的に利用することが重要です。

2回目以降の育児休業取得、どうなる?

柔軟な取得が可能になった「分割取得」

今回の制度改正の大きな特徴の一つが、育児休業の柔軟な「分割取得」が可能になった点です。特に「産後パパ育休」では、子の出生後8週間以内に、合計4週間までを2回に分けて取得できます。これは、従来の育児休業が原則として一括での取得であったことを考えると、大きな変化です。

例えば、父親が「出産直後の入院期間に1回目を取得して妻のサポートと手続きを行い、退院後しばらく落ち着いてから、育児に本格的に慣れるために2回目を取得する」といった柔軟な使い方が可能になります。これにより、育児の状況や家庭のニーズに合わせて、より効果的に育児休業を活用できるようになりました。

この分割取得の仕組みは、夫婦それぞれの仕事の状況や、上の子がいる場合のケアなど、多様な家庭環境に対応するための重要な機能と言えるでしょう。

再取得時の給付金、通常の育休との併用ルール

2回目以降の育児休業取得についても、給付金の支給は引き続き行われます。特に「出生時育児休業給付金」と「育児休業給付金」は、それぞれ独立した制度として運用されており、併用して受給することが可能です。これにより、父親が産後パパ育休を分割で取得し、その後母親が通常の育児休業に入る場合など、夫婦で連携して給付金を受け取ることができます。

各給付金は、休業開始時の賃金の最大67%が支給されます。これにより、育児休業中の収入減を心配することなく、安心して育児に専念できる環境が整えられています。ただし、それぞれの給付金には受給要件や支給期間が定められていますので、事前にハローワークや会社の担当部署に確認し、ご自身の状況に合わせた計画を立てることが重要です。

給付金を最大限に活用することで、育児休業中の経済的な不安を大きく軽減し、夫婦共に心にゆとりを持って子育てに取り組むことができるでしょう。

育児休業中の就業、どこまで認められる?

育児休業中に一部の業務を行うことは、これまでは原則として認められていませんでしたが、産後パパ育休では、労使協定が結ばれている場合に限り、休業中でも就業が可能となりました。具体的には、最大10日間(10日を超える場合はその時間を4週間から除いた残りの期間)まで、業務を行うことができます。

この制度は、以下のようなメリットをもたらします。

  • 育児休業中の収入減を部分的に補うことができる
  • 完全に業務から離れることによる不安を軽減できる
  • 簡単な引き継ぎや連絡調整など、必要最低限の業務をこなすことができる

ただし、あくまで「育児休業中の就業」であり、通常の勤務形態とは異なります。就業できる日数や時間、業務内容については、事前に会社としっかり話し合い、労使協定の内容を確認しておくことが不可欠です。この柔軟な制度を活用することで、育児と仕事のバランスをより効果的に調整し、スムーズな職場復帰につなげることができるでしょう。

2人目以降の出産と育児休業の活用法

上の子がいる家庭での育児休業戦略

2人目以降の出産では、新生児の育児に加え、上の子のケアも同時に行う必要があります。このような状況において、育児休業制度は非常に強力な味方となります。特に、産後パパ育休の分割取得や、夫婦で育児休業の時期をずらすなどの戦略が有効です。

例えば、父親が産後パパ育休を新生児の出生直後に取得し、母親が退院した後に上の子の世話を主に担当する期間に充てることで、母親は新生児の育児に専念できます。その後、母親が産後8週間の産休・育休を取得し、父親は時期をずらして再度育児休業を取得することで、育児の手が途切れることなくサポートを継続することが可能です。

上の子が保育園や幼稚園に通っている場合は、送り迎えの協力体制を築いたり、一時預かりサービスを組み合わせたりすることも検討しましょう。夫婦で育児休業の取得計画を立てる際は、上の子の生活リズムや心情にも配慮し、家庭全体で協力し合うことが成功の鍵となります。

夫婦で協力!育児休業のバトンパス

男性の育児休業取得率が年々上昇している現代において、夫婦で育児休業を連携して取得する「バトンパス」戦略は、子育て家庭にとって非常に有効な選択肢です。父親が産後パパ育休で出産直後の慌ただしい時期を支え、その後母親が通常の育児休業にスムーズに移行することで、切れ目ない育児サポートが実現します。

具体的には、まず父親が出生後8週間以内に産後パパ育休を最大4週間取得し、退院後の母親と新生児をサポート。その後、父親が職場復帰し、入れ替わりで母親が産後休暇と育児休業を取得します。さらに、子どもが1歳になる手前で父親が再度育児休業を取得したり、夫婦で協力して時短勤務を利用したりすることで、長期的な育児期間を支え合えます。

このバトンパス方式は、夫婦それぞれのキャリアプランや、職場の状況に合わせて柔軟に調整することが可能です。制度を賢く活用し、夫婦で協力し合うことで、育児の負担を分散させ、互いに支え合いながら子育てを楽しむことができるでしょう。

制度延長や給付金活用の注意点

2人目以降の育児休業でも、子どもが保育所に入所できないなどの理由があれば、最長で2歳まで育児休業の延長が可能です。しかし、この延長手続きには注意が必要です。

特に、2025年4月からは、育児休業給付金の期間延長手続きがより厳格化されます。単に保育所の入所保留通知書を提出するだけでなく、速やかな職場復帰のために保育所の利用申し込みが継続的に行われたものであることが認められる必要があります。これは、形式的な申請ではなく、実際に保育の必要性があることを証明するための措置です。

また、2人目以降の出産の場合、上の子の保育園・幼稚園の状況や、学童保育の利用なども考慮に入れる必要があります。育児休業の期間延長を検討する際は、早めに自治体や保育所、会社の担当部署に相談し、必要な書類や手続きを確認しておくことが重要です。給付金の受給条件も、期間延長によって変動する可能性があるため、併せて確認するようにしましょう。

パパもママも!知っておきたい育児休業のポイント

男性育児休業取得率30%超え!取得への後押し

日本の男性育児休業取得率は、これまで国際的に見ても低い水準にありました。しかし、今回の育児休業制度改正、特に「産後パパ育休」の導入が大きな後押しとなり、状況は大きく変化しています。

厚生労働省の調査によると、2023年度の男性の育児休業取得率は30.1%となり、調査開始以来初めて3割を超えました。これは、政府が掲げる「2025年までに男性の育児休業取得率を30%に引き上げる」という数値目標を前倒しで達成したことになります。大企業における男性育児休業取得率の公表義務化も、取得を促進する重要な要因となっています。

このデータは、男性が育児休業を取得することに対する社会的な理解が深まり、企業内の環境整備も進んでいることを示唆しています。男性が育児に参加することへの意識が高まり、もはや特別なことではなく、当たり前の選択肢になりつつあると言えるでしょう。パパも積極的に育児休業を取得し、夫婦で子育てに取り組む時代が本格的に到来しています。

キャリアを中断しない!「育児休業中の就業」の活用

育児休業取得を検討する際、キャリアの中断や職場復帰への不安を感じる方は少なくありません。しかし、産後パパ育休では、労使協定が結ばれていれば休業中でも最大10日間まで就業が可能という柔軟な制度が導入されました。

この制度は、以下のような点でキャリアへの影響を軽減する助けとなります。

  • 完全に業務から離れることによるブランク期間を短縮できる
  • 緊急性の高い業務や引継ぎを円滑に行うことができる
  • 職場とのつながりを維持し、復帰への心理的障壁を低減できる
  • 育児休業中の収入減を部分的に補うことができる

もちろん、就業はあくまで「育児休業中の例外的な措置」であり、育児に支障がない範囲で行うべきです。会社と事前に十分な話し合いを行い、就業する日数や時間、業務内容を明確にしておくことが重要です。この制度を上手に活用することで、育児とキャリアの両立をより効果的に実現できるでしょう。

申請期限と給付金のシミュレーションの重要性

育児休業を円滑に取得するためには、事前の情報収集と計画が不可欠です。特に、申請期限と給付金のシミュレーションは、夫婦で早めに話し合っておくべき重要なポイントです。

申請期限について

  • 産後パパ育休(出生時育児休業):原則として休業開始の2週間前まで
  • 通常の育児休業:原則として休業開始の1ヶ月前まで

それぞれの制度で申請期限が異なるため、混同しないよう注意が必要です。特に産後パパ育休は短期間での申請が可能ですが、それでも余裕を持った準備をおすすめします。

給付金のシミュレーションについて

育児休業給付金は、休業開始時の賃金の最大67%が支給されます。具体的な支給額は、休業前の給与額や休業期間によって変動します。育児休業中の家計を安定させるためにも、事前に給付金がいくら支給されるのかをシミュレーションし、生活費とのバランスを検討しておくことが非常に重要です。

会社の担当部署やハローワーク、自治体の窓口などで相談し、正確な情報を得ながら、計画的に育児休業を設計しましょう。

育児休業取得で迷ったら?よくある質問に答えます

Q1: 会社に育休取得を申し出るタイミングは?

育児休業を会社に申し出るタイミングは、制度の種類によって異なります。

  • 産後パパ育休(出生時育児休業):子の出生後8週間以内であれば取得可能で、原則として休業開始の2週間前までに会社に申し出る必要があります。通常の育休よりも申請期間が短いため、急な出産にも対応しやすいのが特徴です。
  • 通常の育児休業:原則として、休業開始予定日の1ヶ月前までに会社に申し出ることが必要です。

いずれの場合も、早めに会社の人事担当者や上司に相談し、育児休業の意向を伝えておくことが円滑な取得につながります。会社の規定や手続きフローを確認し、必要書類を準備する時間も考慮に入れましょう。夫婦で育児休業を予定している場合は、お互いの職場への申し出タイミングも調整が必要です。

Q2: 育休中の収入が心配。給付金はどれくらいもらえる?

育児休業中の収入については、雇用保険から「育児休業給付金」が支給されるため、一定程度カバーされます。支給額は、原則として休業開始時の賃金日額に支給率をかけて算出されます。

  • 支給率:育児休業開始から6ヶ月間は賃金の67%、それ以降は50%が支給されます。(出生時育児休業給付金も同様に最大67%)

例えば、休業前の月給が30万円であれば、最初の6ヶ月間は月約20万円が支給される計算になります。ただし、給付金には上限額・下限額が設定されており、個々の状況によって変動します。

給付金を受け取るためには、雇用保険の加入期間などいくつかの要件を満たす必要があります。具体的にどれくらいの給付金がもらえるのか、ご自身のケースで確認したい場合は、ハローワークのウェブサイトで試算したり、会社の担当部署や管轄のハローワークに相談することをおすすめします。給付金を活用することで、経済的な不安を軽減し、育児に専念できる環境を整えましょう。

Q3: 育休取得でキャリアに影響はありますか?

育児休業は、働く人の権利として法律で定められており、育児休業を取得したことで不利益な扱いを受けることは禁止されています。

今回の制度改正により、企業は育児休業を取得しやすい環境を整備することが義務付けられ、特に1,000人を超える企業では男性の育児休業取得率の公表が義務化されました。これにより、育児休業を取得しやすい風土が醸成されつつあります。

また、2025年10月からは、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対し、テレワークや短時間勤務など、柔軟な働き方を支援する措置を企業が講じることが義務化されます。これは、育児休業後のキャリア形成を支援し、仕事と育児の両立を長期的にサポートするための重要な制度です。

もちろん、育児休業の期間や取得の仕方によっては、一時的に業務から離れることになりますが、復帰後にどのような働き方をしたいか、会社と事前に話し合い、キャリアプランを共有しておくことが重要です。育児休業は、新たな視点や経験を得る貴重な機会でもあります。これを前向きに捉え、自身のキャリアをさらに豊かなものにするためのステップとして活用しましょう。