概要: Slackにおける効率的なコミュニケーションに欠かせない「グループメンション」の作り方と設定を詳しく解説します。よくある「雑談がうざい」と感じる時の通知カスタマイズから、誤った全体メンションによる情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策まで、実務に役立つノウハウを網羅しました。
Slackの「グループメンション」とは?基本機能と種類をおさらい
グループメンションは、特定の複数メンバーを一括で呼び出すためのSlack内機能です。単に「グループ」というと、チャンネルやグループDMなど様々な形態が存在するため、まずはその定義と種類を明確に理解することが、業務効率化の第一歩となります。ここでは、Slackが提供する3つの主要な「グループ」概念を整理し、それぞれの特性と最適な利用シーンを解説します。
ユーザーグループメンションの仕組みとメリット
ユーザーグループとは、Slackの管理画面から任意のメンバーをまとめて一つのハンドル名(例: @営業チーム)を付与する有料プラン向けの機能です。このハンドルを入力するだけで、グループに所属するメンバー全員に一斉通知を送信できます。プロジェクトメンバーや部門単位で設定しておくことで、個別に名前を入力する手間が省け、メンション漏れによる情報伝達ミスを根本的に防げるのが最大のメリットです。
また、グループのメンバーは動的に管理されるため、人事異動に伴う引き継ぎ漏れのリスクも低減します。例えば「経理部」というユーザーグループを作成すれば、新メンバーが加入した際にグループに追加するだけで、過去の関連スレッドも含めて即座に情報共有が可能です。検索性と属人化の防止に大きく寄与する、組織的な情報基盤と言えるでしょう。
チャンネルとグループDM、機能の違い
Slackには「パブリックチャンネル」「プライベートチャンネル」「グループDM」という3つの会話空間があります。パブリックチャンネルは誰でも参加・閲覧可能で透明性が高く、プライベートチャンネルは招待されたメンバーのみが閲覧できる非公開空間です。これらは時系列でトピックを整理する「場」としての性質が強いです。
一方、グループDMは最大9名までの少人数で構成される、よりカジュアルでクローズドな会話空間です。チャンネルのように後からメンバーを追加することができず、一度会話を始めるとメンバー構成を変更できないという特性があります。そのため、アドホックな相談や、チャンネルを作るほどではない一時的なやり取りに適しています。履歴の検索性やファイル共有を考慮すると、中長期的なプロジェクトはチャンネルを、瞬間的な連絡はDMを使い分けるのが鉄則です。
デフォルトの全体通知機能「@channel」「@here」との比較
「@channel」はチャンネルに所属する全メンバーに通知が飛び、「@here」はその時点でアクティブなメンバーにのみ通知されます。これらはユーザーグループと異なり、誰でも簡単に使用できるため乱用されやすいという側面があります。
特に全員が強制通知を受け取る「@channel」は、総務省の調査でも約70%のインターネット利用者が感じている「情報漏洩等への不安」とは別種の、心理的負荷をチームに与えることがあります(出典:総務省「令和5年版 情報通信白書」)。ユーザーグループはこれらの全体通知と比較して、通知の範囲を必要最小限に絞り込めるため、「自分には関係ない通知」による集中力の阻害を大幅に軽減します。全員に知らせるべき情報と、特定のグループにのみ必要な情報を切り分けることが、健全なチャンネル運営の鍵です。
- ユーザーグループ: 通知範囲を限定可能。有料プラン機能。
- @channel: 全員に強制通知。オフライン含む全メンバー。
- @here: アクティブなメンバーのみ通知。
グループメンションの本質は「関連する人にだけ、確実に届ける」ことです。ユーザーグループ、チャンネル、DMの各特性を理解し、通知の範囲を適切にデザインすることが、情報過多の時代におけるリテラシーです。
簡単3ステップ!Slackでユーザーグループを作成する方法
ユーザーグループの作成は、Slackの管理画面から直感的に操作できるよう設計されています。ただし、初期設定ではワークスペースの管理者のみが作成・編集権限を持つため、一般メンバーが操作できない場合があります。ここでは作成の基本手順に加え、組織に合わせた権限設計のポイントも踏まえながら、安全かつ実用的なグループ運用のスタートラインを解説します。
ステップ1:管理画面から新規グループを立ち上げる
まず、デスクトップ版Slackの左サイドバー上部にあるワークスペース名をクリックし、「設定と管理」から「ユーザーグループを管理」を選択します。画面右上の「ユーザーグループを作成」ボタンを押すと、作成ダイアログが表示されます。ここでグループの名称(例:広報チーム)と、実際にメンションで利用するハンドル名(例:@pr_team)を設定します。
ハンドル名は英数字とハイフン等の限られた文字種で構成する必要があり、一度作成すると変更が面倒になるケースもあるため、命名規則を社内で統一しておくことを強く推奨します。例えば「部署名_プロジェクト名」のようにルールを決めておくと、メンバーが直感的に入力しやすくなり、後々の管理コストが大幅に削減されます。
ステップ2:メンバーを追加し、チャンネルと紐付ける
グループを作成したら、次に対象メンバーを追加します。ユーザーグループの編集画面でメンバーを検索し、一人ずつ追加するか、既存の別グループをまとめてインポートすることも可能です。ここで重要なのは、作成したグループを「デフォルトチャンネル」と紐付ける設計です。
例えば「プロジェクトA」というユーザーグループを作成した場合、同名のチャンネル「#project-a」に全メンバーを自動参加させる設定が行えます。これにより、チャンネルへの招待漏れを防ぎ、入社時や異動時のオンボーディング工数を劇的に削減できます。単なるメンションリストとしてだけでなく、アクセス権管理の基盤として機能させることが、企業規模での活用における高度なノウハウです(出典:Slack公式ヘルプセンター)。
ステップ3:グループの編集権限を適切に設定する
デフォルトでは、ユーザーグループを作成・編集できるのは「ワークスペースの管理者」と「オーナー」に限られています。しかし、「設定と管理」>「ワークスペースの設定」>「ユーザーグループ」タブから、この権限を「全員」に変更することも技術的には可能です。
ただし、誰でも自由にグループを作成・変更できる状態は、ガバナンス上の重大なリスクをはらみます。IPAが公表する「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも内部不正や設定不備による情報漏洩が主要脅威として挙げられており、むやみにメンバー全員に編集権限を与えるべきではありません(出典:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」)。一時的なプロジェクトチームには代表者だけに権限を委譲する、といった段階的な権限委譲ルールを設けるのが安全です。組織の規模やリテラシーに応じて、柔軟に設定を見直しましょう。
ユーザーグループ作成は技術的には簡単ですが、その真価は「命名規則」「チャンネル紐付け」「適切な権限制御」という3つの設計思想で決まります。場当たり的な作成は通知疲れを生むため、運用設計をセットで考えましょう。
グループDMの作り方とチャンネルを使い分けるコツ
グループDMは、少人数でのスピーディーな情報交換に適した非公式なコミュニケーションツールです。しかし、その手軽さゆえに、本来チャンネルで共有すべき重要なナレッジがDM内に埋もれてしまう「情報の死蔵」が問題視されています。3つの基準で適切な使い分けを行うことで、チーム全体の検索性と心理的安全性を両立させましょう。
グループDMの簡単な作成手順
グループDMの作成は非常にシンプルです。Slackの画面左側にある「ダイレクトメッセージ」セクションの「+」アイコンをクリックし、「新しいダイレクトメッセージ」を選択します。宛先欄に最大8名までメンバーを追加してメッセージを送信すれば、その瞬間にグループDMが生成されます。
ただし、グループDMには連絡先を追加できないという致命的な制約があります。会話を始めた後に「やはりAさんも呼ぼう」と思っても、既存の会話に新しいメンバーを追加することはできません。その場合は新たにグループを作り直す必要があり、それまでの会話履歴は新しいメンバーには共有されません。この仕様を理解せずに使い始めると、後々になって情報の分断を招く原因となります。
「検索性」と「気軽さ」、それぞれを最大化する使い分け基準
グループDMとチャンネルの最大の違いは、情報の永続性と検索範囲です。チャンネル内の会話は、そのチャンネルに参加しているメンバー全員が後からでも検索・閲覧できます。一方、グループDMの履歴は参加メンバーだけに閉じており、組織全体の資産にはなりません。
そのため、判断基準は「その情報が明日以降も必要かどうか」です。たとえば「今夜の懇親会のお店どこにする?」といった賞味期限の短い雑談はグループDMで構いません。しかし、「クライアントへの見積条件をどうするか」といった業務判断に関わる情報は、必ずチャンネルに残すべきです。テレワーク導入率が47.3%に達した今、非同期コミュニケーションが主流となる中で「検索できない情報は存在しないものと同等」という意識が重要です(出典:総務省「令和6年通信利用動向調査」)。
グループDMでやりがちな「情報死蔵」を防ぐリレー運用
グループDMで交わされた重要な会話を組織知として昇華させるには、「チャンネルへの転写」といったリレー運用が有効です。具体的には、DMでクライアントの有力な情報を得たメンバーが、それを要約して関連チャンネルに「〜という情報がDMでありましたので共有します」と投稿する習慣をつけます。
あるいは、Slackの「リマインダー設定」や「後で読む」機能を活用し、週に一度、DMの未整理情報をチェックする時間を設けるのも良いでしょう。完璧なツールは存在しません。クローズドな会話の速さと、オープンな情報蓄積のバランスを取るためには、ツール任せにせず、チームメンバー全員で情報を育てていくリテラシーが求められます。
グループDMは「早さ」、チャンネルは「資産性」を重視します。「この情報は未来の自分たちにとって価値があるか」を意識し、DMを一時的な中継地点として扱う成熟した文化を育てましょう。
「@here」がうざい…雑談チャンネルを快適にする通知管理術
業務効率化のために導入したSlackも、通知の乱用によって集中力を削がれるという逆説が多くの職場で生じています。特に雑談チャンネルでの「@here」は、不特定多数の注意を不必要に引きつけ、「うざい」と感じさせる要因になります。ここでは、テレワーク下での労務管理の観点も踏まえ、送り手と受け手の双方が実践できる具体的な通知最適化テクニックを紹介します。
「通知疲れ」が生産性とメンタルヘルスに与える科学的悪影響
頻繁な通知は、作業者の注意を断続的に寸断し、深い思考に入る「フロー状態」への到達を著しく妨げます。一度集中が途切れると、元の状態に戻るまでに平均で23分以上かかるという研究結果もあります。これは単なる体感の問題ではなく、生産性を数値以上に低下させる深刻な構造問題です。
加えて厚生労働省の「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」では、常時接続によるテクノストレスや、仕事と休憩時間の曖昧化がメンタルヘルス上のリスクとして明確に指摘されています(出典:厚生労働省「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」)。「今すぐ反応しなければ」という心理的圧迫を生むメンションの多用は、気軽な連絡手段ではなく、相手の時間を強制的に奪う行為であるという認識が必要です。
送り手の配慮:「@here」「@channel」発信前の3秒ルール
通知を送る側は、メンションを入力する前に「この情報は全員が今リアルタイムで知る必要があるか?」と3秒だけ自問自答する習慣をつけましょう。特に雑談チャンネルでは、業務指示と異なり緊急性が低いケースが大半です。緊急でない連絡には、メンションを付けずに投稿するか、「後で読んでね」といったクッション言葉を添えるだけで、受け手の感じる強制力は大幅に下がります。
また、時間外のメンションは極力避けるのがマナーです。非同期コミュニケーションの基本は、送り手が好きなときに送り、受け手が好きなときに返すこと。メンション機能はこの非同期性を破壊し、同期的な応答を強要する側面があるため、やむを得ず夜間に送る場合は「明日の業務時間内に対応ください」とスケジュールを明示するだけで、受け手の心理的安全性は格段に向上します。
受け手の自衛策:おやすみモード(DND)と通知スケジュールの活用法
受け手側も、ただ「うざい」と我慢するのではなく、テクノロジーで自衛することが重要です。Slackには集中したい時間帯の通知を完全にオフにする「おやすみモード(DND)」が搭載されています。具体的には、通知設定から「通知スケジュール」を設定し、たとえば「毎日10:00〜12:00は通知をオフ」と指定することで、午前中の集中タイムを確保できます。
また、チャンネルごとの通知設定をカスタマイズし、雑談チャンネルは「メンションのみ通知」や「ミュート」に設定するのも有効です。自分に関係のない情報で手を止めない環境を、自分自身でデザインすることが、テレワーク時代の自律的な働き方です。インターネット利用者の約70%が様々な不安を感じる中、少なくとも自分がコントロールできる通知環境だけは、ストレスフリーに整えておきましょう(出典:総務省「令和5年版 情報通信白書」)。
「うざい」通知環境を変えるには、送り手の配慮と受け手の技術的武装の両輪が必要です。DNDやミュート機能を駆使し、自分の時間を守ることは、チーム全体のパフォーマンスを維持するための正当な自己防衛です。
絶対に避けたいSlackの情報漏洩リスクと具体的な防止策
Slackは社内外の垣根を越えた迅速なコラボレーションを実現する一方で、設定ミスや内部不正による情報漏洩という深刻なリスクを常に内包しています。総務省の調査でも、個人情報や利用履歴の漏えいに不安を感じるインターネット利用者は実に90.3%に上り、これは決して対岸の火事ではありません(出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」)。ここでは、特に発生頻度の高い3つのリスクと、今すぐ実行できる運用対策を整理します。
ケース1:ユーザーグループ管理不備による予期せぬ公開
ユーザーグループの設定において、最も警戒すべきはゲストユーザーの取り扱いです。Slackの仕様上、ゲストユーザーはユーザーグループにメンバーとして追加することも、グループメンションの宛先に指定することもできません。ところが、この仕様を理解していない運用者が「@project-a全員」というメンションで社外秘情報を共有してしまう事故が後を絶ちません。
問題は、メンションを飛ばした送り手が「ゲストには届いていない」と誤解したまま会話を進めてしまう点です。情報が届かないことによるプロジェクト遅延もさることながら、もしそのチャンネルに別の形でゲストが参加していた場合、セキュリティホールとなります。対策としては、グループ作成時に「このグループには社外メンバーが含まれていないか」を必ず確認し、社外プロジェクト用のチャンネルではユーザーグループに頼らず、個別にメンションする手間を惜しまないことです。
ケース2:ゲストユーザーを含むチャンネルでの言及事故
パブリックチャンネルやプライベートチャンネルにゲストを招待している場合、誰がそのチャンネルを閲覧できるのか、メンバー全員が常に正確に把握しているとは限りません。特に大規模なチャンネルでは、「社内だけだと思って発言した内容が、実はクライアントにも見られていた」という事故が発生します。IPAが警鐘を鳴らす内部不正・誤送信リスクの典型例です(出典:IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」)。
防止策として最も確実なのは、外部メンバーが含まれるチャンネルでは、チャンネル名の先頭に「ext-」などのプレフィックスを強制する命名規則を導入することです。また、ゲストが参加しているチャンネルでは、投稿ボタンの横に注意喚起のアイコンを常時表示するよう設定し、心理的な踏みとどまりを促すUI上の工夫も有効でしょう。
ケース3:退職者アカウントの残留とアクセス権の棚卸し不足
意外と見落とされがちなのが、退職者アカウントの管理です。退職処理が完了しても、ユーザーグループやプライベートチャンネルのメンバーリストにアカウントが非アクティブ状態で残留しているケースがあります。また、退職者だけではなく、異動によって現在の業務に関係ないメンバーが、過去の経緯で重要なチャンネルに残り続けている状況もリスクです。
このリスクを解消するには、少なくとも四半期に一度、全てのユーザーグループと主要チャンネルのメンバーリストを棚卸しする「アクセス権監査」をルーティン化する必要があります。Slackの管理画面からエクスポート可能なメンバー一覧を人事データと突合し、不正アクセスの余地をゼロにする運用が、信頼構築の基盤です。システム管理者任せにせず、現場のリーダーが定期的に管轄チャンネルを点検する二重のチェック体制が理想です。
情報漏洩は高度なサイバー攻撃だけでなく、日常的な設定ミスと運用の緩みから生まれます。ゲストアカウントの可視化、命名規則の徹底、そして定期的な棚卸しが、チームの信頼を守る最も簡単で強力な砦です。
まとめ
よくある質問
Q: Slackで特定の部署だけにメンションするグループの作り方は?
A: デスクトップ版の「詳細」→「ユーザーグループ」から「新規グループ作成」を選択し、名前(例:営業部)とハンドル(例:@sales)を設定します。メンバーを追加して保存すれば、そのハンドルを入力するだけで部署全員に通知が飛ばせます。
Q: SlackのグループDMとプライベートチャンネル、どちらを使うべき?
A: 一時的な少人数の会話で、履歴を後から検索する必要がないなら「グループDM」が手軽です。プロジェクトが継続する場合や、途中でメンバーの追加・離脱が発生する可能性がある場合は、情報が引き継ぎやすい「プライベートチャンネル」が適しています。
Q: Slackの全体メンション(@channel)を制限するにはどうすれば良いですか?
A: ワークスペースの管理者が「設定と権限」からメンション権限を調整できます。特定のチャンネルでのみ管理者だけが@channelや@hereを使えるように制限することで、不要な全員通知を防ぐことが可能です。
Q: 雑談チャンネルが通知されて「うざい」と感じる時の対処法は?
A: その雑談チャンネルを右クリックして「通知設定を変更する」から「@メンションのみ」または「ミュート」に設定してください。これにより、自分宛のメンション以外は通知が表示されなくなり、業務への集中を妨げません。
Q: Slackで誤送信による情報漏洩を防ぐ具体的な対策はありますか?
A: 機密チャンネルには専用のわかりやすいアイコンをつけて注意喚起することを推奨します。また、ゲストアカウントの権限を厳格に見直すことや、外部共有を禁止するチャンネル設定を有効にすることも、人的ミスを減らす有効な策です。