【例文あり】ガクチカを高校生・大学生別に徹底解説！部活、サークル、資格…

ガクチカとは？なぜ重要視されるのか

ガクチカの基本的な定義と自己PRとの違い

「ガクチカ」とは、「学生時代に力を入れたこと」の略語であり、就職活動におけるエントリーシート（ES）や面接で、あなたの個性や能力、成長過程を伝えるために最も頻繁に問われる項目の一つです。

単に「〇〇をしました」と経験を羅列するだけでは不十分で、その経験を通じて「何を学び、どのように成長したのか」を具体的に深掘りして伝えることが求められます。この点は非常に重要です。

よく混同されがちな「自己PR」と「ガクチカ」ですが、両者には明確な違いがあります。

• 自己PR： 自身の強みや長所をアピールする場です。「私には〇〇という強みがあります」と自身の能力を主張します。
• ガクチカ： 学生時代の具体的なエピソードに基づき、そこから得られた学びや能力、価値観をアピールする場です。「〇〇という経験を通じて、△△という能力を身につけました」と具体的な行動や結果から導き出される強みを伝えます。

つまり、自己PRが抽象的な自身の能力を語るのに対し、ガクチカは具体的な経験の裏付けとともに、その中で培われた能力や人間性を説得力を持って伝える機会となるのです。
（参考情報より）

企業がガクチカから見抜く3つのポイント

企業がガクチカを重視する背景には、応募者の潜在能力や入社後の活躍可能性を見極めたいという意図があります。具体的には、以下の3つのポイントに着目しています。

1. 学生の能力と成長過程の把握:

   困難な状況に直面した際、どのように考え、どのように行動したのか、そして課題をどのように解決したのかといったプロセス全体を企業は見ています。このプロセスから、論理的思考力、課題解決能力、実行力、そして目標達成に向けた粘り強さなど、様々な能力を判断し、入社後に与えられた業務で同様に力を発揮できるかを予測しようとします。

2. 自発性とモチベーションの源泉の理解:

   ガクチカは、あなたが「自由意思で何に取り組み、どのくらい頑張れたか」という「自発性」を示す絶好の機会です。企業は、あなたがどのようなことに情熱を注ぎ、どのような価値観を持って行動するのかを知りたいと考えています。これにより、入社後も主体的に業務に取り組み、困難な状況でもモチベーションを維持しながら貢献できる人物かどうかを見極めます。

3. 企業文化や求める人物像との適合性の確認:

   ガクチカのエピソードからは、応募者の人となりや思考の癖、価値観が浮き彫りになります。例えば、チームで目標達成に向けて努力した経験からは協調性やリーダーシップが、ボランティア活動で積極的に行動した経験からは自主性や社会貢献意識が読み取れます。企業はこれらの情報から、自社の企業文化や求める人物像に合致しているか、組織に良い影響を与えてくれる人材であるかを確認します。
   （参考情報より）

ガクチカとしてアピールできるテーマの多様性

「ガクチカ」のテーマは、特別な実績や華々しい経験でなくても大丈夫です。部活動、サークル活動、アルバイト、学業（ゼミ・研究）、資格取得、留学経験、趣味など、実に多岐にわたります。

重要なのは、「その経験から何を学び、どのように成長したのか」を具体的に伝えることです。たとえ大きな成果が出なかったエピソードであっても、そのプロセスで得られた学びや気づきがあれば、十分にアピールポイントになります。企業が見ているのは、経験の「結果」だけでなく「過程」だからです。

以下に、テーマ別の主なアピールポイントをまとめました。

• 部活動・サークル活動:
  • コミュニケーション能力、交渉力、リーダーシップ、協調性、課題解決力など
  • 役職に就いていなくても、チームへの貢献や課題克服のプロセスを具体的に伝える
• アルバイト:
  • 接客経験から学んだ傾聴力や提案力、困難な状況（クレーム対応など）を乗り越えた経験
  • 売上向上への貢献、チーム内での役割意識
• 学業・ゼミ・研究:
  • 課題設定能力、論理的思考力、情報収集力、分析力、プレゼンテーション能力
  • 一つのテーマに深く取り組む探求心や知的好奇心
• 資格取得・趣味:
  • 目標設定能力、計画性、継続力、強い探求心や専門性
  • 自己管理能力や、一つのことに打ち込む集中力

これらの経験を通じて、あなたがどのようなスキルを身につけ、どのように人間的に成長したのかを言語化することが、ガクチカ成功の鍵となります。
（参考情報より）

【高校生向け】ガクチカの選び方と例文（野球・吹奏楽・体育会など）

高校時代のガクチカを話す際の注意点

一般的に、就職活動におけるガクチカでは、大学時代の経験を中心に話すことが推奨されます。これは企業が「最近のあなたの能力や思考」を知りたいと考えているためです。

しかし、大学時代にアピールできるような突出した経験がない場合や、高校時代の経験が大学での活動、あるいは現在の自分に強く繋がっている場合は、高校時代の経験をガクチカとして話すことも十分に可能です。その際には、いくつかの重要な注意点があります。

• 大学時代の経験に繋げる:

  高校時代の経験が、大学生活でどのように活かされたのか、あるいは現在のあなたの考え方や行動にどう繋がっているのかを明確に説明することが不可欠です。例えば、「高校時代の〇〇部での経験を通じて培った粘り強さが、大学での△△という学びに繋がりました」といった具体的な繋がりを示す必要があります。

• 「大学時代に何もしていない」という印象を与えない:

  高校時代の話ばかりに終始すると、「大学時代には主体的な活動をしていなかったのではないか」という印象を与えかねません。大学時代の活動を補足的に触れるなどして、バランスの取れたアピールを心がけましょう。

• インパクトと過程を重視:

  高校時代の経験を語る場合でも、単なる実績の羅列ではなく、そこに至るまでのプロセスや学びを具体的に伝えることが重要です。どのような目標を設定し、どんな課題に直面し、それをどう乗り越えたのかというストーリーを語ることで、説得力が増します。
  （参考情報より）

高校時代の部活動でガクチカをアピールする方法

高校時代の部活動は、多くの学生にとって最も熱中した経験の一つであり、ガクチカとして非常に有効なテーマとなり得ます。野球部、吹奏楽部、体育会系の部活動など、種類は問いません。

アピールする際は、単に「〇〇部に所属していました」という事実だけでなく、以下の要素を盛り込むことで、より魅力的なガクチカになります。

• 具体的な目標設定:

  「甲子園出場」や「県大会優勝」「定期演奏会の成功」など、どのような目標を掲げていたのかを明確にしましょう。

• 直面した課題と困難:

  目標達成のために、チーム内での意見の対立、技術的な壁、練習のモチベーション低下など、どのような課題や困難に直面したのかを具体的に述べます。

• 具体的な行動と工夫:

  その課題に対して、あなたが主体的にどのような行動を取り、どのような工夫をしたのかを詳細に説明します。例えば、「チームメイトとの個別面談を重ねて意識統一を図った」「練習メニューを自ら考案し、顧問の先生に提案した」「苦手なパートを克服するために自主練習を毎日欠かさなかった」などです。

• 結果とそこから得られた学び:

  最終的にどのような成果が得られたのか、そしてその経験を通じて、協調性、目標達成意欲、困難克服経験、リーダーシップなど、どのようなスキルや人間性が身についたのかを語ります。特に、大学生活や将来のキャリアにどう繋がる学びだったかを強調すると良いでしょう。

例文の構成（野球部での経験の場合）：

「私が高校時代に最も力を入れたことは、野球部の活動です。私たちのチームは決して強豪ではありませんでしたが、引退までに県大会ベスト8という目標を掲げ、日々練習に励みました。特に印象的だったのは、チーム全体の打率が低迷し、得点力不足に悩まされていた時期です。私は副キャプテンとして、個々のバッティングフォーム改善だけでなく、選手全員の意識改革が必要だと感じました。そこで、チームメイト一人ひとりに苦手な球種や得意なコースをヒアリングし、それを踏まえた上で、ピッチャーのタイプに応じた打撃戦略をデータ分析に基づいて提案しました。当初は反発もありましたが、練習試合で少しずつ成果が出始めると、チーム全体の士気も向上。結果的に、打撃力の底上げに成功し、目標の県大会ベスト8を達成することができました。この経験を通じて、私は課題を多角的に分析し、周囲を巻き込みながら解決へと導く力を培うことができました。この学びは、大学でのグループワークやアルバイトでも活かされ、今後社会人としても、困難な状況に直面した際に冷静に状況を分析し、主体的に行動する姿勢に繋がると確信しています。」

高校時代の学業・生徒会・ボランティアなどをアピールする方法

部活動以外にも、高校時代の経験でガクチカとしてアピールできるものはたくさんあります。学業、生徒会活動、ボランティア活動、文化祭実行委員など、幅広いテーマであなたの個性や能力を示すことができます。

• 学業・探求活動:

  「定期テストで常に上位の成績を維持した」という結果だけでなく、「どのように勉強に取り組んだか」というプロセスが重要です。苦手科目を克服するために、どのような学習計画を立て、どのような工夫をしたのか。あるいは、探求活動で設定したテーマに対し、どのように情報収集や分析を行い、どんな結論を導き出したのか、その過程で得られた論理的思考力や粘り強さをアピールしましょう。

• 生徒会活動:

  生徒会では、学校行事の企画・運営、生徒からの意見集約、先生方との交渉など、様々な業務に携わります。文化祭や体育祭の成功に向けて、どのような企画を立案し、メンバーをどのようにまとめ、課題をどう解決したのか。ここから、リーダーシップ、企画力、交渉力、協調性などをアピールできます。

• ボランティア活動:

  地域の清掃活動、高齢者施設での交流、災害復興支援など、ボランティア活動は自主性、行動力、社会貢献意識、協調性を示す良い機会です。なぜその活動に参加しようと思ったのか、活動を通じてどんな課題に気づき、それに対してどのような貢献をしたのか、そしてそこから何を得て、どのように価値観が変化したのかを具体的に語りましょう。

いずれの経験においても、高校時代の出来事を語る際は、それが大学での学びや活動にどう繋がったのか、そして現在の自分にどのような影響を与えているのかを説明する視点を忘れないようにしましょう。これにより、単なる昔話ではなく、あなたの継続的な成長を示すガクチカとして、より高い評価を得ることができます。

【大学生向け】ガクチカの選び方と例文（サークル・資格取得・短期留学など）

サークル活動でアピールする際のポイントと例文

大学生にとって、サークル活動はガクチカのテーマとして非常にポピュラーですが、だからこそ他の学生との差別化が重要になります。ただ「〇〇サークルに所属していました」というだけでなく、そこで何を経験し、何を学び、どう成長したのかを具体的に伝えることが不可欠です。

サークル活動でアピールしやすいポイントは以下の通りです。

• リーダーシップ・フォロワーシップ:

  代表や幹部でなくとも、イベント企画の中心になった、チームのまとめ役を担った、意見が対立した際に調整役を果たしたなど、具体的な役割と行動を述べましょう。

• 企画力・実行力:

  新歓イベント、学園祭での出店、定期演奏会など、目標を定めて企画し、仲間と協力して実行したプロセスは、企業が求める実践力に繋がります。

• 課題解決能力:

  「メンバーの参加率が低い」「予算が足りない」「イベントの集客に苦戦した」といった課題に対し、あなたがどのように原因を分析し、どのような解決策を考え、実行したのかを具体的に示しましょう。

• 協調性・コミュニケーション能力:

  多様な価値観を持つメンバーと協力し、目標に向かって活動した経験は、組織で働く上で不可欠な能力です。

例文（イベント企画サークルでの経験の場合）：

「私が大学時代に最も力を入れたことは、地域活性化を目指すイベント企画サークルでの活動です。特に、毎年開催している地域のお祭りでのブース出展において、集客の課題解決に貢献しました。例年、単調な企画で集客が伸び悩んでいたため、私はリーダーとして、出展内容の根本的な見直しを提案。SNSでのアンケートを実施し、若年層が求める企画を徹底的にリサーチしました。その結果、地元の特産品を使った限定スイーツの開発と、インスタ映えするフォトスポットの設置を企画。メンバーからは『準備が大変になる』と反対意見もありましたが、過去の集客データを示し、新しい企画の必要性を粘り強く説明し、協力を仰ぎました。結果として、前年比150%の集客を達成し、地域のメディアにも取り上げられるほどの成功を収めることができました。この経験を通じて、私はデータに基づいた課題分析力と、周囲を巻き込みながら目標達成に向けて主体的に行動する力を培うことができました。この力は、貴社で顧客ニーズを深く理解し、革新的なサービス企画に貢献できると確信しています。」

資格取得や短期留学でガクチカを語る

資格取得や短期留学は、自己成長への意欲や具体的なスキルをアピールできる強力なガクチカのテーマです。これらの経験を語る際には、単に「〇〇の資格を取りました」「△△に留学しました」という結果だけでなく、そこに至るまでのプロセスと、得られた学びを具体的に伝えることが重要です。

• 資格取得:

  取得した資格の種類に関わらず、以下の点を盛り込みましょう。

  • なぜその資格を取得しようと思ったのか: その資格が将来の目標や興味とどう結びついているのかを明確にします。
  • 具体的な学習計画と工夫: 合格に向けて、どのような学習スケジュールを立て、どのような教材を使い、どんな困難（モチベーションの維持、時間管理など）を乗り越えたのかを具体的に述べます。
  • 得られた学びと成長: 資格の知識だけでなく、目標設定力、計画性、継続力、自己管理能力、そして探求心などが身についたことをアピールします。

  例: 「私は大学3年次にTOEIC800点取得を目標に掲げ、ガクチカとして取り組みました。大学院進学後、国際的な共同研究に携わることを目指していたため、実践的な英語力の必要性を強く感じていたからです。当初はリーディングに課題がありましたが、毎日通勤時間に単語アプリで語彙力を強化し、寝る前に海外ニュースを英語で読むことを習慣化しました。また、週に一度はオンライン英会話でアウトプットの機会を設け、実践力を高めました。結果、目標を上回る850点を取得。この経験で、目標達成に向けた計画性と継続力を養い、困難な目標にも粘り強く挑戦し続ける自信を得ました。」

• 短期留学:

  短期留学の経験も、ガクチカとして大きなアピールポイントになります。以下の点を意識して語りましょう。

  • 留学の目的: なぜその国、その期間で留学しようと思ったのかを具体的に述べます。語学力向上、異文化理解、特定の分野の学習など。
  • 直面した困難と乗り越え方: 語学の壁、文化の違い、ホームシックなど、留学中に直面した困難に対し、どのように考え、行動し、乗り越えたのかを説明します。
  • 得られた学びと成長: 語学力の向上はもちろん、異文化適応能力、主体性、コミュニケーション能力、多様性を受け入れる姿勢、課題解決能力などが身についたことをアピールします。

（参考情報より、資格取得のアピールポイントを参考に構成）

アルバイトや学業（ゼミ・研究）をガクチカにする

アルバイト経験や学業（ゼミ・研究）は、学生生活において多くの時間を費やす活動であり、そこから得られる学びや成長はガクチカとして非常に価値があります。

• アルバイト:

  飲食店、アパレル、塾講師など、様々なアルバイト経験がガクチカになり得ます。重要なのは、ただ「働いていた」という事実だけでなく、以下の点を明確にすることです。

  • 具体的な役割と責任: どのような業務を任され、どんな責任を持って働いていたのか。
  • 直面した課題と工夫: クレーム対応、新人教育、売上向上策、人手不足への対応など、アルバイト先での課題に対し、あなたがどのように考え、どんな行動や工夫をしたのかを具体的に述べます。
  • 得られた学びとスキル: 接客スキル、コミュニケーション能力、チームワーク、課題解決能力、時間管理能力などが身についたことをアピールします。

  例: 「私はカフェでのアルバイトに3年間力を入れました。特に、常連客のニーズを把握し、より満足度の高いサービス提供に努めました。新メニュー導入の際、お客様からの反応が芳しくなかった経験があります。私は、なぜ受け入れられないのかを分析するため、お客様への直接ヒアリングに加え、アンケート調査を実施。その結果、『見た目は良いが、味が単調』という意見が多いことが判明しました。そこで、私は新メニューの改善提案書を作成し、具体的なフレーバーの追加やトッピングの変更を店長に提案。試作を重ね、お客様の意見を反映した結果、そのメニューは一躍人気商品となり、売上貢献にも繋がりました。この経験を通じて、私は顧客の声を傾聴し、課題を分析して具体的な解決策を提案・実行する力を培いました。」

• 学業・ゼミ・研究:

  学業やゼミ、卒業研究は、あなたの専門性や論理的思考力をアピールする絶好の機会です。

  • 研究テーマへの情熱: なぜそのテーマを選び、何に関心を持ったのかを具体的に述べます。
  • 研究プロセスと課題解決: どのような仮説を立て、どのような方法で検証し、どんな困難（データの不足、先行研究との矛盾など）に直面し、それをどう乗り越えたのかを詳細に説明します。
  • 得られたスキル: 課題設定能力、情報収集・分析能力、論理的思考力、プレゼンテーション能力、論文作成能力などをアピールします。

（参考情報より、アルバイト、学業・ゼミ・研究のアピールポイントを参考に構成）

ガクチカで差をつける！アピールする際のポイント

ガクチカ効果的な構成5要素の徹底

ガクチカを効果的に伝え、他の応募者と差をつけるためには、論理的で分かりやすい構成で話すことが非常に重要です。一般的に、以下の5つの要素を意識した構成が推奨されています。

1. 結論（What）: 学生時代に最も力を入れたことは何かを最初に明確に述べます。「私が学生時代に力を入れたことは〇〇です」と結論から入ることで、相手に最も伝えたいことを真っ先に理解してもらい、その後の話に引き込むことができます。
2. 理由・目的（Why）: なぜそれに力を入れようと思ったのか、具体的なきっかけや動機、目標を説明します。あなたの価値観やモチベーションの源泉を示す部分です。
3. 課題・困難（Problem）: 取り組む中でどのような課題や困難に直面したのかを具体的に述べます。これにより、あなたの状況分析能力や課題認識能力が伝わります。
4. 行動・工夫（Action）: その課題や困難に対して、あなたが具体的にどのような行動を取り、どのような工夫をしたのかを詳細に説明します。ここが最も個性をアピールできる部分であり、あなたの主体性や実行力、思考プロセスを示す重要な要素です。
5. 結果・学び（Result & Learn）: 最終的にどのような成果が得られたのか、そしてその経験から何を学び、どのように成長したのかを伝えます。さらに、その学びを入社後にどう活かすかにまで言及できると、企業への貢献意欲を示すことができます。

面接で「ガクチカを教えてください」と尋ねられた際も、この流れで話すことで、簡潔かつ説得力のある回答ができます。特に、成果が出なかったエピソードでも、「どのような経験をしたか」「経験から何を学んだのか」が重要であれば、ガクチカとして問題ありません。結果が全てではないということを念頭に置き、学びのプロセスを強調しましょう。
（参考情報より「ガクチカの構成と書き方のポイント」を参考に構成）

具体的なエピソードと「なぜ」を深掘りする

ガクチカで他の学生と差をつけるためには、単なる経験の羅列に終わらず、具体的なエピソードと「なぜ」を深掘りすることが不可欠です。抽象的な表現では、あなたの個性や能力が伝わりにくくなってしまいます。

以下の点を意識して、エピソードを具体化しましょう。

• 数字や固有名詞を用いる:

  「多くのお客様に喜んでいただきました」ではなく、「〇〇店で、イベント期間中に新商品Aを前年比120%の100個販売しました」といった具体的な数字や固有名詞を使うことで、説得力とリアリティが増します。チームの人数や期間、目標値なども具体的に示すと良いでしょう。

• 五感を意識した描写:

  その時の状況や感情を、まるで目の前で起こっているかのように描写することで、面接官の共感を呼びやすくなります。「困難でした」だけでなく、「メンバー間で意見がぶつかり、会議室の空気が重く、話し合いが滞った」といった具体的な状況を描写すると、あなたの苦悩や乗り越えた過程がより鮮明に伝わります。

• 「なぜそう考え、行動したのか」を深掘りする:

  行動の背景にある思考プロセスや価値観を伝えることが、あなたの個性を際立たせる上で最も重要です。「〇〇という課題に対し、Aという行動を取りました」だけでなく、「なぜAという行動が最適だと考えたのか」「他の選択肢もあった中で、なぜAを選んだのか」といった「なぜ」を何度も自問自答し、掘り下げて話しましょう。これにより、あなたの論理的思考力や意思決定の基準が明確になります。

例えば、「アルバイトで売上向上に貢献しました」ではなく、「新規顧客獲得のため、私は雨の日に来店されたお客様に対して、温かい手書きのメッセージカードを添えたクーポンを渡すことを提案しました。これは、雨の日の来店客は足元が悪く、気分も沈みがちであると考え、ちょっとした心遣いが記憶に残りやすいと感じたからです」といった形で、行動の裏にあるあなたの思考や人柄を伝えることが重要です。

入社後への貢献を意識した伝え方

ガクチカを話す最終的な目的は、「入社後にあなたが企業にどのような貢献ができるのか」を示すことです。どんなに素晴らしい経験を語っても、それが企業にとってメリットがなければ評価には繋がりません。

以下の点を意識して、入社後への貢献を明確に伝えましょう。

• 企業が求める人物像や能力と結びつける:

  応募する企業が求める人物像や、その職種で必要とされる能力（例: 課題解決能力、協調性、リーダーシップ、主体性、論理的思考力など）を事前にリサーチし、あなたのガクチカで得られた学びやスキルが、どのようにその企業で活かせるのかを具体的に説明します。

• 具体的な業務内容と紐づける:

  「〇〇のスキルを活かして頑張ります」というだけでなく、「私のガクチカで培った課題解決能力は、貴社の〇〇部門で新規プロジェクトの課題特定や戦略立案において貢献できると考えています」というように、具体的な業務内容と結びつけて話すことで、より説得力が増します。

• 未来志向で語る:

  過去の経験を語るだけでなく、「この経験を通じて得た〇〇という学びを、貴社に入社後も活かし、△△という形で貢献していきたいです」と、未来に対する意欲と具体的な展望を示すことで、企業への熱意が伝わります。

• 企業文化への適合性を示す:

  ガクチカのエピソードを通じて、あなたが企業の文化や価値観にフィットする人材であることを示しましょう。例えば、チームワークを重視する企業であれば、協調性やチームへの貢献意欲を強調したエピソードを語るなど、企業への理解度を示すことが重要です。

ガクチカは単なる過去の振り返りではなく、未来のあなたをアピールする場であることを忘れずに、戦略的に準備を進めましょう。

ガクチカに関するよくある疑問を解消！

「特別な経験がないとダメ？」成果が出なかった場合でも

「ガクチカ」と聞くと、「すごい実績や輝かしい成果がないと評価されないのではないか」と不安に感じる高校生や大学生は少なくありません。しかし、結論から言うと、特別な経験や目覚ましい成果は必須ではありません。

企業がガクチカで見ているのは、単なる経験の「結果」ではなく、その「過程」と「そこから何を学び、どう成長したのか」という点です。参考情報にもあるように、「どのような経験をしたか」「経験から何を学んだのか」が重要であれば、成果が出なかったエピソードでも、ガクチカとして問題なくアピールできます。

たとえば、以下のような経験でも十分にガクチカになります。

• 目標達成に至らなかった経験:

  部活動でレギュラーになれなかった、資格試験に不合格だった、プロジェクトが失敗に終わったなど。重要なのは、その失敗から何を学び、次にどう活かそうと考えているかです。失敗を客観的に分析し、自身の課題を認識し、改善策を考える力は、企業が求める成長意欲として高く評価されます。

• 地味に見える継続的な努力:

  毎日欠かさず英語の勉強を続けた、アルバイトで常に誰よりも早く出勤し準備をしていた、学業で苦手科目を克服するために地道な努力を続けたなど。継続力や地道な努力は、入社後の業務においても非常に重要な資質です。具体的な努力内容と、そこから得られた忍耐力や自己管理能力を伝えましょう。

• 日常の中での小さな工夫:

  友人関係のトラブルを解決した、サークルで備品管理のシステムを改善した、アルバイトで業務効率化のためのアイデアを出したなど。日常の中で課題を見つけ、主体的に改善しようと行動した経験は、問題発見・解決能力を示すことができます。

完璧な成功体験でなくても、困難にどう向き合い、どう考え、どう行動し、そこから何を得たのかというあなたの「人間性」や「成長性」が伝わるエピソードであれば、それは立派なガクチカとなります。
（参考情報より「成果が出なかったエピソードでも」の記述を参考に構成）

複数のガクチカを話しても良い？

基本的には、「最も力を入れたこと」として、一つのエピソードに絞って深掘りすることをお勧めします。エントリーシート（ES）では文字数制限があるため、一つのエピソードを具体的に、かつ論理的に記述することに集中すべきです。

複数のガクチカを提示してしまうと、一つ一つのエピソードが薄くなり、企業にあなたの強みや学びが十分に伝わらない可能性があります。企業は、あなたがどのようなことに熱意を注ぎ、どのような思考プロセスを経て成長したのかを深く知りたいと考えています。

しかし、面接の場面では、状況に応じて複数のガクチカに触れることも可能です。例えば、以下のようなケースです。

• 面接官からの質問で:

  「他に頑張ったことはありますか？」と聞かれた場合や、「今の話は〇〇の強みが分かりましたが、△△の強みを発揮した経験はありますか？」と深掘りされた場合には、別のエピソードを話すことも有効です。

• 共通の強みを裏付ける:

  複数の経験を通じて、一貫して「課題解決能力」や「リーダーシップ」といった共通の強みが培われた場合、メインのガクチカでその強みをアピールし、補足的に別のエピソードを挙げることで、よりその強みに説得力を持たせることもできます。ただし、あくまでメインのエピソードが主軸であることを忘れないようにしましょう。

• 異なる側面をアピールする場合:

  メインのガクチカでは協調性をアピールし、別の質問で主体性を求められた際に、別のエピソードで主体性を示す、といったように、多面的な魅力を伝えるために使い分けることもできます。ただし、話が散漫にならないよう、それぞれのエピソードから何を伝えたいかを明確にしておく必要があります。

いずれにしても、複数のガクチカを話す場合は、それぞれのエピソードがあなたの人柄や能力のどの側面を示すのかを整理し、論理的に繋げて話す準備をしておくことが重要です。まずは「これだ！」と思える一番のエピソードを徹底的に磨き上げましょう。

いつの時代の経験を話すべきか？

ガクチカとして話す経験の時期については、原則として「大学時代の経験」を中心に話すことが推奨されます。これは、企業が「最近のあなたの能力や思考」を知りたいと考えているためです。

大学時代は、高校時代と比較して、より主体的に行動し、専門的な学びを深める機会が多いため、そこでの経験はあなたの現在の能力や価値観をより正確に反映していると考えられます。

しかし、以下のような場合は、高校時代の経験をガクチカとして話すことも可能です。

• 大学時代にアピールできる経験が乏しい場合:

  大学生活で学業以外の活動にあまり力を入れられなかったと感じる場合、高校時代の熱中した経験を話すことは選択肢の一つです。ただし、その際は、高校時代の経験が大学生活でどのように活かされたのか、あるいは現在の自分にどう繋がっているのかを明確に説明する必要があります。

• 高校時代の経験が大学での活動に深く繋がっている場合:

  例えば、高校時代に特定の分野に興味を持ち、それが大学での学部選択や研究テーマに直結しているようなケースです。この場合も、高校時代の経験を入り口として、大学での学びや成長へと繋がるストーリーを語ることで、一貫性のあるガクチカになります。

高校時代の経験を話す際に注意したいのは、「大学時代に何もしていなかった」という印象を与えないことです。もし高校時代の経験を話すのであれば、その経験が現在のあなたの基盤となり、大学での活動や学びにも影響を与えたことを強調し、過去の経験を「最近の自分」と結びつける工夫が必要です。

企業が知りたいのは、入社後に活躍できる人物かどうかという点です。そのため、最新のエピソードから、あなたがどのように困難を乗り越え、成長できる人物であるかをアピールすることが最も効果的だと言えるでしょう。
（参考情報より「高校時代の経験について」の記述を参考に構成）