「客先常駐3年・年収300万」──数字だけ見れば正社員。でも、手取りはギリギリ・将来のイメージは真っ暗。そんな状態から、転職1回で年収400万オーバー(手取り+12万円)になった話をまとめます。
最初にハッキリ言うと、年収アップに必要なのは“技術力そのもの”よりも「どの会社のテーブルに乗るか」=会社選びです。同じJava・SQLを書いていても、所属する会社が違うだけで年収は100万単位でズレる──それを体感した話でもあります。
客先常駐3年・年収300万だった頃のリアル
生活はずっとギリギリ。「正社員なのに貯金が増えない」現実
当時の年収は300万円。ボーナスはなしで、手取りは月20万ちょっと。家賃と固定費を払えば、残るのは数万円。技術書を1〜2冊買ったら、その月の「自分のためのお金」はほぼ終わりという感覚でした。
現場ではJavaとSQLを書き、Eclipseでデバッグし、Gitでブランチを切って開発。DBはPostgreSQLやOracle。やっている仕事自体は、どこにでもあるWebシステム開発です。
残業は月20〜30時間、多い月は40時間。時間だけは削られていくのに、手取りが劇的に増えることはない。それでも「経験年数が増えればそのうち上がるだろう」と、なんとなく自分に言い聞かせていました。
「このまま40歳になっても年収300万台かも」という不安
じわじわ効いてきたのは、将来のイメージがまったく描けないことでした。
- このまま40歳になっても年収300万台だったらどうするのか
- 結婚・子ども・住宅ローンなんて、現実的に考えられない
- 親の介護や、自分の健康を考えると、貯金ゼロに近い状況は普通にこわい
技術的には、少しずつできることは増えている。なのに銀行口座だけは学生時代と大差ない──このギャップが、明細を見るたびにストレスになっていました。
技術より「会社選び」が年収を決めていたと気づいた瞬間
同じ現場・ほぼ同じ仕事でも、隣の社員は年収500万だった
決定的だったのは、同じプロジェクトにいる元請け側の正社員の年収を知ったときです。雑談のなかで、その人がこう言いました。
「うち、30代前半で年収500万切ってたら逆にやばいって空気なんですよね。」
同じJavaを書き、同じSQLを書き、同じ仕様で頭を抱えているのに、自分は年収300万・隣は500万オーバー。
このとき初めて、「技術力の差以前に、乗っている年収テーブルが違う」という現実を突きつけられました。
SESの構造:単価は高いのに、取り分はずっと低いまま
そこから調べて分かったのは、SESというビジネスモデルの構造です。
- 客先に請求されるエンジニア単価は月50〜70万円が普通
- その途中で、元請け・二次請け・自社などのマージンが何段階も抜かれる
- 結果として、エンジニア本人の取り分は20〜25万円前後になりやすい
どれだけ現場で頑張っても、「単価の取り分」が変わらない限り、給料は大きく上がりません。
つまり、技術を伸ばす前に「どの会社で働くか」を変えないと、年収テーブル自体が変わらないということです。
転職前にやったこと:スキルより「売り場」を意識した準備
今あるスキルを“盛る”のではなく、“整理して伝えやすくする”
まずやったのは、自分のスキルと経験の棚卸しです。
- 言語:Java / SQL
- DB:PostgreSQL / Oracle(テーブル設計・SQLチューニングなど)
- ツール:Git / Eclipse / Jenkins など
- プロジェクト:チーム人数、担当フェーズ、リリース規模
特別なことはしていなくても、普段の作業を日本語で説明できる形に変えるだけで、「意外と売り物になる要素がある」と気づきました。
ここで大事なのは、スキルを増やすことではなく、すでに持っているスキルを「売りやすく整える」ことでした。
エンジニア専門エージェントに見せて、“市場でどう見えるか”を確認した
次に、ITエンジニア専門の転職エージェントに登録し、棚卸しした内容を職務経歴書に落とし込んで見てもらいました。
自分では頑張って書いたつもりでも、最初の職務経歴書は「何をしてきた人なのか、第三者に伝わらない」状態。
エージェントから、
- 「ここは具体的な数字を入れましょう」
- 「この経験は年収レンジを上げられる材料なので、もっと前に出しましょう」
といったフィードバックをもらい、同じ経験が“300万の経歴”から“400万テーブルに乗せられる経歴”に変わっていく感覚がありました。
この時点で、「技術を増やす前に、“どの売り場に出すか”を変える方が早いかもしれない」と本気で思い始めました。
会社を変えただけで起きた変化:仕事内容ほぼ同じ、でも年収は+150万
年収300万 → 400万台前半へ。手取りは月+12万円
結果として、1回の転職で年収は300万 → 400万台前半になりました。
手取りは月12万円ほどアップ。貯金も少しずつ増やせるようになりました。
おもしろいのは、やっている仕事の中身はそこまで大きく変わっていないことです。
- JavaでWebアプリを開発する
- SQLでデータを扱う
- Gitでチーム開発を回す
変えたのは、所属する会社と、その会社が持つ年収テーブルだけ。
まさに、「技術を一気に伸ばしたから」ではなく「会社のテーブルを乗り換えたから」年収が上がったパターンでした。
評価制度・働き方・将来イメージまで“セットで”変わった
年収以外にも、変わった点はいくつもあります。
- 残業:月20〜30時間 → 10〜20時間程度へ
- 働き方:フル出社のみ → 週数日のリモート可へ
- 評価:上司の気分次第 → 公開された評価基準と昇給ルールへ
特に大きかったのは、「このスキルを身につければ、次の昇給でこれくらい上がる」というラインが明文化されていたことです。
SES時代は、どれだけ頑張っても「昇給はお願いとお祈り」に近い感覚でしたが、転職後は“努力がどのくらい年収に反映されるか”が見える状態になりました。
年収300万台のSESエンジニアに伝えたいこと
技術を伸ばすのは大事。でも「どの会社で働くか」がそれ以上に大事
誤解してほしくないのは、技術が不要という話ではないということです。
Java・SQL・Git・DBまわりの基本ができていないと、そもそもテーブルに乗る資格がありません。
ただ、「技術さえ上げれば年収は勝手に上がる」というのは、少なくともSESの世界では幻想に近いです。
同じスキルでも、
- 年収300万台のテーブルに乗る会社
- 年収400〜500万のテーブルに乗れる会社
の差が、現実には存在します。
だからこそ、年収アップを目指すなら「技術×会社選び」の両方を見るべきで、順番としては“会社選び”を先に見直したほうが早いと感じています。
なぜ総合型ではなく「エンジニア特化」の転職サービスを選んだのか
転職サービスを選ぶときに、最初は有名どころの総合型(例:大手転職サイト/総合型エージェント)も検討しました。ただ、年収をしっかり上げたいエンジニア目線で見ると、総合型には限界もあると感じました。
- 営業・事務・販売など職種が広すぎて、エンジニア求人の比率が低い
- 担当者が元エンジニアではないケースも多く、スキルシートの細かい添削までは踏み込めない
- SESと自社開発の違いや、技術スタックごとの単価・年収相場を深く理解している担当者ばかりではない
その結果、
- 「せっかくスキルがあるのに、評価されやすい求人に結びつかない」
- 「年収交渉でどこまで攻めていいかの判断が、担当者側でつかめていない」
といったミスマッチが起きやすいと感じました。
一方で、この記事で紹介しているようなエンジニア特化型の転職サービスは、最初からITエンジニアだけにフォーカスしているのが大きな違いです。
- エンジニア求人が中心なので、「とにかくエンジニアとして年収を上げたい」人に案件が集まりやすい
- 担当者がエンジニアの開発フローや技術スタックを理解しているので、スキルシートの添削が具体的
- SESから自社開発への転職や、年収レンジを1段上げる転職の事例を多く持っている
つまり、「技術をどう売れば、どの年収テーブルに乗れるか」を一緒に考えてくれるのが、総合型ではなくエンジニア特化の転職サービスです。
年収300万台から抜け出したいなら、最初の相談先としてかなり合理的な選択肢だと感じています。
あの明光義塾のグループ会社が運営しているエンジニアに特化した転職サービス↓
「技術を伸ばすこと」と同じくらい、あるいはそれ以上に「どの会社を選ぶか」が年収を決める──その現実に早く気づけたことが、個人的には一番のターニングポイントでした。
この記事が、そのきっかけになれば嬉しいです。