在宅勤務を快適に！デスク・ディスプレイ・周辺機器のおすすめ

在宅勤務が新しい働き方として定着し、自宅での作業環境をいかに快適に整えるかが、生産性向上と心身の健康維持において非常に重要になっています。

総務省の調査によると、2023年時点で民間企業のテレワーク導入企業は約50%を超え、さらに2024年10月の調査では、従業員30人以上の企業におけるテレワーク実施率は45.9%に達しています。しかし、国際比較ではテレワークを利用したことがある人の割合は日本が30%程度と低い水準に留まっており、自宅勤務を希望する人の割合は36.9%という調査結果もあります。

この記事では、在宅勤務をより快適に、そして効率的にするためのデスク、ディスプレイ、周辺機器の選び方から、限られたスペースでのレイアウト術、そして意外と見落としがちなパソコン周りの事情まで、導入率などの数値データに基づいた最新情報とともにお届けします。最適な環境を整え、快適なワークライフバランスを実現しましょう。

在宅勤務に必須！最適なデスク選びのポイント

スタンディングデスクで健康的なワークスタイル

在宅勤務で最も気になるのが、長時間座りっぱなしによる身体への負担ではないでしょうか。肩こりや腰痛の原因となる座りっぱなしを防ぐために、スタンディングデスク（昇降デスク）の導入を検討することをおすすめします。

立ち座りを切り替えることで血行が促進され、集中力の維持にも繋がると言われています。特に電動昇降デスクは、ボタン一つでスムーズに高さを調整でき、お好みの高さを記憶する機能を持つモデルも多く、作業内容や気分に合わせて瞬時に最適な姿勢へ移行できます。

例えば、ErGearの昇降式スタンディングデスク（幅120cm）のような製品は、安定した昇降と十分な作業スペースを提供し、多様なワークスタイルに対応します。健康面だけでなく、作業効率の向上にも大きく貢献するアイテムとして、ぜひ積極的に取り入れてみてください。長時間のデスクワークがもたらす身体的負担を軽減し、よりアクティブな働き方を実現するために、スタンディングデスクは非常に有効な選択肢となるでしょう。

スペースを最大限活用！L字型・コンパクトデスクの選び方

デスク選びは、作業効率だけでなく、お部屋のスペースを有効活用する上でも非常に重要です。もし複数のモニターを使ったり、資料を広げたりと広い作業領域が必要な場合は、L字型デスクが最適です。

広い天板は複数のタスクを同時にこなす際に真価を発揮し、作業効率を飛躍的に向上させます。YeTomのパソコンデスク L字型（幅107cm）のような製品は、限られたスペースでもL字型デスクのメリットを享受できるよう設計されています。

一方、限られたスペースを有効活用したい場合や、使わない時に収納したい場合は、コンパクトデスクや折りたたみデスクが便利です。サンワサプライの折りたたみデスク（100-DESKN006）などは、必要な時だけ展開し、使用後は簡単に収納できるため、リビングの一角など多目的スペースでの在宅勤務にぴったりです。ご自身の作業スタイルと部屋の広さに合わせて、最適な形状のデスクを選びましょう。

あなたに合ったデスクを見つけるためのチェックリスト

最適なデスクを選ぶためには、いくつかのポイントを事前に確認しておくことが大切です。以下のチェックリストを参考に、ご自身のニーズに合ったデスクを見つけましょう。

まず、「主な用途」を明確にしてください。PC作業のみか、書類作業が多いか、クリエイティブな作業で広いスペースが必要かによって、選ぶべきデスクの大きさや機能が変わってきます。

• 部屋の広さとレイアウト: 設置場所に無理なく収まるサイズか、生活動線を妨げないかを確認しましょう。
• 予算: 高機能なデスクほど高価になりますが、長期的な使用を考慮して、ある程度の投資は検討する価値があります。
• 耐荷重と安定性: PCやモニター、周辺機器を置くことを想定し、十分な耐荷重とグラつきのない安定性があるかを確認しましょう。
• 素材とデザイン: お部屋の雰囲気や既存の家具との調和も大切です。木製、金属製、色合いなど、好みに合わせて選びましょう。
• 配線管理: PCやモニターのケーブルをすっきりまとめられる、配線穴やケーブルトレーの有無も確認ポイントです。

これらの項目を総合的に検討することで、在宅勤務をより快適にする理想のデスクに出会えるはずです。

作業効率アップ！ディスプレイ選びと設置のコツ

作業領域を広げる！サイズと解像度の選び方

在宅勤務の作業効率を飛躍的に向上させるのが、広い作業領域を確保できるディスプレイです。特に複数のウィンドウを同時に開いて作業する際には、ディスプレイのサイズと解像度が非常に重要になります。

一般的に、24インチ前後のディスプレイはコンパクトで省スペースながらも十分な視認性を確保でき、一般的なオフィス作業に適しています。一方、27インチ以上の大型ディスプレイは、その広大な作業領域により複数のアプリケーションを並べて表示しても窮屈さを感じさせません。

特にMacBookユーザーやクリエイティブな作業を行う方には、より高解像度（WQHDや4K）のディスプレイがおすすめです。Dell S2722DCのようなWQHD解像度で広色域に対応したモデルは、美しい表示と広い作業スペースを両立し、作業の質を高めてくれます。自身の業務内容やPC環境に合わせて、最適なサイズと解像度を選びましょう。

目に優しい！パネルの種類と機能に注目

長時間ディスプレイを見続ける在宅勤務では、目の疲れをいかに軽減するかが重要になります。ディスプレイを選ぶ際は、パネルの種類と目の保護機能にも注目しましょう。

パネルの種類には主に「IPSパネル」と「VAパネル」があります。IPSパネルは発色が良く、広視野角が特徴で、どの角度から見ても色合いが変化しにくいため、デザイン作業や複数人で画面を見る場合に適しています。一方、VAパネルは黒の表現が得意でコントラストが高く、動画視聴などエンターテイメント用途に向いています。

目の疲れを和らげる機能としては、高さ調整機能が必須です。視線に合った高さにすることで、肩や首への負担を軽減できます。また、ブルーライトカット機能やフリッカーフリー機能は、目の刺激を減らし、長時間の作業でも快適さを保つために非常に有効です。さらに、出先でも活用できるIODATA EX-LDC161DBMのような15.6インチモバイルディスプレイも、サブモニターとして便利に活用できます。

理想の視線を手に入れる！モニターアーム活用術

ディスプレイを最適な位置に設置することは、肩や首への負担軽減だけでなく、デスクスペースの有効活用にも繋がります。そこで活躍するのがモニターアームです。

モニターアームを使用すれば、ディスプレイの位置や角度、高さを自由自在に調整でき、まさに「理想の視線」を手に入れることができます。例えば、視線の高さに合わせてモニターを上げたり、作業内容によって縦置き・横置きを切り替えたりすることも可能です。これにより、長時間の作業でも疲れにくい姿勢を維持できます。

また、モニターアームはディスプレイの台座がなくなるため、デスクスペースを大幅に確保できるという大きなメリットがあります。資料を広げたり、筆記用具を置いたりするスペースが生まれることで、デスク周りがすっきりと片付き、作業効率も向上します。デュアルモニター環境を構築する際にも、モニターアームは非常に有効なアイテムです。デスクの厚みやモニターの重量に対応するモデルを選び、快適な作業環境を実現しましょう。

あると便利！在宅勤務を支える周辺機器

快適な操作性！キーボード・マウスの選び方

長時間の在宅勤務では、PCの操作を快適にするキーボードとマウス選びが非常に重要です。身体への負担を軽減し、作業効率を向上させるために、自分に合ったものを選びましょう。

キーボードは、長時間のタイピングでも疲れにくいエルゴノミクスデザインのものや、周囲に配慮した静音設計のものがおすすめです。メカニカル、メンブレン、パンタグラフといった様々な種類があるので、打鍵感の好みで選びましょう。マウスも同様にエルゴノミクスデザインや静音設計のものが多く、手首への負担を軽減します。

ワイヤレスタイプのキーボードやマウスは、ケーブルがないためデスク周りがすっきりとし、ダイニングテーブルなど場所を移動して作業する場合にも非常に便利です。DPI調整機能付きのマウスは、作業内容に応じてカーソルの速度を変えられるため、細かい作業から広い画面での操作まで対応できます。これらの周辺機器は、毎日の業務の質を大きく左右する重要なツールです。

オンライン会議をスムーズに！Webカメラとヘッドセット

テレワーク導入企業のうち約7割が「社内コミュニケーションの減少」を課題として挙げる中、オンライン会議は在宅勤務における重要なコミュニケーション手段です。これを円滑に行うためには、適切なWebカメラとヘッドセットが必須となります。

Webカメラは、内蔵カメラよりも高画質な外付けタイプがおすすめです。画質（HD、Full HD、4K）、視野角、オートフォーカス機能などをチェックし、自身の映り方がクリアになるものを選びましょう。相手に与える印象が大きく変わります。

特に重要なのがヘッドセットです。マイク性能とノイズキャンセリング機能が高いものを選べば、周囲の生活音を気にすることなく、クリアな音声で会議に参加できます。マイクが口元に近いヘッドセットタイプは、ノイズが入りにくく、自分の声が相手に正確に届きやすいというメリットがあります。また、周囲の音を遮断することで、会議に集中しやすくなります。Webカメラとヘッドセットは、オンラインでの円滑な意思疎通を支える、まさに在宅勤務の「声と顔」と言えるでしょう。

環境を最適化するその他のお役立ちアイテム

快適な在宅勤務環境を構築するためには、PC本体や主要な周辺機器以外にも、細やかな配慮がされたアイテムが役立ちます。これらは作業効率を向上させ、ストレスを軽減するために欠かせません。

まず、PCのポート不足を解消するUSBハブは、複数の周辺機器を接続する際に非常に便利です。特にノートPCユーザーにとっては必須アイテムと言えるでしょう。次に、安定したインターネット環境を構築するためには、高性能なWi-Fiルーターや、より安定した通信が可能なLANケーブルの導入を検討しましょう。通信トラブルは作業の中断に繋がり、大きなストレスとなります。

セキュリティ面では、カフェなどの公共スペースで作業する際に、のぞき見防止フィルターが役立ちます。これは、横からの視線を遮り、画面の内容を保護するためのものです。他にも、手元の資料を照らすデスクライト、足元の疲労を軽減するフットレスト、散らかりがちなケーブルをまとめるケーブルボックスなど、細かなアイテムが日々の業務をスムーズにし、集中力を維持する手助けとなります。

6畳の部屋でもスッキリ！在宅勤務のレイアウト術

限られたスペースを有効活用する配置のヒント

日本の一般的な住宅事情では、在宅勤務専用の広い部屋を確保することは難しい場合が多いでしょう。特に6畳程度の部屋では、限られたスペースをいかに有効活用するかが鍵となります。

まず、デスクの配置を検討する際には、窓際や壁際といったデッドスペースになりがちな場所を積極的に利用しましょう。窓際であれば自然光を取り入れられ、気分転換にもなります。壁際には薄型のシェルフやウォールラックを設置することで、縦空間を有効活用し、収納力を確保できます。

家具を選ぶ際には、圧迫感を与えないスリムなデザインや、ホワイトや明るい木目調の色を選ぶと、部屋が広く見えます。また、デスクは部屋の入口から見て奥に配置し、生活動線を確保することを意識してください。ベッドとの距離感を考え、デスクの背後にベッドが位置するような配置は、仕事への集中力を高める効果も期待できます。

ゾーニングでオンオフを切り替える工夫

仕事とプライベートの区別が曖昧になりがちな在宅勤務では、空間を「ゾーニング」することで、心理的なオンオフの切り替えをスムーズにすることができます。

物理的なゾーニングとしては、デスクと生活空間の間に簡易的なパーテーションを設置したり、背の高い本棚や観葉植物を置いて視覚的に空間を区切ったりする方法があります。これにより、仕事モードへの切り替えがしやすくなり、集中力を高める効果が期待できます。

視覚的なゾーニングも有効です。デスクの下に仕事専用のラグを敷いたり、デスク周りの照明を仕事に適した明るさや色温度に設定したりすることで、その空間に入ると自然と仕事モードになるように演出できます。また、終業後はデスク周りの片付けをルーティンにすることで、心理的にも仕事から離れ、リラックスモードへと切り替えやすくなります。小さな工夫ですが、こうした意識的なゾーニングが、メリハリのある在宅勤務生活に繋がるでしょう。

収納と配線で魅せる！清潔感あるデスク周り

どんなに良い機材を揃えても、デスク周りが散らかっていると集中力は低下し、見た目の印象も悪くなります。清潔感のあるデスク周りを保つためには、収納と配線整理が非常に重要です。

まず、デスク上は必要最小限の物だけを置くように心がけましょう。モニターアームを活用してモニター下のスペースを空け、ペン立てや小物入れは引き出しタイプにするなど、視界に入る物を減らす工夫が大切です。書類はファイルボックスにまとめ、すぐに取り出せる場所に整理しておきましょう。

最も厄介なのが配線です。PC、モニター、周辺機器など多くのケーブルが絡み合い、見た目だけでなく掃除のしにくさにも繋がります。ケーブルボックスや結束バンド、ケーブルクリップなどを活用して、配線をまとめて隠すようにしましょう。デスク下に配線トレーを設置するのも有効です。電源タップもまとめて収納し、ホコリが溜まりにくいようにすることで、火災のリスクを減らすだけでなく、清潔感のあるスッキリとした作業空間を演出できます。整理整頓されたデスクは、心理的なゆとりと作業効率の向上に直結します。

意外と知らない？在宅勤務のパソコン事情

デスクトップ？ノートPC？在宅勤務に最適な選択肢

在宅勤務で使用するPCを選ぶ際、デスクトップPCとノートPCのどちらが良いか迷う方も多いでしょう。それぞれの特徴を理解し、ご自身の業務内容や環境に合わせて最適な選択をすることが大切です。

デスクトップPCの最大のメリットは、その性能の高さと拡張性にあります。グラフィックボードやメモリなどを自由にカスタマイズできるため、動画編集やプログラミングなど、高い処理能力を必要とする業務に適しています。また、大きなモニターと組み合わせて使用することで、より快適な作業環境を構築できます。

一方、ノートPCは可搬性が最大の魅力です。自宅内の好きな場所で作業したり、時にはカフェなど外出先で仕事をしたりと、場所を選ばずに働けます。また、デュアルモニター環境を構築する際も、ノートPCをメインに据え、外部モニターを追加する形で利用するケースが増えています。業務内容、作業場所の自由度、そして予算を総合的に考慮して、最適なPCを選びましょう。多くの企業ではノートPCを支給していますが、必要であればより高性能なデスクトップPCを検討する価値は十分にあります。

安定したネット環境が命！Wi-FiルーターとLANケーブル

在宅勤務において、安定したインターネット環境は生産性を左右する最も重要な要素の一つです。オンライン会議の途中で途切れたり、大容量ファイルのダウンロードに時間がかかったりすることは、大きなストレスとなります。

自宅のネット環境を見直す際、まず注目すべきはWi-Fiルーターです。古いモデルを使用している場合は、最新規格のWi-Fi 6（IEEE 802.11ax）に対応した高性能ルーターへの買い替えを検討しましょう。メッシュWi-Fi対応のルーターであれば、広い家でも家中どこでも安定した通信速度を確保できます。また、ルーターの設置場所も重要で、障害物の少ない中央に近い場所に置くのが理想です。

さらに、より確実な安定性を求めるなら、PCとルーターをLANケーブルで有線接続することをおすすめします。特にオンライン会議や大容量データのやり取りが多い業務では、有線接続の方が通信速度が速く、安定性が格段に向上します。現在の回線速度を測定し、必要に応じてプロバイダプランの見直しやルーター・LANケーブルのアップグレードを行い、快適な在宅勤務を支える強固なネットワーク環境を構築しましょう。

セキュリティ対策も忘れずに！個人情報保護の重要性

在宅勤務では、オフィスとは異なるセキュリティリスクに注意が必要です。参考情報でも「社内コミュニケーションの減少」と並び、「個人情報保護」は企業が在宅勤務導入後に抱える課題として挙げられています。

まず、物理的な対策として、前述したのぞき見防止フィルターの活用は非常に有効です。家族がいるリビングなどで作業する場合でも、画面の内容が周囲から見えにくくなり、情報漏洩のリスクを軽減できます。また、PCを離れる際は必ずロックをかける習慣をつけましょう。

ネットワーク面では、会社のVPN（Virtual Private Network）接続を利用し、安全な通信経路を確保することが重要です。これにより、公共のWi-Fiを利用する際でもデータが暗号化され、安全性が高まります。また、OSやソフトウェアのアップデートは常に最新の状態に保ち、ウイルス対策ソフトも導入しましょう。パスワードは複雑なものを設定し、定期的に変更することが基本です。企業のセキュリティポリシーを遵守し、個人情報の取り扱いには細心の注意を払うことで、安心して在宅勤務に取り組める環境を整えましょう。万が一の事態に備え、定期的なデータのバックアップも忘れないようにしてください。

在宅勤務は、場所や時間に縛られない柔軟な働き方を可能にする一方で、環境整備が不十分だと生産性の低下やストレスに繋がりかねません。

テレワーク導入企業からは「社内コミュニケーションの減少」が約7割で課題とされ、従業員からは「勤務時間とそれ以外の時間の管理」や「周囲の社員にしわ寄せがある」といった声も聞かれます。これらの課題に対しては、コミュニケーションツールの活用、業務時間・休憩時間の明確化、タスク管理ツールの導入などが対策として考えられます。

この記事で紹介したデスク、ディスプレイ、周辺機器、そしてレイアウト術やPC事情に関する情報を参考に、ご自身の環境や業務内容に合わせて最適なアイテムを選び、より快適で生産性の高い在宅勤務を実現してください。快適な環境は、生産性の向上だけでなく、従業員の満足度向上、ひいてはワークライフバランスの充実に繋がるはずです。