1. インターンシップ辞退・キャンセルを成功させるための基本
  2. インターンシップを辞退する際の基本マナー
    1. 迅速な連絡の重要性
    2. 適切な連絡手段とタイミング
    3. 感謝と謝罪の気持ちの伝え方
  3. インターンシップ辞退メールの書き方と注意点
    1. 件名と宛名の記載ルール
    2. 本文に含めるべき要素と構成
    3. 送信前の最終チェックポイント
  4. インターンシップ辞退の理由の伝え方
    1. 正直に伝えるべきケースと曖昧にするケース
    2. 「一身上の都合」が有効な場面
    3. 企業への配慮を忘れずに
  5. インターンシップのダブルブッキング・ドタキャンはNG
    1. ドタキャン・無断欠席が招く悪影響
    2. ダブルブッキング時の正しい対応
    3. 企業からの信頼を損なわないために
  6. 前日キャンセル・体調不良の場合の対応
    1. 緊急時の最速連絡方法
    2. 体調不良を伝える際のポイント
    3. 連絡後の丁寧なフォローアップ
  7. まとめ
  8. よくある質問
    1. Q: インターンシップを辞退する一番良いタイミングはいつですか?
    2. Q: インターンシップ辞退メールは、どのような件名にすれば良いですか?
    3. Q: インターンシップを辞退する際に、嘘の理由を伝えても良いですか?
    4. Q: インターンシップのダブルブッキングをしてしまった場合、どうすれば良いですか?
    5. Q: インターンシップ前日に体調不良でキャンセルする場合、どのように連絡すべきですか?

インターンシップ辞退・キャンセルを成功させるための基本

インターンシップへの参加を辞退・キャンセルすることは、企業にとって少なからず準備の手間をかけることになります。そのため、失礼のないよう慎重な対応が求められますが、やむを得ない事情で参加が難しくなった場合でも、適切なマナーを守れば、選考に悪影響を与える可能性は低いでしょう。

このブログ記事では、インターンシップの辞退やキャンセルを円滑に進めるための基本的なマナー、メールの書き方、理由の伝え方、そして絶対に避けるべきNG行動について詳しく解説します。ぜひ参考にして、企業との良好な関係を維持しながら、スマートに辞退手続きを進めてください。

インターンシップを辞退する際の基本マナー

迅速な連絡の重要性

インターンシップの辞退やキャンセルを決めたら、何よりも「できるだけ早く」企業に連絡を入れることが重要です。

企業は、参加者の人数に合わせてプログラムの内容を企画したり、会場を手配したり、担当者のスケジュールを調整したりと、多くの時間と労力をかけて準備を進めています。あなたの辞退が遅れれば遅れるほど、企業はその準備が無駄になるだけでなく、他の参加者への影響や、補充人員の確保が困難になるなど、多大な迷惑をかけることになりかねません。

迅速な連絡は、企業への配慮を示すだけでなく、あなた自身の誠意を示す行為でもあります。たとえ辞退するインターンシップであっても、社会人としての最低限のマナーを守ることは、今後の就職活動においてプラスに働きます。

連絡が早ければ早いほど、企業は状況を把握し、柔軟な対応が可能になります。例えば、他の候補者を繰り上げたり、プログラム内容を調整したりする時間的余裕が生まれるため、結果的に企業への負担を最小限に抑えることができるのです。

辞退を決意したその瞬間から、速やかに連絡手段を検討し、すぐに行動に移すことを心がけましょう。

適切な連絡手段とタイミング

インターンシップの辞退連絡は、状況に応じて適切な手段を選ぶことが大切です。

基本的には、「電話」と「メール」の両方で連絡するのが最も丁寧とされています。

  • 電話での連絡: 特に、インターンシップ開催日の前日や当日といった緊急性の高いキャンセルの場合は、必ず電話で直接担当者に伝えるようにしましょう。メールだけでは、担当者がすぐに確認できない可能性があり、連絡の遅延が企業にさらなる迷惑をかけることになります。電話が繋がらない場合は、伝言を頼むか、留守番電話にメッセージを残し、その後に改めてメールでも連絡を入れるのがマナーです。
  • メールでの連絡: 開催日まで余裕がある場合や、電話で連絡した後には、メールでも改めて辞退の意思とお詫びを伝えましょう。メールは連絡の記録を残せるため、認識の齟齬を防ぐ役割も果たします。

連絡するタイミングは、企業の営業時間内に行うことが鉄則です。

営業時間外の深夜や早朝に連絡することは、企業への配慮を欠く行為と見なされます。もし営業時間外に辞退を決めた場合は、翌営業日の開始時刻に近い早い時間帯に連絡するようにしましょう。

また、Web上でキャンセル手続きが可能な場合でも、感謝とお詫びの気持ちを伝えるために、電話やメールでのフォローアップをすることで、より丁寧な印象を与えることができます。マニュアル通りの対応だけでなく、相手への気持ちを込めたコミュニケーションを心がけましょう。

感謝と謝罪の気持ちの伝え方

インターンシップの辞退連絡において、最も重要ともいえるのが、感謝と謝罪の気持ちを丁寧に伝えることです。

企業は、あなたにインターンシップ参加の機会を提供するために、書類選考や面接などの採用プロセスを経て、時間と費用をかけて準備を進めてきました。その機会を辞退することになった以上、企業への敬意と誠実な姿勢を示すことが不可欠です。

連絡の際には、まず「この度は、貴社のインターンシップに参加する機会をいただき、誠にありがとうございます。」といった形で、選考を通過し、参加の機会を与えられたことへの感謝を伝えます。続けて、「大変申し訳ございませんが、一身上の都合により、今回は辞退させていただきたくご連絡いたしました。」と、辞退の意思を明確に、しかし丁寧に述べましょう。

そして、「貴社にはご迷惑をおかけし、大変恐縮でございます。」など、準備に手間をかけさせてしまうことへのお詫びの言葉を添えることが大切です。言葉遣いは、社会人として適切な敬語を使用し、丁寧な表現を心がけましょう

具体的な辞退理由を述べるか否かは後述しますが、どのような理由であっても、この感謝と謝罪の気持ちを伝えることで、企業側もあなたの誠意を受け止めやすくなります。形式的な連絡に終わらせず、気持ちのこもったメッセージを届けることで、たとえ辞退することになっても、企業に悪い印象を与えることを最小限に抑えることができるでしょう。

インターンシップ辞退メールの書き方と注意点

件名と宛名の記載ルール

インターンシップ辞退メールは、企業に確実に内容を伝え、スムーズな対応を促すために、件名と宛名の記載ルールをしっかり守ることが重要です。

件名:

件名は、メールの内容を一目で理解できるように簡潔かつ明確に記載しましょう。具体的には、「誰から」「何の用件で」連絡しているのかが分かるようにします。

  • 例1: 「インターンシップ辞退のご連絡(〇〇大学 氏名)」
  • 例2: 「【インターンシップ辞退】〇〇大学 氏名」
  • 例3: 「〇月〇日開催インターンシップ辞退の件/〇〇大学 氏名」

このように、氏名と大学名を明記することで、企業側は「どの学生からの、どのインターンシップに関するメールか」を瞬時に把握でき、担当者への取り次ぎもスムーズになります。件名だけで相手に不快感を与えないよう、丁寧な表現を心がけましょう。

宛名:

宛名は、会社名、部署名、担当者名を正確に記載することが不可欠です。誤字脱字はもちろん、略称を使ったり、敬称を間違えたりしないよう、細心の注意を払いましょう。

  • 株式会社〇〇
    人事部 採用ご担当者様
  • 株式会社〇〇
    人事部 〇〇様

担当者名が不明な場合は、「採用ご担当者様」や「インターンシップご担当者様」と記載しても問題ありません。しかし、もしメールアドレスから担当者名が推測できる場合や、過去の連絡で担当者名が分かっている場合は、必ず担当者名を記載しましょう。宛名が不正確だと、失礼な印象を与え、社会人としての基本的なマナーが身についていないと判断される可能性があります。

本文に含めるべき要素と構成

インターンシップ辞退メールの本文は、以下の要素を盛り込み、分かりやすく構成することが大切です。

1. 導入(挨拶と名乗り):

「お世話になっております。〇〇大学の氏名です。」と簡潔に名乗り、企業とのこれまでのやり取りへの感謝を述べます。

2. 辞退の意思表示:

「この度は、貴社インターンシップへのご参加の機会をいただき、誠にありがとうございます。大変恐縮ではございますが、この度、一身上の都合により、インターンシップへの参加を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。」のように、辞退の意思を明確に、しかし丁寧に伝えます。この際、参加予定だったインターンシップの正式名称と日時を記載すると、企業側がどのインターンシップかを特定しやすくなります。

3. 辞退理由(簡潔に):

詳細は後述しますが、辞退理由を簡潔に伝えます。プライベートな理由や他社選考が理由の場合は「一身上の都合により」で問題ありません。

4. 謝罪と感謝:

「ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。」と謝罪の意を伝え、インターンシップの機会を与えてくれたことへの感謝を改めて述べましょう。「貴重な機会を設けていただいたにも関わらず、誠に申し訳ございません。」といった表現も有効です。

5. 結びの言葉:

「末筆ではございますが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。」など、相手の今後の発展を願う言葉で締めくくると良い印象を与えられます。

6. 署名:

氏名、大学名、学部学科、電話番号、メールアドレスを記載します。

これらの要素を盛り込み、件名、宛名、挨拶、本文、結び、署名という一連の流れで構成することで、丁寧で分かりやすい辞退メールとなります。例文を参考にしながら、自身の状況に合わせて調整しましょう。

【メール例文】

件名:インターンシップ辞退のご連絡(〇〇大学 氏名)

株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者様

お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部の氏名と申します。

この度は、貴社〇月〇日開催のインターンシップに参加する機会をいただき、誠にありがとうございます。

大変恐縮ではございますが、一身上の都合により、今回のインターンシップへの参加を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。

貴重な機会を設けていただいたにも関わらず、ご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。

末筆ではございますが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

―――――――――――――――――――
〇〇 氏名(〇〇 ○○)
〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 〇年
電話番号:090-XXXX-XXXX
メールアドレス:XXXX@XXXX.com
―――――――――――――――――――

送信前の最終チェックポイント

辞退メールを送信する前には、必ずいくつかの最終チェックを行うことで、不備や失礼を防ぎ、プロフェッショナルな印象を与えることができます。

1. 誤字脱字の確認:

最も基本的なことですが、誤字脱字はビジネスメールにおいて非常に悪い印象を与えます。特に会社名、部署名、担当者名、日付、自身の氏名・大学名などは、一文字の間違いも許されません。声に出して読み上げたり、友人や家族にチェックしてもらったりするのも有効です。

2. 宛先の確認:

メールを送る相手が正しいか、必ず確認しましょう。複数のインターンシップに申し込んでいる場合、誤って別の企業に送ってしまうというミスも起こり得ます。

3. 添付ファイルの有無:

インターンシップ辞退のメールでは通常、添付ファイルは不要です。しかし、誤って不要なファイルを添付していないか、念のため確認しましょう。

4. 丁寧な言葉遣いの確認:

敬語が正しく使われているか、失礼な表現がないかを確認します。感謝とお詫びの気持ちが伝わる内容になっているか、客観的に読み返してみましょう。

5. 携帯電話から送信する場合の注意:

緊急時を除き、基本的にはPCから送信するのが望ましいです。携帯電話から送る場合は、ビジネスメールとして適切なフォーマットになっているか(絵文字や顔文字の使用、短すぎる文章などがないか)、署名がしっかり記載されているかを確認しましょう。

これらのチェック項目を送信前に確認することで、企業に対してより丁寧で誠実な態度を示すことができます。焦らず、落ち着いて最終確認を行うことで、最後まで抜かりのない対応を心がけましょう。

インターンシップ辞退の理由の伝え方

正直に伝えるべきケースと曖昧にするケース

インターンシップの辞退理由を伝える際、常に正直に話す必要はありません。状況に応じて、伝え方を変えることが大切です。

正直に伝えても良いケース:

以下のような、やむを得ない事情の場合は、正直に伝えても企業側は理解を示してくれることが多いです。

  • 学業との両立が難しい: 大学の授業や実験、試験、卒業論文などが急遽忙しくなり、インターンシップ参加が困難になった場合。具体的に「〇月〇日より試験期間に入り、集中せざるを得ない状況になりました」などと伝えると良いでしょう。
  • 体調不良・病気: 急な体調不良や病気で参加が難しい場合。具体的な病状を詳しく説明する必要はありませんが、「体調を崩してしまい、参加が困難になりました」と伝えましょう。
  • 家庭の事情: 親族の不幸や介護など、家庭の急な事情で参加できなくなった場合。「家庭の事情により」とだけ伝えても理解を得られるでしょう。

これらの理由は、企業側も学生が忙しいことを理解しているため、ネガティブな印象を与えにくい傾向があります。

曖昧にした方が良いケース:

一方で、以下のような場合は、正直に伝えるとかえって失礼にあたったり、企業に悪い印象を与えたりする可能性があります。

  • 他社のインターンシップ・選考と日程が重複した: 「貴社より志望度の高い企業との日程が重なった」と正直に伝えるのは、企業に対して失礼にあたります。
  • 興味が薄れた・他にやりたいことが見つかった: 企業への志望度が低いと判断されるため、今後の選考に影響する可能性があります。
  • 単なる気分的なもの・面倒になった: 社会人として無責任な印象を与えてしまいます。

これらの場合は、「一身上の都合により」「学業の都合により」といった曖昧な表現で伝えるのが無難です。企業側から詳細な理由を尋ねられることは稀ですので、無理に嘘をつく必要はありません。

「一身上の都合」が有効な場面

インターンシップの辞退理由として「一身上の都合により」という表現は、非常に汎用性が高く、多くの場面で活用できる便利なフレーズです。

この表現が特に有効なのは、先述の通り他社のインターンシップや選考との日程重複、または自身の志望度の変化など、企業に直接伝えることで不利になる可能性のある理由の場合です。例えば、あなたが第一志望の企業のインターンシップに参加できることになったため、他の企業のインターンシップを辞退する場合、「第一志望の企業と日程が重なったため」と伝えてしまうと、辞退先の企業にとっては「自社は第一志望ではない」というメッセージになり、良い印象を与えません。

このようなケースで「一身上の都合により」と伝えることで、具体的に詳細を語らずとも、辞退の意思を伝えることができます。企業側も、学生の就職活動が多忙であることを理解しており、「一身上の都合」という言葉の裏にある学生側の事情を察してくれることがほとんどです。

また、個人的な理由やプライベートな事情で参加が困難になった場合も、「一身上の都合」で十分に伝わります。例えば、急な家庭の事情や個人的な体調管理の問題など、詳細を話すのがためらわれる内容であっても、このフレーズを使えば、無理に説明する必要はありません。

ただし、この表現を使う際も、謝罪の言葉を丁寧に入れることを忘れないでください。「一身上の都合」は、あくまで理由をぼかすための言葉であり、企業への迷惑を謝罪する気持ちは別途しっかりと伝える必要があります。このバランスが、誠実な印象を与える鍵となります。

企業への配慮を忘れずに

辞退理由を伝える際も、常に企業への配慮を忘れないことが大切です。

たとえ「一身上の都合」と伝える場合でも、それが無責任な態度や言い訳と受け取られないよう、言葉を選びましょう。

1. 嘘はつかない:

例えば、「体調不良」と伝えた後に、別の場所で元気に活動している姿をSNSなどで見られてしまうと、信用を失うことになります。嘘は絶対に避け、正直に伝えにくい場合は「一身上の都合」などの曖昧な表現に留めるのが賢明です。

2. 詳細を語りすぎない:

詳細な理由を話す必要がない場合や、プライベートな内容が含まれる場合は、無理に全てを話す必要はありません。企業側も、学生のプライバシーに深入りすることは通常ありません。

3. 企業やインターンシップ内容を批判しない:

「インターンシップの内容が期待と違った」「他に良い企業が見つかった」など、企業やインターンシップの内容を批判するような理由は絶対に避けるべきです。これは企業への最大の侮辱であり、あなた自身の人間性を疑われる行為です。どのような理由であっても、感謝と謝罪の気持ちを込めて伝えましょう。

4. 連絡を早くする:

理由に関わらず、辞退を決めたらすぐに連絡することが、企業への最大の配慮です。これにより、企業は代替案を検討する時間を確保でき、迷惑を最小限に抑えられます。

インターンシップの辞退は、企業との関係性を試される場でもあります。最後まで誠実な態度で臨むことで、たとえ参加できなくても、企業からの信頼を損なわずに済むでしょう。これは、今後の就職活動だけでなく、社会人としてのキャリアにおいても重要な心構えとなります。

インターンシップのダブルブッキング・ドタキャンはNG

ドタキャン・無断欠席が招く悪影響

インターンシップにおけるドタキャン(直前キャンセル)や無断欠席は、企業に対して最も大きな迷惑をかける行為であり、絶対に避けるべきNG行動です。

企業は、インターンシップの開催に向けて、多くのリソースを投じています。例えば、

  • 会場の準備(設営、備品の配置)
  • 資料の印刷や配布物の準備
  • 担当社員の確保とスケジュールの調整
  • 外部講師の招へい
  • 昼食の手配(開催時間による)
  • 参加者数に応じたプログラムの調整

などが挙げられます。ドタキャンや無断欠席が発生すると、これらの準備が無駄になるだけでなく、担当社員が当日もあなたの参加を待つなど、本来行うべき業務に支障が生じます。また、他の参加者にも影響を与え、グループワークの人数調整や進行に問題が生じることもあります。

さらに深刻なのは、企業に与える「不誠実な学生」という悪い印象です。この印象は、本選考において致命的な影響を及ぼす可能性があります。

  • 本選考への影響: 企業は、インターンシップ参加者の情報をデータベースで管理していることが多く、無断欠席やドタキャンは記録として残ります。「社会人としてのマナーが欠如している」「責任感がない」と判断され、その後の本選考において書類選考や一次面接で不採用となる可能性が非常に高まります。
  • 企業ブランドへの悪影響: 企業側も学生からの悪評を気にするため、不誠実な学生の存在は、採用活動全体の効率を低下させる要因になりかねません。

どんなに急な事情が発生したとしても、必ず企業に連絡し、誠意を伝えることが最低限のマナーです。連絡なく参加しないという選択肢は、決して取らないでください。

ダブルブッキング時の正しい対応

複数のインターンシップに申し込んだ結果、日程が重なってしまう「ダブルブッキング」は、就職活動中に起こりがちな状況です。しかし、この際にどのように対応するかが、あなたの印象を大きく左右します。

1. 発覚次第、すぐに連絡:

ダブルブッキングに気づいたら、迷わずすぐに辞退する企業に連絡しましょう。開催日が近い場合は電話で、余裕がある場合はメールで連絡します。

2. 謝罪と辞退の意思を明確に:

「大変申し訳ございませんが、別件との日程調整が難しくなったため、今回は辞退させていただきたくご連絡いたしました。」と、まずは誠心誠意謝罪し、辞退の意思を明確に伝えます。

3. 辞退理由の伝え方:

ダブルブッキングが理由の場合、「他社のインターンシップに参加するため」と正直に伝えると、企業は自社への志望度が低いと判断する可能性があります。そのため、「一身上の都合により」といった曖昧な表現で伝えるのが無難です。具体例としては、「学業の都合により、スケジュールの調整が難しくなってしまいました」といった表現も適切です。

4. 別日程での参加希望を伝える(任意):

もしその企業への興味が強く、別の開催日程があれば参加したいと考えているのであれば、「もし機会がございましたら、次回開催時にはぜひ参加させていただきたく存じます」といった一文を添えることで、意欲を示すことができます。ただし、必ずしも企業に別日程を用意してもらえるわけではないので、期待しすぎないようにしましょう。

ダブルブッキングは、あなたのスケジュール管理不足と見なされることもありますが、迅速かつ誠実な対応をすることで、悪印象を最小限に抑えることができます。くれぐれも、放置したりドタキャンしたりすることだけは避けてください。

企業からの信頼を損なわないために

インターンシップの辞退やキャンセルは、学生にとってはやむを得ない選択である場合も多いですが、企業からの信頼を損なわないための対応が非常に重要です。

1. 誠実な対応を心がける:

どんな状況であっても、相手への敬意を忘れず、誠実な態度で接することが信頼を維持する上で最も大切です。連絡が遅れた場合でも、言い訳をするのではなく、まずは丁寧に謝罪し、今後の対応を仰ぐ姿勢を見せましょう。

2. 迅速な連絡の徹底:

辞退を決めたらすぐに連絡することは、企業への配慮を示すだけでなく、社会人としての責任感をアピールする機会でもあります。迅速な行動は、あなたの時間の管理能力や、他者への気遣いの表れと見なされます。

3. 連絡手段の適切性:

緊急時には電話、それ以外は電話とメールの併用など、状況に応じた最適な連絡手段を選ぶことが求められます。メールだけでは不十分なケースがあることを理解し、相手に確実に情報が届くように工夫しましょう。

4. 約束は必ず守る:

一度企業と交わした約束(インターンシップへの参加表明など)は、可能な限り守るのが社会のルールです。やむを得ず辞退する場合でも、その約束を破ることへの深い謝意を伝えることが、信頼を維持する上で不可欠です。

インターンシップを辞退したことが、直接的に本選考に影響することは少ないとされていますが、辞退の仕方が不誠実であれば、間違いなくマイナスの評価につながります。逆に、丁寧で誠実な対応は、「この学生はもし入社したら、どのような状況でも誠実に対応してくれるだろう」という好印象に繋がり、万が一、将来的にその企業と関わる機会があった際に、プラスに働く可能性もゼロではありません。就職活動を通して、社会人としての基礎的なマナーを身につけ、信頼を築く努力を惜しまないようにしましょう。

前日キャンセル・体調不良の場合の対応

緊急時の最速連絡方法

インターンシップの前日や当日になって、やむを得ずキャンセルしなければならなくなった場合、最も重要なのは「最速で、かつ確実に」企業に連絡を入れることです。

この状況では、メールだけでの連絡は不十分と認識してください。メールは担当者がすぐに確認できない可能性があり、連絡の遅延が企業に多大な迷惑をかけることになります。

  • 最優先は電話: 前日や当日のキャンセルは、必ず企業の人事担当者またはインターンシップ担当者へ直接電話で連絡しましょう。電話で口頭で伝えることで、企業は状況を即座に把握し、必要な対応(会場準備の変更、資料の削減、他の参加者へのアナウンスなど)を迅速に行うことができます。
  • 電話が繋がらない場合: もし担当者が不在で電話が繋がらない場合は、電話に出た方に事情を説明し、伝言をお願いしましょう。その際、必ずあなたの氏名、大学名、何のインターンシップのキャンセルの連絡であるかを明確に伝えてください。また、留守番電話サービスがある場合は、簡潔にメッセージを残します
  • 電話後のメールフォロー: 電話で連絡した後も、念のためメールでも改めて辞退の意思とお詫びを伝えましょう。これは、電話でのやり取りの記録を残す意味合いと、より丁寧な印象を与えるために有効です。メールの件名には「【緊急】〇月〇日インターンシップ辞退のご連絡(〇〇大学 氏名)」などと、緊急である旨を追記すると良いでしょう。

緊急事態においては、企業もあなたの状況を理解しようと努めてくれますが、連絡の遅れや不十分な対応は、不誠実な印象を与えてしまいます。どんなに連絡しづらい状況であっても、勇気を出して迅速に連絡することが大切です。

体調不良を伝える際のポイント

急な体調不良によるキャンセルは、学生にとって最もやむを得ない理由の一つです。しかし、その伝え方にはいくつかのポイントがあります。

1. 具体的な病状は不要:

連絡の際、具体的な病状や症状を詳細に説明する必要はありません。例えば、「発熱してしまい」「体調を崩してしまい、参加が困難になりました」といった簡潔な表現で十分です。病名や診断結果などを伝える義務もありません。

2. 参加が困難である旨を明確に:

「体調がすぐれないため、もしかしたら…」といった曖昧な表現ではなく、「誠に申し訳ございませんが、体調不良のため、本日のインターンシップへの参加は辞退させていただきます」と、参加が不可能であることを明確に伝えましょう。

3. 謝罪の気持ちを丁寧に:

体調不良という不可抗力であっても、企業に迷惑をかけることには変わりありません。そのため、「直前の連絡となり、ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません」と、謝罪の気持ちを丁寧に伝えることが重要です。

4. 別日程での参加希望を伝える(任意):

もし体調が回復した後もその企業への興味が強く、他の日程でインターンシップが開催される可能性があるのであれば、「もし機会がございましたら、改めて参加させていただきたく存じます」といった一文を添えることで、企業への参加意欲を示すことができます。

体調不良は誰にでも起こりうることですが、その際の対応があなたの人間性を映し出します。誠実で丁寧な対応を心がけ、企業に与える印象を最良のものにしましょう。無理をして参加しても、かえって体調を悪化させたり、他の参加者に移してしまったりするリスクもあるため、決して無理はせず、適切な判断を下しましょう。

連絡後の丁寧なフォローアップ

前日や当日のキャンセル、特に体調不良など緊急性の高い理由で連絡した後も、丁寧なフォローアップを怠らないことが大切です。これにより、企業への誠意がより伝わり、悪い印象を最小限に抑えることができます。

1. 電話後のメール連絡:

電話で辞退・キャンセルを伝えた後、改めてメールでもその旨を連絡しましょう。これは、電話の内容を確認・記録として残すためと、より丁寧な印象を与えるための二重の配慮です。メールには、電話で話した内容(いつ、誰に連絡したかなど)を簡潔に記載すると良いでしょう。

2. Webキャンセルフォーム利用後のフォロー:

もし企業がWeb上のキャンセルフォームを提供している場合でも、電話で口頭での謝罪と辞退の意思を伝えた上で、フォームを利用するのが最も丁寧です。Webフォームだけの連絡では、機械的な印象を与えかねません。フォーム送信後も、念のためメールで一言お詫びと確認の連絡を入れるとさらに良いでしょう。

3. 企業からの返信への対応:

辞退連絡に対し、企業から確認の返信があった場合は、速やかに返信し、改めて感謝とお詫びの気持ちを伝えましょう。これにより、あなたの誠実な姿勢を最後まで貫くことができます。もし、企業から何か指示(Webフォームへの入力など)があった場合は、それに従うようにしてください。

4. 体調回復後の報告(任意):

体調不良でキャンセルした場合、必ずしも必要ではありませんが、もし企業との関係性を大切にしたいのであれば、体調が回復した旨を改めて連絡するのも一つの方法です。その際も、改めて迷惑をかけたことへのお詫びと、インターンシップへの関心がある場合は次回参加への意欲を伝えると良いでしょう。

辞退・キャンセルは「終わり」ではありません。最後まで社会人としてのマナーを忘れず、丁寧なコミュニケーションを心がけることで、企業に好印象を残し、将来の可能性を広げることにも繋がります。