概要: 雇用保険料は、従業員と企業が一定の割合で負担します。毎月の保険料は給与から控除され、日割り計算されるケースもあります。また、特定の条件下では雇用保険料が返還されることもあります。
雇用保険料の負担割合と返還について徹底解説!【2025年度最新版】
失業や休業時のセーフティネットとして、私たち労働者の生活を支える重要な制度、それが雇用保険です。しかし、毎月の給与明細で天引きされている雇用保険料について、
「誰がどれくらいの割合を負担しているの?」「そもそも何に使われているの?」「もし払いすぎたら戻ってくるの?」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
特に2025年度(令和7年度)には、雇用保険料率が改定されることが決定しており、最新の情報を正しく理解しておくことがますます重要になっています。
この記事では、2025年度の最新情報も踏まえながら、雇用保険料の負担割合、計算方法、そして気になる返還の可能性まで、網羅的に解説していきます。
あなたの雇用保険に関する疑問を解消し、安心して働けるように、ぜひ最後までご覧ください。
雇用保険料の負担者は誰?企業と従業員の割合
雇用保険制度の基本と負担者の役割
雇用保険は、労働者が失業した場合や育児・介護などで休業した場合に生活を保障し、さらに労働者の能力開発や再就職支援を目的とした、社会保険制度の一つです。
この制度を支える財源は、私たち労働者と、私たちを雇用する事業主(企業)の双方が負担する雇用保険料によって賄われています。つまり、雇用保険は企業と従業員が共に「支え合う」仕組みなのです。
単に失業手当のイメージが強いかもしれませんが、実際には求職者給付(基本手当など)、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付(育児休業給付金、介護休業給付金、高年齢雇用継続給付など)
といった多岐にわたる給付があり、労働者の人生の様々な局面をサポートする役割を担っています。
これらの給付があるからこそ、私たちは万が一の時にも安心して生活を立て直したり、スキルアップを目指したりすることができるのです。
2025年度(令和7年度)には雇用保険料率が改定されることが決定しており、この変更は労働者だけでなく事業主にも影響を及ぼします。
最新の料率を把握し、自身の負担額や企業の負担コストを正しく理解することは、経済的な計画を立てる上で非常に重要です。
2025年度最新!事業の種類別負担割合を徹底解説
雇用保険料率は、事業の種類によって細かく定められています。2025年4月1日から2026年3月31日までの料率は以下の通り改定されます。
具体的には、「一般の事業」、「農林水産業・清酒製造業」、「建設業」の3つに分類され、それぞれ労働者と事業主の負担割合が異なります。
特に注目すべきは、事業主が「失業等給付・育児休業給付」のための保険料に加えて、「雇用保険二事業」のための保険料も負担する点です。
この「雇用保険二事業」とは、失業の予防、労働者の能力開発・向上、雇用機会の拡大などを目的とした事業であり、その保険料は全額事業主が負担します。
具体的な負担割合は以下の表の通りです。
事業の種類 | 労働者負担 | 事業主負担 | 合計 |
---|---|---|---|
一般の事業 | 0.55% | 0.90% (失業等給付0.55% + 二事業0.35%) | 1.45% |
農林水産業・清酒製造業 | 0.65% | 1.00% (失業等給付0.65% + 二事業0.35%) | 1.65% |
建設業 | 0.65% | 1.10% (失業等給付0.65% + 二事業0.45%) | 1.75% |
このように、事業主は労働者よりも高い割合を負担しており、その背景には雇用保険制度における事業主のより広範な役割と責任があります。
これらの料率を理解することは、企業の人件費計画や、個人の手取り額の見込みを立てる上で欠かせない情報となります。
なぜ事業主負担は高い?「雇用保険二事業」の役割
前述の表からもわかるように、雇用保険料の負担割合は、労働者よりも事業主の方が高い設定となっています。
この違いを生み出しているのが、事業主のみが負担する「雇用保険二事業」の保険料です。
雇用保険二事業は、具体的には以下の3つの柱で構成されています。
-
雇用安定事業:
失業の予防、雇用機会の増大、能力開発、その他雇用の安定を図るための事業。例えば、助成金制度を通じて企業の雇用維持や新規雇用を支援します。 -
能力開発事業:
労働者の職業能力の開発・向上を図るための事業。教育訓練給付金制度の原資となるほか、職業訓練の実施なども含まれます。 -
雇用福祉事業(かつて):
労働者の福祉増進のための事業。現在は上記2つの事業に統合される形で、より直接的な雇用の安定・能力開発に重点が置かれています。
つまり、事業主は単に失業時の給付だけでなく、「従業員が失業しないように」「従業員のスキルアップを支援して長く働いてもらえるように」「新たな雇用を生み出せるように」といった、
より広い視点での労働環境の維持・向上に関わる費用も負担しているのです。
これは企業が負う社会的責任の一環であり、安定した雇用環境の創出と維持に貢献する役割を期待されているためです。
このような背景を理解することで、雇用保険料が単なる天引き項目ではなく、私たち自身の働きがいや社会全体の安定を支える重要な仕組みであることが見えてきます。
雇用保険料は毎月いくら?日割り計算の有無
雇用保険料の計算式と賃金総額の範囲
毎月の雇用保険料がいくらになるのかは、基本的な計算式を理解すれば簡単に算出できます。
雇用保険料は、「賃金総額 × 雇用保険料率」というシンプルな式で計算されます。
ここで言う「賃金総額」とは、基本給だけを指すわけではありません。
労働者に支払われるほとんどの金銭が対象となり、具体的には以下のようなものが含まれます。
- 基本給
- 各種手当(役職手当、住宅手当、扶養手当、精勤手当など)
- 残業代(時間外手当、深夜手当、休日手当)
- 通勤手当(非課税限度額を超過した分)
- 賞与(ボーナス)
- その他、労働の対価として支払われるもの
ただし、通勤手当の非課税範囲内の金額や、出張旅費の実費弁償分などは賃金総額には含まれません。
この「賃金総額」は、税金や他の社会保険料が控除される前の総支給額を基に計算されます。
そのため、毎月の給与額や賞与の支給額によって、雇用保険料も変動することになります。
正確な金額を把握するためには、ご自身の給与明細で「雇用保険料率」と「賃金総額」を確認し、計算してみることが大切です。
月給30万円のシミュレーション!労働者と事業主の負担額
実際にどれくらいの雇用保険料を負担するのか、具体的な例を挙げて見てみましょう。
ここでは、「一般の事業」に勤める月給30万円の労働者を例にとり、2025年度(令和7年度)の最新料率を適用して計算します。
【労働者負担の場合】
- 月給総額: 300,000円
- 労働者負担料率(一般の事業): 0.55% (0.0055)
- 計算: 300,000円 × 0.0055 = 1,650円
この1,650円が、毎月の給与から控除される雇用保険料(労働者負担分)となります。
【事業主負担の場合】
- 月給総額: 300,000円
- 事業主負担料率(一般の事業): 0.90% (失業等給付0.55% + 二事業0.35% = 合計0.0090)
- 計算: 300,000円 × 0.0090 = 2,700円
事業主は、この2,700円を会社として負担することになります。
つまり、月給30万円の従業員1人につき、労働者は1,650円、事業主は2,700円の雇用保険料をそれぞれ納めていることになります。
年間で見ると、労働者負担は約2万円、事業主負担は約3万2千円となり、決して小さな金額ではありません。
賞与が支給された月は、その賞与額にも雇用保険料率が適用されるため、その月の保険料は通常よりも高くなります。
このように、給与や賞与の変動によって保険料も変わることを理解しておきましょう。
雇用保険料に日割り計算はある?入社・退職時の注意点
雇用保険料の計算において、気になるのが「日割り計算」の有無ではないでしょうか。
結論から言うと、雇用保険料は原則として日割り計算されません。
他の社会保険(健康保険や厚生年金保険)が月の途中で入退社した場合に日割りではなく、資格取得月の保険料は翌月から、喪失月の保険料は徴収しない、あるいは徴収するなど、
独特のルールがあるのと同様に、雇用保険にも特有のルールがあります。
雇用保険料は、賃金が支払われた期間に対して計算されるため、月の途中で入社または退職した場合でも、
その月に賃金の支払いがあれば、その賃金総額に対して雇用保険料が計算・徴収されます。
例えば、月の半ばで入社し、その月の給与が支給された場合、その支給された賃金総額に基づいて雇用保険料が計算されます。
同様に、月の半ばで退職し、退職日までの賃金が支給された場合も、その賃金総額に対して保険料が発生します。
ただし、会社によっては給与計算の締め日と支給日の関係で、実質的に月の途中の入社では初月の雇用保険料が発生しないケースや、
退職月の給与計算が翌月になることで、退職後の給与からまとめて徴収されるケースなど、運用は様々です。
不明な場合は、勤務先の人事・経理担当者に確認することをおすすめします。
日割りがない分、月の途中の入退社では、賃金の額によっては負担感が異なる可能性があります。
法定福利費としての雇用保険料の扱い
法定福利費とは?企業が負担するコストの内訳
企業が従業員を雇用する上で、給与以外にも様々な費用を負担しています。その中でも、法律で義務付けられているのが「法定福利費」です。
法定福利費とは、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料)、労働保険料(労災保険料、雇用保険料)、そして子ども・子育て拠出金の総称を指します。
これらの費用は、企業が従業員を雇用する上で避けて通れないコストであり、人件費の一部として計上されます。
雇用保険料もこの法定福利費の一部であり、企業が負担する「事業主負担分」は、会社の経費として処理されます。
法定福利費は従業員の福利厚生や社会保障を支えるための重要な財源であり、企業にとっては大きな負担となることも少なくありません。
特に近年は、社会保険料率の変動や高齢化に伴う負担増など、法定福利費を巡る環境は常に変化しています。
企業はこれらのコストを正確に把握し、経営計画に適切に組み込む必要があります。
従業員の側から見ても、自身の給与以外にこれだけの費用が会社から支払われていることを理解することは、
社会保障制度の重要性や会社の負担を認識する上で役立つでしょう。
雇用保険料が企業の会計・税務に与える影響
企業が負担する雇用保険料(事業主負担分)は、会計上および税務上、非常に重要な意味を持ちます。
まず、会計処理においては、雇用保険料は「法定福利費」として費用(勘定科目)計上されます。
これにより、企業の利益から控除され、最終的な損益計算書に影響を与えます。
税務面では、この法定福利費として計上された雇用保険料は、法人税などの計算において「損金算入」が認められます。
損金算入とは、税法上の費用として認められ、課税所得を減らす効果があるということです。
つまり、企業が雇用保険料を負担すればするほど、その分だけ企業の課税所得が減少し、結果として法人税などの納税額を抑えることができるというメリットがあります。
しかし、雇用保険料率の改定や従業員数の増加は、企業の法定福利費負担を直接的に増加させます。
特に2025年度のように料率が引き上げられる場合、企業の財務に与える影響は看過できません。
企業は、人件費予算を組む際に、給与だけでなくこれらの法定福利費の変動も織り込む必要があり、
採用計画や事業拡大の判断にも影響を及ぼす可能性があります。
労務担当者や経営者にとっては、常に最新の雇用保険料率を把握し、適切な財務計画を立てることが求められます。
労務管理における雇用保険料の重要性と役割
雇用保険料は、企業が適正な労務管理を行う上で極めて重要な要素です。
企業には、雇用保険の適用対象となる従業員を適切に加入させ、正確な賃金に基づいた雇用保険料を計算し、期限内に納付する法的義務があります。
この義務を怠ると、企業の信用失墜だけでなく、罰則の対象となる可能性もあります。
雇用保険料の適正な徴収と納付は、従業員にとっての大きなメリットにも直結します。
なぜなら、従業員が失業した際の基本手当(失業手当)や、育児休業・介護休業中の給付金、
あるいはスキルアップのための教育訓練給付金などの受給資格は、
企業が正しく雇用保険料を納付していることが前提となるからです。
企業側から見れば、従業員が安心して働ける環境を提供することは、企業の持続的な成長に不可欠です。
雇用保険は、そのような安心感を提供する社会保障制度の根幹をなすものであり、
適切な運用は従業員のエンゲージメント向上にもつながります。
労務管理担当者は、雇用保険に関する法改正や料率の変更に常にアンテナを張り、
従業員への情報提供や相談対応を含め、責任を持って制度を運用していく役割を担っています。
雇用保険料は返金・返還される?戻ってくるケース
原則として返還されない雇用保険料の基本
「毎月支払っている雇用保険料、もし給付を受けずに定年まで働いたら戻ってくるの?」
このような疑問を持つ方もいるかもしれません。
しかし、結論から言うと、雇用保険料は原則として返還されません。
雇用保険は、健康保険や年金保険と同様に「掛け捨て」の社会保険制度です。
保険事故(例えば、失業、育児休業、介護休業、教育訓練の受講など)が発生し、
その条件を満たした場合に給付金を受け取れる仕組みとなっています。
これらの給付は、私たち労働者や事業主が納めた保険料によって賄われています。
つまり、私たちが納める雇用保険料は、将来の万が一に備える「保険」であり、
また、現在、失業中の方や育児・介護中の方など、
給付を必要としている方々を支える「社会全体での助け合い」の費用でもあるのです。
そのため、失業給付などを受けずに退職したり、定年を迎えたりしても、
それまでに支払った雇用保険料が「満期返戻金」のように戻ってくることはありません。
これは、健康保険料や年金保険料についても同様の考え方が適用されます。
過払い・誤徴収が発生した場合の返還手続き
原則として雇用保険料は返還されませんが、例外的に「誤って徴収された場合」や「過払いが発生した場合」には、返還を受けることが可能です。
このようなケースは稀ですが、実際に起こり得るため、その時の対応を知っておくことは重要です。
具体的な例としては、以下のような状況が考えられます。
-
本来、雇用保険の適用対象ではない従業員から徴収されていた場合:
例えば、週の所定労働時間が20時間未満であるにもかかわらず、誤って雇用保険に加入させられ保険料が天引きされていたケースなど。 -
賃金総額の計算間違いにより、本来よりも多く徴収されていた場合:
給与計算の誤りや、賞与計算時のミスなどにより、過大な保険料が天引きされていたケース。
もし上記のような状況に心当たりがある場合は、まずは勤務先の人事部や経理部に相談してください。
会社側で過払いや誤徴収が確認されれば、多くの場合、翌月以降の給与で調整されるか、直接返金される形での対応となります。
会社での解決が難しい場合や、会社がすでになくなっているようなケースでは、
ご自身の居住地を管轄するハローワークや労働基準監督署、場合によっては年金事務所に相談することになります。
相談時には、給与明細や雇用契約書など、保険料の徴収状況がわかる書類を持参するとスムーズです。
返還に関する相談先と時効の注意点
雇用保険料の過払い・誤徴収に関する返還請求は、正しい手続きを踏むことで実現可能です。
どこに相談すれば良いか迷った時のために、主な相談先と、返還請求における重要な注意点である「時効」について解説します。
【主な相談先】
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勤務先の人事・経理担当者:
まず最初に相談すべき場所です。給与からの天引きは会社が行っているため、会社が誤りを認めれば最も迅速に解決できます。 -
管轄のハローワーク:
会社の対応に納得がいかない場合や、すでに退職している場合、会社が不明な場合などは、ハローワークに相談しましょう。雇用保険の管轄官庁として、適切なアドバイスや手続きの案内をしてくれます。 -
労働基準監督署:
賃金からの不適切な控除は、労働基準法違反に当たる可能性もあります。会社の対応が不誠実な場合は、労働基準監督署に相談することも選択肢の一つです。 -
年金事務所:
社会保険料全体での過払いなど、他の社会保険と関連するケースでは、年金事務所が窓口となることもあります。
【時効の注意点】
雇用保険料の返還請求には、時効が存在します。
原則として、徴収された日から2年間が時効とされています。
この期間を過ぎてしまうと、たとえ過払いや誤徴収があったとしても、返還請求の権利を失ってしまう可能性があります。
ただし、ケースによっては時効が5年に延長される場合など、例外規定も存在するため、
「おかしい」と感じたら、できるだけ早く関係機関に相談することが非常に重要です。
時効が迫っている場合は、特に迅速な対応が求められます。
給与明細などは定期的に確認し、疑問があれば放置せず、早めに専門機関に問い合わせる習慣をつけましょう。
知っておきたい!雇用保険料に関するQ&A
雇用保険料率が変動する理由は?今後の見通し
雇用保険料率は、2025年度にも改定されるように、常に一定ではありません。
その背景には、国の経済状況、失業率の変動、そして雇用保険制度の財政状況が大きく影響しています。
雇用保険は、景気が悪化し失業者が増加すれば、失業等給付の支出が増大します。
逆に景気が回復し雇用が安定すれば、給付支出は減少します。
例えば、新型コロナウイルス感染症の影響で失業者が一時的に増大した際、
雇用保険の財政は悪化し、それが料率引き上げの一因となりました。
このような外部環境の変化に対応し、制度の健全な運営を維持するために、
厚生労働省は定期的に雇用保険料率の見直しを行っています。
今後の見通しとしては、経済情勢や雇用状況に応じて、
引き続き料率が変動する可能性があることを念頭に置いておく必要があります。
少子高齢化や労働力人口の変化など、長期的な視点での課題も多く、
制度の持続可能性を確保するための見直しは今後も続いていくでしょう。
私たち一人ひとりが、社会保障制度の変動に関心を持つことが、
自身の将来設計にもつながります。
パート・アルバイトでも雇用保険料は払うの?加入条件
「正社員ではないから、雇用保険には関係ない」と思っている方もいるかもしれませんが、
実はパートやアルバイトであっても、一定の条件を満たせば雇用保険の加入義務が発生し、保険料を支払うことになります。
雇用形態ではなく、労働時間や雇用期間の見込みによって判断されるのが雇用保険の特徴です。
雇用保険の主な加入条件は以下の2点です。
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週の所定労働時間が20時間以上であること:
これは、一般的なフルタイム勤務者の半分程度の労働時間を指します。 -
31日以上の雇用見込みがあること:
短期の契約であっても、継続して雇用される可能性があれば対象となります。
派遣社員や契約社員なども、これらの条件を満たせば雇用保険の適用対象となります。
これらの条件を満たしている場合、会社は従業員を雇用保険に加入させる義務があり、
給与から雇用保険料が天引きされることになります。
もし条件を満たしているにもかかわらず雇用保険に加入させてもらえない場合は、
会社の労務担当者やハローワークに相談してみてください。
パート・アルバイトであっても雇用保険に加入していれば、
万が一の失業時には基本手当を受け取れたり、育児休業給付金や教育訓練給付金などの制度も利用できるようになります。
自身の労働条件を確認し、正しく雇用保険に加入しているかを知ることは、自身の権利を守る上で非常に重要です。
雇用保険料を払うメリット・デメリットって?
毎月の給与から控除される雇用保険料について、「デメリットばかりなのでは?」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、雇用保険は私たちが安心して働き、生活を送るための重要なセーフティネットであり、多くのメリットを享受できる制度です。
【メリット】
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失業時の生活保障(求職者給付):
会社を辞めたり解雇されたりした場合に、再就職までの生活費として基本手当(失業手当)を受け取ることができます。これは最も大きなメリットの一つです。 -
育児・介護休業中の所得保障(雇用継続給付):
育児休業や介護休業を取得する際に、休業期間中の賃金の一定割合が給付金として支給され、生活を支えます。 -
スキルアップ支援(教育訓練給付):
専門的な知識や技能を習得するための教育訓練を受講した場合に、費用の一部が支給される制度です。キャリアアップを目指す上で非常に役立ちます。 -
再就職支援:
失業した際に、ハローワークを通じて再就職のサポートや求人紹介を受けられます。 -
高年齢雇用継続給付:
高齢者が賃金が低下しても働き続けられるよう支援する給付金です。
【デメリット】
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毎月の手取り額の減少:
給与から保険料が天引きされるため、その分だけ手取り額が少なくなります。 -
給付を受けられない可能性:
雇用保険に加入していても、失業や休業といった保険事故が発生しなければ、直接的な給付を受け取ることはありません。
デメリットは手取り額の減少に集約されますが、雇用保険が提供する多岐にわたる給付や支援を考慮すると、そのメリットはデメリットをはるかに上回ると言えるでしょう。
特に、人生の転機や不測の事態に備えるための「安心」を金銭では測りきれない価値として提供してくれるのが雇用保険の最大の魅力です。
まとめ
よくある質問
Q: 雇用保険料の負担者は、従業員と企業でどのように分かれていますか?
A: 雇用保険料は、原則として企業と従業員が一定の割合で負担します。業種や従業員の雇用形態によって負担割合は異なりますが、一般的には従業員負担分は給与から控除されます。
Q: 雇用保険料は毎月いくらくらいかかりますか?日割り計算はありますか?
A: 毎月の雇用保険料は、給与額に保険料率をかけて計算されます。日割り計算については、月の途中で入社・退職した場合などに適用されることがあります。具体的な金額は、給与や保険料率によって変動します。
Q: 雇用保険料は、法定福利費としてどのように扱われますか?
A: 雇用保険料は、企業が負担する法定福利費の一部として計上されます。これは、労働者の福利厚生を目的とした公的な保険制度に加入するために必要な費用です。
Q: 雇用保険料が返金・返還されることはありますか?
A: 原則として、納付した雇用保険料が返金・返還されることはありません。ただし、過誤納付や、特定の条件下(例:失業等給付の受給資格がないのに天引きされていた場合など)においては、返還される可能性もゼロではありません。
Q: 雇用保険料が戻ってくるケースは具体的にどのような場合ですか?
A: 雇用保険料が戻ってくるケースは非常に限定的です。例えば、計算誤りによる過払いがあった場合や、過去に遡って適用されない期間の保険料を誤って徴収していた場合などが考えられます。詳細はハローワークにご確認ください。