【2025年版】OJTの基本から実践まで!挨拶・メール・進め方のコツ

新入社員や若手社員の育成において、OJT(On-the-Job Training)は欠かせない手法です。

2025年現在、多くの企業がその効果を再認識し、より戦略的に活用しようとしています。

この記事では、OJTの基本から、日々の業務で役立つ挨拶やメールのコツ、効果的な進め方までを徹底解説。

新入社員も先輩社員も、ぜひこの記事を参考に、OJTを成功に導きましょう。

OJTとは?基本を理解しよう

OJTの定義と重要性

OJTとは、「実務を通して従業員の知識、技術、態度を意図的・計画的に指導する人材育成方法」です。

実際の業務を通じて学ぶため、即戦力化を促進し、実践的なスキルを効率良く習得できるメリットがあります。

特に新入社員や若手社員の早期立ち上がりには不可欠な手法と言えるでしょう。

データで見るOJTの現状

厚生労働省の2023年調査では、正社員に対して計画的なOJTを実施している事業所は60.2%に上ります。

対象者は新卒入社1年目社員が78.4%と最も多く、期間は半数近くが3ヶ月以上と、多くの企業でOJTが重要な育成プロセスとして定着していることがわかります。

これはOJTが現代の人材育成に欠かせない要素であることを示唆しています。

OJTの隠れた落とし穴:デメリットを把握する

OJTには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。

例えば、トレーナー(先輩社員)によって指導内容や質にばらつきが出やすいこと、トレーナーの負担が増加することなどが挙げられます。

また、実務中心のため、企業理念や経営戦略といった全体像の把握が難しい場合もあります。

これらのデメリットを事前に理解し、対策を講じることがOJT成功の鍵となります。

OJT成功の鍵!効果的な挨拶とメール

第一印象を決める!OJT開始時の挨拶

OJT開始時の挨拶は、今後の関係性を左右する重要な機会です。

新入社員は、「〇〇を学ぶために、積極的に質問させていただきます」といった学びへの意欲と謙虚さを伝えましょう。

先輩社員は、「困ったらいつでも声をかけてくださいね」と歓迎の意を示し、相談しやすい雰囲気を作ることが大切です。

OJTをスムーズにするメール術

日々のOJTでは、メールでのやり取りも発生します。

新入社員は、報連相の基本を意識し、質問メールには「件名で内容を簡潔に」「要点を明確に」を心がけましょう。

先輩社員は、指示メールを箇条書きで分かりやすくしたり、フィードバックメールで具体的に評価点を伝えたりすることで、OJTをスムーズに進めることができます。

円滑なコミュニケーションのための心がけ

OJTを成功させるには、新入社員と先輩社員双方のコミュニケーションが不可欠です。

新入社員は、言われたことをメモし、不明点は積極的に質問する姿勢が重要です。

先輩社員は、定期的に声かけを行い、新入社員の話を傾聴することで、信頼関係を築き、より深い指導へと繋げることができます。

OJTでよく聞く「7割」と「1割」の意味とは?

学習効率の法則「70-20-10の法則」とは?

OJTの文脈でよく語られるのが「70-20-10の法則」です。

これは、人の成長が「経験(実務)からの学びが70%」「他者からの学び(フィードバック、交流)が20%」「座学(研修、読書)が10%」で構成されるという考え方です。

OJTは、この法則における「70%」の部分を担う重要な役割を果たします。

「7割」の実践がもたらす効果

OJTを通じて実務に直接関わることで、新入社員は座学では得られない実践的なスキル問題解決能力を身につけることができます。

この「7割」の経験が、業務への深い理解と応用力を育み、いざという時の判断力を養う基盤となるのです。

OJTは、まさに「やってみせる、やらせてみる、見てやる」という実践的な学習機会の宝庫です。

残りの「2割」と「1割」をOJTにどう活かすか

「70-20-10の法則」の残りもOJTと密接に関わります。

「20%の他者からの学び」は、OJTにおける先輩社員からの具体的なフィードバックや指導がこれにあたります。

「10%の座学」は、OJTで得た実践知を補完するOFF-JT(外部研修やeラーニング)でカバー。

これらを組み合わせることで、より効果的な人材育成が実現します。

OJTの進め方:新入社員・先輩社員が意識すべきこと

新入社員が主体的に学ぶための心構え

新入社員は、「何を、いつまでに、どのレベルまで習得するか」を先輩と共有し、目標意識を持つことが重要です。

分からないことは積極的に質問し、聞いたことはメモを取り、自分なりに復習する習慣をつけましょう。

失敗を恐れずに挑戦し、報連相を徹底することで、自身の成長を最大化できます。

先輩社員が効果的に指導するためのコツ

OJTの質を高めるためには、先輩社員側の工夫も大切です。

  • 明確な目標設定:トレーニーの習得目標を具体的に示す。
  • 定期的な評価とフィードバック:進捗状況を確認し、ポジティブ・ネガティブ両面で伝える。

トヨタ自動車が実践する「ほめる」「しかる」「見守る」の「めんどう見」も、指導の参考になるでしょう。

OJTを成功に導く計画と体制

OJTは単なる業務の引き継ぎではありません。企業全体で育成をサポートする体制が不可欠です。

例えば、マルハニチロやキヤノンITソリューションズのようにトレーナー研修を実施し、指導スキルを向上させることは重要です。

また、大手食品製造会社では、入社後3年間のOJTを義務付け、先輩社員がマンツーマンで指導することで、離職率低下と早期戦力化に成功しています。

OJTをさらに活用するために:よくある疑問を解決!

OJTの効果測定はどうすればいい?

OJTの効果を測るには、KPI(重要業績評価指標)の設定が不可欠です。

例えば、「新人のスキル習得率」「独り立ちまでの期間」「エラー率の低下」「顧客満足度の向上」「離職率の低下」などが考えられます。

これらの指標をOJT実施前後で比較・分析することで、育成の投資対効果(ROI)を評価し、今後の改善に繋げましょう。

OJTとOFF-JT、どう使い分けるべき?

OJTとOFF-JT(Off-the-Job Training)は、それぞれ異なる役割を持つため、組み合わせて活用するのが最も効果的です。

OJTは実践的なスキルや現場での応用力を養うのに適しており、OFF-JTは基礎知識、理論、企業全体像、共通スキルの習得に有効です。

両者の強みを活かし、相乗効果を最大化する育成プログラムを構築しましょう。

OJTがうまくいかない時の対処法

OJTが期待通りに進まない場合、まずは目標設定やフィードバック方法を見直すことが大切です。

トレーナーとトレーニーの相性が悪い場合は、第三者(上長や人事)が介入し、面談や調整を行うことも有効です。

また、トレーナーの負担軽減や指導力向上のための再研修も検討し、組織全体でOJTの課題解決に取り組む意識が重要です。