概要: 「昇給」を英語で表現したいけれど、どの単語を使えば良いか迷っていませんか?この記事では、昇給を表す基本的な単語から、昇給率、昇給額、頻度、さらには昇格・昇進との違いまで、具体的な英語表現と例文を網羅的に解説します。ビジネスシーンで自信を持って「昇給」について話せるようになりましょう。
「昇給」は、働く人にとってモチベーションの源であり、キャリアアップの重要な指標です。しかし、この「昇給」を英語でどのように表現するか、昇給率や額、さらには頻度まで具体的に説明できるでしょうか?
この記事では、昇給に関する様々な英語表現を、最新の市場動向や具体的な例文を交えながら徹底的に解説します。英語でのコミュニケーションが必須のグローバルなビジネスシーンで役立つ情報が満載です。
昇給を表す基本的な英単語とフレーズ
「Raise」と「Salary Increase / Pay Raise」
「昇給」は、雇用主が従業員の給与を増額することを指します。英語では、この概念を表現するいくつかの単語やフレーズがありますが、最も広く使われるのは「raise」です。
「raise」は名詞としても動詞としても使え、日常会話で非常に一般的です。「I got a raise.(昇給しました。)」のように、簡潔に自分の状況を伝えることができます。
ビジネスシーンやよりフォーマルな文脈では、「salary increase」や「pay raise」が好まれます。これらは「給与の増額」という事実を明確に伝え、公式な文書や会議でよく耳にします。例えば、「The company announced an across-the-board salary increase for all employees.(その会社は全従業員に対する全面的な昇給を発表しました。)」というように使われます。
これらは基本的に同じ意味ですが、フォーマルさの度合いで使い分けましょう。口語なら「raise」、書面や公式の場なら「salary increase」や「pay raise」を選ぶのが適切です。
日常会話で使える表現と例文
昇給は、多くの人にとって仕事のモチベーションに直結する重要な要素です。日常会話で昇給について話す際には、様々な感情や状況を表現するフレーズがあります。
例えば、昇給を受け取った喜びを表現するなら、「He was thrilled to receive a pay rise.(彼は昇給を受けて大喜びしました。)」のように言えます。過去に昇給があったことを伝える場合は、「I got a raise last year.(昨年、昇給しました。)」が一般的です。
未来への期待を示す場合は、「I’m hoping for a raise this year.(今年は昇給を期待しています。)」や「I’m looking forward to a salary increase.(給与の増加を楽しみにしています。)」が使えます。
さらに、昇給を求めて会社と交渉したい場合は、「I will ask the company for a (pay) raise.(私は会社に昇給を求めます。)」や「You should negotiate your salary.(給料の交渉をした方がいいよ。)」といった表現が役立ちます。これらの表現を使いこなせると、よりスムーズにコミュニケーションが取れるでしょう。
昇進を伴う昇給の表現
「昇進」は「promotion」と訳され、役職や責任の増加を意味します。多くの企業では、昇進は同時に給与の増加、つまり昇給を伴います。
このような場合、「He got a promotion and a raise.」や「She was promoted to manager and received a significant salary increase.」のように表現することができます。
「Promotion」そのものが、給与増加のニュアンスを含むこともありますが、明確に給与が増えたことを伝える場合は「and a raise」を付け加えるとより正確です。
参考情報にもあるように、「昇進を伴う昇給は “promotion” と表現されることもあります。」これは、特に「昇進」が給与増を必然的に伴う文脈で使われる場合です。
役職が上がり、それに伴って給料も増えたことを強調したい場合は、「He received a promotion with a pay raise.」という表現が非常に適切です。これは単なる給与増加以上の、キャリアアップを意味します。
昇進と昇給は密接に関連していますが、それぞれが個別の概念であることを理解しておくことが重要です。
昇給率・昇給額を英語で表現する方法
昇給率を伝える英語表現
昇給率を英語で伝える際は、主にパーセンテージを使って表現します。最も一般的なのは、「an X% increase in salary」や「a X percent raise」という形です。
例えば、参考情報にある日本の2024年の春季労使交渉の結果を引用すると、「The average wage increase in Japan for 2024 was 5.10%.(2024年の日本の平均賃上げ率は5.10%でした。)」と表現できます。
また、2025年の連合の集計では、「Rengo reported an average wage increase of 5.25% for 2025, the highest in 34 years.(連合は、2025年の平均賃上げ率が過去34年間で最高の5.25%に達したと報告しました。)」のように具体的に伝えることができます。
世界的な動向を説明する際には、「The global average salary increase was projected to be 5.4% in 2024.(2024年の世界の平均昇給率は5.4%と予測されていました。)」といった表現が適切です。
これらの表現は、具体的な数字を交えながら、昇給の規模を明確に伝える際に非常に役立ちます。
昇給額を伝える英語表現
昇給額を具体的に伝える場合は、通貨単位と期間を明確にする必要があります。例えば、「月額でX円増えた」と伝えたい場合は、「an increase of X yen per month」という表現が一般的です。
参考情報にある日本の2024年のデータでは、「The average monthly salary increase for employees in Japan was 15,281 yen in 2024.(2024年の日本の従業員の平均月額昇給額は15,281円でした。)」と表現できます。
年間の昇給額を伝える場合は、「an annual increase of X dollars」や「X amount more per year」を使います。例えば、「I got an annual raise of $5,000.(年間5,000ドルの昇給がありました。)」のように使われます。
昇給額を伝える際は、それが税引き前か後か、ボーナスを含むかなど、より詳細な情報を補足すると、相手に正確な情報が伝わりやすくなります。しかし、まずはシンプルに「どれくらい増えたか」を伝える表現をマスターしましょう。
世界の昇給率トレンドを英語で説明する
世界各国における昇給率のトレンドを説明する際には、比較対象となるインフレ率と併せて示すと、実質的な購買力の変化が分かりやすくなります。
参考情報によると、「2024年の世界平均昇給率は5.4%と予測された一方、インフレ率は3.1%でした。」これは英語で、「While the global average salary increase was projected at 5.4% in 2024, the inflation rate stood at 3.1%.」と表現できます。
また、2025年の予測としては、「The global average raise is expected to be 4.5% with an inflation rate of 2.6% in 2025.(2025年の世界の平均昇給率は4.5%、インフレ率は2.6%となる見込みです。)」と伝えることができます。
国別の具体的なデータも重要です。例えば、「India is projected to continue its high salary increase trend, reaching 9.3% in 2025.(インドは2025年も引き続き高い昇給率トレンドが予測されており、9.3%に達すると見られています。)」
対照的に、「The U.S. and UK are expected to see more modest increases of 3.8% and 3.6% respectively.(アメリカとイギリスはそれぞれ3.8%と3.6%という、より控えめな昇給が予測されています。)」
以下に、2025年の主要地域の昇給率とインフレ率の予測をまとめた表を示します。
地域 | 平均昇給率 (2025年予測) | インフレ率 (2025年予測) |
---|---|---|
世界平均 | 4.5% | 2.6% |
ヨーロッパ | 4.1% | – |
中東・アフリカ | 5.6% | – |
アメリカ | 3.8% | – |
イギリス | 3.6% | – |
インド | 9.3% | – |
このように具体的な数字と地域名を挙げることで、世界の昇給トレンドを分かりやすく説明することができます。
昇給の頻度やタイミングを英語で説明する
一般的な昇給の頻度
企業における昇給の頻度は、国や業界、企業のポリシーによって様々ですが、一般的には「annual raise」、つまり年に一度の昇給が最も一般的です。
これは、多くの場合、年末や会計年度末に行われる業績評価(performance review)と連動しています。
「We have a yearly salary review in March.(私たちは3月に年次の給与見直しがあります。)」のように表現できます。
中には「biannual review(年2回の見直し)」を行う企業もありますが、これは少数派です。
昇給の頻度について質問する際は、「How often do employees receive a raise here?(ここでは従業員はどれくらいの頻度で昇給がありますか?)」と尋ねることができます。
また、新しい職を探している場合など、昇給のサイクルを把握することは非常に重要です。
昇給のタイミングを伝える表現
昇給のタイミングは、単に頻度だけでなく、それがいつ具体的に実施されるのかを伝える際に重要となります。
最も一般的なのは、「at the end of the fiscal year(会計年度末に)」や「after the annual performance review(年次業績評価の後で)」という表現です。
例えば、「Our company usually announces salary increases in April, following the performance reviews.(私たちの会社は通常、業績評価の後、4月に昇給を発表します。)」のように使われます。
日本の文脈では、「spring labor negotiations」または「shuntō」と呼ばれる「春季労使交渉」が重要なタイミングです。
これは、「The wage increases in Japan are often decided during the spring labor negotiations.(日本の賃上げは、しばしば春季労使交渉の間に決定されます。)」と説明できます。
特定の月を指す場合は、「Raises are typically implemented in July.(昇給は通常7月に実施されます。)」のようにシンプルに伝えることも可能です。
昇給の期待や交渉に関する英語フレーズ
昇給を期待したり、それを会社に打診したりする際に使える英語フレーズを知っておくことは非常に重要です。
漠然とした期待を表現するなら、「I’m hoping for a raise this year.(今年は昇給を期待しています。)」や「I’m optimistic about receiving a pay increase soon.(近いうちに昇給があることを楽観視しています。)」が適切です。
具体的なアクションを起こす場合は、より直接的な表現を使います。例えば、上司と給与について話し合いたいときは、「I’d like to schedule a meeting to discuss my compensation.(私の報酬について話し合うための会議を予定したいのですが。)」と言うことができます。
さらに、具体的な交渉の意思を伝えるなら、「I plan to negotiate for a higher salary during my performance review.(業績評価の際に、より高い給与を交渉するつもりです。)」や「I believe my contributions warrant a salary increase.(私の貢献は昇給に値すると信じています。)」といった表現が有効です。
参考情報にある「You should negotiate your salary.(給料の交渉をした方がいいよ。)」というアドバイスのように、自ら行動を起こすことの重要性も理解しておきましょう。
昇格・昇進と昇給の違いを英語で説明する
「Promotion」と「Raise」の明確な違い
「昇格・昇進」と「昇給」は混同されがちですが、英語では明確に区別されます。
「Promotion(プロモーション)」は、キャリアにおける地位や役職が上がることを意味します。これには、より大きな責任、より高い権限、そして多くの場合、部下の管理などが伴います。
一方、「Raise(レイズ)」や「Salary Increase(サラリーインクリース)」は、単に給与額が増えることを指します。役職が変わらないまま給与だけが上がることもあります。
この違いを理解する上で重要なのは、「Promotion often comes with a raise, but a raise doesn’t always mean a promotion.(昇進はしばしば昇給を伴いますが、昇給が常に昇進を意味するわけではありません。)」という点です。
つまり、昇進すれば通常は給与も上がりますが、業績評価や物価上昇に対応して給与が上がっても、役職は変わらないというケースも多々あります。
それぞれの表現と具体的な状況
では、それぞれの表現を具体的な状況でどのように使い分けるかを見てみましょう。
役職が上がり、それに伴って給与も増えた場合、「He was promoted to Senior Manager and received a significant salary increase.(彼はシニアマネージャーに昇進し、大幅な昇給を受けました。)」のように表現できます。
この場合、「promotion」と「salary increase」の両方を明示することで、役職の変更と給与の変更の両方があったことを明確に伝えます。
一方で、役職は変わらないものの、個人の業績が評価されて給与が増えた場合は、「She received a merit-based raise without any change in her job title.(彼女は役職の変更なく、業績に基づいた昇給を受けました。)」のように表現します。
これは、単に「She got a raise.」と言うよりも、給与増加の理由が明確になります。
このように、状況に応じて適切な単語を選ぶことで、より正確な情報を伝えることができます。
これらを組み合わせた表現
昇進と昇給が同時に発生し、それを一体として表現したい場合もあります。このような時には、両者を組み合わせたフレーズが非常に便利です。
最も一般的な表現の一つは、「He received a promotion with a significant pay raise.(彼は大幅な昇給を伴う昇進を受けました。)」です。このフレーズは、キャリアアップと経済的恩恵の両方を一度に伝えることができます。
あるいは、「She was offered a higher position, which included a substantial salary increase.(彼女は大幅な給与増加を含む、より高い役職を提示されました。)」のように、より詳細に説明することも可能です。
これらの表現は、昇進がもたらす総合的なメリットを強調したい場合に特に効果的です。
昇進と昇給はしばしば連動するため、これらの複合的な表現を使いこなすことで、より自然で洗練された英語表現が可能になります。
特別な昇給について英語で表現する際のポイント
業績連動型昇給(Performance-based raise)
通常の年次昇給とは別に、個人の卓越した業績や貢献度に応じて与えられる昇給を「performance-based raise」や「merit increase」と呼びます。
これは、従業員のモチベーション向上や優秀な人材の定着を目的として多くの企業で導入されています。
例えば、「Our company offers merit increases to top performers who consistently exceed their goals.(私たちの会社は、常に目標を上回る優秀な業績の従業員に対し、業績連動型の昇給を提供しています。)」のように説明できます。
「merit pay」という言葉も同様の意味で使われます。
このような昇給は、個人の努力が直接的に報酬に結びつくため、従業員にとって大きなインセンティブとなります。
全面的な昇給(Across-the-board raise)
「全面的な昇給」とは、特定の個人や部門だけでなく、全ての従業員または特定のグループ全体に一律で適用される給与の引き上げを指します。
これを英語で表現する際は、「across-the-board salary increase」というフレーズが非常に適切です。
参考情報にもある通り、「The company announced an across-the-board salary increase for all employees.(その会社は全従業員に対する全面的な昇給を発表しました。)」という例文が代表的です。
このような昇給は、企業の業績が好調な場合や、物価上昇に対応して従業員の生活水準を維持する目的で実施されることがあります。
全員が対象となるため、企業全体の士気向上にもつながりやすい特徴があります。
インフレ調整昇給(Cost-of-living adjustment: COLA)
物価上昇による生活費の増加に対応するため、給与を調整することを「cost-of-living adjustment(COLA)」、または「inflation adjustment」と呼びます。
これは、従業員の実質的な購買力を維持することを目的とした昇給であり、特にインフレ率が高い時期に重要視されます。
例えば、「The company provided a COLA to help employees cope with rising inflation.(その会社は従業員がインフレ上昇に対処できるよう、物価調整給与を提供しました。)」のように使われます。
参考情報にある2024年、2025年のインフレ率予測(3.1%, 2.6%)は、このような調整の必要性を裏付けるデータとなります。
COLAは、必ずしも個人の業績とは関係なく、経済状況に応じて自動的に、または交渉によって実施されることがあります。
まとめ
よくある質問
Q: 「昇給」を表す最も一般的な英語は何ですか?
A: 「昇給」を表す最も一般的な英語は “salary increase” です。その他にも “pay raise” や “wage hike” なども使われます。
Q: 昇給率を英語で表現するにはどうすれば良いですか?
A: 昇給率を英語で表現するには “salary increase rate” や “percentage increase” といった表現が使えます。例えば、「5%の昇給率」は “a 5% salary increase rate” となります。
Q: 「定期昇給」は英語で何と言いますか?
A: 「定期昇給」は “regular salary increase” や “annual pay raise” といった表現が一般的です。年に一度の昇給であれば “annual raise” とも言えます。
Q: 「昇格」と「昇給」は英語でどう違いますか?
A: 「昇格」は “promotion” と言い、役職が上がることを指します。一方、「昇給」は “salary increase” や “pay raise” と言い、給与が上がることです。昇格に伴って昇給することが多いですが、必ずしもイコールではありません。
Q: 「特別な昇給」は英語でどのように表現できますか?
A: 「特別な昇給」は “special salary increase” や “exceptional pay raise” のように表現できます。業績が著しく良かった場合などに使われることがあります。