1. 【履歴書】本人希望欄の書き方!例文・注意点・扶養家族欄まで徹底解説
  2. 履歴書「本人希望欄」で差をつける!書き方の基本と例文
    1. なぜ「貴社の規定に従います」が基本なのか
    2. 記載すべき内容・避けるべき内容
    3. 具体的な例文で理解する基本の書き方
  3. パート・バイト・正社員別!状況別の「本人希望欄」例文集
    1. パート・アルバイト希望者のケーススタディ
    2. 正社員希望者のケーススタディ
    3. 育児・介護と両立したい場合の書き方
  4. 「勤務時間」「在職中」「子供」など、よくある疑問と回答
    1. 勤務時間の希望はどこまで具体的に書くべき?
    2. 在職中の場合の入社希望日と連絡方法
    3. 子供に関する情報はどこまで書くべきか?
  5. 扶養家族欄・配偶者欄の書き方:知っておきたい基本知識
    1. 「扶養家族数」の正しい数え方と記入例
    2. 「配偶者」「配偶者の扶養義務」の判断基準
    3. 扶養家族・配偶者欄が選考に与える影響と注意点
  6. 本人希望欄で損しない!採用担当者に響く書き方のコツ
    1. 簡潔に、かつ具体的に伝える技術
    2. 企業への配慮と入社意欲を示す表現
    3. ネガティブな印象を与えないための最終チェック
  7. まとめ
  8. よくある質問
    1. Q: 履歴書の「本人希望欄」とは何ですか?
    2. Q: 「本人希望欄」には何を書けば良いですか?
    3. Q: パート・アルバイトの場合、「本人希望欄」の例文を教えてください。
    4. Q: 「配偶者の扶養義務」とは何ですか?
    5. Q: 「本人希望欄」に何も書かないのは問題ないですか?

【履歴書】本人希望欄の書き方!例文・注意点・扶養家族欄まで徹底解説

履歴書の「本人希望欄」と「扶養家族欄」は、採用担当者が応募者の状況を把握するために重要な項目です。しかし、「何を書けばいいの?」「どこまで具体的に書いていいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。このブログ記事では、履歴書の本人希望欄と扶養家族欄について、採用担当者に好印象を与える書き方から、状況別の例文、そしてよくある疑問まで徹底的に解説します。この記事を読めば、あなたの履歴書がさらに魅力的になること間違いなしです!

履歴書「本人希望欄」で差をつける!書き方の基本と例文

履歴書の中でも、特にどのように書けば良いか迷いがちなのが「本人希望欄」です。この欄は、あなたの就業条件に関する希望を伝える最後のチャンスであり、使い方次第で採用担当者に与える印象が大きく変わります。基本は「貴社の規定に従います」ですが、本当に伝えたいことがある場合は、採用担当者に配慮しつつ、簡潔かつ具体的に記述するスキルが求められます。ここでは、その基本原則と具体的な例文を詳しく見ていきましょう。

なぜ「貴社の規定に従います」が基本なのか

履歴書の本人希望欄には、特別な希望がない限り「貴社の規定に従います」と記入するのが一般的です。この表現は、企業に対するあなたの柔軟な姿勢と、入社への強い意欲を示すメッセージとなります。多くの企業は、応募者が自社の文化や働き方に順応できるかを重視しており、最初から多くの条件を提示されると、企業側は「融通が利かないのでは」「自社のやり方に合わせる気がないのでは」といったネガティブな印象を抱いてしまう可能性があります。

特に、職種や勤務地が明確に指定されている求人に対して、細かすぎる希望を記入するのは避けるべきです。例えば、給与や待遇面に関する希望は、本来面接の場で交渉すべき内容であり、履歴書に記載すると一方的な印象を与えかねません。「貴社の規定に従います」と書くことで、企業に対する信頼と、提示された条件を受け入れる準備があることを示すことができます。これにより、採用担当者はあなたの入社意欲を高く評価し、他の応募者との比較においても、ポジティブな印象を与えることができるでしょう。

もちろん、どうしても譲れない重要な条件がある場合は、その旨を伝える必要があります。しかし、その場合でも、企業への配慮を忘れずに、簡潔かつ丁寧な表現を心がけることが大切です。まずは「規定に従う」という基本を押さえ、必要に応じて追加情報を加えるというスタンスで臨みましょう。

記載すべき内容・避けるべき内容

本人希望欄は、就業に不可欠な条件や、事前に伝えておくべき配慮事項を記載する場所です。具体的に記載すべき内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 希望職種: 応募企業で複数の職種が募集されている場合に、希望する職種を具体的に記載します。求人情報に記載されている正式名称を使用しましょう。
  • 入社可能日・退職日: 現在在職中の場合や、入社可能日が決まっている場合は、具体的な日付を記載します。例:「現在在職中のため、入社は〇月〇日以降を希望いたします。」
  • 勤務条件に関する配慮: 家庭の事情などで勤務地や勤務時間に制限がある場合(育児・介護など)は、その理由と具体的な希望を記載します。ただし、業務に支障がないことを明確に伝えることが重要です。例:「子供の送迎のため、9時~17時の勤務を希望いたしますが、業務に支障が出ないよう最大限努力いたします。」
  • 健康状態: 健康上の理由で就業上の配慮が必要な場合、その旨を簡潔に記載します。こちらも「業務に支障がないこと」を必ず明記しましょう。
  • 連絡方法・時間帯: 在職中などで連絡が取りにくい時間帯がある場合、連絡が取れる時間帯や手段を記載します。例:「日中のご連絡は難しいため、お電話は18時以降にお願いいたします。メールでのご連絡は随時確認可能です。」

一方で、避けるべき内容は以下の通りです。

  • 給与・待遇面: 基本的に面接で話し合う内容であり、履歴書に記載すると一方的な印象を与えます。
  • 志望動機・自己PR: それぞれ専用の欄があるため、本人希望欄に記載するのは目的外です。
  • 長文の記載: 簡潔さを心がけ、読みやすくまとめることが大切です。
  • 「特になし」や空欄: 採用担当者に与える印象が悪くなる可能性があるため、「貴社の規定に従います」と記入するのが適切です。

これらのポイントを参考に、必要最低限の情報を明確に伝えるようにしましょう。

具体的な例文で理解する基本の書き方

本人希望欄の書き方は、あなたの状況によって適切な表現が異なります。ここでは、状況に応じた具体的な例文をいくつかご紹介し、その書き方のポイントを解説します。

【例文1:特別な希望がない場合】

貴社の規定に従います。

これが最も基本的な書き方です。柔軟な姿勢と入社への意欲を示すことができます。

【例文2:現在在職中のため、入社日に希望がある場合】

現在在職中のため、入社は〇月〇日以降を希望いたします。

具体的な日付を記載することで、企業は採用スケジュールを立てやすくなります。退職交渉の進捗状況を考慮し、現実的な日付を設定しましょう。

【例文3:勤務地や職種に希望がある場合(企業が複数の選択肢を提示している場合)】

〇〇職での勤務を希望いたします。
希望勤務地:〇〇支店

求人情報で複数の職種や勤務地が募集されている場合に有効です。記載がない場合は「貴社の規定に従います」が基本です。あくまで求人内容に沿った希望を伝えるようにしましょう。

【例文4:連絡に関する希望がある場合】

現在在職中のため、日中のご連絡は難しい場合がございます。
恐れ入りますが、メールにてご連絡いただけますと幸いです。
お電話をいただく際は、18時以降にご連絡いただけますと幸いです。

在職中など、連絡が取りにくい時間帯がある場合に記載します。あくまで「配慮のお願い」であり、連絡が取れないことを正当化するものではない点に注意が必要です。返信しやすいメールを第一希望にするのも良いでしょう。

【例文5:健康上の理由で配慮が必要な場合】

持病のため、定期的な通院が必要となりますが、業務に支障はございません。
(通院は月に一度、〇曜日の午前中を希望いたします)

業務に影響がないことを明記し、具体的な配慮内容も簡潔に伝えます。ネガティブな印象を与えないように、前向きな姿勢で記載することが重要です。

これらの例文を参考に、あなたの状況に合わせて簡潔かつ具体的に記述し、採用担当者に好印象を与えましょう。

パート・バイト・正社員別!状況別の「本人希望欄」例文集

本人希望欄の書き方は、応募する雇用形態や個人の状況によって大きく異なります。パート・アルバイトのように勤務時間や曜日に柔軟性を求めるケースから、正社員として働く上で譲れない条件、育児や介護と両立したい場合の具体的な希望まで、それぞれの状況に合わせた適切な表現方法を知っておくことが、採用への道を切り開く鍵となります。ここでは、状況別の例文を通して、効果的な本人希望欄の作成術を習得していきましょう。

パート・アルバイト希望者のケーススタディ

パートやアルバイトの募集では、勤務時間や曜日、扶養内での勤務といった具体的な希望が、採用の可否に大きく影響します。正社員の場合とは異なり、柔軟な働き方を前提としているため、自身のライフスタイルに合わせた希望を明確に伝えることが、ミスマッチを防ぎ、長く働ける職場を見つける上で非常に重要です。

例えば、「週3日、午前中のみ(10:00~13:00)の勤務を希望いたします。」や、「子供の送迎があるため、9:00~15:00の勤務を希望いたします。」のように、具体的な時間帯や曜日を明記しましょう。これにより、企業側はシフト作成や人員配置の際にあなたの希望を考慮しやすくなります。さらに、扶養内で働きたい場合は、「扶養範囲内での勤務を希望いたします(年間103万円未満)。」と記載することで、給与計算上の配慮を求めることができます。ただし、あまりにも多くの制限を設けすぎると、採用の機会を逃してしまう可能性もあるため、「譲れない条件」に絞って簡潔に記述することが肝心です。

柔軟性を示すため、「上記条件を基本としますが、貴社の状況により柔軟に対応させていただきます」といった一文を加えるのも良いでしょう。面接で詳細を話す機会を得るためにも、まずは必要最低限の情報を分かりやすく伝えることが大切です。

【例文】

勤務時間:週3日、火・木・金曜日の10:00~16:00を希望いたします。
扶養範囲内での勤務を希望いたします(年間103万円未満)。
子供の急な体調不良の際は、お休みをいただく場合がございますが、
可能な限り業務の引き継ぎ等の対応をいたします。

このように、具体的な希望を伝えつつ、企業への配慮と柔軟な姿勢を見せることがポイントです。

正社員希望者のケーススタディ

正社員の場合、パート・アルバイトとは異なり、基本的に企業の規定に沿った働き方が求められます。そのため、本人希望欄は「貴社の規定に従います」を原則としつつ、「どうしても譲れない」「事前に伝えておくべき」事項に限定して記載することが極めて重要です。

例えば、転勤が不可能であるなど、業務に大きな影響を与える条件がある場合にのみ、その理由を添えて簡潔に記述します。「家族の介護があるため、転居を伴う転勤は難しい状況です。」といった例文が考えられます。この際、「転勤はできません」と断定的に書くよりも、「難しい状況です」と柔軟性を持たせた表現を用いることで、企業側の印象も和らぎます。また、現在在職中の場合は、入社可能日を明記することが必須です。「現在在職中のため、入社は〇月〇日以降を希望いたします。」と具体的に伝え、企業が採用計画を立てやすいように配慮しましょう。

健康上の理由で配慮が必要な場合も、簡潔に記載します。「持病のため定期的な通院が必要ですが、業務に支障はございません」のように、業務への影響がないことを明確に伝えることが大切です。給与や待遇に関する希望は、正社員の場合でも履歴書に書くべきではありません。これらは面接の場で、自身のスキルや経験をアピールした上で交渉する内容です。本人希望欄は、あくまで企業とのミスマッチを避けるための、必要最低限の条件提示に留めるべきでしょう。過度な要求は避け、あくまで「相談」の姿勢で臨むことが大切です。

【例文】

貴社の規定に従います。
現在在職中のため、入社は〇月〇日以降を希望いたします。
家族の介護の都合上、転居を伴う転勤は難しい状況です。

簡潔に、しかし明確に、あなたの状況と意向を伝えましょう。

育児・介護と両立したい場合の書き方

育児や介護と仕事を両立したい場合、本人希望欄はあなたの働き方に関する重要な情報を伝える場となります。しかし、単に「時短勤務を希望します」と書くだけでなく、具体的な希望と、それによって業務に支障が出ないよう最大限努力する姿勢を示すことが、採用担当者へのアピールにつながります。企業側も、長く働いてくれる人材を求めているため、働き続けたいという意欲と、そのための工夫を伝えることが重要です。

例えば、「子供の保育園送迎のため、9時~17時の勤務を希望いたします。」と具体的に時間帯を提示します。さらに、「残業は難しい場合もございますが、可能な限り対応させていただきます。」や「業務に支障が出ないよう、効率的な業務遂行を心がけます。」といった一文を加えることで、企業側も安心して採用を検討できます。また、急な病気などへの対応として、「子供の急な体調不良の際は、お休みをいただく場合がございますが、代替業務の準備など、可能な限り事前に対応いたします。」と書くことで、企業への配慮を示せます。

介護の場合も同様に、「親の介護のため、週に一度〇曜日の午前中、在宅勤務を希望いたします。(介護サービス利用の調整が可能であれば、出勤も可能です)」といった具体的な希望と、それが難しい場合の柔軟な対応意欲を示すと良いでしょう。重要なのは、自身の希望が企業に与える影響を理解し、それを最小限に抑えるための努力や工夫を伝えることです。また、応募する企業が育児・介護支援制度を設けているか事前に確認し、それに言及するのも有効です。

【例文】

子供の保育園送迎のため、9:00~17:00の勤務を希望いたします。
残業は難しい場合もございますが、業務に支障がないよう、効率的な業務遂行を心がけます。
急な体調不良等でのお休みの場合も、連絡体制を整え、業務への影響を最小限に抑えるよう努めます。

単なる要望に留まらず、業務への責任感をアピールし、長期的な貢献意欲を示すことが大切です。

「勤務時間」「在職中」「子供」など、よくある疑問と回答

本人希望欄を記入するにあたり、多くの人が抱く疑問として「勤務時間の希望はどこまで具体的に書くべきか」「在職中の場合の連絡方法はどうすればよいか」「子供に関する情報はどこまで記載すべきか」といったものがあります。これらの疑問は、採用担当者への印象を左右する重要なポイントであるため、正確な知識を持って臨むことが不可欠です。ここでは、よくある疑問に対する回答と、それぞれの状況における適切な書き方を詳しく解説します。

勤務時間の希望はどこまで具体的に書くべき?

勤務時間の希望を本人希望欄に記載する際、どこまで具体的に書くべきかは、応募する企業の業種や職種、募集要項の内容によって判断が必要です。一般的に、パートやアルバイトの募集では、具体的な時間帯や曜日を記載する方が、企業とのミスマッチを防ぐ上で有効です。

例えば、「毎週月・水・金曜日の10時から16時まで勤務希望」や「土日祝日を除く平日の9時から15時まで勤務希望」といったように、明確に記載しましょう。これは、企業がシフトを組む際の重要な情報源となり、採用担当者も応募者の働き方を具体的にイメージしやすくなります。ただし、あまりにも多くの時間的制約を設けすぎると、採用の機会を逃す可能性があるため、「譲れない最小限の条件」に絞り、柔軟性も併記することが賢明です。

一方、正社員の募集の場合、「貴社の規定に従います」が原則です。しかし、育児や介護などのやむを得ない事情で、どうしても勤務時間に制約がある場合は、その理由を添えて簡潔に記載します。「子どもの保育園送迎のため、9時~17時までの勤務を希望いたします」のように、理由を明確にすることで、企業側も事情を理解しやすくなります。この際、「業務に支障が出ないよう、最大限努力いたします」といった一文を添えることで、意欲と責任感を示すことができます。応募する企業がどのような働き方を求めているのかを事前にリサーチし、その企業の文化や制度に合わせた書き方を心がけることが重要です。

在職中の場合の入社希望日と連絡方法

在職中に転職活動を行う場合、本人希望欄には「入社希望日」と「連絡方法・時間帯」を必ず記載するようにしましょう。これは企業が採用プロセスを円滑に進める上で不可欠な情報です。入社希望日は、現在の職場の退職手続きや引き継ぎにかかる期間を考慮し、現実的な日付を設定します。

現在在職中のため、入社は〇月〇日以降を希望いたします。」と具体的に記載することで、企業はあなたのスケジュールを把握し、選考の進行や内定後の調整がしやすくなります。もし具体的な日付が未定であれば、「現職の引き継ぎが完了次第、入社可能です(〇月末を目途に調整中)」といった表現も可能です。あくまで、内定をいただいた場合にスムーズに移行できるよう、誠実な姿勢を見せることが大切です。

次に、連絡方法についてです。日中に現職で働いている場合、電話に出られないことが多いため、「連絡希望時間帯」や「連絡手段の希望」を明記することが親切です。「日中は現職のため、お電話でのご連絡は18時以降にお願いいたします。メールでのご連絡は随時確認可能です。」といったように記載しましょう。これにより、企業側はあなたに連絡を取りやすくなり、選考プロセスがスムーズに進みます。ただし、あくまで「希望」であるため、緊急の連絡などには柔軟に対応できるよう、工夫も必要です。企業によっては、最初の連絡をメールで行い、その後の詳細を電話で調整する場合もありますので、メールはこまめにチェックするようにしましょう。

子供に関する情報はどこまで書くべきか?

子供に関する情報は、本人希望欄に記載する際、慎重な判断が必要です。基本的には、子供の存在が「勤務時間に制約を与える場合」や「急な休みの可能性」など、業務に直接影響を与える可能性のある場合にのみ、簡潔に記載することが推奨されます。単に子供がいるという事実だけを記載する必要はありません。

もし勤務時間に制約がある場合は、「子供の送迎のため、〇時~〇時の勤務を希望いたします。」と具体的に記載します。この際、「業務には支障が出ないよう、効率的に業務を進めます」や、「残業が難しい場合もありますが、可能な限り対応させていただきます」といった、業務への責任感を示す一文を添えることで、企業への配慮をアピールできます。

また、子供の急な病気などでの欠勤の可能性についても触れることで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。「子供の急な体調不良の際は、お休みをいただく場合がございます。その際は速やかに連絡し、業務の引き継ぎなど、可能な限り対応いたします。」のように、具体的な対応策を併記することで、企業側の不安を軽減できます。ただし、これらの情報は、応募する企業が育児支援に積極的であるか、あるいは募集職種が柔軟な働き方を許容するかどうかを事前に確認した上で記載することが重要です。一般的に、過度な希望や、企業にとって負担となるような記載は避けるべきです。あくまで、あなたの能力や意欲を損なうことなく、必要な配慮を求める形に留めましょう。

扶養家族欄・配偶者欄の書き方:知っておきたい基本知識

履歴書にある「扶養家族欄」と「配偶者欄」は、採用選考に直接的な影響を与えることは少ないものの、入社後の社会保険や税金の手続きに必要となる重要な情報です。これらの欄を正確に記入することは、企業側が円滑に事務手続きを進める上で不可欠であり、あなたの正確性や誠実さを示す機会でもあります。ここでは、それぞれの欄の正しい書き方と、知っておきたい基本知識を詳しく解説します。

「扶養家族数」の正しい数え方と記入例

履歴書の「扶養家族数」欄は、企業が所得税や社会保険料を計算するために必要な情報を記載する項目です。この欄には、あなた自身を含まず、あなたの収入によって生計を維持されている家族の人数を記入します。正確な記入が求められるため、扶養家族の定義を理解しておくことが重要です。

扶養家族の定義は、大きく分けて税法上の扶養と健康保険上の扶養がありますが、履歴書で求められるのは一般的に税法上の扶養親族を指すことが多いです。主な条件は以下の通りです。

  • 年間合計所得が48万円以下(給与収入のみなら103万円以下)
  • 生計を同一にしている(必ずしも同居は必要ではありません)
  • 配偶者、子、孫、兄弟姉妹、父母や祖父母などが対象

特に注意すべきは、「扶養家族数(配偶者を除く)」と記載されている場合です。この場合は、配偶者があなたの扶養に入っていても、その人数にはカウントしません。扶養している子どもや親などの人数のみを記入します。もし扶養家族が誰もいない場合は、空欄にせず「0人」と記入するのが正しい書き方です。

状況 扶養家族数(配偶者を除く)
配偶者、子供2人が扶養 2
扶養家族がいない 0
配偶者のみ扶養 0

不明な点があれば、市役所の税務課や企業の採用担当者に確認するのが最も確実です。

「配偶者」「配偶者の扶養義務」の判断基準

履歴書の「配偶者」欄は、あなたの配偶者がいるかどうかを記入する項目です。いる場合は「」、いない場合は「」に〇をつけます。これは事実確認なので、迷うことは少ないでしょう。

次に「配偶者の扶養義務」欄です。これは、あなたの配偶者が、あなたの収入によって生計を維持されている状態、つまりあなたが配偶者を扶養しているかどうかを問うものです。この判断基準は主に配偶者の年間収入によって決まります。

履歴書で問われる「配偶者の扶養義務」は、一般的に健康保険上の扶養を指すことが多いです。その主な判断基準は以下の通りです。

  • 年間収入が130万円未満であること(60歳以上または障害者の場合は180万円未満)。
  • かつ、その収入があなたの収入の半分未満であること。

配偶者が働いていて、上記の収入基準を超えている場合は「無」となります。例えば、配偶者が年間200万円の収入を得ている場合は「無」です。専業主婦(主夫)で収入がない、または収入が基準以下であれば「有」と判断されます。また、税法上の扶養(配偶者控除・配偶者特別控除の対象)となるのは、配偶者の年間合計所得が48万円以下(給与収入のみなら103万円以下)の場合です。履歴書では健康保険上の基準で記入することが一般的ですが、企業によっては異なる場合もあるため、迷ったら確認しましょう。

配偶者の年間収入 配偶者の扶養義務 税法上の配偶者控除
103万円未満(給与のみ) 控除対象
130万円未満(給与のみ、103万円超) 一部控除(配偶者特別控除)
130万円以上 控除対象外

この欄は、企業が社会保険や年末調整の手続きを進める上で必要な情報ですので、正直かつ正確に記入することが大切です。

扶養家族・配偶者欄が選考に与える影響と注意点

扶養家族や配偶者に関する情報は、採用選考に直接的な影響を与えることはほとんどないとされています。これらの情報は主に、入社後の社会保険や税金計算などの事務手続きに必要なものであり、応募者の能力や経験、意欲とは直接関係しないからです。企業は、応募者が扶養家族を抱えているかどうかで、その人の仕事ぶりを判断することはありません。

しかし、間接的に影響を与える可能性はゼロではありません。例えば、扶養家族が多いことで、応募者が「安定した収入を強く求めるのではないか」と企業側が推測したり、「育児や介護による勤務時間の制約が生じるのではないか」と懸念したりする可能性は、ごく稀に考えられます。特に、育児や介護で勤務時間に具体的な制約が生じる場合は、本人希望欄にその旨を具体的に、かつ、業務に支障がないよう配慮する姿勢と共に記載することが重要です。これにより、企業側の不要な憶測を防ぎ、前向きな姿勢を伝えることができます。

最も重要な注意点は、虚偽の情報を記載しないことです。もし虚偽の記載が発覚した場合、採用取り消しや解雇の理由となる可能性があります。正直に、正確な情報を記載しましょう。また、空欄のまま提出することも避けるべきです。不明な点があれば、インターネットで調べるか、直接企業の採用担当者に問い合わせるなどして、正確な情報を確認してから記入しましょう。

企業は応募者のプライバシーに関わる情報を適切に取り扱う義務があります。これらの情報が不当な差別の理由となることはありませんが、「扶養家族が多いから〇〇だ」といった憶測を招かないような、本人希望欄での適切な情報提供とのバランスが大切です。あくまで事実を正確に伝え、不安な点があれば面接などで補足説明する機会を求めるようにしましょう。

本人希望欄で損しない!採用担当者に響く書き方のコツ

本人希望欄は、あなたの「譲れない条件」を伝える最後のチャンスであり、同時に、採用担当者にあなたのプロ意識や企業への配慮を示す重要な場でもあります。書き方一つで、採用担当者に与える印象は大きく変わるため、慎重な検討が必要です。ここでは、本人希望欄で損をせず、むしろプラスの評価を得るための書き方のコツを、具体的なテクニックと合わせて解説します。

簡潔に、かつ具体的に伝える技術

本人希望欄は、採用担当者が応募者の情報を効率的に把握するためのスペースです。そのため、簡潔かつ具体的に記述する技術は非常に重要です。長文で感情的な表現を避け、要点を絞って箇条書きなどを活用しましょう。例えば、「子供がいるので、残業はできません」と書くのではなく、「子供の保育園送迎のため、勤務時間は9時〜17時を希望いたします。残業は難しい場合もございますが、業務に支障が出ないよう、業務効率を最大化する努力をいたします。」のように、具体的な希望+その希望が企業に与える影響を考慮した配慮や代替案を提示することで、よりポジティブな印象を与えられます。

「具体的に」とは、漠然とした表現ではなく、数字や事実に基づいた情報を意味します。入社可能日であれば「〇月〇日以降」、希望勤務時間であれば「午前9時から午後5時まで」といったように、明確にしましょう。これにより、採用担当者はあなたの希望を正確に理解し、選考プロセスや配属の検討に役立てることができます。また、複数の希望がある場合は、優先順位をつけて記載することも有効です。例えば、「最優先は〇〇ですが、次点として△△も検討可能です」といった表現は、柔軟な姿勢を示すことにもつながります。記載する内容は、「どうしても譲れない必要最低限の条件」に絞り込み、それ以外の、例えば待遇面などは面接時に話す機会を待つのが賢明です。簡潔さは、相手への配慮でもあります。

企業への配慮と入社意欲を示す表現

本人希望欄では、単に自身の希望を伝えるだけでなく、応募企業への配慮と強い入社意欲を示す表現を心がけることが、採用担当者の心を掴む上で不可欠です。「貴社の規定に従います」という基本的な姿勢に加え、具体的な希望を伝える際にも、企業側の視点に立った表現を意識しましょう。

例えば、勤務時間の制約がある場合でも、「ご迷惑をおかけしないよう、最大限の努力をいたします」といった一文を加えることで、企業への配慮を示すことができます。また、入社後に貢献したいという意欲を示すために、「限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮し、貴社に貢献できるよう努めます」といった前向きな言葉を添えるのも効果的です。重要なのは、「もし自分の希望が受け入れられた場合、どのように企業に貢献できるのか」という視点を持つことです。単なる要望ではなく、解決策や貢献意欲を提示することで、企業側はあなたを採用するメリットを感じやすくなります。

さらに、応募する企業が多様な働き方を推進している場合や、育児・介護支援制度が充実している場合は、それを理解していることを示す表現も有効です。「貴社の育児支援制度を活用しながら、長く貢献したいと考えております」といった表現は、企業研究の深さと、企業とのフィット感をアピールすることにもつながります。企業への配慮と入社意欲は、採用担当者が最も重視するポイントの一つです。これらの配慮ある表現によって、あなたの真剣さとプロフェッショナリズムを効果的に伝えることができるでしょう。

ネガティブな印象を与えないための最終チェック

履歴書の本人希望欄は、最後に目を通す項目の一つであり、採用担当者に与える最終的な印象を左右する可能性があります。そのため、提出前の最終チェックは非常に重要です。まず、記載した内容が「給与や待遇に関する具体的な要求になっていないか」を再度確認しましょう。これらは面接で交渉すべき内容であり、履歴書に記載するとマイナス評価につながります。

次に、長文になっていないか、箇条書きなどで分かりやすく整理されているかを確認します。読みづらい文章は、採用担当者の負担となり、あなたの印象を悪くする可能性があります。簡潔であることは、相手への配慮でもあります。また、「〇〇はできません」「△△でないと働きません」といった断定的な表現や、一方的な要求になっていないかも重要なチェックポイントです。柔軟性を持たせた表現、「~を希望いたします」「~であれば対応可能です」といった言い回しを心がけましょう。自分の希望を押し付けるのではなく、あくまで「相談」の姿勢で伝えることが大切です。

最後に、誤字脱字がないかを徹底的に確認します。どんなに素晴らしい内容が書かれていても、誤字脱字一つで「注意力が散漫な人」「仕事が雑な人」という印象を与えてしまいかねません。可能であれば、第三者に読んでもらい、客観的な視点からのフィードバックを得ることも有効です。本人希望欄は、あなたの「譲れない条件」を伝える最後のチャンスであると同時に、あなたのプロ意識や企業への配慮を示す場でもあります。最終チェックを通じて、採用担当者にポジティブな印象を与え、選考を有利に進めるための一助としましょう。