概要: ビジネスチャットツールの代表格であるチャットワークと、LINEやLINE WORKSの違いを詳しく比較します。それぞれの特徴を理解し、PCアプリの活用や外部連携、CSV出力などの便利な機能を使いこなすことで業務効率を最大化しましょう。
チャットワークとLINE・LINE WORKSの主な違いと使い分けのポイント
各ツールの特徴とビジネスにおける役割
Chatwork(チャットワーク)は、日本発のビジネスチャットとして、タスク管理やファイル共有機能が充実しているのが特徴です。特に、個々のメッセージを「タスク」として登録できる機能は、業務の抜け漏れを防ぐのに非常に役立ちます。一方、LINE WORKSは、多くの人が使い慣れているLINEの操作感をそのままに、企業の管理機能やカレンダー、掲示板などのグループウェア機能を統合したツールです。
これらと混同されやすいLINE公式アカウントは、企業が一般ユーザー(顧客)と繋がるためのマーケティングツールであり、社内の情報共有には向きません。国内で1億人以上(2025年12月末時点/LINEヤフー株式会社発表)が利用するLINEの基盤を活かしつつ、社内用にはLINE WORKS、社外の顧客対応には公式アカウント、タスク中心の業務にはChatworkという使い分けが基本となります。
比較表で見る各ツールの機能と対象
| 比較項目 | Chatwork | LINE WORKS | LINE公式アカウント |
|---|---|---|---|
| 主な用途 | 社内・社外のプロジェクト管理 | 社内の情報共有・グループウェア | 顧客への販促・メッセージ配信 |
| 得意な機能 | タスク管理・コンタクト管理 | カレンダー・掲示板・アンケート | クーポン配信・自動応答 |
| セキュリティ | ビジネス専用の強固な設計 | 管理者によるログ・権限管理 | 顧客接点に特化した設定 |
| 操作感 | ビジネスライクで明快 | LINEと同じ感覚で利用可能 | 一般ユーザーが使いやすい |
料金体系と導入コストの比較
導入を検討する際、コスト面は重要な判断材料です。Chatworkは無料プランから始められますが、より高度な管理機能や容量を求める場合は有料プランへの移行が推奨されます。LINE WORKSの最低月額利用料は、1ユーザーあたり月額950円から(生成AI連携機能を含むプラン等の設定があるため、利用する機能に応じた契約が必要/LINE WORKS株式会社発表)となっており、カレンダーやアドレス帳などの統合機能を考慮するとコストパフォーマンスが高いと言えます。
対してLINE公式アカウントには「コミュニケーションプラン」という無料プランが存在しますが、月間の無料メッセージ通数には制限があるため、顧客数に応じてプランを選択する必要があります。自社の規模や、どの機能を重視するかによって最適な選択肢は変わるため、まずはスモールスタートで機能を試すのが良いでしょう。
ビジネス用途では、私的利用のSNSではなく、企業が管理可能なビジネス向けツールを使用することが情報漏洩リスクを低減する鍵となります。
出典:株式会社Chatwork / LINE WORKS株式会社 / LINEヤフー株式会社
チャットワークとLINEの連携は可能?外部サービスを活用した効率化
チャットワークとLINE公式アカウントの使い分け
ChatworkとLINE(またはLINE WORKS)を直接、公式機能だけでシームレスに同期させることは標準では困難ですが、「用途による明確な切り分け」を行うことで業務効率は飛躍的に向上します。例えば、クライアントとの細かな打ち合わせやタスク管理はChatworkで行い、店舗スタッフへの一斉連絡やシフト共有はLINE WORKSで行うといった形です。
特にLINE公式アカウントは、顧客が「友だち追加」するだけで情報を届けられるため、BtoCビジネスにおいては必須のツールです。社内コミュニケーションをChatworkに集約し、フロントエンドの顧客対応をLINE系ツールで行うという二段構えの運用が、現在のビジネスシーンでは一般的になっています。
APIやiPaaSを活用した外部連携の可能性
システム的な連携を求める場合は、ChatworkやLINE WORKSが提供しているAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の活用が有効です。これにより、例えば「LINE公式アカウントに届いた顧客からの問い合わせを、Chatworkの特定のグループチャットに通知する」といった仕組みを構築できます。
プログラミングの知識がなくても、「Make」や「Zapier」といったiPaaS(アイパース)と呼ばれる外部連携サービスを利用することで、異なるツール間の自動連携が可能です。これにより、複数のツールを開き直す手間が省け、情報の集約とレスポンスの高速化が実現します。業務プロセスを自動化することで、人的ミスを減らす効果も期待できるでしょう。
通知機能の集約によるレスポンスの向上
ビジネスにおいて、通知の見逃しは重大な機会損失に繋がります。Chatworkには、特定のキーワードを含むメッセージが投稿された際にデスクトップ通知を出す機能がありますが、これを外部連携と組み合わせることで、LINE側の動きも即座にキャッチできるようになります。
例えば、LINE公式アカウントを通じて顧客から急ぎの予約キャンセルが入った際、それをChatwork側に通知させる設定にしておけば、PCでのデスクワーク中であっても見落とすことがありません。このように、異なるプラットフォームの強みを活かしつつ、情報を一箇所に集約する工夫が、現代のマルチチャット環境における効率化のポイントです。
複数のツールを導入する際は、どの情報を「正(一次情報)」とするかをルール化しておくことが、チーム内の混乱を防ぐコツです。
出典:株式会社Chatwork / LINE WORKS株式会社
PC版(デスクトップアプリ)チャットワークを導入するメリットと設定方法
ブラウザ版とデスクトップアプリ版の違い
ChatworkをPCで利用する場合、Webブラウザ(Google ChromeやEdgeなど)で開く方法と、専用のデスクトップアプリ(PC版)をインストールする方法の2種類があります。ブラウザ版はインストール不要で手軽ですが、他のタブに埋もれてしまいがちです。一方、デスクトップアプリ版は独立したウィンドウで動作するため、Alt+Tabなどのキー操作で素早く切り替えられるメリットがあります。
また、PC版アプリはPCの起動と同時に自動で立ち上がるよう設定できるため、チャットの確認漏れを物理的に防ぐことができます。常に最新のメッセージをチェックしなければならないマネジメント層や、レスポンスの速さが求められる営業職にとって、デスクトップアプリの導入は必須と言えるでしょう。
通知設定とマルチアカウント管理の利便性
デスクトップアプリ版の大きな強みは、通知のカスタマイズ性にあります。タスクバーのアイコンに未読件数がバッジ表示されるため、一目で状況が把握できます。ブラウザを閉じている状態でも通知を受け取れるため、作業に集中しながらも重要な連絡を逃しません。
さらに、複数のアカウントを持っている場合、デスクトップアプリ版であればアカウントの切り替えがブラウザ版よりもスムーズに行える場合があります。組織用のアカウントと、外部プロジェクト用のアカウントを併用しているユーザーにとって、この利便性は日々のストレスを大幅に軽減してくれるはずです。通知音の設定なども細かく行えるため、自分の作業スタイルに合わせたカスタマイズが可能です。
インストール手順と初期設定のポイント
設定は非常に簡単です。Chatworkの公式サイトからインストーラーをダウンロードし、実行するだけで数分で完了します。インストール後は、まず「設定」から「スタートアップ設定」をオンにすることをお勧めします。これにより、PCを再起動した際も自動でログイン状態になり、メッセージの見逃しがなくなります。
また、不要な通知で集中力が削がれないよう、グループチャットごとの通知設定も見直しておきましょう。重要なプロジェクトは「すべてのメッセージで通知」、雑談用のグループは「自分へのメッセージ(TO)のみ通知」とするなど、情報の優先順位をつけることで、PC版チャットワークを真の武器として活用できるようになります。
出典:株式会社Chatwork
便利な活用術:CSV出力機能やソースコード表示、VPN環境での利用
ログ管理に役立つCSV出力とデータの利活用
ビジネスチャットのデータは、組織にとって貴重な資産です。Chatworkのエンタープライズプランなどの上位プランでは、メッセージログをCSV形式で出力する機能が備わっています。これは、単なるバックアップとしての用途だけでなく、コンプライアンスの観点からの監査や、業務の稼働分析にも役立ちます。
例えば、過去のトラブル対応の履歴をCSVで抽出し、特定のキーワードで検索・分析することで、再発防止策の策定に活用できます。また、退職者が発生した際の引き継ぎ資料として、過去のやり取りをデータとして保管しておくことも可能です。情報をフロー(流れるもの)として終わらせず、ストック(蓄積するもの)として活用できる点が、ビジネス専用ツールの強みです。
エンジニア向けのコード表示とVPN環境での注意点
IT系の現場で重宝されるのが、[code]タグを用いたソースコードの表示機能です。メッセージ内にコードをそのまま貼り付けると、インデントが崩れたり記号が変換されたりすることがありますが、専用のタグで囲むことで等幅フォントでの表示が可能になり、エンジニア同士のコミュニケーションが格段にスムーズになります。
また、リモートワークでVPN(仮想プライベートネットワーク)環境を利用している場合、通信経路の設定によってはチャットの動作が重くなることがあります。基本的にはVPN経由でも利用可能ですが、セキュリティポリシー上、特定のドメインが制限されていないかシステム管理者に確認が必要です。VPNの帯域を圧迫しないよう、大容量ファイルの送受信はクラウドストレージを活用するなど、運用ルールを設けるのが賢明です。
業務効率を加速させるタスク管理の応用テクニック
Chatworkの最大の特徴であるタスク管理機能は、単なるメモ代わりに使うのはもったいない機能です。自分自身にタスクを割り振る「セルフタスク」をToDoリストとして活用するのはもちろん、相手にタスクを依頼する際には「完了期限」を明確に設定することを徹底しましょう。
タスクが完了すると、依頼者に自動で通知が届くため、「あの件どうなりましたか?」といった無駄な確認作業を削減できます。また、プロジェクトの進捗状況を可視化するために、グループ内のタスク一覧を定期的に確認する習慣をつけるのも効果的です。メッセージという「点」の情報を、タスクという「線」で繋ぐことで、チーム全体の生産性を底上げできます。
出典:株式会社Chatwork
セキュリティと利便性:電話番号登録の必要性やQ&Aで疑問を解決
ビジネス利用におけるセキュリティ基準の重要性
業務でチャットツールを利用する際、最も懸念されるのが情報の流出です。総務省の「テレワークセキュリティガイドライン 第5版」においても、経営者やシステム管理者がルールと技術の両面からICTツールを管理することの重要性が強調されています。プライベート用のLINEをそのまま業務に利用すると、管理者がログを確認できず、退職者のアクセスを遮断することも困難なため、大きなリスクとなります。
ChatworkやLINE WORKSは、こうした法人ニーズに応えるためのセキュリティ機能を備えています。通信の暗号化はもちろん、IPアドレスによるアクセス制限やデバイス管理機能など、企業のポリシーに合わせた運用が可能です。利便性だけを追求するのではなく、会社が認めた「管理可能なツール」を使うことが、自分自身と組織を守ることに繋がります。
アカウント作成時の電話番号登録と個人情報保護
アカウント作成時、本人確認のために電話番号の登録(SMS認証)を求められることがあります。これには、なりすまし防止や不正アクセスの抑制という重要な役割があります。ビジネスツールにおいて、一人のユーザーが実在の人物であることを証明することは、組織の信頼性を保つ上で欠かせないプロセスです。
登録された電話番号が他のユーザーに無断で公開されることはありませんが、プライバシー設定を確認しておくことは重要です。例えばLINE WORKSでは、管理者設定によって、社員同士でお互いの連絡先を表示させるかどうかの制御が可能です。ツールの導入時には、どの範囲まで個人情報を公開し、共有するのかという社内ガイドラインを策定しておくことで、従業員も安心してツールを利用できるようになります。
よくある疑問(Q&A)とトラブルシューティング
導入初期には「メッセージが届かない」「ログインできない」といった問い合わせが頻発しがちです。多くの場合、通知設定がオフになっていたり、アプリのバージョンが古かったりすることが原因です。また、VPN接続時に通信が不安定になる場合は、プロキシ設定の見直しが必要になるケースもあります。
特に多い質問が「退職者のアカウントをどうすべきか」ですが、これは管理画面から即座にアカウントを停止・削除することで対応可能です。これにより、社外に漏れてはいけない機密情報へのアクセスを即時にカットできます。トラブルを未然に防ぐためにも、管理者だけでなく利用者全員が、ツールの基本的な性質とルールを理解しておくことが大切です。
- 全社的な管理ができるツールを選んでいるか?
- 情報漏洩時の対応フローは明確か?
- PC版アプリの導入を周知しているか?
「LINE」と「LINE WORKS」は全く別のサービスです。業務で使用するのは、セキュリティと管理機能が備わった後者のLINE WORKSであることを徹底しましょう。
出典:総務省 / 株式会社Chatwork / LINE WORKS株式会社
ビジネスチャットの使いこなしをAIが加速させる、次世代のアシスタント術
【思考の整理】記事のテーマをAIで整理・優先順位付けするコツ
チャットワークやLINE WORKSなど、ビジネスチャットツールを導入する際、どの機能が自社の業務に最適か判断に迷うことはありませんか。AIを優秀な秘書として活用すれば、膨大な比較情報を整理し、意思決定のヒントを得ることが可能です。まずは、ツールごとの機能やメリットをAIに提示させ、自社の業務形態に合わせて優先すべき機能をリストアップしてもらいましょう。
このとき、AIに判断を委ねるのではなく、あくまで検討材料を整える役割として依頼するのがポイントです。AIが提示した比較項目をもとに、自社が重視するポイントを重ね合わせることで、検討のプロセスを大幅に効率化できます。忙しい日々の業務の中で、ツール選定という複雑な思考を整理する良きパートナーとしてAIを活用してください。
【実践の下書き】そのまま使えるプロンプト例
AIへ具体的な条件を伝えることで、検討資料のたたき台を即座に作成できます。以下は、自社環境に合わせた最適なツールを比較検討する際のプロンプト例です。この指示を出すことで、抽象的な検討事項が整理され、次のアクションが明確になります。
あなたは経験豊富なITコンサルタントです。以下の条件に基づき、チャットワークとLINE WORKSの比較表を作成してください。比較項目は「外部連携の容易さ」「PC版の使いやすさ」「タスク管理機能」とし、各ツールの特徴を簡潔にまとめてください。
【自社の条件:従業員数30名、ITツールに不慣れな社員が多い、外部とのやり取りが頻繁】
このプロンプトを実行すると、検討すべき論点が構造化され、議論の土台がすぐに整います。ただし、出力された内容はあくまで一般的な比較に過ぎません。提示された要素をたたき台として、実際の現場の雰囲気や社内ルールを考慮し、微調整を加えることで初めて実用的な計画となります。
【品質の担保】AIの限界を伝え、人がどう微調整すべきかの知恵
AIが生成する回答には、時として誤情報や、文脈を読み違えた表現が含まれる可能性があります。AIは統計的な確率に基づいて回答を生成する仕組みであり、個別の企業文化や、その瞬間の組織の微妙な空気感までを正確に理解することはできません。そのため、AIが出力した内容を鵜呑みにするのではなく、最終的な判断は必ず人間の手で行うことが不可欠です。
AIの成果物はあくまで思考を支援する「たたき台」であると割り切りましょう。生成された内容に対し、現場の視点から具体的な補足を加える、あるいは優先順位を入れ替えるといった調整を加えることで、より精度の高い活用が可能になります。道具であるAIを使いこなし、人が主導して意思決定を行うスタンスを維持することが、業務効率を最大化する鍵となります。
まとめ
よくある質問
Q: チャットワークとLINEを直接連携させることはできますか?
A: チャットワークとLINEは標準機能では直接連携できませんが、ZapierやMakeなどの外部連携ツール(iPaaS)を活用することで、特定のメッセージを転送し合うことが可能です。
Q: チャットワークのPC版デスクトップアプリを使うメリットは何ですか?
A: ブラウザを開かずに起動でき、通知がデスクトップに直接届くため見逃しを防げます。また、複数のアカウントを切り替えて管理する際も動作がスムーズです。
Q: 過去のチャットログをCSV形式で出力することは可能ですか?
A: エンタープライズプランなどの上位プランであれば、管理者設定からチャットログをCSV形式でエクスポートし、バックアップや分析に活用することが可能です。
Q: VPN環境下でチャットワークが繋がらない場合の対処法は?
A: VPNの設定により特定のポートやドメインが制限されている場合があります。ネットワーク管理者に依頼し、チャットワークの通信許可設定(ホワイトリスト登録)を確認してください。
Q: チャットワークでソースコードを綺麗に表示する「codeタグ」とは?
A: メッセージ入力時に [code]ソースコード[/code] のように囲むことで、等幅フォントで整形された状態で見やすく表示することができます。
