AWS無料枠で始める!コストを抑えるサービス活用術

AWS(Amazon Web Services)の無料利用枠は、クラウド技術を学び、新しいアイデアを検証するための強力なツールです。
しかし、その条件を正確に理解せずに利用すると、思わぬ課金が発生するリスクも潜んでいます。
この記事では、AWSの無料枠を最大限に活用し、コストを抑えながらクラウドサービスを利用するための具体的な方法と注意点を、最新の制度変更も踏まえて徹底解説します。
AWSの学習者から、小規模なプロジェクトを検討している方まで、ぜひ参考にしてください。

  1. AWS無料枠とは?賢く利用するメリット
    1. AWS無料枠の基本と種類を理解する
    2. 2025年7月15日以降の新無料プラン
    3. 無料枠を活用するメリットと注意点
  2. データ分析・データベースの無料枠活用:Redshift & Redis
    1. 無料枠で試せるリレーショナルデータベース (RDS)
    2. スケーラブルなNoSQLデータベース (DynamoDB)
    3. データ分析基盤構築への第一歩:RedshiftとRedis (ElastiCache) の位置づけ
  3. 画像認識・DNS管理の無料枠:Rekognition & Route 53
    1. AIによる画像・動画認識 (Rekognition)
    2. 安定したドメインネームシステム (Route 53)
    3. 無料枠でのAI/MLとインフラ基盤の組み合わせ
  4. Webサイト・開発環境の無料枠:WordPress & Workspaces
    1. EC2とRDSでWordPressサイトを構築
    2. 開発環境をクラウドで手軽に (Workspaces)
    3. 静的Webサイトとコンテンツ配信の無料枠活用
  5. AWS無料枠でドメイン取得・レンタルサーバーは可能?
    1. ドメイン取得の現状と費用
    2. 「レンタルサーバー」を無料枠で実現する方法
    3. 総合的なコスト削減とサービス選定のポイント
  6. まとめ
  7. よくある質問
    1. Q: AWS無料枠とは具体的にどのようなものですか?
    2. Q: RedshiftやRedisの無料枠はどれくらい利用できますか?
    3. Q: AWS RekognitionやRoute 53は無料枠でどれくらい使えますか?
    4. Q: WordPressをAWSで無料利用することは可能ですか?
    5. Q: AWS無料枠でドメインを無料で取得することはできますか?

AWS無料枠とは?賢く利用するメリット

AWSの無料枠は、多くの人がクラウドの可能性を低コストで体験できるよう設計された、非常に魅力的な制度です。
しかし、その仕組みと最新の変更点を理解することが、賢く安全に利用するための第一歩となります。

AWS無料枠の基本と種類を理解する

AWS無料利用枠(Free Tier)とは、AWSアカウントを作成したユーザーが、特定のAWSサービスを一定期間、または一定量まで無料で利用できる制度です。
これにより、初期費用を気にすることなく、クラウド技術の学習、新しいアイデアの検証、小規模なアプリケーションの開発や運用が可能になります。
無料利用枠は大きく分けて以下の3種類があります。

  • 12ヶ月無料枠: AWSアカウント作成から12ヶ月間有効な無料枠でした。EC2の特定のインスタンスタイプやS3の一部ストレージなどが対象でしたが、利用時間や容量に制限がありました。期間満了後は自動的に課金が開始されるため、注意が必要でした。
  • 常時無料枠(Always Free): 期間の制限なく、常に無料で利用できるサービスです。AWS LambdaやAmazon DynamoDBなどがこれに該当し、利用回数や容量の上限を超えない限り、永久に無料で利用できます。
  • 短期トライアル枠: 特定のサービスを、初回利用開始から一定期間(例: 30日、60日など)無料で試せる枠です。この期間が終了すると自動的に有料に切り替わることが多いため、注意が必要です。

これらの違いを理解し、利用するサービスがどの無料枠に該当するかを確認することが、予期せぬ課金を防ぐ上で非常に重要です。

出典: 参考情報より

2025年7月15日以降の新無料プラン


AWS無料利用枠は、2025年7月15日以降に大幅な変更が実施されました。
これは、特に新規AWSアカウントのユーザーにとって非常に重要な変更点です。

従来の「12ヶ月無料枠」は廃止され、新規アカウント向けに「最大6ヶ月間・最大200ドルのクレジット」が付与される新しい無料プランが導入されています。

この新制度では、AWSアカウント作成時に「無料プラン」か「有料プラン」かを選択する形式となりました。
無料プランを選択した場合、付与されたクレジットを使い切るか、6ヶ月の期間が経過すると、そのアカウントは自動的に閉鎖される可能性があります。
これは、学習や短期的な検証には適していますが、長期的な運用やビジネス利用を想定している場合には、慎重な検討が必要です。

新しいクレジット制では、特定のサービスに対して直接的な「無料範囲」が設定されているというよりは、アカウントに付与されたクレジットを使って、さまざまなAWSサービスを利用する形式に変わります。
したがって、従来の「月750時間まで無料」といった具体的な利用量の上限が、クレジット残高とサービス利用量によって変動することになります。
常にクレジットの残高と利用状況を把握し、計画的に利用することが、以前にも増して重要となっています。

出典: 参考情報より

無料枠を活用するメリットと注意点

AWS無料枠の最大のメリットは、何といってもコストを抑えながらクラウドサービスを体験・学習できる点です。
クラウド導入の検討段階や、新しい技術の検証、個人のスキルアップなど、多岐にわたる場面で活用できます。
初期投資を最小限に抑えつつ、実際にサービスを構築・運用する経験を積めるのは大きな利点です。

しかし、安全に無料枠を活用するためには、いくつかの注意点を守る必要があります。
最も重要なのは、「無料枠を超えると自動課金」される点です。
例えば、EC2インスタンスを停止しても、関連するEBS(Elastic Block Store)などのストレージが課金対象となる場合があります。
また、無料枠の適用条件はリージョンやサービスの種類、バージョンによって異なるため、利用前に必ずAWS公式ドキュメントで確認することが不可欠です。

予期せぬ課金を防ぐための強力なツールが、AWS Budgetsです。
これを利用すれば、設定した予算や無料利用枠の使用量を超過した場合に、メール通知などでアラートを受け取ることができます。
加えて、AWS Management Consoleの請求ダッシュボードで、現在の利用状況や料金を常に確認する習慣をつけましょう。
不要なリソースは放置せず、定期的に見直して停止または削除することで、無駄なコストを徹底的に削減できます。

出典: 参考情報より

データ分析・データベースの無料枠活用:Redshift & Redis

データ分析やデータベースは、あらゆるアプリケーションやビジネスの基盤となります。AWSでは、これらの中核サービスにも無料枠が提供されており、データ活用の第一歩を踏み出すことが可能です。
今回は、特にRedshiftとRedis(ElastiCache)の位置づけに触れつつ、無料枠で利用しやすいRDSとDynamoDBを中心に解説します。

無料枠で試せるリレーショナルデータベース (RDS)

Amazon RDS(Relational Database Service)は、リレーショナルデータベースのセットアップ、運用、スケールを容易にするマネージドサービスです。
特に、MySQL、PostgreSQL、MariaDBなどの一般的なデータベースエンジンは、以前の12ヶ月無料枠の対象となっており、db.t2.microまたはdb.t3.microインスタンスで月750時間まで利用可能でした。
これには、20GBの汎用SSDストレージと、20GBのバックアップストレージも含まれていました。

この無料枠は、WordPressなどのウェブサイトや小規模なアプリケーションのデータベースとして十分に活用できます。
学習目的や概念実証(PoC)にも最適であり、データベース管理の手間を大幅に削減しながら、実際の運用環境に近い形で利用できるのが大きなメリットです。
ただし、OracleやSQL Serverなどの商用ライセンスが必要なデータベースは、ライセンス料がかかるため、無料枠の対象外となる場合がある点には注意が必要です。

2025年7月15日以降の新規アカウント向けクレジット制では、この750時間という具体的な数値ではなく、付与されたクレジットを使ってRDSインスタンスを稼働させる形になります。
利用時間をしっかり監視し、必要に応じて停止することで、クレジットを有効に活用することが求められます。

出典: 参考情報より

スケーラブルなNoSQLデータベース (DynamoDB)

Amazon DynamoDBは、高いパフォーマンスとスケーラビリティを誇るフルマネージド型のNoSQLデータベースサービスです。
これは「常時無料枠(Always Free)」の対象となっており、期間の制限なく無料で利用できる点が大きな魅力です。
DynamoDBの無料枠には、最大25GBのストレージ、月200万件の読み込みリクエスト、月200万件の書き込みリクエスト、そして25ユニットの書き込みキャパシティと25ユニットの読み込みキャパシティが含まれます。

この無料枠は、モバイルアプリケーションのバックエンド、IoTデータの保存、ゲームのユーザーデータ管理など、さまざまなユースケースで活用できます。
DynamoDBは、データモデルが柔軟で、高い可用性と耐久性を備えているため、特に急成長するサービスや、大量のデータを高速で処理する必要がある場合に非常に強力な選択肢となります。
常時無料枠であるため、長期的な学習や小規模なアプリケーションの運用にも安心して利用できます。

クレジット制に移行した新しい無料プランでも、DynamoDBの常時無料枠は継続されることがほとんどですが、具体的な上限やクレジットとの兼ね合いについては公式ドキュメントで最新情報を確認することが推奨されます。

出典: 参考情報より

データ分析基盤構築への第一歩:RedshiftとRedis (ElastiCache) の位置づけ

AWSには、データウェアハウスサービスであるAmazon Redshiftや、インメモリデータストアであるAmazon ElastiCache(RedisやMemcachedが利用可能)など、高度なデータ分析・処理サービスが存在します。
これらのサービスは、通常、明確な「常時無料枠」として提供されているわけではありません。
しかし、新規アカウント向けに付与される最大200ドルのクレジットを活用することで、Redshiftのトライアルクラスターを試したり、ElastiCacheインスタンスを期間限定で利用したりすることが可能になる場合があります。

Amazon Redshiftは、大量の構造化データを高速で分析するためのフルマネージド型データウェアハウスです。
ビジネスインテリジェンス(BI)やレポート作成に威力を発揮しますが、小規模な無料枠が存在しないため、まずはRDSやDynamoDBで小規模なデータ処理を経験し、大規模分析への移行を検討する際にクレジットを利用するのが現実的です。

Amazon ElastiCache (Redis) は、ウェブアプリケーションのパフォーマンス向上やデータベースの負荷軽減に役立つ、超高速なインメモリキャッシュサービスです。
こちらも通常は無料枠がありませんが、クレジットを利用して試すことで、キャッシュ戦略の学習や実装を体験できます。

無料枠でデータ分析の基礎を学ぶなら、まずはS3をデータレイクとして活用し、AWS LambdaやDynamoDBで簡単なデータ処理や集計を行うのが良いでしょう。
そして、クレジットを使いながら、RedshiftやElastiCacheのような専門性の高いサービスに挑戦することで、段階的にスキルアップを図ることができます。

出典: 参考情報より

画像認識・DNS管理の無料枠:Rekognition & Route 53

AWSは、基盤となるインフラサービスだけでなく、AI/ML(機械学習)やネットワーク管理といった高度なサービスにも力を入れています。
これらのサービスも、無料枠や低コストで利用できるため、新しい技術の学習や、自身のプロジェクトに組み込むための検証に最適です。

AIによる画像・動画認識 (Rekognition)

Amazon Rekognitionは、画像や動画を分析するためのAIサービスです。
これを利用することで、顔認識、オブジェクト検出、シーン検出、不適切コンテンツのモデレーション、有名人の認識など、多岐にわたる高度な画像・動画解析機能を簡単にアプリケーションに組み込むことができます。

Rekognitionは、常時無料枠の一部として提供されており、特定の条件下で無料で利用可能です。
例えば、画像認識の場合、毎月数千枚の画像を無料で分析できるといった利用枠が設定されています。(具体的な上限は変動するため、AWS公式ドキュメントで最新情報を確認してください。)
動画分析についても、一定時間の分析が無料で提供されることがあります。

この無料枠は、以下のような用途で非常に役立ちます。

  • セキュリティ・監視: 不審者の検知、不適切コンテンツの自動フィルタリング。
  • コンテンツ管理: 画像タグの自動付与、動画コンテンツの分類。
  • マーケティング: 顧客の感情分析、製品認識によるレコメンデーション。

無料枠でRekognitionを試すことで、AI/MLのパワフルな機能を自身のアプリケーションにどのように統合できるかを実践的に学ぶことができます。

出典: 参考情報およびAWS公式情報より

安定したドメインネームシステム (Route 53)

Amazon Route 53は、可用性と拡張性に優れたクラウドのDNS(ドメインネームシステム)Webサービスです。
ユーザーがWebサイトの名前(例: example.com)を入力すると、WebサイトをホストしているサーバーのIPアドレスに変換し、ユーザーを適切な場所へ誘導する役割を担います。
ウェブサイトの公開や、ドメイン管理には不可欠なサービスです。

Route 53は厳密な意味での「無料枠」というよりは、非常に低コストで利用できるサービスという位置づけです。
例えば、ホストゾーン(ドメインのDNS設定を管理するコンテナ)は、最初の25個まで月額0.50ドルなど、非常に安価に利用できます。
また、DNSクエリ(名前解決のリクエスト)も、最初の10億クエリまでは低料金で提供されます。

新規アカウント向けのクレジット制では、このRoute 53の利用費用もクレジットから支払うことが可能であり、実質的に無料でドメインのDNS管理を始めることができます。
安定したドメイン管理は、Webサイトの信頼性向上に直結するため、非常に重要な要素です。
Route 53を利用することで、高速で高可用なDNSサービスを手軽に利用し、グローバルなインフラを支えるDNSの仕組みを深く理解する良い機会となるでしょう。

出典: 参考情報およびAWS公式情報より

無料枠でのAI/MLとインフラ基盤の組み合わせ

RekognitionとRoute 53を組み合わせることで、単体では実現できないような、より高度なアプリケーションを無料枠や低コストで試すことが可能です。
例えば、以下のようなシナリオが考えられます。

  1. ユーザーがWebサイト(Route 53でドメイン管理)に画像をアップロードします。
  2. アップロードされた画像はAmazon S3(無料枠5GB)に保存されます。
  3. S3へのアップロードをトリガーに、AWS Lambda(常時無料枠100万リクエスト)が起動し、Rekognition(無料枠)を呼び出して画像を分析します。
  4. Rekognitionの分析結果(例: 画像内のオブジェクト、顔の感情など)は、Amazon DynamoDB(常時無料枠25GB)に保存されます。
  5. これらのデータは、Webサイト上で表示され、ユーザーに新たな価値を提供します。

このように、複数の無料枠サービスを組み合わせることで、AI/MLを活用したアプリケーションのプロトタイプを、ほぼコストをかけずに構築し、その仕組みや効果を検証することができます。
これは、クラウドインフラとAI技術の連携を学ぶ上で、非常に実践的なアプローチと言えるでしょう。

出典: 参考情報およびAWS公式情報より

Webサイト・開発環境の無料枠:WordPress & Workspaces

ウェブサイトの公開や、クラウド上での開発環境の構築は、多くのユーザーにとってAWSを使い始めるきっかけとなります。
無料枠を賢く活用すれば、これらの環境を低コスト、あるいは無料で手に入れることが可能です。

EC2とRDSでWordPressサイトを構築

WordPressは世界で最も人気のあるコンテンツ管理システム(CMS)であり、AWSの無料枠を組み合わせることで、費用を抑えてウェブサイトを公開できます。
基本的なWordPressサイトを構築するには、ウェブサーバーとなるAmazon EC2インスタンスと、データベースとなるAmazon RDSインスタンスが必要です。

以前の12ヶ月無料枠では、Amazon EC2のt2.microまたはt3.microインスタンスが月750時間まで、Amazon RDSのdb.t2.microインスタンス(MySQL, PostgreSQL, MariaDBなど)も月750時間まで利用可能でした。
これらを組み合わせれば、WordPressを稼働させるための環境をほぼ無料で用意できました。
さらに、静的コンテンツの保存にはAmazon S3(無料枠5GB)、コンテンツ配信の高速化にはAmazon CloudFront(無料枠50GBのデータ転送)も活用することで、より高性能なサイトを構築できます。


2025年7月15日以降の新規アカウント向けクレジット制では、これらのサービス利用時間や容量がクレジット消費によって賄われます。

インスタンスを常に稼働させ続けるとクレジットを早く消費してしまうため、学習や検証時以外はインスタンスを停止するなどの工夫が必要です。
WordPressのような動的なサイトでも、適切な運用を行えば、低コストでの運用が十分に可能です。

出典: 参考情報より

開発環境をクラウドで手軽に (Workspaces)

Amazon WorkSpacesは、クラウドベースのフルマネージド型デスクトップサービス(VDI: Virtual Desktop Infrastructure)です。
開発者にとっては、どこからでもアクセスできるセキュアで一貫した開発環境を、素早く構築・利用できるという大きなメリットがあります。
OSや必要なソフトウェアがあらかじめインストールされた環境を、数分でプロビジョニングできるため、環境構築の手間が大幅に削減されます。

WorkSpacesは、通常「常時無料枠」の対象ではありませんが、新規アカウント向けのクレジットを活用することで、期間限定で試用することが可能です。
また、特定のプロモーション期間中に無料トライアルが提供されることもあります。
例えば、一定期間、特定のWorkSpacesバンドルを無料で利用できるといったキャンペーンです。

このサービスは、リモートワーク環境の提供、開発チームの標準化された環境構築、あるいは学生がプログラミング学習用の環境を手軽に用意する際などに非常に有用です。
コストを抑えつつ、クラウド上で自分だけの開発環境を手に入れたい場合は、クレジットやトライアル期間を有効活用し、WorkSpacesの利便性を体験してみる価値は十分にあります。

出典: 参考情報およびAWS公式情報より

静的Webサイトとコンテンツ配信の無料枠活用

WordPressのような動的なサイトではなく、HTML、CSS、JavaScriptのみで構成されるシンプルな静的Webサイトであれば、AWSの無料枠でさらに効率的に、そしてより安価にホスティングすることが可能です。
この場合、Amazon EC2インスタンスを立てる必要すらありません。

静的Webサイトのホスティングには、Amazon S3(Simple Storage Service)が最適です。
S3は、オブジェクトストレージサービスであり、無料枠で5GBの標準ストレージ、20,000件のGETリクエスト、2,000件のPUTリクエストが提供されます。
S3のバケットを「静的ウェブサイトホスティング」として設定するだけで、手軽にウェブサイトを公開できます。

さらに、コンテンツの高速配信とセキュリティ強化のために、Amazon CloudFront(コンテンツ配信ネットワーク、CDN)を組み合わせることを強く推奨します。
CloudFrontは、毎月50GBのデータ転送(送信)と200万件のHTTP/HTTPSリクエストまでが無料枠の対象です。
S3とCloudFrontを組み合わせることで、世界中のどこからでも高速にアクセスできる、高可用性かつセキュアな静的サイトを、ほぼ無料で運用することが可能になります。
個人ブログ、ポートフォリオサイト、シンプルなコーポレートサイトなどに非常に適した選択肢です。

出典: 参考情報より

AWS無料枠でドメイン取得・レンタルサーバーは可能?

ウェブサイトを公開する上で不可欠なドメイン取得と、それを支えるレンタルサーバー機能。
AWSの無料枠でどこまでこれらが実現できるのか、多くの人が疑問に思うポイントです。
ここでは、その可能性と実際の費用について詳しく見ていきましょう。

ドメイン取得の現状と費用

結論から言うと、AWS無料枠でドメインを「取得」することはできません。
Amazon Route 53はドメイン名の登録サービスを提供していますが、これは有料サービスであり、年間の登録料が発生します。
例えば、.comドメインであれば年間で約12ドル程度の費用がかかりますし、.jpドメインなどはさらに高額になる傾向があります。
この費用は、AWSの無料利用枠の対象外であり、別途支払いが必要です。

ドメインはウェブサイトの「住所」のようなものであり、これを取得しない限り、自分の名前でウェブサイトを公開することはできません。
したがって、ウェブサイトを公開する際には、ドメイン登録費用は必要経費として計上する必要があります。
ただし、一度取得したドメインのDNS管理(名前解決)は、前述の通りRoute 53の低コストプランや、新規アカウント向けクレジットでカバーできる可能性があります。

ドメイン取得サービスはRoute 53以外にも多数存在しますが、AWS上でWebサイトを運用するのであれば、Route 53で一元管理することで、設定の手間を減らし、安定した運用が期待できます。
ドメイン費用はサービスやトップレベルドメインによって異なりますので、ご自身の目的と予算に合ったドメインを選択しましょう。

出典: 参考情報およびAWS公式情報より

「レンタルサーバー」を無料枠で実現する方法

AWSには、一般的な「レンタルサーバー」という名称のサービスは存在しません。
しかし、AWSの複数のサービスを組み合わせることで、レンタルサーバーが提供する機能(Webサーバー、データベース、ストレージなど)を、無料枠内で実現することが可能です。

最も一般的な方法は、前述したようにAmazon EC2のt2.microまたはt3.microインスタンス(以前の12ヶ月無料枠、またはクレジット利用)をWebサーバーとして利用し、これにAmazon RDSのdb.t2.microインスタンス(同上)をデータベースとして組み合わせる方法です。
これにより、WordPressのような動的なWebサイトを運用できます。
静的サイトであれば、Amazon S3(常時無料枠5GB)でホスティングし、Amazon CloudFront(以前の12ヶ月無料枠、またはクレジット利用)で高速配信することで、実質的なレンタルサーバー機能を超低コストで実現できます。

AWS無料枠で「レンタルサーバー」を代替するサービス
レンタルサーバー機能 AWS代替サービス 無料枠の有無/条件
Webサーバー Amazon EC2 (t2/t3.micro) 12ヶ月無料枠 (月750時間)、またはクレジット
データベース Amazon RDS (db.t2/t3.micro) 12ヶ月無料枠 (月750時間)、またはクレジット
静的ファイル保存 Amazon S3 常時無料枠 (5GB)
コンテンツ配信 (CDN) Amazon CloudFront 12ヶ月無料枠 (月50GB)、またはクレジット
DNS管理 Amazon Route 53 有料 (低コスト)、クレジットで相殺可

AWSの無料枠を組み合わせることで、通常のレンタルサーバーでは考えられないほどの柔軟性と拡張性を持ったWebサイト環境を構築できるのが大きな利点です。

出典: 参考情報より

総合的なコスト削減とサービス選定のポイント

AWS無料枠を最大限に活用すれば、ドメイン登録費用以外の「サーバー・データベース費用」を大幅に削減し、場合によってはほぼゼロに抑えることが可能です。
この恩恵を受けるためには、目的に応じた適切なサービス選定が非常に重要となります。

  • 静的サイトの場合: S3とCloudFrontの組み合わせが最もコスト効率が良い選択肢です。HTML/CSS/JSのみのサイトや、ブログジェネレーターで生成したサイトなどに最適です。
  • 動的サイト(WordPressなど)の場合: EC2とRDSの無料枠(またはクレジット)を活用します。インスタンスの稼働時間を監視し、使わない時は停止することで、コストを抑えることができます。
  • 実験・学習目的の場合: 新しいAI/MLサービスや、大規模なデータベース、仮想デスクトップサービスなど、無料枠ではないサービスも、新規アカウント向けのクレジットを活用して試用期間を得ることで、コストをかけずに学習を進めることができます。

また、2025年7月15日以降の新しい無料プランでは、クレジットの残高と有効期限を常に意識し、AWS Budgetsなどのアラート機能を活用して、計画的な運用を心がけることが、予期せぬ課金を防ぐ鍵となります。
AWSの無料枠は、クラウドの世界への扉を開く強力なツールです。
その条件を正確に理解し、賢く活用することで、あなたのアイデアを形にするための強力な後押しとなるでしょう。

出典: 参考情報より