概要: AWSの無料枠を安全かつ効果的に活用するための完全ガイドです。無料アカウントの作成から、クレジットカード登録の注意点、無料枠の確認方法、そして解約・退会手続きまで、疑問点をすべて解消します。
AWS無料枠を最大限活用!アカウント解約・クレジットカード情報も解説
AWS(Amazon Web Services)は、世界中で利用されるクラウドコンピューティングサービスです。
新規ユーザーや学習者がAWSの機能を体験できるよう、「AWS無料利用枠」という素晴らしい制度が提供されています。
しかし、その仕組みや注意点を正しく理解していないと、意図しない請求が発生してしまうことも少なくありません。
本記事では、AWS無料枠の最新情報から、賢い活用術、そしてアカウント解約やクレジットカード情報の管理まで、AWSを安全かつ最大限に利用するための知識を網羅的に解説します。
この記事を読めば、あなたのAWSライフがより豊かで安心できるものになるでしょう。
AWS無料枠の基本とクレジットカード登録の注意点
AWS無料枠の種類と最新動向(2025年7月〜)
AWS無料利用枠は、大きく分けて3種類存在します。
- 12ヶ月間無料枠: AWSアカウント作成から12ヶ月間、特定のサービス(Amazon EC2、Amazon S3、Amazon RDSなど)を無料で利用できます。これは新規顧客限定の特典です。
- 無期限無料枠(常時無料枠): 一部のサービスは、利用制限内であれば期間の定めなく無料で利用可能です。AWS Lambda、Amazon DynamoDB、Amazon CloudFrontなどが代表的です。
- 無料トライアル: 特定のサービスをアクティベートしてから一定期間(例: 30日間)無料で利用できる枠です。期間終了後は従量課金制に移行します。
特に注目すべきは、2025年7月15日より刷新される新しい無料プランです。
この新制度では、新規アカウント向けに最大6ヶ月間、最大200ドル相当のクレジットが付与される形式に変更されます。
従来のサービスごとの無料枠から、このクレジットを消費してサービスを利用する形になる点が大きな変更点です。
ただし、LambdaやS3など、30以上のサービスは引き続き常時無料枠が提供されるため、完全に無料枠がなくなるわけではありません(出典: 最新情報(2025年7月〜))。
この新しい無料プランでは、クレジットを使い切るか6ヶ月が経過するとアカウントが自動的に閉鎖されるという点に注意が必要です。
閉鎖後90日以内であれば有料プランへアップグレードしてデータやリソースを復元できますが、それを過ぎると全データが削除されますので、計画的な利用が求められます。
無料枠の制限と意図しない課金を避けるポイント
AWS無料利用枠は非常に便利ですが、その制限を超えると標準の従量課金制料金が発生します。
付与された無料利用枠クレジットがこれらの料金に自動的に適用されますが、クレジット残高を超過した分は有料となります。
意図しない請求を避けるためには、以下の点に特に注意してください。
- インスタンスサイズやスペックの制限: Amazon EC2やAmazon RDSなどでは、無料枠の対象となるインスタンスタイプ(例: t2.micro、t3.micro)やスペックが指定されています。これら以外を選択すると、無料枠は適用されず課金対象となります。
- 利用リージョン: 無料利用枠は、AWS GovCloud (米国) リージョンおよび中国リージョンを除くすべてのAWSリージョンで利用可能です。異なるリージョンでの利用は課金対象となる場合があります。
- AWS Organizations: AWS Organizationsを利用している場合、無料利用枠の特典を受けられるのは1つのアカウントのみです。組織全体で利用量が合算して管理されるため、注意が必要です。
- 仮想通貨マイニング: 無料利用枠のサービスを使用して仮想通貨のマイニングを行うことは規約で禁止されており、標準料金が請求されるか、最悪の場合サービスへのアクセスが停止される可能性があります(出典: 無料利用枠の制限と注意点)。
- 未使用分の繰り越し: 無料利用枠の月末の未使用分は、翌月に繰り越されません。計画的に利用し、使い切るようにしましょう。
新しい無料プランでアカウントが自動閉鎖される場合、事前に必要なデータは必ずバックアップし、有料プランへの移行を検討する必要があります。
これらの注意点を踏まえることで、安心してAWSの無料枠を活用することができます。
AWSアカウント作成時のクレジットカード登録の注意点
AWSアカウントを作成する際、有効なクレジットカード情報の登録が必須となります。
これは、無料枠の範囲を超えてサービスを利用した場合や、無料枠対象外のサービスを利用した場合に料金を請求するためです。
クレジットカードが登録されていないと、アカウントの作成自体ができません。
登録するクレジットカードは、有効期限が十分にあるもの、そして利用限度額に問題がないものであることを確認しましょう。
万が一、支払い情報に不備があった場合、AWSからの請求が失敗し、アカウントが停止される可能性があります。
アカウント停止に至ると、利用中のサービスが利用できなくなったり、重要なデータにアクセスできなくなったりするリスクがあります。
デビットカードの利用も可能ではありますが、カードの種類によっては利用できない場合や、一時的に少額が引き落とされ、後に返金される「オーソリゼーションホールド(事前承認)」が発生する場合があります。
そのため、基本的には信頼性の高いクレジットカードの利用を推奨します。
支払い方法の管理は、AWSアカウントを健全に運用するための基本中の基本と言えるでしょう。
AWS無料枠の確認方法と賢い活用術
現在利用中の無料枠の確認方法
AWS無料利用枠を賢く活用するためには、現在自分がどの程度のサービスを利用し、無料枠の範囲内に収まっているかを定期的に確認することが不可欠です。
利用状況は、AWSの「Billing and Cost Management コンソール」から簡単に確認できます。
コンソールにサインイン後、左側のナビゲーションペインから「無料利用枠」の項目を選択すると、各サービスの月間無料利用枠と、現在の使用状況が表示されます。
例えば、EC2インスタンスの稼働時間、S3のストレージ容量、データ転送量などがグラフや数値で視覚的に確認できます。
これにより、どのサービスが無料枠の限界に近づいているか、または既に超えてしまっているかを一目で把握できます。
また、「請求アラート」を設定することも非常に有効です。
AWS Budgetsなどのサービスを利用することで、設定したしきい値(例: 請求額が5ドルを超えたら)を超過した場合にEメール通知を受け取ることができます。
これにより、意図しない課金のリスクを大幅に軽減し、より安心してAWSを利用できるでしょう(出典: AWS 無料利用枠に関するよくある質問)。
無料枠で試せる主要サービスとその範囲
AWS無料利用枠は、多様なサービスを提供しており、学習や小規模なプロジェクトであれば十分に活用できます。
主要な無料利用枠対象サービスと、その典型的な範囲は以下の通りです。
- Amazon EC2: 12ヶ月間、t2.microまたはt3.microインスタンスを月間750時間まで無料で利用可能です(出典: AWS無料利用枠でどこまでできる?)。これは、Webサーバーのホスティングや開発環境の構築に最適です。
- Amazon S3: 12ヶ月間、標準ストレージを5GBまで、GETリクエスト20,000回、PUTリクエスト2,000回まで無料です(出典: AWS無料利用枠でどこまでできる?)。静的サイトのホスティングやファイル保管に利用できます。
- Amazon RDS: 12ヶ月間、db.t2.microまたはdb.t3.microインスタンスを月間750時間まで、20GBの汎用SSDストレージと20GBのバックアップストレージを無料で利用できます(出典: AWS無料利用枠でどこまでできる?)。小規模なデータベースを構築して試すのに適しています。
- AWS Lambda: 無期限無料枠で、月間100万回の無料リクエストと40万GB-秒のコンピューティング時間が提供されます。サーバーレスアプリケーションの実行に非常に強力です。
- Amazon DynamoDB: 無期限無料枠で、25GBのストレージ、月間2億回のリクエストまで無料で利用できます。高速なNoSQLデータベースを手軽に試すことができます。
これらのサービスを組み合わせることで、シンプルなWebアプリケーションやデータ分析基盤など、様々なシステムを無料で構築・学習することが可能です。
各サービスの具体的な無料枠の範囲は変動する可能性があるので、常にAWSの公式情報を確認するようにしましょう。
無料枠を最大限に活用するためのヒント
AWS無料枠を有効に活用し、意図しない課金を避けるためには、いくつかの実践的なヒントがあります。
- 定期的な利用状況のモニタリング: 先述の通り、Billing and Cost Management コンソールで毎月、あるいは週に一度は無料枠の使用状況を確認しましょう。無料枠の上限に近づいているサービスがないか、超過しているサービスがないかを確認します。
- 不要なリソースの停止・削除: 使っていないEC2インスタンスやRDSデータベース、S3バケットなどは、必ず停止または削除しましょう。特にEC2やRDSは、停止するだけではストレージ料金が発生し続ける場合があるため、完全に不要な場合は削除することをお勧めします。インスタンスの停止と終了の違いを理解しておくことが重要です。
- 請求アラートの設定: AWS Budgetsを利用して、設定した予算を超過しそうな場合に通知を受け取るように設定します。これにより、予期せぬ高額請求を未然に防ぐことができます。
- 学習目的での積極的な利用: 無料枠は、AWSの様々なサービスを実際に触って学ぶための貴重な機会です。公式チュートリアルやハンズオンガイドに沿って、積極的にサービスを構築・体験してみましょう。例えば、EC2でWordPressを立ててみたり、S3で静的サイトをホスティングしてみたりするのも良いでしょう(出典: AWS 無料利用枠を開始しましょう)。
- 新しい無料プランへの移行とデータ管理: 2025年7月からの新制度では、アカウントの自動閉鎖が導入されます。クレジットや期間が終了する前に、必要なデータはAWS S3などのストレージサービスにバックアップしておくか、ローカルにダウンロードしておくことを強く推奨します。有料プランへの移行を検討しない場合は、データ消失のリスクを避けるために事前の対応が不可欠です(出典: 新しいAWS無料利用枠、7月15日から)。
これらのヒントを実践することで、AWS無料枠を最大限に活用し、クラウド学習や開発を安全に進めることができます。
AWS無料枠の解約・退会手続きとベストタイミング
AWSアカウントの解約前に確認すべきこと
AWSアカウントを解約する際は、いくつかの重要な確認事項と手順があります。
これらを怠ると、解約後も意図しない請求が発生したり、大切なデータが失われたりするリスクがあるため、慎重に進めましょう。
- すべてのリソースの停止と削除: まず、現在利用しているすべてのAWSリソースを停止または削除することが最も重要です。これには、EC2インスタンス、RDSデータベース、S3バケット、Lambda関数、EBSボリュームなどが含まれます。特にEC2インスタンスは「停止」しただけでは、EBSボリュームのストレージ料金が発生し続ける場合がありますので、完全に不要であれば「終了(Terminate)」させる必要があります。
- 請求とコスト管理コンソールでの利用状況確認: 解約手続きに入る前に、AWS Billing and Cost Management コンソールで、過去の請求履歴や現在の利用状況を最終確認してください。未払いの料金がないか、アクティブなリソースが残っていないかを徹底的にチェックします。
- データバックアップの実施: アカウント解約後は、AWS上のすべてのデータが削除されます。今後も利用する可能性のあるデータや、法的に保管が必要なデータなどは、必ず解約前にローカル環境や別のクラウドサービスなどにバックアップしておきましょう。解約後90日間は復旧可能ですが、それを過ぎると完全にデータが削除されます(出典: アカウント解約とクレジットカード情報の管理)。
- AWS Marketplaceサブスクリプションの確認: AWS Marketplaceで購読しているソフトウェアやサービスがないかも確認し、必要であればサブスクリプションをキャンセルしてください。
これらの準備をしっかり行うことで、安心してアカウント解約手続きを進めることができます。
ステップバイステップで解説!AWSアカウント解約手順
AWSアカウントの解約は、以下の手順で進めることができます。
- ルートユーザーとしてログイン: AWSアカウントを解約できるのは、ルートユーザー(アカウント作成時に登録したメールアドレスとパスワード)のみです。IAMユーザーでは解約できませんので、必ずルートユーザーでAWS Management Consoleにサインインしてください。
- アカウント設定ページへ移動: コンソールの右上に表示されているアカウント名をクリックし、ドロップダウンメニューから「アカウント」を選択します。
- アカウントの閉鎖: アカウント設定ページの最下部までスクロールすると、「アカウントの閉鎖」というセクションがあります。そこに表示されている情報をよく読み、閉鎖に関する利用規約に同意するチェックボックスをすべてオンにします。
- 「アカウントを閉鎖」ボタンをクリック: すべてのチェックボックスに同意したら、「アカウントを閉鎖」ボタンをクリックします。最終確認のダイアログが表示されるので、内容を確認し、再度閉鎖を承認します。
- 最終確認とEメール受信: 解約手続きが完了すると、AWSからアカウントが閉鎖されたことを通知するEメールが届きます。これで解約手続きは完了です。
解約後も、最終的な請求処理が行われるまで時間がかかる場合があります。
また、先述の通り解約後90日間はアカウントを復旧できる期間が設けられています(出典: アカウント解約とクレジットカード情報の管理)。
この期間中は、アクセスは制限されますが、アカウント情報の一部は保持されます。
90日を過ぎると、アカウントは完全に削除され、復旧は不可能となります。
無料枠終了後の解約のベストタイミングと注意点
AWS無料枠を利用していたアカウントを解約する際に、最も注意すべきは課金発生のタイミングです。
ベストなタイミングを見計らうことで、余計な費用を支払うことなくスムーズにアカウントを閉鎖できます。
無料枠期間が終了するアカウントの場合:
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無料枠期間が終了する直前、または終了後すぐに解約手続きを行うのがベストです。
無料枠終了後はすぐに従量課金制に移行するため、利用を継続しないのであれば、速やかにリソースを削除し、解約しましょう。 -
AWSからの「無料利用枠の期間が間もなく終了します」といった通知Eメールを見逃さないようにしましょう(出典: AWS 無料利用枠の期間が間もなく終了する場合の考慮事項を教えてください。)。
この通知を受け取ったら、利用継続の意思がない場合は解約の準備を始める良いタイミングです。
2025年7月からの新しい無料プランを利用しているアカウントの場合:
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付与されたクレジットを使い切った後、または6ヶ月の期間が終了した後にアカウントが自動閉鎖されます。
この閉鎖を待って、継続利用しない場合はそのまま放置することも選択肢の一つです。 - ただし、自動閉鎖されると90日後にはデータが完全に削除されますので、データを保持したい場合は、閉鎖前に有料プランへのアップグレードを検討するか、自分でデータをバックアップしておく必要があります。
いずれの場合も、解約手続きが完了したからといって、すぐに請求がゼロになるわけではありません。
最後の請求サイクルで発生した利用料が最終的に請求されることを理解しておきましょう。
解約後も、念のため数ヶ月は登録したクレジットカードの明細を確認し、AWSからの請求がないかをチェックすることをお勧めします。
AWS無料枠とクレジットカードの疑問を解消!
登録済みクレジットカードの変更・更新方法
AWSアカウントに登録しているクレジットカード情報を変更したり、有効期限切れが近づいているカード情報を更新したりする必要がある場合は、AWS Billing and Cost Management コンソールから簡単に行うことができます。
具体的な手順は以下の通りです。
- AWS Billing and Cost Management コンソールにサインインします。
- ナビゲーションペイン(通常は左側)から「お支払いの詳細設定」または「支払い方法」を選択します。
-
既存のクレジットカード情報を編集する場合は、対象のカードを選択し、「編集」をクリックして情報を更新します。
新しいカード情報を登録する場合は、「支払い方法を追加」ボタンをクリックし、カード番号、有効期限、カード名義人などの情報を入力します。 -
新しいカード情報を追加した場合、それをデフォルトの支払い方法に設定するかどうかを選択できます。
通常は新しいカードをデフォルトに設定し、古いカードが不要であれば削除します。
ただし、デフォルトの支払い方法に設定されているクレジットカードは、削除する前に必ず別の有効な支払い方法をデフォルトに設定しておく必要があります(出典: クレジットカードと ACH 口座振替の管理)。
クレジットカードの有効期限が切れる場合は、事前に更新手続きを行わないと、支払いができなくなり、アカウントの停止やサービスへの影響が出る可能性があります。
定期的にクレジットカード情報を確認し、更新を忘れずに行いましょう。
クレジットカードなしでのAWSアカウント利用の可否
残念ながら、現在AWSアカウントを作成し、サービスを利用するためには、有効なクレジットカード情報の登録が必須となっています。
クレジットカードなしでAWSアカウントを作成することはできません。
この要件は、無料利用枠の範囲を超えてサービスを利用した場合や、無料利用枠の対象外サービスを利用した場合に、発生した料金を請求するために設けられています。
AWSは、クレジットカード情報の登録を通じて、アカウントの利用者が正当な支払い能力を持つことを確認しています。
一部のケースでは、デビットカードが利用できる場合もありますが、すべてのデビットカードがサポートされているわけではありません。
また、デビットカードの場合、一時的な少額の引き落とし(オーソリゼーションホールド)が発生し、後で返金される場合があります。
そのため、最も確実で推奨される支払い方法は、やはり有効なクレジットカードの登録です。
学生や未成年の方などでクレジットカードの所有が難しい場合は、保護者のカードを利用するか、他のクラウドサービスを検討する必要があるでしょう。
身に覚えのない請求があった場合の対処法
AWSから身に覚えのない請求があった場合、パニックにならず、落ち着いて以下の手順で対処しましょう。
- AWS Billing and Cost Management コンソールで請求内訳を確認: まず、AWS Billing and Cost Management コンソールにサインインし、「請求書」セクションで詳細な請求内訳を確認します。どのサービスで、どのリージョンで、どのようなリソースに対して請求が発生しているのかを特定します。無料枠を超過していないか、意図しないリソースが稼働していないかを確認します。
- リソースの確認と停止: 請求の内訳から特定されたサービスのリソースを、各サービスのコンソールで確認します。もし、自分が起動した覚えのないEC2インスタンスやRDSデータベース、S3バケットなどが見つかった場合は、すぐに停止または削除してください。
- AWS ConfigやAWS CloudTrailの確認: これらのサービスを有効にしている場合、アカウント内で誰がいつどのような変更を行ったかの履歴を確認できます。身に覚えのないリソースが作成された経緯を追跡できる可能性があります。
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AWSサポートへの問い合わせ: 自分で原因が特定できない場合や、明らかに不正な請求と思われる場合は、速やかにAWSサポートに問い合わせましょう。
AWSサポートは、請求に関する専門的な調査を行い、適切なアドバイスや解決策を提供してくれます。サポートプランによっては、より迅速な対応が期待できます。 - セキュリティの確認: もし、アカウントの乗っ取りや不正利用の可能性が疑われる場合は、パスワードの変更、多要素認証(MFA)の有効化、IAMユーザーの権限見直しなど、セキュリティ対策を強化してください。
AWSは従量課金制であるため、予期せぬ請求は、多くの場合、リソースの停止忘れや無料枠の超過が原因です。
日頃からリソースの管理と請求状況のモニタリングを徹底することで、このようなトラブルを未然に防ぐことができます。
AWS無料枠キャンペーンとお役立ち情報
定期的に実施される無料枠キャンペーン情報
AWSは、通常の無料利用枠とは別に、特定のサービスや新しい機能を広く知ってもらうために、期間限定の無料枠キャンペーンやプロモーションを実施することがあります。
これらのキャンペーンは、通常よりも広範囲のサービスを無料で試せたり、より高スペックなリソースを一定期間利用できたりする場合があります。
例えば、新しいデータベースサービスがリリースされた際に、そのサービスを数ヶ月間無料で利用できるトライアル期間を提供したり、特定のイベント参加者向けにAWSクレジットを配布したりすることもあります。
これらのキャンペーン情報は、AWSの公式ブログ、AWSのイベントページ、またはAWSからのニュースレターでアナウンスされることが多いです。
定期的にこれらの情報源をチェックすることで、よりお得にAWSの最新技術やサービスを体験する機会を得られるでしょう。
特に学習目的でAWSを利用している方にとっては、普段なかなか手を出せない高機能サービスを試す絶好のチャンスとなります。
AWS無料枠に関するよくある質問(FAQ)
AWS無料枠に関する疑問は多く寄せられます。ここでは、特に頻度の高い質問とその回答をまとめました(出典: AWS 無料利用枠に関するよくある質問)。
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| 無料枠は複数のAWSアカウントで利用できますか? | 原則として、無料利用枠は1つのAWSアカウントに対してのみ適用されます。AWS Organizationsを利用している場合でも、組織全体で合算して1つの無料枠として扱われます。 |
| 無料枠が終了したらどうなりますか? | 無料枠の期間が終了するか、利用量の上限を超過すると、自動的に標準の従量課金制に移行します。新しい無料プラン(2025年7月〜)では、クレジットまたは期間終了後にアカウントが自動閉鎖されます。 |
| 無料枠の利用状況を確認するにはどうすれば良いですか? | AWS Billing and Cost Management コンソールにサインインし、「無料利用枠」のセクションで詳細な利用状況を確認できます。 |
| 無料枠を意図せず超えて課金されてしまいました。返金は可能ですか? | AWSの規約では、通常、無料枠を超えた利用に対する返金は行われません。ただし、状況によってはAWSサポートに相談することで、一部の対応が可能な場合もあります。まずは請求内訳をしっかり確認し、サポートに問い合わせてみましょう。 |
| デビットカードでAWSアカウントを作成できますか? | 一部のデビットカードは利用可能ですが、すべてのデビットカードがサポートされているわけではありません。また、事前承認のための少額請求が発生する場合があります。確実なのはクレジットカードの利用です。 |
これらの質問と回答は、AWS無料枠の理解を深める一助となるでしょう。
疑問が生じた際は、まず公式のFAQやドキュメントを参照することをお勧めします。
学習者向け!無料枠を活用したAWS学習ロードマップ
AWSの学習を始めるにあたり、無料枠は実践的なスキルを身につけるための最高のツールです。
以下に、無料枠を最大限に活用した学習ロードマップの例を挙げます。
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基礎固め(EC2 & S3):
- Amazon EC2のt2.microインスタンスを起動し、SSH接続でログインしてみましょう。Linuxの基本コマンドを学びます。
- EC2上にApacheやNginxなどのWebサーバーをインストールし、簡単なWebページをホスティングしてみましょう。
- Amazon S3バケットを作成し、ファイルをアップロード・ダウンロードしてみます。静的Webサイトホスティング機能を使って、簡単なHTMLサイトを公開するのも良いでしょう。
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データベース連携(RDS & DynamoDB):
- Amazon RDSのdb.t2.microインスタンス(MySQLやPostgreSQLなど)を起動し、EC2から接続してみます。簡単なデータベース操作を学びます。
- Amazon DynamoDBでテーブルを作成し、基本的なCRUD(Create, Read, Update, Delete)操作を試してみます。NoSQLデータベースの概念を理解します。
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サーバーレス体験(Lambda):
- AWS Lambda関数を作成し、PythonやNode.jsで簡単なコードを実行してみます。イベント駆動型のアーキテクチャに触れます。
- Lambda関数をAPI Gatewayと連携させ、簡単なAPIを作成してみましょう。
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ネットワークとセキュリティ(VPC & IAM):
- Amazon VPC(Virtual Private Cloud)の概念を学び、サブネット、ルートテーブル、インターネットゲートウェイなどの設定を試します。
- IAM(Identity and Access Management)を使って、新しいユーザーを作成し、特定のAWSリソースへのアクセス権限を付与する練習をします。
これらのステップを通じて、AWSの主要サービスを実際に操作し、クラウド環境での開発・運用スキルを効率的に習得できます。
公式ドキュメントやオンラインのチュートリアルを参考にしながら、積極的に手を動かしてみてください(出典: AWS 無料利用枠を開始しましょう)。
無料枠期間中は、試行錯誤を恐れずに様々なサービスに挑戦してみることが、成長への近道です。
まとめ
よくある質問
Q: AWS無料アカウントを作成する際にクレジットカードは必須ですか?
A: はい、AWS無料利用枠を有効にするためには、クレジットカード情報の登録が必須です。これは、不正利用防止と、無料利用枠を超過した場合の課金に備えるためです。ただし、無料利用枠の範囲内であれば、料金は発生しません。
Q: AWS無料枠の利用期間はどのくらいですか?
A: AWS無料利用枠には、新規アカウント作成から12ヶ月間利用できる「12ヶ月無料」と、一部サービスで無期限に利用できる「無期限無料」があります。AWS Cost Explorerなどで利用状況を確認できます。
Q: AWS無料アカウントを解約したいのですが、どうすればいいですか?
A: AWSアカウントを解約するには、AWSマネジメントコンソールから行うことができます。解約前に、利用中のサービスやデータをバックアップし、不要なリソースを削除することが重要です。解約手続きは慎重に行ってください。
Q: 同じクレジットカードを複数のAWS無料アカウントで利用できますか?
A: 一般的に、同じクレジットカードを複数のAWSアカウントで利用すること自体は可能ですが、推奨されません。特に無料利用枠の管理が複雑になる可能性があり、意図しない課金につながるリスクも考えられます。
Q: AWS無料枠の利用状況はどのように確認できますか?
A: AWS無料利用枠の利用状況は、AWSマネジメントコンソールの「請求」ダッシュボードや「AWS Cost Explorer」で確認できます。これにより、無料枠の消費状況を把握し、予期せぬ課金を防ぐことができます。