体調不良や妊娠中でも！飲み会をスマートに断る方法

体調不良や妊娠中でも！飲み会をスマートに断る方法

職場の飲み会や友人との集まりは楽しいものですが、体調が優れない時や妊娠中、あるいは子育て中の忙しい時期には、参加をためらってしまうこともありますよね。「断り下手で、つい無理して参加してしまう…」と悩む方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、ご自身の心身の健康を第一に考えることは何よりも大切です。実は、労働基準法や男女雇用機会均等法といった公的な制度は、体調不良や妊娠中の労働者を守るための様々な配慮や保護措置を定めています。これらの情報を知ることで、自信を持ってスマートに飲み会を断ることができるようになります。

この記事では、公的機関の情報に基づき、体調不良や妊娠、育児といったデリケートな状況でも、角を立てずに飲み会を断る具体的な方法や例文をご紹介します。無理なく、ご自身のペースで社会とのつながりを保つヒントを見つけてください。

断り下手さん必見！体調不良を理由に飲み会を断るコツ

早めの連絡と具体的な理由の伝え方

飲み会のお誘いを受けたら、できるだけ早く返事をすることがスマートな断り方の第一歩です。参加できないとわかった時点で、間髪入れずに連絡しましょう。連絡が遅れると、相手に余計な手間をかけさせてしまったり、席の確保などに影響が出る可能性があります。

理由を伝える際は、あまりにも抽象的すぎると「もしかして行きたくないだけ？」と思われてしまうこともあるため、可能な範囲で「体調が優れない」「体調を崩している」など、簡潔かつ具体的な理由を添えるのがおすすめです。ただし、詳細を長々と説明する必要はありません。例えば、「あいにく体調を崩してしまい、今日はゆっくり休みたいと思います」「ちょっと体調が優れないので、今回は見送らせていただきます」といった表現で十分伝わります。無理をして参加し、体調を悪化させてしまっては本末転倒です。自身の体調を最優先に考えましょう。

出典：飲み会をスマートに断るためのポイント

代替案の提示で角を立てない工夫

断る際に「ごめんなさい、今回は無理です」とだけ伝えるよりも、代替案を提示することで、相手への配慮と「本当は参加したい気持ちはある」という意思を示すことができます。これにより、角を立てずに良好な関係を保つことが可能です。

例えば、「次回の機会にはぜひ参加したいです！」「落ち着いたら、またランチなど昼間の集まりなら参加できるかもしれません」といった前向きな言葉を添えてみましょう。もし、特定のメンバーとの集まりであれば、「また改めて、〇〇さんとは個別にご連絡させてください」といった提案も有効です。完全にシャットアウトするのではなく、別の機会を設ける意欲を見せることで、相手も「仕方ないな」と納得しやすくなります。

ただし、代替案を提示する際は、本当に実行可能な範囲で提案することが重要です。無理な約束をしてしまうと、後々ご自身が苦しくなってしまうので注意しましょう。

出典：飲み会をスマートに断るためのポイント

「お酒を飲まない」選択肢と体調優先の考え方

体調不良を理由に飲み会への参加自体を断るのが難しい場合や、どうしても参加したい場合は、「お酒を飲まない」という選択肢も有効です。特に、まだ周囲に知られたくないデリケートな体調変化（妊娠初期など）の場合は、この方法が役立つことがあります。

「今日は体調が優れないのでお酒は控えさせていただきます」「ソフトドリンクで失礼します」と伝えれば、周囲も納得してくれるでしょう。しかし、ここで最も重要なのは、自身の体調を最優先に考えることです。もし、人混みや騒がしい場所自体が辛い、長時間座っているのが苦痛、といった状況であれば、無理をして参加するべきではありません。参加すること自体が体調を悪化させる可能性もあります。

周囲への迷惑を心配する気持ちも大切ですが、ご自身の健康は誰にも代えがたいものです。無理をして後悔するよりも、きっぱりと断る勇気を持ちましょう。

出典：飲み会をスマートに断るためのポイント

妊娠初期～臨月まで。時期別の飲み会断り方マニュアル

妊娠初期：発表前のスマートな断り方

妊娠初期は、つわりによる体調不良が最も顕著な時期であり、同時にまだ周囲に妊娠を公表していないケースがほとんどでしょう。この時期の飲み会は、煙草の煙、匂い、騒がしさ、お酒が飲めないことなど、心身ともに大きな負担となりかねません。

公表前のデリケートな状況では、妊娠を直接的な理由として挙げる必要はありません。以下のような伝え方がスマートです。

• 「最近、ちょっと体調が優れなくて。安静にしたいので、今回は欠席させてください。」
• 「体調を崩しやすく、大事を取って今回はお酒を控えたいと思っています。申し訳ありません。」
• 「体調が不安定な時期なので、今回は見送らせていただきます。皆さんの楽しい時間を邪魔しないためにも…」

「お酒はしばらく控えているんだ」といった伝え方も有効です。自身の体調を最優先にし、無理のない選択をしましょう。

出典：飲み会をスマートに断るためのポイント

安定期：周囲に配慮しつつ参加・不参加を選ぶ

妊娠安定期に入ると、つわりが落ち着き、体調が比較的安定する方も多いでしょう。しかし、だからといって無理は禁物です。お腹が大きくなるにつれて、長時間座っていることや、人混みの中での移動、普段と異なる環境での過ごし方は、想像以上に体に負担をかけることがあります。

男女雇用機会均等法第13条には、妊娠中および出産後の女性労働者が、健康診査等を受け、医師等から指導を受けた場合、事業主は、その指導を守ることができるように、勤務時間の変更や勤務の軽減等の措置を講じなければならないとあります。これは職場での配慮を求める権利ですが、プライベートの飲み会においても自身の体調管理が最優先であることには変わりありません。

参加する場合でも、ノンアルコールドリンクを選んだり、早めに切り上げたりするなどの配慮を忘れずに。体調が優れない場合は、「やはり体が重く、長時間の外出は厳しいので、今回は見送らせていただきます」と正直に伝えることが大切です。

出典：男女雇用機会均等法第13条、飲み会をスマートに断るためのポイント

妊娠後期～臨月：母子の安全を最優先に

妊娠後期から臨月にかけては、出産が間近に迫り、母体への負担が最も大きくなる時期です。体が重く動きにくい、頻尿、疲労感、お腹の張りなど、様々な症状が現れます。

労働基準法第65条第3項では、妊娠中の女性労働者が請求した場合、事業主は他の軽易な業務に転換させなければならないとされており、さらに通勤緩和や休憩に関する措置も求められています。これは、この時期の女性がいかにデリケートな状態にあるかを示しています。

この時期の飲み会は、長時間の外出や座りっぱなし、人混みでの移動、不慣れな場所での飲食など、母体と赤ちゃんにとってリスクとなる可能性が少なくありません。転倒のリスクや、感染症への懸念も高まります。この時期は、迷わず母子の安全を最優先に断りましょう。理由もストレートに伝えるのが適切です。

• 「出産が近づいており、医師から安静を指示されていますので、今回は欠席させていただきます。」
• 「お腹がかなり大きくなり、長時間座っているのも辛いので、今回は辞退させてください。」
• 「何かあったら困るので、大事を取って自宅でゆっくり過ごします。」

周囲も理解を示してくれるはずです。

出典：労働基準法第65条第3項、飲み会をスマートに断るためのポイント

ワーママ必見！産後や子どもの送迎との両立で断る例文

産後休暇明け：育児と仕事の両立を理由に

産後、職場復帰を果たしたワーママにとって、飲み会への参加は大きなハードルとなることがあります。労働基準法第65条では、出産日の翌日から8週間は、事業主は女性労働者を就業させてはならないと産後休業が定められており、産後の体はまだ回復途上にあります。また、育児も始まったばかりで、授乳や夜泣きなどで睡眠不足に陥りがちです。

この時期は、子どもの預け先や夜間の対応など、家庭の事情を理由に断るのが最も自然で理解を得やすいでしょう。

• 「まだ子どもが小さく、夜は自宅でゆっくり過ごしたいので、今回は見送らせてください。」
• 「授乳中のため、長時間家を空けるのが難しいので、今回はご遠慮させてください。」
• 「産後の体力がまだ完全には戻っておらず、夜は早めに休みたいので、申し訳ありません。」

無理をして参加すると、翌日の仕事や育児に支障が出る可能性もあります。自身の体力と育児状況を考慮し、無理のない選択をしましょう。

子どもの急な体調不良や送迎時間を理由に

ワーママにとって、子どもの急な体調不良や保育園・学童のお迎え時間は、最も避けられない理由の一つです。子育て中は、いつ何時、子どもが熱を出したり、体調を崩したりするかわかりません。また、お迎え時間も厳密に決められていることが多く、時間を過ぎてしまうと延長料金が発生したり、保育士さんに迷惑をかけてしまったりします。

このような状況では、具体的な理由を伝えることで、周囲も納得しやすくなります。

• 「申し訳ありません。子どもの急な発熱で、看病のため今回は欠席させてください。」
• 「保育園のお迎え時間が決まっており、どうしても間に合わないので、今回は辞退させてください。」
• 「子どもの習い事の送迎があり、時間の都合がつきません。申し訳ありません。」

日頃から、子どもの体調が不安定なことや、お迎えの時間を伝えづらいと感じる場合は、信頼できる上司や同僚に相談しておくのも良いでしょう。

出典：飲み会をスマートに断るためのポイント

公的支援と自身の権利を理解する

育児を理由に飲み会を断ることは、決して会社や周囲に迷惑をかけることではありません。男女雇用機会均等法第9条には、事業主は、女性労働者が妊娠・出産・産前産後休業の取得、妊娠中の時差通勤、母性健康管理措置や深夜業免除などを受けたことを理由に、解雇、契約更新の拒否、降格、減給、就業環境を害するなど、不利益な取扱いをしてはならないと明確に定められています。これは育児に関わる女性労働者の権利を保護するものです。

もちろん、飲み会への参加不参加は直接的な業務とは異なりますが、育児に伴う時間の制約や体調への配慮は、正当な理由として認められるべきものです。会社の就業規則には、育児短時間勤務制度や子の看護休暇制度など、育児をサポートする様々な制度が設けられている場合があります。これらの制度を理解し、自身の権利として活用できることを知っておきましょう。

自身の状況を説明する際に、「法律で守られている」という意識を持つことで、より自信を持って断ることができます。

出典：男女雇用機会均等法第9条

生理痛や不妊治療、適応障害…デリケートな状況での断り方

生理痛やPMS：体調の波を理由に

女性にとって、生理痛や月経前症候群（PMS）は、毎月訪れる体調不良の原因となることがあります。症状の重さは個人差が大きく、日常生活に支障をきたすほど辛い方も少なくありません。頭痛、吐き気、腹痛、腰痛、倦怠感、精神的な不安定さなど、様々な症状が一度に現れることもあります。

これらの体調不良を理由に飲み会を断る場合、具体的な症状を詳細に伝える必要はありません。以下のような表現で、デリケートな状況であることを示唆しつつ、丁寧にお断りできます。

• 「体調の波がありまして、今日は少し体が重く、長時間の外出は厳しいので、今回は見送らせてください。」
• 「生理前で体調が不安定な時期なので、今回は申し訳ありませんが欠席させていただきます。」
• 「あいにく体調が優れないので、今日はゆっくり休ませていただきます。」

女性特有の体調不良は、多くの人が経験しているため、理解を得やすい側面もあります。自身の体を労わることを最優先に考えましょう。

不妊治療：周囲に伏せたい場合の断り方

不妊治療は、非常にデリケートで個人的な情報であり、周囲に話したくないと考えるのは当然のことです。治療の過程で、精神的なストレスや身体的な負担を感じることも多く、アルコールの摂取を控える必要があったり、急な受診の予定が入ったりすることもあります。

このような状況で飲み会を断る際は、治療のことに触れず、抽象的かつ丁寧な理由を伝えるのが最適です。

• 「申し訳ありません、今日はどうしても外せない大切な予定がありまして、今回は欠席させていただきます。」
• 「最近、少し体調が思わしくなくて。大事を取って、今日はゆっくり休みたいと思います。」
• 「しばらくお酒は控えているので、今回は見送らせていただきます。」

労働基準法で定められた年次有給休暇は、労働者が希望する時季に取得でき、急な病欠の場合でも当日の申請を理由に拒否することはできません（出典：労働基準法）。つまり、有給休暇の取得理由を詳細に開示する義務はありません。これはプライベートな飲み会を断る際にも通じる考え方です。ご自身のプライバシーと心身の健康を守りましょう。

出典：労働基準法第39条、飲み会をスマートに断るためのポイント

適応障害やうつ病など：心の状態を理由に

適応障害やうつ病など、心の不調も身体の不調と同じくらい、あるいはそれ以上に休息と静養が必要です。心の状態が優れない時に無理をして飲み会に参加することは、かえって症状を悪化させ、回復を遅らせる原因になりかねません。

心の健康状態は非常に個人的な情報であり、他人に詳細を説明する義務はありません。しかし、体調不良であることを伝えることで、周囲も納得しやすくなります。

• 「最近、少し心身が疲れていまして、今日は落ち着いた環境でゆっくり過ごしたいので、欠席させていただきます。」
• 「体調を整える必要があり、今回は見送らせていただきます。皆さんの楽しい時間を邪魔してしまうのも心苦しいので…」
• 「少しナーバスになっておりまして、人との交流は控えたい気持ちなので、今回はご遠慮させてください。」

会社の健康保険に加入している場合、連続して4日以上仕事を休んだ場合に、給与の約3分の2が支給される傷病手当金という制度もあります（条件あり）。これは心の不調にも適用されるため、公的な支援を受けながら安心して療養できる環境が整っていることも知っておきましょう。

出典：傷病手当金（健康保険）

体調不良を伝える際のメール例文と注意点

件名と冒頭：明確かつ丁寧に

飲み会を断るメールを送る際は、件名を明確にし、相手への感謝とお詫びの気持ちを冒頭で伝えることが大切です。これにより、相手は一目で内容を理解でき、丁寧な印象を与えることができます。

件名の例：

• 〇日の飲み会について【〇〇（あなたの名前）】
• 〇月〇日の懇親会欠席のご連絡
• 飲み会参加見送りのお詫び

冒頭の例文：

「〇〇さん（または皆様）、いつもお誘いありがとうございます。〇月〇日の飲み会についてご連絡いたしました。」

「〇〇部長（または〇〇さん）、いつもお世話になっております。この度は懇親会にお誘いいただき、誠にありがとうございます。」

「大変申し訳ありませんが、」といったクッション言葉を挟むことで、より丁寧な印象になります。

本文：具体的な理由と代替案の提示

本文では、参加できない具体的な理由を簡潔に伝えます。体調不良や妊娠、育児など、状況に合わせて正直に伝えることが大切ですが、詳細を長々と説明する必要はありません。相手に不要な心配をかけたり、詮索されたりするのを避けるためにも、シンプルにまとめましょう。

例文：

• 「誠に恐縮ながら、体調が優れないため、今回は参加を見送らせていただきたく存じます。大事を取って、当日はゆっくり休ませていただきます。」
• 「現在、妊娠中のため、アルコールを控えております。また、体調も安定しない日があるため、今回は欠席させてください。」
• 「子どもの急な体調不良のため、当日は看病に当たる必要がございます。大変申し訳ありませんが、欠席させてください。」

もし可能であれば、「また改めて、次回の機会にはぜひ参加させていただきたく存じます」や、「改めて個別にご連絡させてください」といった代替案や前向きな言葉を添えると、より円滑なコミュニケーションにつながります。

出典：飲み会をスマートに断るためのポイント

結び：迷惑をかけない配慮と感謝の言葉

メールの結びでは、参加できないことで生じるかもしれない迷惑へのお詫びと、相手への感謝の言葉を伝えることで、良好な関係を維持する努力を示しましょう。そして、飲み会の成功を祈る言葉で締めくくると、より好印象です。

結びの例文：

• 「皆様にはご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんが、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。」
• 「当日は皆様で楽しい時間をお過ごしください。またの機会を楽しみにしております。」
• 「取り急ぎ、メールにてご連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。」

これらのポイントと例文を参考に、ご自身の状況に合わせた丁寧なメールを作成してみてください。

出典：飲み会をスマートに断るためのポイント