概要: 客先とのビジネスシーンでは、適切な敬語と丁寧なコミュニケーションが信頼構築の鍵となります。単なる「かしこまりました」に留まらず、相手に合わせた敬称や言葉遣いを意識することで、より円滑な関係を築けるでしょう。
「かしこまりました」だけじゃない!客先との信頼を築く敬語とコミュニケーション術
お客様への丁寧な応答として広く使われる「かしこまりました」ですが、ビジネスシーンではこの一言だけでは不十分な場面も少なくありません。顧客との真の信頼関係を築くためには、敬語の適切な使い分けはもちろん、相手に寄り添うコミュニケーション術が不可欠です。
この記事では、単なるマナーに留まらない、信頼を深めるための敬語と実践的なコミュニケーション術をご紹介します。
「かしこまりました」と「承知いたしました」の違いと使い分け
お客様からの依頼や指示に対して、理解したことを示す際に用いる「かしこまりました」は、非常に丁寧な謙譲語です。しかし、状況によっては「承知いたしました」や「承りました」といった表現の方がより適切とされる場合があります。
「かしこまりました」は、相手の意向を謹んで受け入れる、というニュアンスが強く、相手からの指示や依頼を「謹んでお受けします」という深い敬意を表します。一方、「承知いたしました」は、相手の意向や内容を「理解しました」と伝える一般的な敬語であり、幅広い場面で利用可能です。
例えば、具体的な依頼や指示(「この資料を作成してください」)に対しては「かしこまりました」が適していますが、情報共有や連絡(「明日の会議は10時からです」)に対しては「承知いたしました」の方が自然な場合があります。
また、「了解しました」は、目上の方に対して使うと失礼にあたるため、ビジネスシーンでは避けるべき表現です。相手や状況に応じてこれらの表現を使い分けることで、より洗練された印象を与えることができます。
二重敬語を避ける!よくある間違いと正しい表現
敬語は相手への敬意を示す重要なツールですが、誤った使い方、特に二重敬語はかえって不自然な印象を与えてしまいます。二重敬語とは、同じ種類の敬語を重ねて使ってしまう間違いのことです。参考情報にもあるように、「おっしゃられる」「おこしになられる」「ご説明させていただきます」などが代表例です。
例えば、尊敬語である「おっしゃる」にさらに尊敬語の助動詞「~られる」を付け加えた「おっしゃられる」は二重敬語です。正しい表現は「おっしゃる」です。同様に、「お越しになる」が正しい尊敬語であり、「おこしになられる」は間違いです。
「ご説明させていただきます」も、相手に許可を得る「~させていただく」と尊敬語の「ご説明」を組み合わせたもので、状況によっては二重敬語とみなされることがあります。より自然な表現は「ご説明いたします」や「説明させていただきます」(相手の許可を得て行う場合)です。この「~させていただきます」の適切な使い方は後ほど詳しく触れます。
正しい敬語を使いこなすことは、相手への配慮を示す証明であり、ビジネススキル向上に繋がります。日頃から意識して練習し、自然に使えるようにしましょう。
相手に好印象を与える!感謝や配慮を伝える一言プラスα
「かしこまりました」だけで終わらず、さらに一言加えることで、相手に丁寧さ以上の好印象を与えることができます。顧客は、単に要求が満たされるだけでなく、自分の状況や依頼内容に配慮してくれたと感じた時に、より強い信頼感を抱くものです。
例えば、お客様から依頼を受け、「かしこまりました」と答える際に、「早速対応させていただきます」と付け加えることで、迅速な対応を約束する姿勢が伝わります。また、依頼内容によっては「貴重なご意見ありがとうございます。かしこまりました」と、相手の言葉に対する感謝を表現することも有効です。
お客様の要望が複雑な場合や、対応に時間がかかりそうな場合は、「承知いたしました。内容を確認しまして、〇日までに改めてご連絡差し上げます」のように、具体的な対応予定を伝えることで、相手は安心できます。
これらの「プラスα」の一言は、相手への心遣いを具体的に示すものです。単なる定型句ではなく、相手の状況や会話の流れに合わせて適切な言葉を選ぶことで、顧客との人間関係をより深く、強固なものにすることができるでしょう。
相手への敬意を示す!客先での適切な敬称と呼び方
客先での敬称や呼び方は、相手への敬意を明確に示し、スムーズなコミュニケーションを築く上で非常に重要です。誤った呼び方は、無意識のうちに相手に不快感を与え、信頼関係にひびを入れる可能性もあります。ここでは、適切な敬称と呼び方の基本を押さえましょう。
役職名と「様」の正しい組み合わせ方
ビジネスシーンでよく見かける間違いの一つに、「〇〇部長様」という呼び方があります。役職名自体が敬意を含んでいるため、その後に「様」を付けると二重敬語になってしまいます。正しい組み合わせ方は、「〇〇部長」、または「〇〇様」のいずれかです。
社外の方に対しては、役職名で呼ぶのが一般的ですが、初めてお会いする方や役職が不明な場合は、「〇〇様」と苗字に「様」を付けて呼ぶのが無難です。メールの場合も同様に、「〇〇株式会社 〇〇部 〇〇部長」や「〇〇様」と記載します。
また、自社の人間に社外の人が同席している場で話す際も注意が必要です。例えば、自社の佐藤部長を社外の人に紹介する場合、「弊社の佐藤でございます」と役職を付けずに呼ぶか、「弊社の佐藤部長でございます」と丁寧語を付けて紹介します。自社の人には敬称をつけないのが基本です。
これらのルールを理解し、相手の役職や社内外の立場を考慮して適切に使い分けることが、相手への敬意を示す第一歩となります。
複数人への呼びかけ方と注意点
会議やセミナーで複数の方に呼びかける場合、またはメールで複数の担当者宛に送る場合にも、適切な敬称を使用する必要があります。安易な表現は、相手に失礼な印象を与えかねません。
複数の方へ呼びかける際の一般的な表現は、「皆様」です。例えば、会議の冒頭で「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます」のように使用します。特定の部署やグループに対しては、「〇〇部の皆様」とすることも可能です。
メールで複数の担当者宛に送る場合は、「ご担当者様各位」や「関係者の皆様」が適切です。「各位」自体が「皆様」という意味を持つため、「お客様各位様」のような二重敬語にならないように注意しましょう。また、送信相手が特定できる場合は、個別に「〇〇様、〇〇様」と記載するのが最も丁寧です。
顧客企業全体を指す場合は、「貴社」や「御社」を使用します。文書やメールでは「貴社」、会話では「御社」と使い分けるのが一般的です。複数の担当者がいる場合でも、企業全体への敬意を示すことで、より包括的な信頼関係を築くことができます。
タブーな表現と、いざという時のスマートな対応
客先とのコミュニケーションでは、意図せず相手に不快感を与えてしまうタブーな表現が存在します。特に避けるべきなのは、相手を軽んじるような呼び方です。
例えば、相手の会社を「おたく」と呼んだり、個人に対して「あなた」と呼びかけたりすることは、非常に失礼にあたります。これらは親しい間柄でのみ許される表現であり、ビジネスシーンでは厳禁です。必ず「貴社(御社)」や「〇〇様」と呼ぶようにしましょう。
また、相手の名前や役職がわからない場合に、適当な呼び方をするのも避けるべきです。そうした状況に陥った際は、「恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」や「失礼ですが、どちら様でいらっしゃいますか」のように、丁寧な言葉遣いで尋ねるのがスマートな対応です。
顧客と会う前には、名刺や事前情報で相手の氏名、役職、会社名をしっかりと確認しておくことが重要です。万が一の時でも、慌てずに適切な敬語で対応できるよう、日頃から意識しておくことが、信頼構築に繋がります。
議事録作成に役立つ!客先とのやり取りで押さえておくべき敬語
議事録は、客先との打ち合わせ内容を正確に記録し、関係者間で共有するための重要なビジネス文書です。その作成においては、客観性を保ちつつも、客先への敬意を損なわない敬語表現を用いることが求められます。ここでは、議事録作成時に役立つ敬語のポイントを見ていきましょう。
決定事項や依頼内容を正確に記録する敬語表現
議事録では、客先からの決定事項や依頼内容を明確かつ丁寧に記載する必要があります。この際、客先の行動に対して尊敬語を使用することで、敬意を示すことができます。
例えば、客先が何かを決定した場合、「〇〇様が~と決定した」ではなく、「〇〇様より~の旨、ご決定いただきました」と記述します。また、客先からの依頼があった際には、「〇〇様から~をお願いされた」ではなく、「〇〇様より~をご依頼いただきました」と表現するのが適切です。
弊社側が客先の依頼を承諾した場合は、「~の件、承知いたしました」と簡潔に記載します。重要なのは、客観的な事実を正確に伝えつつ、相手への配慮を忘れないことです。具体的な日時や担当者を明記することで、後の確認作業もスムーズになります。
議事録の記載例:
- 【決定事項】〇〇機能の実装について、〇〇様より「来月末までに完了」とご決定いただきました。
- 【依頼内容】〇〇資料の作成について、〇〇様より「A案での進行」をご依頼いただきました。
- 【弊社対応】上記ご依頼の件、承知いたしました。〇〇が担当し、〇月〇日までに初稿を提出いたします。
このように、誰が何を決定・依頼したのかを明確にし、敬語を用いて記録することで、後のトラブルを防ぎ、良好な関係維持に繋がります。
確認・質問時に役立つ丁寧な表現
議事録作成中や、打ち合わせ内容について客先に確認や質問をする際には、失礼のない丁寧な表現を心がける必要があります。曖昧な表現は避け、具体的に何を確認したいのかを明確に伝えましょう。
例えば、客先の意向や認識を確認する場合、「〇〇様のご認識で相違ございませんでしょうか」や「上記内容にて、〇〇様のご意向でよろしいでしょうか」といった表現が適切です。これにより、相手に確認を促しつつ、丁寧な姿勢を示すことができます。
不明点や疑問点について質問する際は、「恐れ入りますが、一点確認させていただけますでしょうか」や「お手数をおかけしますが、ご教示いただけますでしょうか」のように、クッション言葉を挟むとより丁寧な印象になります。特に「ご教示いただけますでしょうか」は、知識や情報を教えてもらう際に使う謙譲語として非常に有効です。
確認や質問のメールを送る際も、件名で要件を明確にし、本文では結論から述べ、具体的な確認事項を箇条書きにするなど、相手の読みやすさを意識することも重要です。
「〜させていただきます」の適切な使い方と代替表現
「〜させていただきます」という表現は、ビジネスシーンで頻繁に使われますが、誤用も多い敬語の一つです。この表現は、相手の許可や好意を受けて何かを行う場合、またはその行為によって相手に利益がある場合に使うのが適切とされています。
例えば、自分の都合で会議を欠席する場合に「明日、欠席させていただきます」は適切ですが、単に何かを説明する際に「ご説明させていただきます」とするのは、相手の許可を得る意味合いが薄く、不自然に聞こえることがあります。この場合は、「ご説明いたします」や「説明させていただきます」(相手が聞くことに合意している状況)の方が適切です。
具体的な事例で考えてみましょう。
- 不適切な例: 「資料をお渡しさせていただきます。」 (相手の許可を得る必要がない行為)
- 適切な例: 「資料をお渡しいたします。」 または 「資料を配布させていただきます。」 (配布することで相手に情報を提供する利益がある)
- 不適切な例: 「私が担当させていただきます。」 (単なる役割分担の報告)
- 適切な例: 「私が担当いたします。」 または 「私が担当させていただきます。」 (相手がその担当者を歓迎・許可している場合)
過剰な「〜させていただきます」は、かえって慇懃無礼な印象を与える可能性もあります。本当に相手の許可を得て行うのか、相手に利益がある行為なのかを意識し、迷ったら「〜いたします」などの代替表現を使用する方が無難です。
今後の良好な関係のために。「今後とも」を効果的に使うには
ビジネスにおいて、一度きりの取引で終わらせず、長期的な良好な関係を築くことは非常に重要です。「今後とも」という言葉は、その願いを相手に伝え、関係性を深めるための強力なツールとなり得ます。しかし、単なる定型句として使うだけではその効果は半減してしまいます。ここでは、より効果的に「今後とも」を活用する方法を探ります。
「今後とも」が持つ意味合いと使用シーン
「今後とも」は、「これからも継続して」という意味合いを持つ言葉です。ビジネスシーンでは、会議や打ち合わせの締めくくり、メールの結び、新規取引開始時、あるいは何らかの協力関係がスタートする際など、今後の継続的な関係性や協力をお願いする場面で広く使われます。
この言葉を用いることで、相手に対して「私たちはあなたとの関係を大切に思っており、これからも良好な関係を維持していきたい」というメッセージを伝えることができます。単に「ありがとうございました」で終わらせるよりも、一歩踏み込んだ関係構築への意欲を示すことになるでしょう。
特に、新しいプロジェクトが始まる際や、初めての契約が成立した際に「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」と伝えることで、相手に安心感を与え、将来の協力関係への期待を高めることができます。ビジネスは一度きりのやり取りではなく、継続的な関係性の上に成り立っていることを再認識させる言葉です。
感謝の気持ちを添える一言で関係を深める
「今後とも」をより効果的に使うには、単独で使うだけでなく、具体的な感謝の気持ちを添えることが重要です。これにより、定型句に陥りがちな言葉に温かみと誠実さを加えることができます。
例えば、打ち合わせ後に送るお礼のメールで、「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます」と伝えることで、これまでの支援や協力に対する感謝と、これからの関係継続への願いを同時に表現できます。
具体的な成果が出た際や、相手からのサポートがあった場合は、「〇〇の件では大変お世話になり、心より感謝申し上げます。今後とも引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」のように、具体的な貢献に言及しつつ、今後の協力もお願いすると、相手は「自分の貢献が認められている」と感じ、より一層協力的になってくれるでしょう。
相手の貢献を具体的に称え、それに感謝の言葉を添えることで、「今後とも」という言葉は単なる社交辞令ではなく、真摯な関係構築への姿勢を示すメッセージとして響きます。
具体的な行動に繋がる「今後とも」の使い方
「今後とも」は、漠然とした関係継続の希望だけでなく、具体的な次の行動や継続的な協力を示唆する際にも活用できます。これにより、単なる挨拶以上の、実質的な関係強化に繋げることが可能です。
例えば、提案がまとまった後に「この度の提案にご賛同いただきありがとうございます。今後とも、〇〇のプロジェクト成功に向けて尽力させていただきます」と伝えることで、具体的な目標達成に向けた自社のコミットメントを明確にできます。
また、フォローアップの際に「先日ご提案させていただきました件、その後いかがでしょうか。今後とも、何かご不明な点がございましたら、いつでもお気軽にお申し付けください」と付け加えることで、相手に対して継続的なサポート体制があることを伝え、安心感を与えることができます。
「今後とも、定期的に進捗をご報告させていただきます」のように、具体的な情報共有の約束を添えることも有効です。このように、「今後とも」の後に具体的な行動や意図を付け加えることで、言葉に重みが増し、単なる定型句ではなく、今後の良好な関係を築くための具体的なステップを示す言葉となります。
【実践編】客先との折衝・説明で差がつくコミュニケーションのポイント
敬語の適切な使用はビジネスの基本ですが、それだけでは不十分です。客先との信頼関係を深め、成果に繋げるためには、実践的なコミュニケーション術が不可欠となります。ここでは、客先との折衝や説明の場面で差がつくコミュニケーションのポイントを、具体的なデータも交えながら解説します。
「聴く力」で相手の本音を引き出す
参考情報にもあるように、顧客のニーズや課題を深く理解するためには、まず相手の話にしっかりと耳を傾ける「聴く力」が最も重要です。人は自分の話を真剣に聞いてくれる相手には心を開きやすく、本音を話しやすくなります。
単に黙って聞くだけでなく、適切な相槌を打ったり、相手の言葉を繰り返して確認したりすることで、「あなたの話を理解しようとしている」という誠実な姿勢を伝えることができます。「なるほど」「おっしゃる通りです」「つまり〇〇ということですね」といった言葉を効果的に使いましょう。
近年の調査では、職場でのコミュニケーションにおいて、認識や理解のズレを実感しているビジネスパーソンは88.1%にのぼるとされています。このデータは、多くの場合、人は相手の話を正確に理解できていない可能性を示唆しています。だからこそ、積極的に質問を投げかけ、「それは具体的にどういうことでしょうか?」「〇〇の部分についてもう少し詳しく教えていただけますか?」といった形で、相手の本音や潜在的なニーズを引き出す努力が重要です。
顧客の言葉の裏にある真意を汲み取る「聴く力」を磨くことは、信頼構築の土台となります。
共感と相手目線での提案術
顧客の心をつかむためには、単に自社の商品やサービスを説明するだけでなく、顧客の悩みや課題に共感し、その上で相手目線での提案を行うことが不可欠です。
参考情報にも「共感を示す」ことの重要性が挙げられています。顧客が抱える問題に対して、すぐに解決策を提示するのではなく、まずは「そのお気持ち、よくわかります」「まさにそうですよね」といった共感の言葉を伝えることで、相手は「自分のことを理解してくれている」と感じ、安心感を覚えます。この安心感が、その後の提案を受け入れてもらいやすくする土壌を作ります。
さらに、提案を行う際は、「顧客にとってどのようなメリットがあるのか」に焦点を当てて説明しましょう。自社の技術力や実績を誇るだけでなく、「この機能をご導入いただくことで、御社の〇〇の課題が解決され、年間〇〇時間の業務効率化が見込めます」のように、具体的な顧客メリットを提示します。
近年のデータでは、職場での会話機会において、上司との面談で41.6%、チーム内の会議で43.0%が「全く本音で話していない」と回答しています。これは、顧客もまた、常に本音を話しているとは限らないことを示唆しています。だからこそ、共感を示すことで相手のガードを下げ、真のニーズを引き出し、それに応える形で提案する「相手目線」のアプローチが成功の鍵となります。
オンライン時代にこそ光る誠実な対応とフォローアップ
リモートワークの普及など、近年のビジネス環境の変化は、コミュニケーションのあり方にも大きな影響を与えています。参考情報にもあるように、リモートワークの普及により、21%の労働者がコミュニケーションがやや難しくなったと感じており、6%は非常に難しくなったと感じています。対面での機会が減少する中で、より一層、丁寧かつ誠実な対応が信頼構築の要となります。
基本的なビジネスマナーとして、約束や時間を守ることはもちろん、オンライン会議でのカメラON/OFFの配慮、チャットツールの適切な使用なども重要です。特に、「できないことは正直に伝える」、「分からないことは安易に答えず、持ち帰って調べてから改めて連絡する」といった誠実な姿勢は、顧客に大きな信頼感を与えます。曖昧な返答や、できないことを安請け合いすることは、後々のトラブルの元となります。
一度きりのやり取りで終わらせず、定期的に顧客とコミュニケーションを取り、状況を確認するフォローアップも欠かせません。例えば、提案後の状況確認、導入後の困りごとがないかのヒアリング、新しい情報提供など、継続的な関わりを持つことで、顧客は「自分たちのことを気にかけてくれている」と感じ、長期的な信頼関係が構築されます。
オンラインでのやり取りが増える現代だからこそ、文字や画面越しでも伝わる誠実さと、細やかなフォローアップが、客先との信頼を揺るぎないものにする重要なポイントとなるでしょう。
まとめ
よくある質問
Q: 「かしこまりました」以外に、相手の依頼を受けた際に使える言葉はありますか?
A: 「承知いたしました」「左様でございますか」「承りました」などが、状況に応じて適切です。相手や状況に合わせて使い分けると、より丁寧な印象を与えられます。
Q: 客先の社長や役職者への呼び方で、失礼にならない方法は?
A: 基本的には「〇〇社長」「〇〇様」のように、役職名や「様」をつけるのが一般的です。社内での慣習や、相手との関係性によっても変わるため、迷った場合は確認するのが無難です。
Q: 議事録に客先の担当者の名前を記載する際、「さん」付けと「様」付け、どちらが適切ですか?
A: 社外文書や公式な記録である議事録では、原則として「様」付けが適切です。ただし、社内規定や相手との関係性によって例外もあります。迷った場合は「様」付けを選ぶのが安全です。
Q: 「早々に」という言葉は、客先へのメールで使っても問題ないですか?
A: 「早々に」は、相手によっては急かしているような印象を与える可能性があります。「〇〇までに」「○日を目処に」など、具体的な期日を伝える方が丁寧で誤解も防げます。
Q: 客先との折衝や説明の場で、相手に「今後とも」と伝えるタイミングはいつが良いですか?
A: 商談の締めくくりや、具体的な成果が出た後、あるいは何らかの依頼を受けて合意に至った際など、良好な関係が継続することを示唆したい場面で使うと効果的です。相手の反応を見ながら自然に伝えましょう。
