概要: 年末調整は、一年間の所得税を精算する重要な手続きです。年収によって適用される控除が変わるため、自身の状況を把握し、賢く節税することが大切です。本記事では、年収別、配偶者、扶養内パートなど、様々なケースにおける年末調整の計算方法を分かりやすく解説します。
2025年度の年末調整は、税制改正によりいくつかの変更点があり、賢く節税するためには最新情報を理解することが重要です。
この記事では、年収別の計算方法、配偶者控除、扶養控除の最新情報について徹底解説します。
ご自身の状況に合わせて年末調整を進めることで、賢く節税につなげましょう。
年末調整の基本:年収から見る控除の仕組み
年末調整は、会社員にとって税金を適正化するための重要な手続きです。
まずは、基本となる「年収」と「所得」の違い、そして控除の仕組みをしっかり理解しましょう。
2025年度の改正点も踏まえ、賢い節税の第一歩を踏み出しましょう。
年収と所得の違いを理解する
年末調整を理解する上で、まず大切なのが「年収」と「所得」の違いです。
「年収」とは、1月1日から12月31日までの1年間に得た収入の総額を指します。
これには、基本給はもちろん、時間外手当、休日出勤手当、深夜労働手当、役職手当など、会社から支払われるほとんどの手当が含まれます。
また、通勤手当も非課税限度額を超えた分や、転職している場合は前職の給与収入も含まれますので注意が必要です。
一方で、「所得」は、この年収から給与所得控除(会社員の必要経費に相当)などの各種控除を差し引いた金額のことを指します。
所得税や住民税は、この「所得」を基に計算されるため、節税を考える上では「いかに所得を減らすか」が重要になります。
例えば、非課税限度額以下の通勤手当や、実費精算される旅費、社会通念上相当と認められる祝金などは年収には含まれず、税金計算の対象外となります。
これらの違いを正しく理解することが、年末調整における賢い節税の出発点となるでしょう。
2025年度の給与所得控除と基礎控除の最新情報
2025年度の年末調整では、税制改正により基礎控除と給与所得控除の引き上げという大きな変更点があります。
これは多くの会社員にとって、節税のチャンスが広がる朗報と言えるでしょう。
まず、基礎控除額は、これまでの「一律48万円」から、合計所得金額に応じて「58万円〜95万円」に引き上げられます。
所得が多い人ほど控除額が少なくなる仕組みですが、多くの層で控除額が増加する形となります。
次に、給与所得控除の最低保障額も「55万円」から「65万円」に引き上げられ、年収190万円まで一律で65万円の控除が受けられるようになります。
給与所得控除額は、収入に応じて定められた計算式で算出されます。
例えば、年収が300万円の場合、「給与収入 × 30% + 80,000円」で計算されるなど、収入金額の範囲によって異なる計算式が適用されます。
これらの控除額が増えることは、課税される所得金額が減ることを意味し、結果として所得税や住民税の負担軽減につながります。
ご自身の年収や所得に合わせて、これらの控除がどのように適用されるかを確認することが大切です。
所得税率と控除を最大限活用するポイント
所得税は、課税所得金額に応じて税率が段階的に上がる累進課税制度を採用しています。
具体的には、所得税率は5%から45%までの7段階に区分されており、課税所得が高いほど税率も高くなります。
所得税額は「課税される所得金額 × 税率 – 控除額」という計算式で算出されます。
この計算式からもわかるように、各種控除を最大限に活用し、「課税される所得金額」をいかに減らすかが、節税の鍵となります。
年末調整では、会社を通じて以下の重要な書類を提出することで、これらの控除が適用されます。
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
- 給与所得者の保険料控除申告書
- (該当者のみ)住宅借入金等特別控除申告書
これらの書類を正確に、そして漏れなく提出することが、控除の適用を受け、適正な税額で納税するための必須事項です。
特に、生命保険料控除や地震保険料控除、iDeCoの掛金など、控除証明書が必要なものは、忘れずに添付するようにしましょう。
書類一つ一つの確認が、賢い節税へとつながります。
配偶者控除・配偶者特別控除の適用条件と収入の目安
扶養する家族がいる場合、年末調整で利用できる大きな控除が「配偶者控除」と「配偶者特別控除」です。
2025年度の税制改正では、これらの控除の適用条件にも変更があり、より多くの世帯で節税の恩恵を受けられる可能性があります。
それぞれの控除の条件と、賢い働き方について詳しく見ていきましょう。
2025年度最新!配偶者控除の適用条件を徹底解説
配偶者控除は、納税者と生計を一つにする配偶者がいる場合に適用される控除です。
この控除を受けるための最も重要な条件は、配偶者の所得金額です。
具体的には、配偶者の合計所得金額が58万円以下であること(給与収入のみの場合は123万円以下)が求められます。
そして、【2025年度の大きな変更点】として、配偶者の年収(給与収入)要件が、これまでの103万円以下から123万円以下に引き上げられました。
これは、いわゆる「103万円の壁」が「123万円の壁」へと緩和されたことを意味し、パートなどで働く配偶者にとって、働き方の選択肢が広がる朗報と言えるでしょう。
配偶者控除の控除額は、納税者本人の合計所得金額によって異なり、所得が高いほど控除額は少なくなります。
しかし、適用されることで納税者本人の課税所得が減少し、結果として所得税や住民税の負担が軽減されます。
例えば、夫が納税者で妻がパート勤務の場合、妻の年収を123万円以下に抑えることで、夫の税負担を軽減できる可能性があります。
この新しい壁を意識して、ご夫婦で年収計画を立ててみましょう。
配偶者特別控除で所得が少し超えても安心!
配偶者の所得が上記の配偶者控除の条件(合計所得金額58万円以下)を超えてしまっても、諦める必要はありません。
「配偶者特別控除」が適用される可能性があります。
この控除は、配偶者の合計所得金額が58万円超133万円以下の場合に受けられるもので、配偶者の所得に応じて段階的に控除額が定められています。
ただし、納税者本人にも条件があり、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下である必要があります。
【2025年度の変更点】として、配偶者特別控除の満額控除要件が150万円から160万円に引き上げられました。
これは、配偶者の年収が160万円以下であれば、最大で38万円の控除が受けられる可能性が高まったことを意味します。
配偶者特別控除は、配偶者の所得が増えるにつれて控除額が徐々に減少する仕組みのため、夫婦全体の世帯収入と税負担のバランスを考慮した働き方を計画する上で非常に重要です。
例えば、妻の年収が123万円を超えてしまっても、160万円までであれば、一定額の控除が夫に適用され、世帯全体での税負担をコントロールできるため、賢く働き方を調整することが可能です。
「〇〇万円の壁」の賢い乗り越え方:配偶者控除・特別控除と社会保険
パートやアルバイトで働く方にとって、「〇〇万円の壁」は常に意識すべきポイントです。
2025年度の税制改正により、税法上の扶養に関する壁が変更されました。
配偶者控除の対象となる給与収入の上限は123万円(旧103万円)、配偶者特別控除の満額控除要件は160万円(旧150万円)となりました。
これは、税金面ではより柔軟な働き方が可能になったことを意味します。
しかし、注意すべきは、これとは別に「社会保険の壁」が存在することです。
具体的には「106万円の壁」と「130万円の壁」があり、これらを超えると、自身の健康保険料や厚生年金保険料を支払う義務が生じ、手取り額が大きく減少する可能性があります。
社会保険の壁は、勤め先の従業員数や労働時間によって適用条件が異なりますが、例えば年収106万円を超えると、企業規模によっては社会保険に加入する必要が出てきます。
また、年収130万円を超えると、企業規模に関わらず社会保険の扶養から外れるのが一般的です。
そのため、税法上の壁だけでなく、社会保険上の壁も考慮に入れ、世帯全体の手取り額が最大になるように年収を調整することが重要です。
夫婦でしっかりシミュレーションを行い、最適な働き方を見つけることをお勧めします。
扶養内パート・アルバイトの賢い働き方と年末調整
年末調整では、配偶者以外にも「扶養親族」がいる場合に適用される「扶養控除」があります。
2025年度の税制改正では、扶養控除の所得要件の引き上げに加え、新たに「特定親族特別控除」が創設されました。
これらの変更点を理解し、扶養内で賢く働くためのポイントを解説します。
扶養控除の基本と2025年度の適用条件
扶養控除は、納税者と生計を一つにする親族(子、父母、祖父母、兄弟姉妹など)がいて、かつその親族の所得が一定額以下である場合に受けられる控除です。
この控除の対象となる扶養親族の合計所得金額は58万円以下(給与収入のみの場合は123万円以下)と定められています。
【2025年度の変更点】として、扶養親族の所得要件が、これまでの48万円以下から58万円以下に引き上げられました。
これにより、これまで惜しくも扶養控除の対象外だった方が、新たに控除対象となる可能性が出てきました。
扶養控除の控除額は、扶養する方の年齢や同居の有無によって異なります。
例えば、16歳以上19歳未満、23歳以上30歳未満、30歳以上70歳未満の一般の扶養親族は38万円。
70歳以上の扶養親族(同居老親等以外)は48万円、同居老親等の場合は58万円となります。
これらの控除は、特に子育て世代や、親を扶養している家庭にとって、大きな節税効果をもたらします。
年末調整で提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に、扶養親族の情報を正確に記載することで、控除を適用することができますので、忘れずに確認しましょう。
新設された特定親族特別控除を理解する
【2025年度に新たに創設された】「特定親族特別控除」は、特に大学生などのお子さんを持つ家庭にとって重要な控除です。
この控除は、納税者が19歳以上23歳未満の親族を扶養している場合に適用されます。
対象となる親族の合計所得金額には条件があり、58万円超123万円以下(給与収入のみの場合は123万円超188万円以下)となっています。
これは、従来の扶養控除の所得要件(58万円以下)を超えてしまっても、一定の所得範囲であれば、救済措置として控除を受けられるという画期的な制度です。
例えば、アルバイトなどで年収が123万円を超えてしまい、通常の扶養控除から外れてしまった大学生のお子さんでも、188万円以下であればこの特定親族特別控除の対象となり得ます。
この控除の創設により、教育費の負担が大きい時期に、税制面でさらなる支援を受けられるようになりました。
ご自身のお子さんや扶養親族がこの条件に該当しないか、今一度確認し、必要に応じて年末調整で申告することで、賢く節税につなげましょう。
新しい制度を最大限に活用することが重要です。
扶養内での働き方と社会保険料の壁の注意点
扶養内で働くパートやアルバイトの方にとって、税法上の扶養と並んで重要なのが「社会保険上の扶養」です。
税法上の扶養(所得税・住民税)の壁は2025年度の改正で123万円(配偶者控除)などに変わりましたが、社会保険上の扶養の壁は変更されていません。
主な社会保険の壁は「106万円の壁」と「130万円の壁」です。
「106万円の壁」は、従業員501人以上の企業(または特定条件を満たす企業)で働く場合に適用され、年収が約106万円を超えると社会保険への加入義務が生じます。
そして「130万円の壁」は、企業規模に関わらず、年収が130万円を超えると扶養から外れ、自身で健康保険料や厚生年金保険料を支払う必要が出てきます。
これらの壁を超えると、手取り収入が一時的に減少する可能性があるため、年収計画には細心の注意が必要です。
例えば、年収が129万円であれば社会保険の扶養内ですが、131万円になると社会保険料の負担が生じ、手取り額が逆転するケースも少なくありません。
扶養内で働くことのメリットは、自身の社会保険料負担がなく、納税者の控除も受けられる点ですが、将来の年金受給額や、自身の傷病手当金・出産手当金の有無など、長期的な視点でのメリット・デメリットも考慮に入れるべきです。
ご自身の働き方と世帯全体の状況を総合的に判断し、賢い働き方を計画しましょう。
必要経費とは?年末調整で考慮されるもの
自営業者には必要経費が認められますが、会社員の場合はどうでしょうか。
会社員にとっての「必要経費」に相当するのが「給与所得控除」です。
さらに、年末調整で申告できるさまざまな所得控除があり、これらを活用することで賢く節税できます。
年末調整だけでは申告できない控除についても知っておきましょう。
給与所得控除は「みなし経費」!特定支出控除も活用しよう
会社員の場合、業務のために使った費用を個別に計上することは原則できません。
その代わりに、年収に応じて決められた額を「みなし経費」として収入から差し引くのが給与所得控除です。
これは、実際にかかった経費の額に関わらず適用されるため、多くの会社員にとって税負担を軽減する重要な仕組みです。
2025年度からは最低保障額が65万円に引き上げられ、より多くの人が恩恵を受けやすくなりました。
しかし、特定の職種(例:営業職、研究職など)で、業務上必要な書籍代、研修費、資格取得費、単身赴任者の帰宅旅費など、多額の費用を自己負担している方もいるでしょう。
このような場合、「特定支出控除」の活用を検討できます。
特定支出控除は、これらの特定の支出の合計額が、給与所得控除額の半分を超える場合に、その超えた部分を給与所得から差し引くことができる制度です。
特定支出控除を適用するには、会社の証明書や領収書が必要となり、年末調整ではなく確定申告での手続きとなります。
ご自身で高額な業務関連費用を負担している場合は、税務署や税理士に相談し、特定支出控除の適用が可能か確認してみましょう。
適用できれば、給与所得控除だけでは賄えない節税効果が期待できます。
年末調整で申告できる主な所得控除の種類
年末調整では、給与所得控除の他に、さまざまな「所得控除」を申告できます。
これらの控除は、課税所得をさらに減らし、所得税や住民税の負担を軽減してくれる重要なものです。
主に「給与所得者の保険料控除申告書」を通じて申告できるのは、以下の項目です。
- 生命保険料控除:一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3種類。各上限があり、合計で最大12万円の控除が受けられます。
- 地震保険料控除:地震保険の保険料に応じて、最大5万円の控除が受けられます。
- 社会保険料控除:国民年金保険料、国民健康保険料など、ご自身で支払った社会保険料の全額が控除対象となります。iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金も「小規模企業共済等掛金控除」として全額が所得控除の対象となります。
これらの控除を受けるためには、保険会社などから発行される控除証明書を添付して提出することが必須です。
年末調整の時期が近づくと、これらの証明書が郵送されてきますので、なくさないように大切に保管しておきましょう。
定期的に加入している保険やiDeCoの見直しを行い、控除を最大限活用できているか確認することも節税には不可欠です。
確定申告でさらに節税!年末調整だけでは完結しないケース
年末調整は多くの会社員にとって便利な制度ですが、すべての控除が年末調整だけで完了するわけではありません。
特に、以下のようなケースでは、確定申告を行うことでさらなる節税や還付を受けられる可能性があります。
- 医療費控除:世帯全体の医療費が年間10万円(または総所得金額の5%)を超えた場合。
- 寄付金控除:ふるさと納税など、国や地方公共団体、特定の団体に寄付をした場合。
- 雑損控除:災害や盗難などで損害を受けた場合。
また、住宅ローン控除の初年度は、年末調整では手続きができず、必ずご自身で確定申告を行う必要があります。
2年目以降は年末調整で手続きが可能です。
さらに、副業で得た所得がある場合や、年収が2,000万円を超える給与所得者も、年末調整の対象外となるため、確定申告が必須となります。
年末調整で控除しきれなかった、あるいは申告し忘れた控除がある場合でも、確定申告を行うことで税金が還付されることがあります。
これらの情報を知っておくことで、ご自身の状況に合わせて賢く節税のチャンスを掴むことができます。
疑問点があれば、税務署や税理士に相談してみましょう。
見込み年収が2000万円超?年末調整の注意点とマイナスになるケース
年末調整は多くの会社員にとって便利な制度ですが、すべての方が対象となるわけではありません。
特に高額所得者には特別なルールがあり、また年末調整の結果が「マイナス」、つまり追加徴収となるケースも存在します。
ご自身の状況を確認し、適切な対応ができるよう、これらの注意点を理解しておきましょう。
年収2,000万円超の給与所得者は年末調整の対象外
給与所得者であっても、年収2,000万円を超える方は、年末調整を受けることができません。
これは所得税法で定められたルールであり、ご自身で確定申告を行う義務があります。
会社は年末調整を行わないため、源泉徴収票を発行するだけで、納税者自身が所得税の計算から納税手続きまで全てを行う必要があります。
年末調整では会社が代行してくれる各種控除の申告も、確定申告ではご自身で書類を準備し、正確に計算して提出しなければなりません。
例えば、医療費控除や寄付金控除はもちろん、生命保険料控除やiDeCoの掛金なども、全て確定申告書に記載して手続きすることになります。
高額所得者は税金も高額になる傾向があるため、税務知識を習得し、計画的に税金計算や節税対策を進めることが非常に重要です。
税務署の窓口や国税庁のウェブサイト、税理士の専門知識を活用し、正確な申告を心がけましょう。
高額所得者における控除の制限と影響
年収が高額になるにつれて、適用されない、または制限される控除がある点にも注意が必要です。
例えば、配偶者特別控除は、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると適用対象外となります。
これにより、たとえ配偶者の所得が低くても、納税者本人の所得が高い場合は控除を受けることができません。
また、高額所得者向けの「所得金額調整控除」も、その適用条件は限定的であり、全ての高額所得者が利用できるわけではありません。
このように、所得が高くなると控除枠が縮小されることで、単純に所得が増えるだけでなく、実質的な税負担が増加する可能性があります。
そのため、高額所得者は、iDeCo(個人型確定拠出年金)の上限額を最大限活用したり、NISA(少額投資非課税制度)やつみたてNISAなどの税制優遇制度を活用した資産運用など、税負担を軽減するための対策を積極的に検討する必要があります。
通常の会社員が利用する控除だけでなく、資産形成と連動した節税策など、専門的な知識も必要になるため、税理士などの専門家への相談も有効な手段となるでしょう。
年末調整で「マイナス」になるケースと追加徴収への対策
年末調整の結果、還付金を受け取ることを期待している方も多いでしょう。
しかし、時には「マイナス」、つまり追加で税金を納める必要があるケースも発生します。
これは、毎月の給与から源泉徴収されていた税額が、実際の年間の所得税額よりも少なかった場合に起こります。
主な「マイナス」になるケースは以下の通りです。
- 年の途中で扶養親族が扶養を外れたにも関わらず、会社に申告しなかった場合。
- 転職により前職の給与と合算された結果、課税所得が増加し、源泉徴収額が不足した場合。
- 生命保険料控除や地震保険料控除などの控除申告を忘れたり、誤りがあった場合。
- 年の途中で見込み年収が大幅に増加し、年末調整時に税額が不足することが判明した場合。
追加徴収を避けるためには、まず扶養親族や住所、氏名などの変更があった際は、速やかに会社に申告することが重要です。
また、転職した場合は、前職の源泉徴収票を忘れずに提出し、すべての給与を合算して年末調整を行ってもらいましょう。
自身の給与明細や源泉徴収票をこまめに確認し、正確な申告書を作成することで、追加徴収のリスクを減らすことができます。
もし追加徴収が必要になった場合は、会社からの指示に従い、期限内に納付するようにしましょう。
まとめ
よくある質問
Q: 年末調整の収入金額とは具体的に何を指しますか?
A: 年末調整の収入金額とは、給与所得者の場合は、1年間の給与・賞与などの総支給額から、給与所得控除額を差し引く前の金額を指します。ただし、副業などの他の所得は含まれません。
Q: 配偶者控除を受けるための配偶者の収入はいくらまでですか?
A: 配偶者控除を受けるためには、原則として配偶者(納税者本人と生計を一にする配偶者)の合計所得金額が48万円以下である必要があります。給与収入のみの場合は、103万円以下となります。
Q: 扶養内パートで働く場合、年収はいくらまでなら年末調整で損しませんか?
A: 扶養内パートで働く場合、年収103万円以下であれば配偶者控除(または扶養控除)の対象となり、税金がかからない、または税金が軽減されます。103万円を超えると、配偶者控除の対象外となり、税金が発生する可能性があります。
Q: 年末調整で「必要経費」として認められるものはありますか?
A: 給与所得者の場合、一般的に「必要経費」という考え方は直接適用されません。代わりに、給与所得控除が適用されます。ただし、特定支出控除という制度があり、一定の条件を満たす通勤費、転居費、研修費などは、給与所得控除額を超える場合に控除対象となることがあります。
Q: 年収が2000万円を超えると年末調整はどうなりますか?
A: 年収2000万円を超える場合、年末調整の対象外となり、確定申告が必要になります。また、2020年分以降は、所得税法改正により、年収1億円超の給与所得者には、給与所得控除額の上限が適用されるため、実質的な手取り額が減る場合があります。
