就職活動における最初の、そして最も重要な関門の一つが「エントリーシート(ES)」です。ESは単なる履歴書ではなく、あなたの個性や能力、そして企業への熱意を伝えるための大切なプレゼンテーション資料となります。

このブログ記事では、最新の情報を基に、効果的なESの書き方と、選考を突破するための秘訣を徹底解説します。合格への第一歩を、ここから踏み出しましょう!

エントリーシートとは?目的と重要性を理解しよう

企業はESのどこを見ている?

企業がエントリーシートを通じて確認したいのは、応募者の表面的な情報だけではありません。ESは、あなたがその企業で活躍できる人材かどうかを判断するための重要な手がかりとなります。

具体的には、以下の4つのポイントを重視して評価しています。

  • 企業とのマッチ度・志望度の高さ: 「なぜ他の企業ではなく、この企業なのか」という強い思いや、企業の理念、求める人物像とあなたが合致しているかを見極めます。企業のビジョンに共感し、貢献したいという熱意が伝わるかが重要です。
  • 能力・スキル: あなたがこれまでに培ってきた能力やスキルが、入社後に企業の事業や業務でどのように活かせるのか、具体的なエピソードを通して確認します。単に「何ができるか」だけでなく、「どう貢献できるか」が評価のポイントです。
  • 思考力: 問題に直面した際に、どのように考え、どのような行動計画を立て、結論を導き出すのかという思考プロセスを重視します。論理的思考力や課題解決能力があるかを見ています。
  • 人柄・価値観: 自己PRや学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)のエピソードから、あなたの個性、人間性、仕事に対する価値観などを把握します。企業文化に馴染めるか、チームの一員として貢献できるかといった視点も含まれます。

これらの要素を意識してESを作成することで、企業へのアピール力を格段に高めることができます。

なぜESが重要なのか?選考における役割

エントリーシートは、就職活動の選考プロセスにおいて「最初の関門」であり、その後の面接にも大きく影響するという点で、非常に重要な役割を担っています。

まず、ESは書類選考の合否を決定する主要な要素です。企業にもよりますが、書類選考の通過率は平均で約50%と言われています。特に人気企業では、応募者数が多いため倍率が高く、ESの段階で多くの応募者が絞り込まれる傾向にあります。つまり、ESでアピールできなければ、面接に進むことすらできません。

次に、ESは面接の「ネタ元」となります。面接官は、あなたが提出したESの内容に基づいて質問を組み立てます。ESに書かれている内容が具体性に欠けていたり、説得力に乏しいと、面接での深掘りも難しくなり、あなた自身の魅力を十分に伝えきれない可能性が高まります。

だからこそ、ESは単に過去の経験を羅列するだけでなく、面接で「もっと話を聞きたい」と思わせるような、戦略的な内容で作成する必要があります。自己分析や企業研究を徹底し、面接で深掘りされても自信を持って答えられるように準備しておくことが、ES突破、ひいては内定獲得への鍵となるのです。

ESを突破するための心構え

エントリーシートを単なる「提出書類」として捉えるのではなく、自分自身を企業に売り込むための「プレゼンテーション資料」と考えることが、合格への第一歩です。

まず、「なぜその企業でなければならないのか」という強い志望動機を明確にすることが重要です。漠然とした志望理由ではなく、企業理念、事業内容、求める人物像などを深く理解し、それに自身の経験や将来の目標を具体的に結びつけることで、説得力のあるESになります。徹底した企業研究が不可欠です。

次に、自身の強みや経験をアピールする際は、具体的なエピソードを交え、論理的に構成することを意識しましょう。STARメソッドのようなフレームワークを活用し、「どのような状況で、どのような課題に対し、どのような行動を取り、どのような結果を得たか」を明確に記述することで、あなたの思考力や行動力が伝わります。

また、基本的なことですが、誤字脱字は絶対に避けましょう。これは企業に対する「配慮のなさ」「不注意」というネガティブな印象を与えかねません。提出前には複数回、声に出して読み上げるなどして、念入りにチェックしてください。友人やキャリアアドバイザーなど、第三者に見てもらうのも非常に効果的です。

これらの心構えを持つことで、ESは単なる書類ではなく、あなたの「熱意」と「能力」を最大限に伝える強力なツールとなるでしょう。

効果的なエントリーシートの書き方:構成とポイント

基本構成で差をつけるSTARメソッド

効果的なエントリーシートを作成するためには、読み手が理解しやすい論理的な構成が不可欠です。そこで役立つのが、「STARメソッド」というフレームワークです。これは、あなたが経験した出来事や達成した成果を、論理的かつ具体的に伝えるための効果的な手法です。

ESの基本構成は、以下の要素で構成されます。

  1. 結論(自分の強みやアピールポイント): まず、あなたが最も伝えたい「強み」や「学び」を簡潔に一言で述べます。
  2. 具体的なエピソード: その結論を裏付ける具体的な経験やエピソードを詳細に記述します。
    • Situation(状況): その経験がどのような状況下で起こったのかを明確に説明します。
    • Task(課題・目標): その状況の中で、あなたが直面した課題や設定した目標は何だったのかを具体的に示します。
    • Action(行動): その課題や目標に対して、あなたがどのような「行動」をとり、どのように工夫したのかを具体的に記述します。ここが最も重要で、あなたの個性や思考力が表れる部分です。
    • Result(結果・成果): その行動によって、どのような結果や成果が得られたのかを客観的に伝えます。可能であれば、具体的な数値や定量的なデータを用いると説得力が増します。
  3. 入社後の貢献: その経験から得た学びや強みを、入社後にどのように活かして企業に貢献できるのかを伝えます。ここが企業にとって最も重要な情報であり、あなたの成長意欲と入社意欲を示す部分です。

このSTARメソッドに沿って記述することで、あなたの経験が単なる出来事の羅列ではなく、あなたの能力や価値観を裏付ける説得力のあるアピールに変わります。

企業研究と自己分析の重要性

エントリーシート作成において、最も土台となるのが「企業研究」と「自己分析」です。これらを徹底することで、あなたのESは一気に説得力と独自性を増します。

まず、企業研究では、その企業の理念、事業内容、ビジョン、製品・サービス、競合他社との違い、そして「求める人物像」などを深く理解することが重要です。企業のウェブサイトやIR情報、ニュース記事、採用ページなどを丹念に読み込み、説明会やOB/OG訪問で直接話を聞くことも有効です。

この企業研究を通じて、「なぜこの企業でなければならないのか」という具体的な理由を見つけることができます。例えば、企業の特定の事業に魅力を感じたり、その企業の社会貢献活動に共感したりといった、あなた自身の価値観と企業を結びつける要素を探し出すのです。これにより、他社にも使い回せるような汎用的な志望動機ではなく、その企業に特化した、熱意のこもった内容が書けるようになります。

次に、自己分析は、あなたの強み、弱み、興味、価値観、学生時代に最も力を入れたこと(ガクチカ)などを明確にする作業です。過去の経験を振り返り、「なぜその行動を取ったのか」「そこから何を学んだのか」を深掘りすることで、あなた自身の「軸」を発見できます。

企業研究と自己分析が深く結びつくことで、あなたの強みがその企業でどのように活かせるのか、あなたの価値観がその企業の文化とどのように合致するのかを具体的に語れるようになります。この両輪が揃ってこそ、企業が求める「企業とのマッチ度」を効果的にアピールできるESが完成するのです。

熱意と論理性を両立させる書き方のコツ

ESは単に情報を伝えるだけでなく、あなたの「熱意」を企業に伝えるためのツールでもあります。しかし、熱意だけでは独りよがりな文章になりがちです。そこで重要なのが、熱意と論理性を両立させる書き方です。

まず「熱意」を伝えるためには、企業研究で得た具体的な情報を志望動機に盛り込むことが有効です。例えば、「貴社の〇〇という事業における△△に大変感銘を受け、私の持つ□□の経験を活かして貢献したい」といったように、具体例を挙げて「なぜその企業で働きたいのか」を力強く語りましょう。

次に「論理性」は、前述のSTARメソッドを活用することで担保されます。エピソードの結論をまず述べ、その後で具体的な状況、課題、行動、結果を順序立てて説明することで、読み手はあなたの思考プロセスや強みをスムーズに理解できます。

また、具体的な数字や固有名詞を用いることも、熱意と論理性の両方を高めます。「多くの人に貢献しました」よりも「200人の顧客に対して満足度90%を達成しました」の方が、具体的で説得力が増します。固有名詞を入れることで、その経験があなた固有のものであることを示せます。

さらに、提出前の複数回にわたる誤字脱字チェックは必須です。どんなに素晴らしい内容でも、誤字脱字があると「詰めが甘い」「注意力に欠ける」という印象を与えかねません。信頼性を損なわないためにも、細部までこだわりましょう。

そして、「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)は、面接で深掘りされる可能性が非常に高い項目です。ESに書いた内容について、面接でさらに詳しく聞かれてもスムーズに答えられるように、自己分析を深め、エピソードの背景や学んだこと、そして入社後にどう活かせるかを明確にしておくことが、熱意と論理性を兼ね備えたES作成の最終的なコツとなります。

志望動機、自己PRの例文で差をつける

志望動機:企業への情熱を伝える例文

志望動機は、あなたの企業への情熱と、入社後の貢献意欲を伝える最も重要な項目です。単に「御社に興味があります」では、何万人という応募者の中で埋もれてしまいます。他社との違いを明確にし、「なぜこの企業なのか」を具体的に語ることが重要です。

効果的な志望動機は、以下の要素を盛り込んで構成します。

  1. 結論: 簡潔に、なぜこの企業を志望するのかを述べます。
  2. きっかけ・原体験: その企業に興味を持った具体的なエピソードや、自身の過去の経験、価値観などを結びつけます。
  3. 企業への共感・理解: 企業研究で得た情報に基づき、企業の事業内容、製品、サービス、企業理念、文化などに深く共感していることを示します。具体例を挙げると説得力が増します。
  4. 入社後に活かせる強み・貢献: あなたのどのような経験やスキルが、その企業でどのように活かせるのか、具体的な貢献イメージを述べます。
  5. 将来の展望: 入社後、どのような目標を持って仕事に取り組みたいか、長期的な視点でのキャリアプランを示すことで、入社への意欲の高さと企業への定着意思を伝えます。

例えば、
「貴社の『〇〇(製品・サービス名)』が社会に与える影響力の大きさに感銘を受け、私自身の△△(強み)を活かして、その発展に貢献したいと強く志望いたします。学生時代、私は□□(具体的な経験)を通じて、課題解決に粘り強く取り組むことの重要性を学びました。この経験で培った課題発見力と行動力は、貴社の新たな市場開拓において、必ずや力になると確信しております。将来は、貴社の一員として◎◎(具体的な目標)を実現することで、社会に貢献していきたいと考えております。」
といったように、自身の経験と企業の特性を深く結びつけ、具体的な展望を示すことで、企業への熱意と貢献意欲を効果的にアピールできます。

自己PR:強みを効果的にアピールする例文

自己PRは、あなたの最も魅力的な強みを企業に伝え、それが仕事でどのように活かせるかをアピールする場です。単なる自慢話ではなく、具体的なエピソードを通して、あなたの強みが再現性のあるスキルであることを示しましょう。

自己PRの例文を構成する際のポイントは以下の通りです。

  1. 結論(私の強みは〇〇です): まず、あなたの強みを一言で明確に述べます。
  2. エピソード(STARメソッド): その強みを裏付ける具体的なエピソードをSTARメソッド(状況、課題、行動、結果)に沿って詳細に記述します。
    • 状況: どのような場面での出来事か。
    • 課題: どのような困難や目標があったか。
    • 行動: その課題に対し、具体的にどのような行動をとったか。ここにあなたの強みが最も表れます。
    • 結果: その行動によってどのような成果が得られたか。可能であれば、数値で示すと客観性が増します。
  3. 学び・活かし方: エピソードから得た学びや、その強みを入社後にどのように活かして企業に貢献できるかを具体的に伝えます。

例えば、協調性をアピールする場合、
「私の強みは、異なる意見を持つ人々をまとめ上げ、目標達成へと導く『協調性と調整力』です。大学時代、文化祭実行委員会の企画部長を務めた際、部員間の意見の対立により企画が停滞する状況に直面しました。私は、まず一人ひとりの意見を丁寧にヒアリングし、それぞれの意図や懸念点を深く理解することに努めました。その後、全員が納得できる折衷案を複数提示し、メリット・デメリットを丁寧に説明することで、最終的に全員が納得する形で企画を推進できました。結果として、文化祭は大成功を収め、来場者アンケートでも高い評価を得ることができました。この経験で培った調整力は、貴社でチームとして働く上で、円滑なコミュニケーションとプロジェクト推進に貢献できると確信しております。」
このように、結論から入り、具体的なエピソードと成果、そして入社後の貢献に繋げることで、説得力のある自己PRが作成できます。

ガクチカ:経験を価値に変える例文

「学生時代に力を入れたこと」(通称:ガクチカ)は、あなたの人間性、努力のプロセス、そして困難にどう向き合ったかを示す重要な項目です。単なる活動報告ではなく、その経験から何を学び、どう成長したかを具体的に伝えましょう。

ガクチカの例文を作成する際のポイントは、自己PRと同様にSTARメソッドを活用することですが、特に「なぜその活動に力を入れたのか」という動機「そこから何を学び、どう成長したか」という変化を明確にすることが重要です。

  1. 結論(最も力を入れたことと、そこから得た学び): どのような活動に力を入れ、その経験を通じて何を学んだのかを簡潔に述べます。
  2. 活動の概要と動機: どのような活動だったのかを説明し、なぜその活動に力を入れようと思ったのか、具体的なきっかけや動機を伝えます。
  3. 課題と目標: その活動の中で直面した具体的な課題や、自身が設定した目標を明確にします。
  4. 行動と工夫: 課題に対し、あなたが具体的にどのような行動をとり、どのような工夫をしたのかを詳細に記述します。ここであなたの主体性や思考力が問われます。
  5. 結果と成果: その行動によって得られた具体的な結果や成果を伝えます。定量的な情報があれば説得力が増します。
  6. 学びと成長、入社後の活かし方: その経験を通じて、あなたがどのようなスキルや価値観を身につけ、どのように成長したのかを述べ、それが企業でどのように活かせるのかを具体的に示します。

例えば、
「私が学生時代に最も力を入れたことは、地域活性化を目指すNPO法人での広報活動です。当初、団体のイベント集客に課題があり、私はSNSでの情報発信に注力しました。単に情報を流すだけでなく、ターゲット層である若年層に響くコンテンツを分析し、写真や動画を多用した投稿を毎日継続。さらに、フォロワーとの双方向のコミュニケーションを意識し、コメントへの丁寧な返信やアンケート機能の活用も積極的に行いました。その結果、半年間でSNSのフォロワー数を3倍に増加させ、イベントの参加者数も前年比1.5倍に向上させることができました。この経験から、目標達成のために現状を分析し、仮説を立てて粘り強く実行する『PDCAサイクルを回す力』と『多様な視点を取り入れる柔軟性』を身につけました。この力は、貴社で新規事業の企画・実行において、多角的な視点から課題を解決し、貢献できると確信しております。」
このように、単なる活動報告ではなく、あなたの「成長の物語」として語ることで、企業はあなたのポテンシャルを高く評価するでしょう。

文字数別の記入例:100字、200字、1000字をマスター

エントリーシートでは、企業によって求められる文字数が大きく異なります。限られた文字数の中でいかに効果的にアピールできるかが、あなたの文章力を試すポイントです。ここでは、文字数に応じた記述のコツを紹介します。

100字:要点を凝縮するミニマムES

100字という短い文字数では、要点を絞り込み、簡潔かつ力強くアピールする必要があります。最も伝えたい「結論」と「具体的な強み」、そして「期待できる貢献」に焦点を当てましょう。

構成としては、

  1. 強み・学び(結論)
  2. 簡潔なエピソードの要約または成果
  3. 入社後の貢献

となります。

例えば、
「私の強みは、目標達成に向けた『計画遂行力』です。大学祭実行委員で目標集客数を30%向上させる計画を立案・実行し、達成しました。貴社では、この計画遂行力を活かし、〇〇プロジェクトの成功に貢献します。」
(95字)

この例文では、まず強みを明確にし、それを裏付けるエピソードの「結果」を提示。最後に、その強みを企業でどう活かすかを簡潔に述べています。余分な修飾語は削り、キーワードで構成することが重要です。この短い文字数では、詳細な背景説明は不要で、読み手に「もっと話を聞きたい」と思わせるようなフックを仕掛けることを意識しましょう。

200字:具体的なエピソードを簡潔に

200字では、100字よりも少しだけエピソードを具体的に記述できるようになります。STARメソッドの主要な要素を盛り込みつつ、簡潔さを保つことが求められます。

構成としては、

  1. 強み・学び(結論)
  2. 状況・課題
  3. 行動(具体的な工夫)
  4. 結果と入社後の貢献

となります。

例えば、
「私の強みは『課題解決への粘り強さ』です。個別指導塾のアルバイトで、生徒のモチベーション低下という課題に直面。生徒一人ひとりの学習スタイルや興味を徹底的に分析し、個別カリキュラムと定期的な面談を導入しました。結果、担当生徒全員の成績向上に貢献し、合格へと導きました。貴社においても、この粘り強さと分析力を活かし、お客様の潜在的な課題を発見し、最適なソリューションを提供することで貢献いたします。」
(198字)

ここでは、課題解決という具体的な「状況」と「行動」、そして「結果」を盛り込み、強みの根拠を示しています。100字では伝えきれなかった「どのように工夫したか」の部分を少し加えることで、あなたの思考プロセスを垣間見せることができます。

1000字:深掘りできる詳細な記述

1000字のような長文では、あなたの経験を多角的に、そして深く掘り下げて記述するチャンスです。STARメソッドの各要素を詳細に記述し、思考のプロセスや感情の動き、複数の困難とその克服、得られた深い学びなどを余すことなく伝えましょう。

構成としては、

  1. 強み・学び(結論)
  2. 活動の背景、動機、状況
  3. 直面した課題や設定した目標(複数でも可)
  4. 具体的な行動、工夫、思考プロセス、周囲との協働
  5. 困難や失敗、それをどう乗り越えたか
  6. 得られた結果、成果(定量的・定性的)
  7. 深い学び、自身の成長、価値観の変化
  8. 入社後にその学びや強みをどう活かすか(具体的な貢献イメージ)

となります。

例えば、サークル活動でのリーダーシップをアピールする場合、
「私の強みは、多様なメンバーを巻き込み、共通の目標達成へと導く『共創型リーダーシップ』です。大学の国際交流サークルで副代表を務めた際、新入生歓迎イベントの企画責任者を任されました。例年、新入生の参加率が低く、イベント後の定着率も課題でした。私はこの状況を変えるべく、まず『新入生が本当に求める交流の場とは何か』を徹底的に分析することから始めました。過去の参加者アンケートを深掘りし、上級生だけでなく新入生の意見も直接ヒアリング。その結果、「既存メンバーとの壁を感じる」「交流が表面的なものに終わりがち」という潜在的な課題を発見しました。

この課題に対し、私は『新入生が主体的に参加できる企画』と『深いつながりを生む仕掛け』の二点を軸にイベントを再構築することを提案。具体的には、新入生が企画段階から参加できるワークショップ形式の企画会議を導入し、上級生が一方的に提供するのではなく、新入生自身のアイデアを形にするプロセスを重視しました。また、イベント当日は、言語や文化の壁を越えて自然な会話が生まれるようなグループゲームを複数考案。さらに、イベント後も継続的な交流を促すために、少人数制の定期的なオンライン交流会を企画・実施しました。

当初は、企画会議への新入生の参加を促すことに苦戦したり、多様な意見をまとめる難しさに直面したりもしましたが、私は諦めず、一人ひとりの意見を尊重し、全員が『自分たちのイベントだ』という当事者意識を持てるよう、ファシリテーションに徹しました。時には、企画の方向性で上級生と意見が衝突することもありましたが、データに基づいた客観的な議論と、お互いの目的意識の確認を通じて、最善の解決策を導き出しました。

結果として、新入生歓迎イベントへの参加率は前年比で2倍に増加し、イベント後の新入生定着率も大幅に改善しました。イベント後のアンケートでは、『初めて深い交流ができた』『自分の意見が反映されて嬉しかった』といった声が多数寄せられました。この経験を通じて、私は多様な背景を持つ人々を巻き込み、共通の目標に向かって共創することの重要性と、それを実現するためのコミュニケーション力、調整力を身につけました。

貴社では、多様な専門性を持つチームでプロジェクトを推進する機会が多いと伺っております。私はこの『共創型リーダーシップ』を活かし、チーム内の多様な意見を建設的にまとめ上げ、最適なソリューションを導き出すことで、貴社のグローバル事業展開における新たな価値創造に貢献したいと考えております。」
(998字)

このように、長文では経験の深さ、思考の過程、困難への対応力、そしてそこから得た本質的な学びと、それが企業でどう活かせるかまでを、物語のように具体的に記述することで、あなたの人間的な魅力を最大限にアピールできます。

よくある疑問を解決!エントリーシートQ&A

ESの通過率はどれくらい?

エントリーシートの通過率は、多くの就活生が気になるポイントでしょう。一般的に、書類選考・ESの通過率は平均で約50%と言われています。

しかし、この数字は企業や業界によって大きく変動します。特に、誰もが知る人気企業や大手企業、倍率の高い職種(例えば総合職)などでは、応募者が殺到するため通過率は大幅に低くなる傾向にあります。場合によっては10%台に落ち込むことも珍しくありません。

一方、特定の専門性を持つ職種や、知名度がそれほど高くない企業では、平均よりも通過率が高いこともあります。

参考情報によれば、平均的なエントリー数は、文系で約19社、理系で約13社とされています。文系の方がエントリー数が多いのは、理系が教授推薦や学校推薦といった特定のルートでの選考に進む割合が高いため、一般応募の数が少なくなる傾向があるからです。文系では15~20社程度のエントリーが平均的と言えるでしょう。

ESで落ちてしまう主な原因としては、企業とのマッチ度が伝わっていないこと、志望度が低いと判断されること、自己分析や企業研究が不足していることなどが挙げられます。通過率の数字に一喜一憂するのではなく、いかに自身のESの質を高めるかに注力することが重要です。

提出前に最終チェックすべきこと

どんなに素晴らしい内容のエントリーシートも、提出前の最終チェックを怠ると、思わぬところで評価を下げてしまう可能性があります。完璧な状態で提出するために、以下の項目を必ず確認しましょう。

  1. 誤字脱字の徹底確認:
    • 特に企業名、部署名、役職名などの固有名詞は一字一句間違いがないか確認。
    • 声に出して読む、逆から読む、友人や家族など第三者に見てもらうなど、様々な方法でチェックしましょう。
  2. 指定文字数・フォーマットの遵守:
    • 指定された文字数(例:200字以内、800字程度など)に収まっているか。多すぎても少なすぎてもNGです。
    • 手書きかPC入力か、写真添付の有無など、提出形式が指定通りか確認。
  3. 論理的な構成・一貫性:
    • STARメソッドに基づき、結論→根拠→貢献の流れが明確か。
    • ES全体を通して、アピールしたい自身の強みや価値観に一貫性があるか。
    • 「です・ます調」と「である調」が混在していないか、句読点の使い方は適切か。
  4. 企業へのマッチ度・志望度:
    • 「なぜこの企業なのか」という志望動機が具体的に伝わるか。
    • あなたの強みや経験が、その企業でどのように活かせるかを明確に記述できているか。
  5. 面接での深掘り対応:
    • ESに書いた内容について、面接でさらに詳しく質問されても自信を持って答えられるか。
    • 曖昧な表現や、事実と異なる記述がないか確認しましょう。

これらのチェック項目をリスト化し、一つずつ丁寧に確認することで、自信を持ってESを提出し、次のステップへと進むことができるでしょう。

困ったときの対処法

エントリーシートの作成は、多くの就活生にとって悩みの種です。なかなか筆が進まなかったり、何を書いていいか分からなくなったりすることは珍しくありません。そんな時に役立つ対処法をいくつか紹介します。

まず、「一旦手を止めて、自己分析や企業研究を深める」ことです。ESが書けない原因の多くは、自分自身の強みや経験、あるいは志望する企業のことが明確になっていないからです。改めて、あなたの「どんな経験が強みになったのか」「なぜその企業で働きたいのか」を深掘りしてみましょう。マインドマップや箇条書きでアイデアを出すのも有効です。

次に、「周囲のサポートを活用する」ことも非常に重要です。大学のキャリアセンターや就職エージェントは、ES添削のプロです。客観的な視点から、より効果的な表現方法や、あなたの魅力が伝わる書き方について具体的なアドバイスをもらえます。また、OB/OGや就職活動を終えた先輩に話を聞くことで、生きた情報やアドバイスを得られることもあります。友人同士でESを見せ合い、相互にフィードバックするのも良いでしょう。

さらに、「ES例文集を参考にする」のも一つの手です。インターネット上には、様々な強みや職種に対応したESの例文が豊富に公開されています。「【例文つき】エントリーシート(ES)の書き方まとめ」や「【強み別の例文15選】エントリーシートの自己PRの書き方!」のような記事を参考に、良い点や構成を自分のESに取り入れてみましょう。ただし、丸写しは厳禁です。あくまで参考とし、あなたのオリジナリティを忘れないでください。

最後に、「完璧を求めすぎず、数をこなす」ことも大切です。最初のESから完璧なものを目指すのではなく、まずは書いてみることが重要です。複数の企業にエントリーすることで、様々な質問形式に慣れ、自分のESをブラッシュアップしていくことができます。文系は約19社、理系は約13社が平均的なエントリー数とされているように、数をこなす中で上達していく側面もあります。

一人で抱え込まず、これらの方法を試しながら、粘り強くES作成に取り組んでいきましょう。あなたの努力は必ず実を結びます。