ダブルワークの履歴書｜書き方・例文・会社への報告義務まで徹底解説

ダブルワークの履歴書｜基本の書き方と注意点

ダブルワークを始める際、履歴書の書き方は本業の就職・転職とは異なる注意が必要です。
応募先企業に好印象を与え、かつ正確な情報を伝えるための基本とポイントを解説します。

履歴書にダブルワーク経験を記載するかの判断基準

ダブルワークの経験を履歴書に記載するかどうかは、応募する企業や状況によって判断が分かれます。
原則として、履歴書への記載が必須というわけではありません。

しかし、過去の副業経験が応募先企業で活かせるスキルや経験であり、あなた自身のアピールポイントになると判断できる場合は、積極的に記載を検討しましょう。
例えば、本業とは異なる分野でスキルを磨いた経験などは、高い学習意欲や多様な能力を示すことができます。

特に、副業先で厚生年金や健康保険などの社会保険に加入していた場合は、履歴書への記入が義務付けられています。
これは雇用保険や年金記録に関する情報となるため、必ず記載が必要です。
応募先企業があなたの経歴を正確に把握する上で重要な情報となります。

たとえ短期間のアルバイト経験であっても、その仕事が応募職種に直接関連するスキルや経験を与えてくれたのであれば、自己PR欄などに記載することで良いアピールにつながります。
「アピールになるか」「社会保険の加入有無」という二つの軸で判断すると良いでしょう。

ダブルワーク中の職歴欄の具体的な書き方

現在進行形でダブルワークをしている場合、履歴書の職歴欄には本業と副業の両方を明確に記載することが重要です。
採用担当者があなたの勤務状況を正確に理解できるよう、具体的な記述を心がけましょう。

まず、現在勤務している本業の会社名を記入し、その次にダブルワーク先の企業名を記載します。
両方の職歴に対して、「現在に至る」や「在職中」と追記し、現在も勤務を継続していることを明示してください。
これにより、採用担当者はあなたが本業と副業を両立しながら求職活動をしていることを理解できます。

具体的な記入例としては、以下のようになります。

〇〇株式会社 入社
〇〇株式会社（ダブルワーク先） 入社
現在に至る

このように記載することで、あなたの現在の働き方を簡潔かつ明確に伝えることができます。
ダブルワーク先が本業と全く異なる業種・職種であったとしても、正直に記載することで信頼性を高め、後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
隠すことによって、かえって不信感を与える可能性もあるため注意が必要です。

過去のダブルワーク経験を履歴書に書く際のポイント

過去にダブルワークをしていた経験がある場合も、その経験が3ヶ月以上であったり、社会保険に加入していたりした場合は、職歴欄に記載するのが一般的です。
期間や社会保険の有無は、その仕事が単なる短期的なものではなく、一定期間従事した経験であることを示します。

たとえ2ヶ月未満のアルバイトであったとしても、応募する職種に直接関連するスキルや知識を習得したなど、アピールにつながる職歴であれば、自己PR欄に具体的に記載することを検討しましょう。
例えば、「〇〇のスキルを習得した」「〇〇の経験を積んだ」といった形で、その経験がどのように活かせるかを説明すると効果的です。

過去のダブルワーク経験を職歴欄に記載する際の例は以下の通りです。

〇〇株式会社 入社
〇〇株式会社（ダブルワーク先） 入社／退職
〇〇株式会社 入社
現在に至る

重要なのは、その経験が応募先企業にとって価値があると感じてもらえるかどうかです。
単なる「稼ぐため」だけの経験ではなく、自身の成長やスキルアップに繋がったという視点で記載することで、採用担当者に良い印象を与えることができます。

ダブルワークの理由・志望動機｜効果的な例文集

ダブルワークをする上で、履歴書や面接で重要になるのが志望動機です。
なぜダブルワークを希望するのか、本業との両立は可能かなど、採用担当者が抱く疑問を解消し、意欲を伝える効果的な書き方を解説します。

志望動機でポジティブな意欲をアピールする方法

ダブルワークの志望動機は、単に「収入を増やしたい」というだけでなく、自身の成長やスキルアップへの意欲、時間を有効活用したいというポジティブな理由を具体的に伝えることが重要です。
これにより、採用担当者はあなたが意欲的で計画性のある人物だと評価してくれるでしょう。

例えば、「本業で培った〇〇のスキルを、貴社で〇〇として活かしたい」「未経験の分野である△△に挑戦し、自身のキャリアの幅を広げたい」といった具体性のある理由を挙げると説得力が増します。
また、「空いている時間を有効活用し、社会貢献したい」といった理由も、真面目さや主体性をアピールできます。

さらに、「なぜその企業で働きたいのか」という点を絡めてアピールすると、より一層説得力が増します。
「貴社のサービス〇〇に魅力を感じ、自身の〇〇の経験が貢献できると考えております」といったように、企業への理解と貢献意欲を示すことで、採用担当者はあなたの入社後の活躍を具体的にイメージしやすくなります。

単なる金銭的な理由だけでなく、自己成長やキャリア形成といった長期的な視点での動機を伝えることが、ポジティブな印象を与える鍵となります。

本業との両立を明確にする本人希望欄の書き方

ダブルワークを希望する際、採用担当者が最も気にする点の一つが、本業との両立が可能かどうかです。
履歴書の本人希望欄には、本業があることを明確に伝え、勤務可能な曜日や時間帯を具体的に記載することが非常に重要となります。

具体的に勤務可能な日時を伝えることで、採用担当者はシフト調整や年末調整などの労務管理を検討しやすくなり、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
曖昧な表現ではなく、具体的な希望を伝えることで、あなたの誠実さや計画性を示すことができます。

例えば、以下のような例文を参考にしてください。

• 例文1：
  「現在〇〇株式会社に在職しており、月・水・金曜日の18時以降、および土曜日の終日勤務を希望します（火・木は他社勤務のため、または本業の勤務のため）」
• 例文2：
  「本業との兼ね合いで、週3日程度の勤務を希望いたします。具体的な曜日や時間は貴社のご相談に応じます。」

これにより、採用担当者はあなたの勤務条件を正確に把握し、具体的な選考を進める上で非常に役立てることができます。
正直かつ明確な情報提供は、信頼関係を築く第一歩です。

採用担当者に響く志望動機の具体例

採用担当者の心に響く志望動機は、あなたの熱意と、その企業への貢献意欲が具体的に示されているものです。
ここでは、いくつかのパターンに分けた志望動機の例文をご紹介します。

【スキルアップ・経験を積みたい場合】
「本業では〇〇の業務に従事しておりますが、貴社での△△の業務を通じて、より幅広いスキルを身につけたいと考えております。特に〇〇の技術は今後も需要が高まると感じており、貴社で実践的な経験を積むことで、自身のキャリアアップに繋げたいと強く志望いたしました。」

【本業のスキルを活かしたい場合】
「現在、〇〇業界で△△として勤務しており、〇〇の経験と知識を豊富に有しております。貴社が募集されている△△の職務において、私の〇〇の経験が即戦力として貢献できると確信しております。限られた時間ではございますが、効率的に業務を進め、貴社の発展に貢献したいと考えております。」

【時間を有効活用したい場合】
「平日の夜間や週末の時間を有効活用し、社会に貢献したいと考えておりました。貴社の〇〇という理念に共感し、自身の持つ〇〇の知識が少しでもお役に立てれば幸いです。本業との両立は確実に管理し、貴社の期待に応えられるよう努めます。」

これらの例文のように、自身の状況と応募企業のニーズを結びつけ、具体的な貢献意欲を示すことが、採用担当者の心に響く志望動機となります。
「なぜ貴社なのか」「自分は何ができるのか」を明確に伝えましょう。

ダブルワークは会社にバレる？｜報告義務とNG例

ダブルワークを始める上で多くの人が懸念するのが、本業の会社にバレてしまうのではないかという点です。
ここでは、会社への報告義務や、バレてしまう主な原因、そしてトラブルを避けるための注意点について詳しく解説します。

本業の就業規則と会社への報告義務

ダブルワークを始める前に最も重要となるのが、本業の就業規則を確認することです。
多くの企業では副業に関する規定が定められており、副業が可能かどうか、また事前申請や届出が必要かどうかが明記されています。

厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、原則として副業・兼業を認める方向性を示していますが、企業には労働時間管理や情報漏洩防止などの観点から、副業を制限する合理的な理由が認められる場合があります。
就業規則で副業が禁止されているにもかかわらず隠れて行った場合、トラブルの原因となるだけでなく、最悪の場合、懲戒処分の対象となる可能性もあります。

会社への報告・相談は、後々のトラブルを避ける上で非常に重要です。
「副業禁止規定に違反しないか」「本業に支障が出ないか」などを確認し、事前に許可を得ることで、安心してダブルワークに取り組むことができます。
報告は義務付けられていない場合でも、信頼関係を損なわないためにも事前に伝えておくことが推奨されます。

ダブルワークで注意すべき税金と確定申告

ダブルワークをする上で、税金に関する知識は不可欠です。
特に、副業による所得が年間20万円を超える場合、原則として確定申告が必要となります。
これは給与所得だけでなく、事業所得や雑所得など、全ての所得の合計額で判断されます。

また、2ヶ所以上から給与を受け取っており、そのうちの1ヶ所でしか年末調整を受けていない場合も、確定申告が必要になることがほとんどです。
クラウドソーシングや在宅ワークなどで得た所得が事業所得または雑所得に該当し、その合計額が基礎控除額である48万円を超えた場合も確定申告の対象となります。

確定申告を怠ると、延滞税や無申告加算税といったペナルティが課せられる可能性があります。
さらに、確定申告は所得税だけでなく住民税にも影響します。
住民税は所得に応じて金額が決定され、特別徴収（給与から天引き）の場合、副業による所得が増えると本業の給与天引き額が増え、本業の会社に副業がバレる原因になることもあります。
住民税を普通徴収（自分で納付）に切り替えることで、バレるリスクを軽減できる場合がありますが、自治体によって対応が異なるため確認が必要です。

なぜダブルワークが会社にバレるのか

「会社に黙ってダブルワークを始めたのに、なぜバレるのだろう？」と疑問に思う方もいるかもしれません。
ダブルワークが会社にバレる主な原因は、税金と情報漏洩の二つに集約されます。

最も多いのは、住民税の金額の変化です。
副業で収入を得ると住民税の額が増加します。
本業の会社では通常、給与から住民税を特別徴収（天引き）していますが、他の会社での所得が加算されると、本業の給与に対して計算される住民税額が不自然に高くなります。
この住民税額の通知書を見て、経理担当者が「なぜこの従業員の住民税が高いのだろう？」と疑問に感じ、副業が発覚するケースが少なくありません。

次に、情報漏洩も大きな原因です。
SNSに副業に関する投稿をしたり、知人や同僚にうっかり話してしまったりすることで、情報が本業の会社に伝わってしまうことがあります。
また、副業で疲労が蓄積し、本業の業務に支障が出た場合、会社側が原因を探る中で副業の存在に気づくこともあります。

その他、副業先での社会保険加入も発覚の原因になり得ます。
これらの点を理解し、適切な対策を講じることが、トラブルなくダブルワークを続ける上で不可欠です。

ダブルワークを始める前に確認すべきルール

ダブルワークは個人の働き方の自由度を高める一方で、いくつかの重要なルールや確認事項があります。
特に、本業との関係性や税金、労働時間管理については、事前にしっかりと把握しておくことがトラブル回避の鍵となります。

本業の就業規則を確認する重要性

ダブルワークを検討する際、何よりもまず確認すべきは、本業の会社の就業規則です。
多くの企業では、従業員の副業・兼業に関する規定が設けられています。
副業が全面的に禁止されている場合もあれば、事前申請をすれば許可される「許可制」のケース、または届出のみで可能な「届出制」の場合もあります。

就業規則に違反して副業を行った場合、会社から懲戒処分を受けたり、トラブルに発展したりするリスクがあります。
最悪の場合、解雇につながる可能性も否定できません。
そのため、必ず就業規則を確認し、不明な点があれば人事部や上司に相談することが賢明です。

厚生労働省は副業・兼業を原則容認する方向で動いていますが、企業には情報漏洩防止や本業への支障回避、競業避止義務などの観点から、副業を制限する合理的な理由が認められることがあります。
無用なトラブルを避けるためにも、まずは自社のルールを正確に把握し、それに従って行動することが極めて重要です。

確定申告と住民税に関する知識

ダブルワークを行う上で、税金に関する正しい知識は必須です。
特に、確定申告と住民税については事前に理解を深めておく必要があります。
原則として、本業以外からの所得が年間20万円を超える場合、確定申告が義務付けられています。
この「所得」は、給与所得だけでなく、事業所得や雑所得なども含まれます。

例えば、クラウドソーシングやブログ運営などで得た収入から経費を差し引いた事業所得や雑所得の合計が48万円を超える場合も、確定申告が必要です。
確定申告を怠ると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課せられるため、注意が必要です。

また、住民税についても重要なポイントがあります。
副業所得が増えると住民税の額も増えますが、本業の会社が住民税を特別徴収（給与天引き）している場合、増額分が本業の給与から天引きされることで、副業が会社にバレる可能性があります。
このリスクを避けるためには、確定申告時に住民税の徴収方法を「普通徴収」（自分で納付）に切り替える手続きを検討しましょう。
ただし、自治体によっては普通徴収ができない場合もあるため、事前に確認が必要です。

労働時間管理と健康への配慮

ダブルワークは収入増やスキルアップの機会を提供しますが、その一方で、長時間労働による過労や健康問題のリスクも伴います。
会社は従業員の労働時間を管理する義務があり、ダブルワークによって長時間労働になる場合、会社側も従業員の健康に配慮する必要があります。

厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、労働時間の上限規制が設けられており、本業と副業の労働時間を合算して、法定労働時間を超えないように管理することが求められています。
自身の健康状態を把握し、無理のない範囲でダブルワークを行うことが何よりも重要です。

過労は、集中力の低下や判断ミスの原因となり、本業にも悪影響を及ぼす可能性があります。
また、体調を崩してしまっては元も子もありません。
ダブルワークを始める前に、ご自身の体力や時間的な余裕を客観的に評価し、適切な労働時間や業務内容を選ぶようにしましょう。
十分な休息時間を確保することも、健康維持のためには不可欠です。

ダブルワークで成功するためのポイント

ダブルワークを単なる収入源としてだけでなく、自身のキャリアアップや充実した生活を送るための手段として成功させるには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
ここでは、長期的な視点での仕事選びから、効率的な時間管理、そして適切な情報収集の重要性について解説します。

スキルアップや経験を重視した仕事選び

ダブルワークを成功させるためには、単に収入を増やすだけでなく、自身のスキルアップやキャリア形成に繋がる仕事を選ぶことが非常に重要です。
本業で培ったスキルを活かせる仕事を選べば、即戦力として活躍でき、短期間で成果を出しやすくなります。
また、本業とは異なる分野に挑戦することで、新たなスキルや知見を獲得し、自身の市場価値を高めることも可能です。

例えば、本業で営業職をしている人が、副業でWebライティングやブログ運営に挑戦することで、マーケティングスキルや情報発信能力を養うことができます。
これは、将来的に本業でのキャリアアップに繋がるだけでなく、自身の独立・起業の可能性を広げることにもなります。

「どんな自分になりたいか」「どんなスキルを身につけたいか」という長期的な視点を持って仕事を選ぶことで、ダブルワークがより有意義なものになります。
目先の報酬だけでなく、将来への投資として副業を捉えることが成功への鍵です。

本業とのバランスを保つタイムマネジメント

ダブルワークを継続的に成功させる上で、最も重要なのが効果的なタイムマネジメントです。
本業と副業の両立は、時間管理が不十分だと、過労や本業への支障をきたす原因となります。
無理のないスケジュールを立て、休息時間を確保することが不可欠です。

具体的には、週単位や月単位で自身の時間を棚卸しし、本業、副業、プライベートの各時間にどれくらい割り振るかを計画しましょう。
To-Doリストの作成やカレンダーアプリの活用など、ツールを積極的に使うことで、効率的な時間管理が可能になります。

また、副業は「完璧」を目指すよりも「継続」を重視することが大切です。
すべてを完璧にこなそうとすると、すぐに疲弊してしまいます。
時には柔軟にスケジュールを調整したり、副業の量を減らしたりすることも必要です。
自身の体調や精神状態を常に意識し、無理をしない範囲で取り組むことが、長期的な成功へと繋がります。

会社や税金に関する正しい知識の習得

ダブルワークを安心して続けるためには、本業の就業規則や税金に関する正しい知識を常に最新の状態に保つことが不可欠です。
会社のルールを理解せずに行った副業は、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。
定期的に就業規則を確認し、不明な点があれば必ず会社に確認するようにしましょう。

また、税金に関する知識も同様に重要です。
所得の種類や金額に応じた確定申告の義務、住民税の納付方法など、正しい知識がなければ予期せぬペナルティを受けることになります。
国税庁や自治体のウェブサイトで情報を確認したり、税理士などの専門家に相談したりすることも有効な手段です。

税制は改正されることもありますので、常に最新の情報を得るよう心がけましょう。
これらのルールや知識を事前にしっかりと理解し、適切に対応することで、法的な問題や会社とのトラブルを回避し、安心してダブルワークを続けることができます。
情報武装は、ダブルワーク成功のための重要な基盤となります。