概要: 就業規則に副業禁止の明確な記載がない場合でも、副業が認められないケースは多く存在します。本記事では、モデル就業規則や自社規定との違い、労働条件通知書の確認ポイント、そして会社が副業を禁止する理由について解説します。副業を始めたいと考えている方、副業禁止について疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。
「副業禁止」の文言がない?就業規則の意外な落とし穴
「副業を始めたいけれど、会社の就業規則に『副業禁止』と書いてあるから諦めている…」そんな方は少なくないかもしれません。
しかし、実は就業規則に明確な「副業禁止」の記載がなくても、副業が認められないケースがあることをご存じでしょうか。また、逆に「副業禁止」の文言があっても、法的には制限が難しい場合もあります。
ここでは、就業規則の「暗黙のルール」と、見落としがちなポイントについて解説します。
黙示の副業禁止ルールとは?
法律上、原則として勤務時間外の活動は個人の自由であり、企業が副業を一律に禁止することは難しいとされています。
しかし、企業は一定の条件下で従業員の副業を制限または禁止することが可能です。これらが、就業規則に明記されていなくても適用される「暗黙のルール」となり得ます。
例えば、以下のようなケースが挙げられます。
- 職務専念義務違反:副業が本業の勤務に具体的な支障を及ぼす場合(例:過度な疲労による集中力低下、遅刻・欠勤の増加)。
- 競業避止義務違反:同業他社での副業など、企業の利益を害する可能性がある場合。
- 機密情報漏洩のリスク:本業で得た機密情報が副業を通じて漏洩する懸念がある場合。
- 企業の信用失墜:副業が原因で会社の評判や信用が損なわれる場合。
これらの項目は、多くの企業の就業規則の服務規律や倫理規定などに間接的に記載されていることが多く、たとえ「副業禁止」という直接的な文言がなくても、これらの義務に違反すると判断されれば、副業が認められない可能性が高いのです。就業規則を読み込む際は、副業に関する条文だけでなく、関連する全ての項目に目を通すことが重要になります。
制度がなくても「黙認」されているケースとそのリスク
制度として副業を明確に認めていない企業の中には、「制度は設けていないが黙認している」というケースも存在します。ある調査では、このような企業が8.9%に上るというデータもあります。
これは、会社が積極的に副業を奨励しているわけではないものの、従業員が副業をしていても、それが本業に悪影響を及ぼさない限り、特に問題視しないというスタンスを示しています。
一見、副業がしやすい状況に見えますが、ここには大きなリスクが潜んでいます。会社が「黙認」している状態は、法的に「許可」しているわけではないため、会社の状況や方針が変われば、突然問題視される可能性があるからです。
過去の事例では、会社が無許可の副業についてこれまで十分な対応をしておらず、黙認してきたようなケースで、突然禁止したり、それを理由に解雇したりすることが不当とみなされる場合があります。半ば公然と行われていた副業や、具体的な指導・注意がないままの解雇は無効と判断された判例もありますが、これはあくまで個別の状況によるものであり、全てのケースに当てはまるわけではありません。
「黙認」という曖昧な状態に頼るのではなく、可能な限り会社に確認し、正式な手続きを踏むことが賢明です。
就業規則を確認する際のポイント
副業を検討する上で最も重要なのが、自社の就業規則を正確に理解することです。
まずは、就業規則の全文を入手し、「副業」「兼業」「兼職」「業務外活動」といったキーワードで検索してみましょう。直接的な「副業禁止」の文言が見つからなくても、他の条文で間接的に副業を制限する内容がないか注意深く確認する必要があります。
例えば、服務規律の項目で「会社の許可なく、他の会社等の業務に従事してはならない」といった記載や、「職務専念義務」に関する条文が、副業を制限する根拠となり得ます。また、情報セキュリティに関する規定や競業避止義務に関する条文も、副業の内容によっては抵触する可能性があります。
もし就業規則が複数ある場合は、適用される全ての規則(例えば、正社員用、契約社員用など)を確認してください。
不明な点があれば、会社の担当部署(人事部など)に相談することも検討しましょう。その際、漠然と「副業してもいいですか?」と聞くのではなく、「就業規則の〇条について確認したいことがあるのですが」といった形で、具体的な質問として投げかける方が、会社側も正確な情報を提供しやすくなります。規則を理解し、疑問点を解消することが、トラブルを未然に防ぐ第一歩です。
モデル就業規則と自社規定:副業解禁の現状を探る
近年、政府が働き方改革の一環として副業・兼業を推進していることをご存じでしょうか。
これにより、厚生労働省が示す「モデル就業規則」も副業を容認する方向に改定され、多くの企業に影響を与えています。しかし、全ての企業がこの動きに追随しているわけではありません。
ここでは、副業解禁の現状と、自社規定との関係性について詳しく見ていきましょう。
国が推進する副業解禁の背景とモデル就業規則
働き方改革の推進や個人のキャリア形成支援、そして多様な人材の活用といった観点から、国は副業・兼業を積極的に後押ししています。
その象徴ともいえるのが、厚生労働省が公表している「モデル就業規則」の改定です。2018年には「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という規定から、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。」と、原則容認に方向転換しました。
このモデル就業規則は、あくまで企業が就業規則を作成する際の「ひな型」であり、法的拘束力はありませんが、多くの企業の就業規則作成に大きな影響を与えています。
国が副業を推進する背景には、従業員のスキルアップや所得向上、さらには企業や社会全体の生産性向上といった狙いがあります。これにより、企業はより柔軟な働き方を容認し、従業員は自身のキャリアを主体的に形成できる環境が整いつつあるのです。
企業の副業容認率と規模による傾向
国の副業推進の動きを受け、企業の副業に対するスタンスも変化してきています。
ある調査によると、2023年10月時点の企業の副業容認率は60.9%に達しており、副業解禁の動きが拡大していることが伺えます。また、別の調査では、自社社員の社外での副業・兼業を「認めている」「認める予定」との回答が70.5%を占めています。
しかし、一方で全ての企業が副業を容認しているわけではありません。2020年の調査では、副業・兼業を「認めていない」企業も依然として6割近くを占めていた時期もあり、企業の規模や業種によって対応に大きな差があるのが現状です。
特に顕著なのが、企業規模による違いです。参考情報によると、企業規模が大きくなるほど副業・兼業を認める傾向があり、常用労働者数5,000人以上の大企業では、8割以上が「認めている」「認める予定」と回答しています。
これは、大企業ほど多様な働き方へのニーズが高く、またリスク管理体制も整っていることが背景にあると考えられます。中小企業では、人手不足や情報漏洩のリスクなどを懸念し、慎重な姿勢を崩していないケースも多いようです。
あなたの会社はどのタイプ?「原則禁止」から「届出制」への変化
企業の副業に関するスタンスは、大きく分けていくつかのタイプに分類できます。
伝統的な「原則禁止(許可制)」は、副業を全面的に禁止するか、会社の許可がない限り一切認めないというものです。かつては多くの企業でこのタイプが主流でした。
次に、最近増えてきているのが「届出制」です。これは、原則として副業を認めますが、従業員が副業を始める際に会社に内容を届け出ることを義務付けるものです。会社は届け出られた内容を確認し、問題がないと判断すれば承認します。これにより、会社は従業員の副業状況を把握し、潜在的なリスクを管理することができます。
そして、「原則自由」は、ほとんど規制がなく、従業員が自由に副業を行えるタイプです。ただし、この場合でも前述の「暗黙のルール」(職務専念義務、競業避止義務など)は適用されるため、完全に無制限というわけではありません。
多くの企業では、副業を原則禁止の「許可制」から、届出制へと移行する動きがあります。これは、従業員のエンゲージメント向上やスキルアップ、さらには企業の採用力強化にも繋がるという認識が広がっているためです。
あなたの会社がどのタイプに属するのか、就業規則をしっかりと確認することが、副業を進める上での最初のステップとなります。
労働条件通知書で確認すべき「副業禁止」の有無
「就業規則は確認したけれど、特に副業禁止の記載はなかった」と安心するのはまだ早いかもしれません。
入社時に交わされる「労働条件通知書」も、副業に関する重要な情報源となり得ます。就業規則と合わせて、この書類もしっかり確認することが、後々のトラブルを避ける上で非常に大切です。
ここでは、労働条件通知書で確認すべきポイントについて解説します。
就業規則以外の重要書類:労働条件通知書
労働条件通知書は、使用者が労働者に対して、労働契約を締結する際に賃金、労働時間、その他の労働条件を明示することを義務付けた書面です。
これは単なるお知らせではなく、労働契約の重要な一部であり、法的拘束力を持つ書類となります。そのため、就業規則と同様に、またはそれ以上に重要な意味を持つ場合があります。
もし就業規則に副業に関する明確な記載がなくても、労働条件通知書の「その他」の項目や、服務規律に関する箇所で副業を制限する旨が記されている可能性もゼロではありません。
例えば、「会社外での営利活動の禁止」や「会社の許可なく他の事業に従事してはならない」といった文言が記載されていることがあります。
多くの人は、入社時に一度目を通すだけで、その後はあまり見返すことがないかもしれません。しかし、副業を検討する際は、もう一度じっくりと目を通し、関連する文言がないかを確認することが肝心です。
不明な点があれば、速やかに会社の人事担当者や労務担当者に問い合わせるようにしましょう。
「副業禁止」の明記がない場合の解釈
労働条件通知書にも就業規則にも、副業を禁止する旨が明記されていない場合、「じゃあ、副業は完全に自由なんだな」と判断してしまいがちです。
しかし、実際には完全に自由とは限らない点に注意が必要です。前述した「暗黙のルール」が適用される可能性を忘れてはなりません。
たとえば、たとえ明確な副業禁止規定がなくても、副業によって本業の勤務に支障が出たり、会社の情報が漏洩したり、会社の信用を失墜させるような行為があったりすれば、会社から指導や処分を受ける可能性があります。
労働契約は、単に書面に書かれたことだけでなく、従業員と会社との間の信頼関係の上に成り立っています。そのため、会社の利益を害する行為や、従業員としての誠実義務に反する行為は、たとえ明文規定がなくても問題視されることがあるのです。
明記がないからといって、無許可で副業を始めてしまう前に、もう一度「職務専念義務」や「競業避止義務」といった、基本的な労働契約上の義務に抵触しないかを慎重に検討することが重要です。
疑問や不安がある場合は、やはり会社に相談するのが最も安全な方法と言えるでしょう。
確認しておきたい「業務内容」「勤務時間」の記載
労働条件通知書には、あなたの「業務内容」と「勤務時間」が必ず記載されています。
これらは、副業が本業に影響を与えないか、職務専念義務を侵害しないかを確認する上で非常に重要な情報となります。
例えば、本業の業務内容が多岐にわたり、特定のスキルや情報にアクセスする機会が多い場合、同業他社での副業は「競業避止義務」や「機密情報漏洩のリスク」を高める可能性があります。
また、勤務時間に関する記載は、労働時間管理の観点から非常に重要です。本業と副業の労働時間は通算されるため、法定労働時間を超えないように注意が必要です。
法定労働時間(原則として1日8時間、週40時間)を超えて労働した場合、企業には割増賃金の支払い義務が発生します。これは本業の会社だけでなく、副業の会社にも適用されるため、正確な労働時間管理が必須となります。
もし副業によって労働時間の上限を超えてしまう場合、本業の会社が把握していなければ、残業代の未払いや過重労働の問題が発生する可能性があります。
副業を始める前に、労働条件通知書でご自身の業務内容と勤務時間を再確認し、副業がこれらに影響を与えないか、または法的な問題を引き起こさないかを慎重に検討しましょう。
「副業禁止」の本当の理由:会社が隠す本音とは?
多くの企業が副業を禁止または制限する背景には、単なる古い慣習だけでなく、具体的なリスクや懸念が存在します。
これらの「会社のホンネ」を理解することで、副業を円滑に進めるための対策や、会社との建設的な対話のヒントが見えてくるかもしれません。
ここでは、会社が副業に難色を示す主な理由について深掘りしていきます。
会社が懸念する「職務専念義務」と「健康リスク」
企業が副業を禁止・制限する最も一般的な理由の一つは、従業員の「職務専念義務」の観点からです。
会社としては、従業員が本業に集中し、最大のパフォーマンスを発揮してくれることを望んでいます。副業が多忙すぎたり、心身に負担をかけたりすることで、本業の業務に支障が出ることが最も懸念されます。
具体的な問題として、副業による疲労で本業での集中力が低下し、ミスの増加や生産性の低下を招くこと、あるいは遅刻や欠勤が増えることなどが挙げられます。
また、従業員の「健康リスク」も重要な懸念事項です。本業と副業の労働時間が合算されるため、過度な労働は従業員の健康を害する恐れがあります。
もし従業員が副業によって過労状態となり、それが原因で健康問題が発生した場合、企業は「安全配慮義務」を問われる可能性があります。これにより、企業は法的責任を負うリスクがあるため、従業員の労働時間を適切に管理したいという本音があるのです。
会社は従業員の心身の健康を守り、安定した労働力を確保したいと考えているため、職務専念義務と健康リスクは、副業を制限する大きな理由となります。
「情報漏洩」と「競業避止義務」への警戒
特に専門性が高く、独自の技術やノウハウを持つ企業にとって、情報漏洩や競業避止義務違反は深刻な問題です。
従業員が同業他社で副業を行ったり、本業で得た機密情報や顧客リストを副業に利用したりする可能性は、企業にとって非常に大きなリスクとなります。
例えば、あなたがIT企業のシステムエンジニアだとして、競合他社のウェブサイト開発を副業で行った場合、本業の技術やノウハウが副業先に流出する可能性があります。
あるいは、本業で知り合った顧客を副業に引き抜く行為は、明確な「競業避止義務違反」となり、会社に甚大な損害を与えることになります。
このような事態を防ぐため、多くの企業では就業規則や機密保持契約の中に、退職後も含めた競業避止義務や情報漏洩防止に関する厳しい規定を設けています。
特に、研究開発部門や営業部門など、企業の核心に関わる部署の従業員の場合、副業の内容によっては会社から強い制限を受けることがあります。
企業は自社の競争優位性を守るため、情報資産や顧客基盤の保護を最優先するため、この点が副業禁止の大きな理由となるのです。
「企業の信用失墜」を恐れる本音
従業員の副業が、会社の評判やブランドイメージを損なう可能性があることも、企業が副業を制限する大きな理由の一つです。
現代はSNSの時代であり、個人の活動が瞬く間に拡散される可能性があります。もし従業員が副業で不適切な行動を取ったり、会社の立場と矛盾するような発言をしたりした場合、それが会社全体のイメージダウンにつながる恐れがあります。
例えば、従業員が副業で倫理に反する事業に関与したり、SNSで会社の評判を落とすような発言をしたりした場合、世間はそれを「〇〇社の従業員が…」と認識し、会社の信用が大きく傷つく可能性があります。
また、本業の顧客や取引先が、自社の従業員が副業をしていることを知った際に、会社への信頼感が揺らぐことを懸念する企業もあります。特に、顧客との信頼関係が重要な業種では、この懸念は大きくなる傾向にあります。
企業は長年にわたって築き上げてきたブランドイメージや社会的信用を守る義務があります。そのため、従業員の個人的な活動が、不本意な形で会社の評判に影響することを強く警戒しているのです。
このため、副業を検討する際には、その内容が会社の信用を傷つける可能性がないか、客観的に判断することが求められます。
副業を諦めない!就業規則を理解し、賢く進む方法
副業禁止の壁は、一見すると高く感じられるかもしれません。
しかし、これまでの情報を踏まえれば、闇雲に諦める必要がないことがお分かりいただけたかと思います。重要なのは、就業規則を正しく理解し、会社のルールと本音を尊重しながら、賢く副業を進める方法です。
ここでは、副業を成功させるための具体的なステップと注意点をお伝えします。
まずは就業規則を徹底的に確認する
副業を始める上で最も重要な最初のステップは、「まず自社の就業規則で副業がどのように規定されているかを確認すること」です。
これは、口頭での情報や同僚の曖昧な話に頼るのではなく、人事部や総務部から正式な就業規則の写しを入手し、ご自身の目で隅々まで確認することを意味します。
特に、前述したように「副業」「兼業」「兼職」「業務外活動」といったキーワードで検索し、関連条文を複数回読み込みましょう。直接的な副業禁止の文言がなくても、「職務専念義務」「機密保持義務」「競業避止義務」「企業の信用失墜行為の禁止」などの条項に抵触する可能性がないかを慎重に検討します。
もし就業規則が複数存在する場合(例えば、正社員用と契約社員用、あるいは地域限定社員用など)は、ご自身に適用される全ての規則を確認してください。
そして、万が一、確認した結果でも解釈が難しい条文があったり、副業の可否について不明な点があったりする場合は、臆することなく人事担当者に相談しましょう。その際、具体的な副業内容を明かす前に、一般的な質問として「〇〇の条文の解釈について確認したい」といった形で問い合わせるのが賢明です。
会社への「届出・申請」の賢い進め方
もしあなたの会社が「届出制」や「許可制」を採用している場合、会社への正式な申請が必須となります。
このプロセスをいかにスムーズに進めるかが、副業成功の鍵を握ります。申請の際には、「副業先の事業内容、労働時間、契約期間などを詳細に記載すること」が求められます。
具体的には、以下の点を明確にしておきましょう。
- 副業の具体的内容:どのような仕事をするのか、何を提供するのか。
- 労働時間:週に何時間、どの曜日の何時から何時まで働くのか。本業に影響が出ないように配慮している点をアピール。
- 収入の見込み:具体的な金額を伝える必要はありませんが、本業の収入を著しく超えるような場合は、説明が必要になることも。
- 本業との関連性:競合他社ではないこと、機密情報を扱わないことなどを明確に。
- スキルアップや自己成長への貢献:副業を通じて得られる経験が、将来的に本業にも良い影響を与える可能性がある点を伝える。
また、「企業が副業を許可する基準(例:本業に支障が出ないこと、情報漏洩のリスクがないことなど)を理解し、それに沿って申請すること」も重要です。会社側が最も懸念する点を先回りして説明することで、承認を得やすくなります。
申請書は丁寧な言葉遣いで作成し、会社の規定に沿った形式で提出しましょう。
トラブルを避けるための「労働時間管理」と「誠実な対応」
副業を始める上で最も注意すべきは、「本業と副業の労働時間は通算されるため、法定労働時間を超えないように注意が必要」という点です。
労働基準法では、法定労働時間(原則として1日8時間、週40時間)を超えて労働した場合、会社は割増賃金を支払う義務があります。これは本業と副業の労働時間を合算した上で計算されるため、知らないうちに法律違反となってしまう可能性があります。
自身で副業の労働時間を厳しく管理し、本業に影響が出ないようにスケジュールを組むことが不可欠です。勤務記録をつけ、定期的に確認する習慣をつけましょう。
そして、最も大切なのは「誠実な対応」です。会社に隠れて副業を行うことは、発覚した際に信頼関係を著しく損ね、懲戒処分の対象となるリスクがあります。
就業規則を理解し、定められた手続きに従って会社に相談・申請する姿勢が、会社からの信頼を得る上でも重要です。副業は、従業員のモチベーション向上やスキルアップ、さらには企業の成長にも繋がる可能性を秘めています。
最新の動向や過去の事例を参考に、ルールを守りながら、賢く副業を活用していきましょう。
まとめ
よくある質問
Q: 就業規則に「副業禁止」と明記されていなくても、副業はできませんか?
A: 必ずしもそうとは限りませんが、記載がない場合でも、会社の黙示のルールや慣習、あるいは就業規則の他の条項(例:職務専念義務など)によって副業が制限されることがあります。不明な場合は、人事部などに確認することをおすすめします。
Q: モデル就業規則と自社の就業規則で、副業に関する規定は異なりますか?
A: はい、モデル就業規則はあくまで参考であり、各企業が自社の実情に合わせて内容を修正・変更しています。そのため、副業に関する規定も企業によって大きく異なる場合があります。自社の就業規則を確認することが最も重要です。
Q: 労働条件通知書で副業禁止について確認できますか?
A: 労働条件通知書に副業禁止に関する直接的な記載があるとは限りませんが、就業規則への言及がある場合や、付随する労働契約内容として確認できることがあります。基本的には就業規則本体を確認するのが確実です。
Q: 会社が副業を禁止する主な理由は何ですか?
A: 会社が副業を禁止する理由としては、競合他社での活動による情報漏洩リスク、本業への支障(疲労による生産性低下など)、企業イメージの低下、利益相反の懸念などが挙げられます。しかし、本音では「自社への忠誠心」を求めている場合もあります。
Q: 副業禁止の規定がある会社で、どうしても副業をやりたい場合はどうすれば良いですか?
A: まずは、就業規則を再度確認し、禁止の文言や例外規定がないか調べましょう。その上で、人事担当者などに直接相談し、副業の許可を得られるか交渉してみるのが一つの方法です。その際、本業に支障がないことや、競合他社ではないことなどを具体的に説明できるよう準備しておきましょう。