こんにちは!いよいよ2024年(令和5年分)の確定申告の時期がやってきましたね。

「確定申告って難しそう」「どんな書類が必要なの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。

特に今年は、マイナンバーカードを活用した「マイナポータル連携」がさらに進化し、手続きを大幅に効率化できるようになっています。

この記事では、確定申告の基本から、必要な書類、そしてマイナポータルを最大限に活用してスムーズに申告を済ませる方法まで、分かりやすく解説していきます。

ぜひ最後まで読んで、今年の確定申告を乗り切りましょう!

確定申告の基本:いつ、誰が、何を?

確定申告の対象者と義務

確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算し、納めるべき所得税額を確定させる手続きです。

対象となるのは、主に個人事業主やフリーランスの方々ですが、会社員の方でも確定申告が必要になるケースがあります。

例えば、給与所得が2,000万円を超える場合、2箇所以上から給与を受け取っている場合、副業の所得が20万円を超える場合、年末調整では控除しきれない医療費控除や住宅ローン控除を適用したい場合などが挙げられます。

また、年金収入がある高齢者の方も、公的年金等の収入金額が400万円を超え、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超える場合は確定申告が必要です。

確定申告は、税金を正しく納める義務であるとともに、払いすぎた税金を取り戻す「還付申告」のチャンスでもあります。ご自身の状況を確認し、必要に応じて手続きを行いましょう。

申告期間と納付期限

一般的な確定申告の申告期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までと定められています。

この期間内に、前年1月1日から12月31日までの所得に対する所得税を計算し、税務署に申告書を提出する必要があります。

もし税金を納める必要がある場合は、申告期限と同じ3月15日までに納税も済ませなければなりません。土日祝日が重なる場合は翌営業日に繰り下がります。

ただし、払いすぎた税金を取り戻す「還付申告」の場合は、1月1日から5年間いつでも申告が可能です。

慌てずに準備を進めるためにも、まずは期限をしっかりと把握しておくことが重要です。

e-Taxを利用すれば、自宅からでも申告手続きができ、よりスムーズに進められますよ。

確定申告の目的と種類

確定申告の最も大きな目的は、「所得税額の確定」と「納税(または還付)」です。

所得税は、収入から必要経費や各種控除を差し引いた「所得」に対して課される税金であり、その計算は個人の状況によって大きく異なります。

確定申告を通じて、医療費控除、住宅ローン控除、ふるさと納税による寄附金控除など、様々な控除を適用することで、納める税金を減らしたり、払いすぎた税金が還付されたりする可能性があります。

主な種類としては、新たに税金を納める必要がある場合の「納税申告」と、払いすぎた税金を取り戻す「還付申告」があります。

例えば、年末調整をしていない会社員の方や、年収が一定額以下で源泉徴収された税金がある場合などは、還付申告をすることで税金が戻ってくる可能性があります。

ご自身の状況に合わせて、適切な申告を行いましょう。

マイナンバーカードがあれば確定申告がもっと楽に!

マイナポータル連携でできること

2024年の確定申告では、マイナンバーカードを使った「マイナポータル連携」がさらに進化し、手続きが格段に便利になりました。

この連携機能を使うと、以下のようなさまざまな控除証明書等のデータをe-Taxに自動で取り込むことができます。

  • 医療費控除:医療機関や薬局で支払った保険診療にかかる医療費通知情報
  • ふるさと納税:寄附金控除証明書データ
  • 住宅ローン控除:年末残高証明書などのデータ
  • iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金払込証明書
  • 給与所得の源泉徴収票:2024年2月からは、令和5年分以降の給与所得の源泉徴収票情報も対象

これらのデータを手入力する手間が省けるため、入力ミスを防ぎ、大幅な時間短縮が期待できます。

ただし、自費診療や通勤費など、マイナンバーに紐づかない情報は手入力が必要となる点には注意が必要です。

マイナポータル連携のメリットと利用状況

マイナポータル連携の最大のメリットは、何と言っても手続きの効率化です。

必要なデータを一括で取得し、e-Taxの確定申告書作成コーナーに自動入力することで、申告作業にかかる時間を大幅に短縮できます。

また、自動入力により手入力によるミスを防ぎ、正確な申告が可能となるため、税務署からの問い合わせなどのリスクも軽減されます。

さらに、医療費の領収書や各種控除証明書などの紙の書類を自分で保管する必要がなくなるため、書類紛失のリスクも減り、保管の手間も省けます。

国税庁のデータによると、2024年2月時点でマイナポータル連携を利用して控除証明書等を取得した方は57,910人に達しており、マイナポータル全体の利用者数も人口比約62%を突破しています。

この数字からも、多くの人がその利便性を実感し、活用していることがうかがえます。

マイナポータル連携の準備と注意点

マイナポータル連携を利用して確定申告をスムーズに進めるためには、事前の準備が必要です。

まず、以下のものを用意しましょう。

  • マイナンバーカード:有効な署名用電子証明書および利用者証明用電子証明書が搭載されているもの。
  • パスワード:マイナンバーカードに設定した署名用電子証明書パスワード(6~16桁の英数字)と利用者証明用電子証明書パスワード(4桁の数字)。
  • スマートフォンまたはICカードリーダライタ:マイナンバーカードの読み取りに対応した機器が必要です。
  • マイナポータルアプリ:スマートフォンの場合は、事前にアプリをダウンロードしておきましょう。

これらの準備が整えば、マイナポータル経由でe-Taxへデータ連携が可能になります。

ただし、いくつか注意点があります。

マイナポータル自体で確定申告書を作成することはできません。あくまでデータを取得し、e-Taxの作成コーナーへ連携する機能です。

また、すべての金融機関や医療機関、ふるさと納税サイトがマイナポータル連携に対応しているわけではありません。対応状況は、各機関のウェブサイトや国税庁の情報を確認しましょう。

マイナンバーに紐づかない情報(例:自費診療費、交通費など)は自動連携されないため、引き続き手入力が必要になります。

マイナンバーカードがない場合の本人確認書類

e-Taxを利用しない場合の本人確認

マイナンバーカードがない場合でも、確定申告を行うことは可能です。

税務署へ直接書類を持参したり、郵送で提出したりする際には、本人確認書類の添付が必要です。

確定申告書を提出する際には、原則として「マイナンバー(個人番号)の確認書類」と「身元確認書類」の両方を添付しなければなりません。

これは、提出された申告書が本人のものであることを確認し、なりすましなどを防ぐための重要な手続きです。

郵送の場合は、これらの書類のコピーを添付します。税務署の窓口で提出する場合は、原本を提示して職員が確認することになります。

不足している書類があると、申告手続きがスムーズに進まない可能性があるため、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。

マイナンバーを確認できる書類

マイナンバーカードをお持ちでない場合でも、マイナンバー(個人番号)を確認できる書類はいくつか存在します。

代表的なものとしては、「通知カード」または「住民票の写し(マイナンバー記載あり)」が挙げられます。

通知カードは、マイナンバーが初めて通知された際に発行された紙製のカードですが、2020年5月25日以降は新規発行や再交付がされていません。

ただし、記載されている氏名、住所等が住民票の記載事項と一致している場合は、引き続きマイナンバー確認書類として利用可能です。

もし通知カードの記載内容が最新の住民票と異なる場合は、市役所などで「マイナンバーが記載された住民票の写し」を取得して利用できます。

これらの書類は、マイナンバーが正しいものであることを証明するために必要です。必ず原本またはコピーを用意し、申告書と一緒に提出しましょう。

本人確認ができる書類

マイナンバーの確認書類と合わせて、提出者の「身元確認」のための書類も必要になります。

本人確認ができる書類は、顔写真の有無によって必要な組み合わせが変わります。

【顔写真付きの本人確認書類(1点でOK)】

  • 運転免許証
  • パスポート
  • 身体障害者手帳
  • 在留カード
  • マイナンバーカード(これ1枚でマイナンバー確認と本人確認の両方が可能)

【顔写真なしの本人確認書類(2点必要)】

  • 健康保険証
  • 年金手帳
  • 住民票の写し(マイナンバー記載なし)
  • 公共料金の領収書(氏名、住所の記載があるもの)

例えば、通知カードと運転免許証の組み合わせ、または、マイナンバー記載の住民票の写しと健康保険証・年金手帳の組み合わせなどが考えられます。

提出の際は、これらの書類のコピーを申告書に添付することを忘れないようにしましょう。

万が一書類が不足している場合は、税務署からの確認が入るなど、手続きに時間がかかる可能性がありますので、事前の確認が非常に重要です。

確定申告の準備:白色申告と必要書類まとめ

白色申告と青色申告の違い

個人事業主やフリーランスが確定申告を行う際、大きく分けて「白色申告」と「青色申告」の2つの方法があります。

白色申告は、事前の届出が不要で、帳簿付けが比較的簡易である点が特徴です。特別な専門知識がなくても始めやすく、小規模な事業者や副業の方に適しています。

しかし、税制上の優遇措置が少ないというデメリットがあります。例えば、赤字を翌年に繰り越すことや、青色申告特別控除といった大きな所得控除は受けられません。

一方、青色申告は、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。

帳簿付けは複式簿記が基本となり、白色申告よりも手間がかかりますが、最大65万円の青色申告特別控除や、赤字を3年間繰り越せる「純損失の繰越控除」、減価償却の特例など、税制上の大きなメリットが多数あります。

事業規模が大きくなってきたら、税負担を軽減するために青色申告への切り替えを検討することをおすすめします。</

確定申告で必ず必要になる基本書類

確定申告を行う際に、どのようなケースでも共通して必要となる基本的な書類があります。

これらを事前に準備しておくことで、スムーズな申告につながります。

  • 本人確認書類とマイナンバー関連書類:
    • マイナンバーカード(これ1枚で本人確認とマイナンバー確認が完結)
    • または、通知カード(有効な場合)+運転免許証や健康保険証など
    • または、マイナンバー記載の住民票の写し+運転免許証や健康保険証など
  • 源泉徴収票:会社員で年末調整を受けている場合、または年金受給者で公的年金等の源泉徴収票が発行されている場合。
  • 各種控除証明書:
    • 生命保険料控除証明書
    • 地震保険料控除証明書
    • 社会保険料控除証明書(国民年金保険料、国民健康保険料など)
    • iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金払込証明書

これらの書類は、所得や控除の額を正確に計算するために不可欠です。

紛失してしまった場合は再発行手続きが必要になるため、大切に保管しておきましょう。

ケース別に必要となる追加書類

基本書類に加え、特定の控除を受けたい場合や、特定の収入がある場合には、追加で書類が必要になります。

以下に主なケースと必要書類をまとめました。

控除・収入の種類 必要となる追加書類
医療費控除 医療費通知(マイナポータル連携可能)、医療費控除の明細書、病院や薬局の領収書(明細書作成のため)
住宅ローン控除 住宅借入金等特別控除額の計算明細書、金融機関からの住宅ローンの年末残高証明書(マイナポータル連携可能)、登記事項証明書、売買契約書など
ふるさと納税 寄附金受領証明書(マイナポータル連携可能)
特定口座年間取引報告書 株式等の譲渡所得がある場合
事業所得がある場合 収支内訳書(白色申告)、青色申告決算書(青色申告)、帳簿書類

これらの書類は、適用を受けたい控除や収入の種類によって異なりますので、ご自身の状況に合わせて必要なものを確認してください。

マイナポータル連携を活用すれば、医療費通知やふるさと納税、住宅ローン控除の一部書類は自動でデータ連携が可能です。

最新の情報や詳細は、国税庁のウェブサイトで確認することをおすすめします。

確定申告の控えの重要性と再発行について

確定申告の控えがなぜ重要なのか

確定申告書を提出した後、税務署の受付印が押された控えは、非常に重要な書類となります。

これは単なる「写し」ではなく、あなたの所得や納税額が正式に申告されたことを証明する公的な書類だからです。

確定申告の控えは、以下のような様々な場面で提出を求められることがあります。

  • 収入証明として:金融機関からの融資(住宅ローン、自動車ローンなど)やクレジットカードの審査
  • 公的手続きの際に:保育園や学童保育の入園申請、公営住宅の入居申請、奨学金申請など
  • 税務署からの問い合わせ対応:後日、税務署から申告内容に関する問い合わせがあった際の根拠資料
  • 事業の許認可申請:建設業許可など、事業を行う上での各種許認可の申請時

特に個人事業主の方にとっては、収入を証明する唯一の公的な書類となることが多く、その重要性は計り知れません。

安易に捨ててしまったり、紛失してしまったりすることのないよう、大切に保管しましょう。

控えの保管方法と注意点

確定申告の控えは、その後の様々な手続きで必要となる可能性が高いため、適切に保管することが非常に重要です。

まず、紙で提出した場合は、税務署の受付印が押された控えをクリアファイルなどに入れて整理し、いつでも取り出せる場所に保管しましょう。

e-Taxで申告した場合は、提出後にダウンロードできる控え(PDFデータ)を、パソコンやクラウドサービスに保存し、さらに必要であれば印刷して紙でも保管することをおすすめします。

税法上、確定申告書や関連帳簿書類の保管期間は、原則として7年間と定められています。

これは、税務調査などがあった際に、過去の申告内容を証明するために必要となるからです。

特に青色申告を行っている個人事業主は、帳簿や領収書なども合わせて保管しておく必要があります。

また、住宅ローン控除を適用している場合は、控除適用期間中は毎年控えが必要になりますので、紛失しないように注意しましょう。

紛失した場合の再発行手続き

万が一、確定申告の控えを紛失してしまった場合でも、再発行や内容の確認は可能です。

主な方法は以下の2つです。

  1. 申告書等閲覧サービス:

    税務署に「申告書等閲覧申請書」を提出し、過去に提出した確定申告書を閲覧できるサービスです。

    税務署の窓口で閲覧する形式で、必要な箇所を書き写すことができます(原則としてコピーは不可)。

    本人確認書類(運転免許証など)と印鑑が必要になります。

  2. 所得税の証明書(納税証明書または所得証明書)の発行:

    税務署で「納税証明書(その1:納税額の証明、その2:所得金額の証明)」や「所得税の確定申告書を提出したことを証明する書類」を申請・取得することができます。

    こちらは公的な証明書として利用でき、金融機関などへの提出にも対応しています。

    申請には、申請書、本人確認書類、手数料(通常は1件400円程度)が必要です。

これらの手続きには、数日から1週間程度の時間がかかる場合がありますので、お急ぎの場合は早めに税務署に相談するようにしましょう。

控えは大切に保管することが最も重要ですが、もしもの時でも対応策があることを覚えておくと安心です。

確定申告は、年に一度の大切な手続きです。この記事でご紹介した情報を参考に、焦らず着実に準備を進めていきましょう。

特にマイナンバーカードをお持ちの方は、ぜひマイナポータル連携を活用して、効率的かつ正確な申告を目指してください。

最新の情報や具体的な手続きについては、国税庁のウェブサイトや税務署で確認することをおすすめします。