概要: 退職届は自分で作成・用意することが可能です。本記事では、無料ダウンロードや購入できる場所、便箋の選び方、そして迷わない退職届の書き方まで、網羅的に解説します。
「退職を決意したけれど、退職届ってどうやって用意すればいいんだろう?」
会社を辞める際に必要となる退職届。いざ準備となると、どこで手に入れられるのか、どう書けば良いのか、たくさんの疑問が浮かびますよね。
この記事では、退職届を自分で用意する際のダウンロード・購入場所から、失敗しないための書き方、提出前の最終チェックまでを徹底的に解説します。
この記事を読めば、退職届に関するあらゆる不安が解消され、スムーズに退職準備を進められるようになります。ぜひ最後まで読んで、あなたの退職準備にお役立てください。
退職届は自分で用意できる?基本を押さえよう
自分で用意するメリットと注意点
退職届は、会社から特定のフォーマットが提供される場合もありますが、実は自分で用意しても全く問題ありません。むしろ自分で準備することには、いくつかのメリットがあります。
一つ目は、コストを抑えられる点です。テンプレートをダウンロードしたり、100円ショップで購入したりすれば、費用を最小限に抑えられます。二つ目は、自分のペースで準備できる点です。会社の規定がなくても、一般的なマナーに沿って作成できるため、急な準備にも対応しやすいでしょう。
ただし、注意点もあります。自分で用意する場合、内容に不備がないか、最新の正確な情報に基づいているかを自分で確認する責任があります。会社の就業規則に特別な指示がないかどうかも、事前に確認しておくことが大切です。
退職届は、正式に退職する意思を会社に伝えるための重要な書類です。退職願(退職の意思を願い出る書類)とは異なり、退職が確定した後に提出する手続き書類となるため、その違いをしっかり理解して準備を進めましょう。
退職届と退職願、辞表の違いを理解する
退職に関する書類には、「退職届」「退職願」「辞表」の3種類があります。それぞれの役割と意味を理解しておくことは、円満退職を目指す上で非常に重要です。
まず、「退職願」は、会社に退職を「願い出る」ための書類です。上司に提出し、承認を得ることで退職が確定します。提出後は、原則として撤回できませんが、会社の承認があるまでは撤回の余地がある場合もあります。
次に、「退職届」は、退職が確定した後、会社に「届け出る」ための書類です。すでに退職の合意が形成されており、その旨を正式に会社に伝える目的で提出します。退職届には、退職日を明確に記載します。
最後に、「辞表」は、主に役員や公務員などが職を辞する際に使用する書類です。一般社員が使用することは稀で、通常は退職届または退職願を使用します。
これらの違いを正しく理解し、自分の状況に合った書類を提出することが、スムーズな退職プロセスにつながります。
円満退職のための準備とマナー
退職届を提出する前に、最も大切なのは「円満退職」のための準備とマナーです。書類の提出は、あくまで手続きの一環であり、その前の段階が非常に重要となります。
まず、退職の意思は、いきなり退職届を提出するのではなく、直属の上司に口頭で伝えるのが基本的なマナーです。これにより、会社側も代替人員の確保や業務の引き継ぎ計画を立てやすくなり、トラブルを避けることができます。
また、会社の就業規則を確認することも不可欠です。法律上は退職日の2週間前までに退職届を提出すれば良いとされていますが、多くの会社では就業規則により「退職希望日の1ヶ月前まで」「3ヶ月前まで」など、具体的な期間が定められています。
円満退職のためには、退職の意思表示を退職希望日の1〜3ヶ月前に行い、就業規則に則ったタイミングで退職届を提出するのが一般的です。就業規則に従うことで、会社との無用な摩擦を避け、スムーズな引き継ぎと退職を実現できます。
退職届はどこでダウンロード・購入できる?
実店舗での購入場所
退職届の用紙は、実は身近な場所で手軽に購入できます。急ぎで必要な場合や、実物を見て選びたい方には、実店舗での購入がおすすめです。
主な購入場所としては、文房具店(伊東屋、丸善など)や大型書店(紀伊國屋書店、有隣堂など)が挙げられます。これらの店舗では、退職届専用の便箋と封筒のセット、書き方の見本などが含まれた「退職届セット」が販売されていることが多く、非常に便利です。
また、コストを抑えたい場合は、100円ショップ(ダイソー、セリア、キャンドゥなど)でも退職届専用用紙が販売されていることがあります。手軽に準備できるため、まずは覗いてみるのも良いでしょう。
その他、コンビニ(一部店舗)やホームセンター(コーナン、カインズなど)、ロフト、ドン・キホーテなどでも取り扱いがある場合があります。これらの店舗も選択肢に入れて、ご自身の都合の良い場所で探してみてください。
オンラインでのダウンロード・購入場所
自宅から手軽に退職届を準備したい場合は、オンラインでのダウンロードや購入が便利です。時間や場所を選ばずに準備を進められます。
退職届の用紙セットを購入したい場合は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手オンラインショップがおすすめです。多種多様なデザインや価格帯の退職届セットが見つかりますし、自宅まで郵送してくれるため手間がかかりません。
また、自分で印刷して使用したい場合は、各社が提供するテンプレートダウンロードサイトを利用できます。CanvaやAdobe、ビジネス文書のテンプレートを提供するビズルート、ヤギッシュなど、多くのサイトで無料または有料で退職届のテンプレートが提供されています。
これらのテンプレートは、WordやPDF形式でダウンロードできるため、自分のパソコンで編集・印刷が可能です。デザインやフォーマットも豊富なので、自分に合ったものを選んでみましょう。
テンプレート利用時の注意点
オンラインでダウンロードできる退職届テンプレートは非常に便利ですが、利用する際にはいくつかの注意点があります。
まず、最も重要なのは「最新の正確なフォーマットであるか」を確認することです。インターネット上には古い情報や不正確なテンプレートも存在するため、信頼できるサイトからダウンロードするようにしましょう。必要に応じて、法律事務所や専門家が監修しているテンプレートを選ぶと安心です。
次に、ダウンロードしたテンプレートが自社の就業規則や一般的なマナーに合致しているかを確認しましょう。特に、退職理由の記載方法や提出日、退職日の記載箇所など、基本的な事項に間違いがないか、改めてチェックすることが大切です。
また、個人情報を入力するテンプレートの場合、セキュリティにも注意が必要です。不審なサイトからのダウンロードは避け、マルウェア感染のリスクがないかを確認するようにしてください。印刷後は、個人情報が記載されたデータを適切に管理・削除することも忘れずに行いましょう。
これらの点に注意すれば、オンラインテンプレートも大変有効な手段となります。
退職届におすすめの便箋・紙の選び方
用紙のサイズと種類
退職届の用紙選びは、相手に与える印象を左右する大切なポイントです。一般的に、B5またはA4サイズの白い無地の便箋が推奨されています。これらのサイズは、ビジネス文書として最も一般的なため、受け取る側にも違和感なく受け入れられます。
罫線入りの便箋を使用することも可能ですが、その場合はシンプルなデザインのものを選びましょう。派手な柄やキャラクターもの、個人的なメッセージカードのような便箋は避けるべきです。あくまでビジネス文書として、品格のある用紙を選ぶことが重要です。
また、コピー用紙でも退職届は作成可能です。ただし、あまりにも薄い紙や、しわが寄りやすい紙は避けるようにしましょう。少し厚手でしっかりとした質感のコピー用紙を選ぶと、より丁寧な印象を与えることができます。会社のプリンターで印刷する場合は、一般的に使用されているA4サイズの白いコピー用紙で問題ありません。
用紙の色は、白が基本です。色付きの用紙は、ビジネス文書には不適切とされています。
筆記用具の選び方とNG例
退職届は正式な書類ですので、使用する筆記用具にも注意が必要です。最も適しているのは、黒のボールペンまたは万年筆です。油性のボールペンであれば、インクがにじみにくく、長期保存にも適しています。
特に重要なのは、「摩擦で消えるボールペンは絶対に避ける」ことです。フリクションペンなどに代表される摩擦熱で消えるインクは、改ざんのリスクがあるため、公的な書類には使用できません。また、鉛筆やシャープペンシルも、内容が消えたり読みにくくなったりする可能性があるため、使用してはいけません。
インクの色は、黒色に限定されます。青色のインクもビジネス文書では使用されることがありますが、退職届のような重要度の高い書類では、黒色で統一するのが最も一般的で無難です。
丁寧に、はっきりと書くことを心がけましょう。もし書き損じてしまった場合は、修正液や修正テープを使わず、新しい用紙に書き直すのがマナーです。これにより、書類の品位を保つことができます。
封筒の選び方と入れ方
退職届は、原則として封筒に入れて提出するのがマナーです。適切な封筒を選び、正しい入れ方をすることで、より丁寧な印象を与えることができます。
封筒は、白無地の長形3号または長形4号の封筒が適しています。退職届の便箋を三つ折りまたは四つ折りにしてちょうど収まるサイズを選びましょう。茶封筒は事務的な書類に用いられることが多いため、退職届には白封筒がより適切とされています。
封筒の表面には、「退職届」と中央に記載します。裏面には、自分の所属部署名とフルネームを記載しましょう。会社名や代表者名は、封筒の表には記載せず、退職届の本文に記載する形が一般的です。
退職届の便箋は、三つ折りまたは四つ折りにして封筒に入れます。縦書きの場合は、本文の書き出しが右上にくるように折り、封筒の表側から見て書き出しが一番上にくるように入れましょう。手渡しで提出する場合、封筒の封はしないのが基本です。しかし、郵送する場合や、会社から封をするよう指示があった場合は、のり付けをして「〆」マークを書きます。
封筒に入れることで、個人情報保護の観点からも配慮していることを示すことができます。
退職届の書き方:迷わないためのポイント
基本的な記載事項と例文
退職届を作成する上で、最も重要なのが基本的な記載事項を漏れなく、正確に書くことです。以下に、一般的な退職届の記載事項と例文を示します。
退職届
私儀(わたくしぎ)
この度、一身上の都合により、
令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。
令和〇年〇月〇日
〇〇部 氏名
株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇 〇〇様
件名は、中央に大きく「退職届」と記載します。本文の書き出しは、自分のことを指す「私儀(わたくしぎ)」または「私事(わたくしごと)」を使用します。
退職理由は、自己都合退職の場合、詳細を書く必要はなく「一身上の都合により」と記載します。そして、会社と合意した正式な退職年月日を記載してください。希望する退職日ではない点に注意が必要です。最後に、書類を提出する日付である提出日を記載します。
自身の情報として、所属部署名と氏名をフルネームで記載し、捺印します。宛名には、会社名と代表者の役職名、氏名を記載しましょう。これらの項目は、一つでも欠けると不備とみなされる可能性があります。
自己都合退職の場合の理由の書き方
自己都合で退職する場合、退職届に具体的な理由を詳細に記載する必要はありません。むしろ、「一身上の都合により」と簡潔に記載するのが一般的であり、最も適切な書き方とされています。
この表現を使用する理由はいくつかあります。一つは、会社との関係を悪化させずに円満に退職するためです。具体的な不満や個人的な事情を記載すると、無用な議論や感情的な対立を生む可能性があります。
また、退職届は退職の意思を正式に届け出る書類であり、退職理由を細かく説明する場ではありません。退職理由については、上司との面談時に口頭で伝える機会があるため、書類上では簡潔にまとめるのがビジネス上のマナーとされています。
会社都合退職の場合や、特定の契約解除が理由の場合は別の記載が必要になることもありますが、ほとんどの自己都合退職の場合、この「一身上の都合により」で問題ありません。シンプルかつ明確に、退職の意思を伝えることが重要です。
署名・捺印と宛名の書き方
退職届は、あなたの意思を証明する重要な書類です。そのため、自身の署名と捺印、そして会社の代表者への適切な宛名の記載が不可欠です。
まず、自身の氏名はフルネームで丁寧に署名します。この際、パソコンで作成した氏名を印刷するだけでなく、必ず手書きで署名することが求められます。その横には、捺印が必要です。シャチハタ(インク浸透印)は簡易的な印鑑であり、公的な書類には不向きとされているため、実印または認め印を使用しましょう。インクの色は朱色です。
次に、宛名についてです。宛名には、会社名と代表者の役職名、そして氏名を記載します。例えば「株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇 〇〇様」となります。この際、「様」を忘れずに付けましょう。
代表者名が不明な場合は、会社のウェブサイトや名刺などで確認するか、人事担当者に尋ねて正確な情報を記載するようにしてください。宛名を「御中」と記載するケースもありますが、個人の役職名と氏名が明確な場合は「様」を使用するのが一般的です。
これらの記載に不備があると、書類として受理されない可能性もあるため、細心の注意を払って記入しましょう。
退職届提出前の最終チェックリスト
内容の正確性チェック
退職届は一度提出すると原則として撤回できないため、提出前に内容が正確であるか、細部に至るまで念入りに確認することが非常に重要です。
まず、最も重要な退職日が、会社と合意した正式な日付と一致しているかを確認しましょう。希望した日付ではなく、正式に決定した日付である必要があります。
次に、提出日が、退職届を実際に提出する日付と合っているかを確認してください。そして、自身の氏名、所属部署名に誤字脱字がないか、会社名、代表者名に間違いがないかも入念にチェックしましょう。
また、捺印が忘れられていないかも確認が必要です。押印が薄かったり、かすれていたりしないかどうかも確認し、必要であれば押し直しましょう。フリクションペンなど、摩擦で消えるボールペンを使用していないかも、改めて確認すべき重要なポイントです。
これらの項目一つ一つが、退職届の有効性と信頼性を左右します。提出後のトラブルを避けるためにも、時間をかけて丁寧に最終チェックを行いましょう。
提出タイミングと方法の確認
退職届を提出するタイミングと方法も、円満退職には欠かせない要素です。法律上のルールと会社の就業規則、そして一般的なマナーを考慮して、適切な方法を選びましょう。
まず、会社の就業規則に退職届の提出時期に関する規定がないかを再確認してください。一般的には、退職希望日の1ヶ月前や2ヶ月前と定められていることが多いです。法律上は2週間前で良いとされていますが、会社との良好な関係を保つためには就業規則に従うのが賢明です。
次に、直属の上司への口頭での退職意思表示が済んでいるかを確認しましょう。いきなり退職届を提出するのはマナー違反とみなされることが多いため、必ず上司への事前連絡を済ませてから提出します。
提出方法は、基本的には上司に直接手渡しするのが最も丁寧な方法です。この際、封筒の封はせずに渡すのが一般的です。もし遠隔地勤務などで手渡しが難しい場合は、郵送も可能ですが、その場合は簡易書留など、記録が残る方法で送るのがおすすめです。郵送の場合でも、事前に上司への連絡は必須です。
適切なタイミングと方法で提出することで、スムーズな手続きと円満な退職を実現できます。
控えの準備と保管
退職届を提出する際には、必ず控えを取っておくことを強くおすすめします。これは、万が一のトラブルに備えるための非常に重要なステップです。
提出前に、作成した退職届のコピーを一部取っておきましょう。スマートフォンで写真に撮っておくのでも構いませんが、紙のコピーがあればより確実です。コピーには、提出日や提出先の情報などをメモしておくと、後々役立ちます。
控えを保管しておくことで、以下のような状況で役立ちます。
- 退職日や内容について会社側と認識の齟齬が生じた場合
- 退職届の提出自体が「行われていない」と指摘された場合
- 退職後の手続き(離職票発行など)で内容を確認する必要が生じた場合
特に、退職届の提出後、会社側から「聞いていない」「提出されていない」などと言われるケースも稀にあります。このような場合に、控えがあれば自分の主張を裏付ける証拠となります。
控えは、退職に関する全ての手続きが完了し、必要がなくなるまで大切に保管しておきましょう。この一手間が、あなたの退職後の安心につながります。
まとめ
よくある質問
Q: 退職届は必ずしも会社から貰わないといけないですか?
A: いいえ、退職届は自分で作成・用意することができます。会社によっては所定のフォーマットがある場合もありますが、基本的には自分で準備しても問題ありません。
Q: 退職届のダウンロードは無料ですか?
A: はい、インターネット上には無料でダウンロードできる退職届のテンプレートが多数存在します。WordやPDF形式で提供されていることが多いです。
Q: 退職届を印刷する紙はどんなものが良いですか?
A: 退職届には、白無地で罫線や模様のない便箋が適しています。A4サイズやB5サイズが一般的です。コピー用紙でも問題ありませんが、少し厚手のものを選ぶとより丁寧な印象になります。
Q: 便箋はどこで購入できますか?
A: 便箋は、100円ショップ(ダイソー、セリアなど)、コンビニエンスストア、文房具店、スーパーマーケットなどで購入できます。急いでいる場合はコンビニや100円ショップが便利です。
Q: 退職届の便箋のサイズに決まりはありますか?
A: 特に厳格な決まりはありませんが、A4サイズまたはB5サイズが一般的です。提出する際に、封筒に折らずに入れられるサイズ(A4)を選ぶとより丁寧です。