時短勤務でも損しない！平均給料・保険料・手当を徹底解説

時短勤務制度は、育児や介護と仕事を両立させるための重要な選択肢です。

しかし、「給与や手当、保険料などにどのような影響があるのだろう？」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、2025年最新の情報に基づき、時短勤務における給与、保険料、手当、そして新たな支援制度について徹底的に解説します。

後悔しない選択をするために、ぜひ最後までご覧ください。

時短勤務の平均給料はどれくらい？

給与の計算方法と減額の仕組み

時短勤務における給与は、原則として「ノーワーク・ノーペイ」の原則に基づき、短縮された労働時間に応じて減額されます。

具体的には、1日8時間勤務から6時間勤務に短縮された場合、基本給は単純計算で8分の6、つまり25%減額されるのが一般的です。例えば、基本給が月20万円だった場合、時短勤務後は15万円となります。

ただし、給与体系によっては減額の仕方が異なります。

• 時間管理制・時給制: 労働時間に応じて給与が計算されるため、時短勤務により直接的に給与が減少します。多くの一般職でこの形式が取られます。
• 裁量労働制・成果主義: 制度によっては勤務時間に関わらず給与が減額されない場合もありますが、これは個別の就業規則によるため、事前に確認が必要です。

自身の給与がどのように計算されるか、会社の就業規則を必ず確認しましょう。

手取り額が激減する落とし穴

時短勤務に移行すると、基本給の減額以上に手取り額が減少する可能性があります。

これは、基本給の減少に加えて、残業代や深夜勤務手当などが支給されなくなることが大きな要因です。

参考情報にもあるように、基本給が25%減少した場合でも、残業代などがなくなることで手取り額は半額程度まで減少するケースも珍しくありません。

さらに、時短勤務開始後も社会保険料がすぐに減額されない期間があるため、その期間は「手取り額が少ないのに、保険料は以前のまま」という状況が発生し、家計を圧迫することもあります。

この手取り額の減少は、想像以上に生活に影響を与える可能性があるため、事前にしっかりとシミュレーションしておくことが非常に重要です。

2025年からの新制度「育児時短就業給付金」とは？

2025年4月1日から、時短勤務による収入減をサポートする画期的な新制度「育児時短就業給付金」がスタートします。

この制度は、育児を目的とした時短勤務による収入の低下を補填し、子育てとキャリア形成の両立を支援することを目的としています。

給付額は原則として、時短勤務中の賃金額の10%が支給されます。

ただし、時短勤務中の賃金額と給付額の合計が、時短勤務前の賃金額を超えないよう調整される場合があります。

支給対象は、2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている雇用保険の被保険者などです。

具体的には、育児休業から復帰して時短勤務を開始した場合や、時短勤務開始前2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上ある場合などが主な要件となります。

この給付金は、時短勤務による経済的な不安を大きく軽減してくれることが期待されます。

時短勤務で気になる保険料の扱い

社会保険料が据え置きになる理由

時短勤務を開始すると、すぐに給与が減るにもかかわらず、社会保険料（健康保険・厚生年金保険）はしばらくの間、減額されないのが一般的です。

これは、社会保険料が「標準報酬月額」に基づいて算出されるためです。

標準報酬月額は、通常、過去3ヶ月間の平均給与を基に決定されます。

育児休業から復帰して時短勤務を開始した場合、育休期間中は保険料が免除されていましたが、復帰後最初の数ヶ月は育休に入る前の高い給与水準に基づいて保険料が計算されてしまうのです。

そのため、手取り額が大幅に減ったにもかかわらず、保険料負担が変わらないという状況が発生し、家計を圧迫する大きな要因となります。

保険料を減額するための手続きとタイミング

社会保険料の負担を軽減するためには、企業を通じて「育児休業等終了時報酬月額変更届」を年金事務所に提出する必要があります。

この手続きを行うことで、時短勤務開始後の実際の報酬に基づいた標準報酬月額に改定され、社会保険料が減額されます。

ただし、手続き後すぐに保険料が減額されるわけではありません。

一般的には、時短勤務を開始してから復帰後4ヶ月目以降に、減額された保険料が適用されることが多いです。

例えば、4月に復帰して時短勤務を始めた場合、4月～6月の給与を基に7月に標準報酬月額が決定され、実際に保険料が安くなるのは8月以降の給与から、といった流れになります。

このタイムラグを理解し、計画的に手続きを進めることが重要です。

時短勤務でも社会保険に加入できる条件

時短勤務者であっても、以下の条件を満たせば、原則として社会保険（健康保険・厚生年金保険）に加入することができます。

• 週の所定労働時間が20時間以上であること
• 雇用期間が2ヶ月を超える見込みであること
• 月額賃金が8.8万円以上であること
• 学生ではないこと
• 特定適用事業所に勤務していること（従業員101人以上の企業など）

これらの条件を満たすことで、病気やケガの際の医療保障、将来の年金受給資格などを確保できます。

特に厚生年金に加入している期間が長ければ長いほど、将来もらえる年金額が増えるため、健康保険・厚生年金に加入し続けることは非常に重要です。

自身の勤務条件が社会保険加入要件を満たしているか、会社の人事担当者に確認することをおすすめします。

役職手当はどうなる？減額や満額について

残業代・深夜手当の原則と実情

時短勤務に移行すると、原則として残業が制限されるため、残業代や深夜勤務手当が支給されないことがほとんどです。

時短勤務制度は、育児や介護と仕事を両立させることを目的としているため、企業側も残業をさせないような業務配分を心がけるのが一般的です。

万が一、緊急の業務で残業が発生した場合でも、企業によっては残業手当が支給されない、あるいは事前に申請・承認が必要となるケースがあります。

そもそも、残業が発生するような働き方では時短勤務の目的が達成されないため、基本的には「残業なし」で業務を完結させる意識を持つことが求められます。

役職手当の扱いと企業ごとの違い

管理職手当など、役職に応じた手当の扱いは、時短勤務への移行に伴い見直されたり、減額されたりする可能性があります。

役職手当は、その役職に求められる責任や業務量、あるいは時間管理の特性（残業時間込みで支給されるケースなど）を考慮して設定されていることが多いためです。

例えば、所定の勤務時間を満たせない場合や、チームマネジメントなどの業務の一部が難しくなる場合、手当が減額される、あるいは役職自体が一時的に見直されることもあり得ます。

一方で、企業の制度によっては、時短勤務中も役職手当が満額支給されるケースもゼロではありません。

これは企業の就業規則や人事制度によって大きく異なるため、事前に会社の人事担当者や直属の上司としっかりと話し合い、確認しておくことが不可欠です。

手当の減少による影響と対策

給与本体の減額に加え、残業代や役職手当などの手当が減少することは、総収入に大きな影響を与えます。

特に、今までこれらの手当を当てにしていた場合、手取り額は予想以上に少なくなってしまうかもしれません。

この手当の減少は、家計の支出計画に直結するため、時短勤務を検討する際には、必ずこれらの手当がどのように変わるのかを確認し、具体的な金額を試算しておく必要があります。

対策としては、まず「育児時短就業給付金」などの国の支援制度を最大限に活用することです。

また、家計の見直しを行い、固定費削減や無駄な支出を抑える努力も求められます。

手当の減少がキャリアパスに与える影響も考慮し、上司と今後のキャリアについて相談する機会を持つことも重要でしょう。

時短勤務のメリット・デメリットを再確認

最大のメリットはワークライフバランスの向上

時短勤務の最大のメリットは、何といっても育児や介護と仕事を両立できる点にあります。

勤務時間が短縮されることで、保育園の送迎がしやすくなったり、介護が必要な家族との時間が増えたりと、プライベートの時間を確保しやすくなります。

これにより、精神的なゆとりが生まれ、仕事のストレスも軽減される効果が期待できます。

また、キャリアを完全に中断することなく、働き続けることができるため、社会とのつながりを保ち、将来的なキャリア形成の土台を維持できるという側面も非常に大きいでしょう。

特に、子育て期間はあっという間に過ぎ去るため、この貴重な時期に家族との時間を十分に持てることは、かけがえのない経験となります。

デメリットは収入減とキャリアパスへの影響

一方で、時短勤務にはいくつかのデメリットも存在します。

最も大きな点は、やはり収入の減少です。基本給の減額に加え、残業代や各種手当の減少、そして社会保険料の据え置き期間などにより、手取り額が大きく減る可能性があります。

また、キャリアパスへの影響も無視できません。

勤務時間が短縮されることで、責任のある業務や重要なプロジェクトから外れる可能性があり、昇進・昇格が遅れるケースも考えられます。

専門スキルの維持や向上、新しい知識の習得機会が減少することも、長期的なキャリア形成においては考慮すべき点となるでしょう。

時短勤務はあくまで一時的な措置であることを念頭に置き、その後のキャリアをどうしていくか、事前に計画を立てることが重要です。

2025年新制度でデメリットはどこまで解消される？

2025年に導入される「育児時短就業給付金」は、時短勤務の大きなデメリットである収入減少を補填することを目的としています。

時短勤務中の賃金の10%が支給されることで、手取り額の減少をある程度緩和し、経済的な不安を軽減することが期待できます。

これにより、これまで経済的な理由で時短勤務をためらっていた方も、選択肢に入れやすくなるでしょう。

しかし、この給付金は収入減の一部を補填するものであり、完全に元の収入に戻るわけではありません。また、キャリアパスへの影響や、業務量の調整による精神的な負担といった側面は依然として残ります。

給付金制度を活用しつつも、自身のキャリア目標やライフプランを総合的に考慮し、メリットとデメリットを天秤にかけて慎重に判断することが求められます。

後悔しないための時短勤務目標設定とは

具体的なライフプランとキャリアプランの検討

時短勤務を後悔しないためには、まず具体的なライフプランとキャリアプランを明確にすることが重要です。

「いつまで時短勤務を続けるのか」「家族のサポート体制はどうなっているか」「時短勤務中にどのようなスキルを維持・向上させたいか」「時短勤務終了後のキャリアパスはどう描くのか」といった点を具体的に検討しましょう。

金銭面でも、時短勤務中の収入と支出を詳細にシミュレーションし、家計が破綻しないかを十分に確認することが不可欠です。

漠然としたイメージではなく、数字や期間、目標を具体的に設定することで、時短勤務期間を有意義に過ごし、その後のキャリアにも繋げることができます。

会社との丁寧なコミュニケーションの重要性

時短勤務に移行する前に、直属の上司や人事担当者と丁寧なコミュニケーションを重ねることが非常に重要です。

時短勤務の期間、担当業務の内容、業務量の調整、評価方法、そして将来的なキャリアパスについて、事前にしっかりと話し合い、認識のズレがないように確認しましょう。

不明な点や不安な点は積極的に質問し、企業の就業規則や時短勤務に関する規定も詳細に確認してください。

会社側も、従業員の時短勤務を成功させることで、優秀な人材の定着や企業のイメージアップに繋げたいと考えています。

お互いが納得できる形で時短勤務を実現するために、オープンで建設的な対話を心がけましょう。

利用できる制度の活用と情報収集

時短勤務を最大限に活用し、後悔しない選択をするためには、利用できる制度を徹底的に活用し、常に最新の情報を収集することが欠かせません。

特に2025年からの「育児時短就業給付金」は、経済的な負担を軽減する大きな柱となります。

この他にも、育児休業給付金、企業独自の時短勤務者向け支援制度、自治体が提供する子育て支援策など、様々な制度が存在します。

これらの制度を漏れなく調べ、自身の状況に合わせて適切に活用することで、時短勤務中の不安を軽減し、より充実した生活を送ることが可能になります。

会社の担当部署や、必要であれば社会保険労務士などの専門家にも相談し、正しい情報を得るように努めましょう。