概要: ダブルワーク、ブランク、病歴など、履歴書で悩むポイントを徹底解説。前職や前々職の書き方、主婦としてのブランクの活かし方、病歴の伝え方まで、不安を解消し、採用担当者に好印象を与えるための書き方を具体的にご紹介します。
履歴書を作成する際、「正直にどこまで書くべき?」と悩むポイントは多岐にわたります。特に、ダブルワークの経験、職務経歴のブランク、そして病歴など、デリケートな情報については、どのように記載すれば採用担当者に良い印象を与えられるか、不安に感じる方も少なくないでしょう。
しかし、ご安心ください。大切なのは、これらの情報をただ隠したりネガティブに捉えたりするのではなく、誠実に、そして戦略的に伝えることです。この記事では、あなたの経験や状況をポジティブにアピールするための履歴書の書き方と注意点を、具体的な例を交えながら詳しく解説します。
履歴書で悩む時間を、自信を持って応募する準備期間に変えましょう!
ダブルワークの履歴書:正直に書くべき?前職・前々職の扱いは?
近年、働き方が多様化する中で、ダブルワーク(副業・兼業)は珍しいことではなくなりました。しかし、履歴書にどのように記載すべきか、正直に書いて不利にならないかと不安に思う方もいるかもしれません。ここでは、ダブルワークの履歴書への記載方法と注意点について解説します。
正直に書くことの重要性とそのリスクヘッジ
ダブルワークをしている場合、または希望する場合は、その旨を正直に履歴書に記載することが極めて重要です。経歴詐称とみなされた場合、内定取り消しや解雇といった重大な結果を招く可能性があります。一時的に採用されたとしても、後々発覚して信頼関係が失われるリスクを考えると、初めから誠実な姿勢を見せることが賢明です。
ただし、正直に書くことと同時に、リスクヘッジも行う必要があります。最も重要なのは、応募先の企業が副業を許可しているか、また、現在の勤務先の就業規則で副業が禁止されていないかを事前に確認することです。もし応募先企業が副業を許可していない場合、応募自体を再検討するか、あるいは志望動機や本人希望欄で「現在ダブルワークをしていますが、入社後は本業に専念する所存です」といった形で、企業へのコミットメントを明確に伝えることが求められます。
また、ダブルワークの内容が応募先の仕事に活かせるものであれば、それはむしろあなたの強みになります。例えば、本業とは異なる分野でのスキルアップや、多様な経験を通じて得た柔軟性などは、ポジティブな要素としてアピールできるでしょう。
職歴欄への具体的な記載方法
ダブルワークの記載方法は、現在の状況によって異なります。
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在職中のダブルワークの場合:
職歴欄には、現在の本業の勤務先を正確に記入し、「現在に至る」または「在職中」と追記します。その上で、本人希望欄や備考欄に、「現在、〇〇(職種や業務内容)で副業に従事しておりますが、業務に支障がない範囲で継続したいと考えております。詳細は面接にてお話しできれば幸いです。」のように、簡潔に記載しましょう。もし副業を辞めて本業に専念する意思がある場合は、「入社後は本業に専念するため、副業は退職いたします」と明記することで、応募企業の懸念を払拭できます。 -
過去のダブルワーク経験の場合:
応募先企業に有益な情報となる場合は、職歴欄に記入するか、自己PR欄や職務経歴書に詳細を記述することを検討します。例えば、本業で営業職をしながら、休日にWebライターとして活動していた経験がある場合、ライティングスキルや情報収集能力をアピールできます。この際も、単に「副業をしていた」と書くのではなく、「副業で〇〇のスキルを習得し、貴社の〇〇業務で活かしたい」といった形で、応募企業への貢献度を意識した表現を心がけましょう。
いずれの場合も、記載は事実に基づいて行うことが大前提です。あいまいな表現や虚偽の記載は避けましょう。
志望動機・本人希望欄でポジティブに伝えるコツ
ダブルワークをしている、または希望する場合、志望動機や本人希望欄は、あなたの状況をポジティブに伝え、採用担当者の理解を得るための重要なスペースとなります。
まず、ダブルワークを希望する理由を具体的に伝えましょう。単に「収入のため」だけでなく、「異なる分野のスキルを磨きたい」「社会貢献活動の一環として」「自身の経験を広げたい」といった前向きな理由を添えることで、あなたの向上心や意欲をアピールできます。例えば、「現職での専門性を高めつつ、異なる業界での経験を通じて視野を広げたいと考えており、貴社の業務においても多様な視点から貢献できると確信しております」といった表現が考えられます。
次に、最も大切なのは、本業(応募先の仕事)に支障をきたさないことを明確に伝えることです。「ダブルワークは、本業の定時後や休日に限定して行っており、貴社での業務に支障が出ないよう、自己管理を徹底いたします」といったように、責任感とプロ意識を示す言葉を添えましょう。また、勤務可能な曜日や時間帯に制限がある場合は、それも具体的に記載することで、採用担当者があなたの状況を正確に把握し、ミスマッチを防ぐことができます。
【記載例】
「現在は週に数回、〇〇の副業に従事しております。これは自身の〇〇スキルを向上させる目的で行っており、貴社での業務時間外に限定しております。入社後も本業に支障がない範囲で継続を希望いたしますが、貴社での職務を最優先とし、必要に応じて調整する所存です。貴社での〇〇業務に全力を尽くし、貢献したいと考えております。」
このように、誠実さと同時に、あなたの強みや企業への貢献意欲をアピールすることが、ダブルワークの履歴書を成功させる鍵となります。
履歴書にブランクがあっても大丈夫!主婦の経験もアピールする方法
職務経歴にブランク(空白期間)があると、採用担当者にどう見られるか不安になるかもしれません。しかし、ブランク期間は決してネガティブな要素だけではありません。その期間に得た経験や学びを、あなたの強みとしてアピールするチャンスです。
ブランク期間を隠さずに簡潔に記載する
履歴書にブランクがある場合、最も大切なのは正直に、しかし簡潔に理由を記載することです。虚偽の記載は絶対に避けましょう。たとえ採用されたとしても、後で事実が発覚すれば信頼を失い、最悪の場合は内定取り消しや解雇につながる可能性があります。採用担当者は、空白期間の理由を知りたいのであり、その期間にあなたが何をしていたか、そして現在どのような意欲を持っているかを知りたいのです。
具体的な理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- 学業に専念(大学院進学、専門学校入学など)
- 資格取得のための勉強
- 語学留学や海外での経験
- 介護(親の介護など)
- 出産・育児
- 病気療養
- 転職活動の長期化
これらの理由を職歴欄の該当期間の隣にカッコ書きで記載する、あるいは本人希望欄や備考欄に補足説明をすると良いでしょう。例えば、「20XX年X月~20XX年Y月(育児のため休職)」や「20XX年X月~20XX年Y月(〇〇資格取得のため学習)」のように、具体的かつ簡潔に記載します。
大切なのは、ブランク期間があったこと自体を問題視するのではなく、その期間を通じてあなたがどのように成長し、何を学んだかを伝えることです。自信を持って、あなたのストーリーを語りましょう。
主婦(主夫)経験を職務経歴としてアピールする視点
育児や家事のためにブランクがある主婦(主夫)の方も多くいらっしゃるでしょう。一見すると「仕事」ではないと思われがちな主婦(主夫)経験ですが、実は多岐にわたるスキルが培われています。これらのスキルを、ビジネスシーンで活かせる形に変換してアピールすることが重要です。
例えば、以下のような経験は、立派なビジネススキルとして捉えられます。
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タイムマネジメント・マルチタスク能力:
育児、家事、地域活動などを同時にこなし、限られた時間で多くのタスクを効率的に処理する能力は、多くの職場で求められます。 -
計画性・問題解決能力:
家計管理、献立作成、突発的な子どもの発熱への対応など、計画を立て、予期せぬ問題に臨機応変に対応する力。 -
コミュニケーション能力・交渉力:
PTA活動、地域コミュニティでの交流、子どもの教育機関との連携などで培われる、多様な立場の人々と円滑な人間関係を築く力。 -
予算管理・コスト意識:
家計を預かり、食費や光熱費などのコストを意識して生活を管理する経験は、企業での経費管理にも通じます。
これらのスキルを自己PR欄で具体的に記述し、応募する職種でどのように活かせるかを具体的に示すことが成功の鍵です。例えば、「PTA役員としてイベント企画・運営に携わり、多様な意見を調整しながらプロジェクトを成功させた経験は、貴社でのチームプロジェクト推進に貢献できると確信しております。」のように、具体的なエピソードを交えてアピールしましょう。
ブランク期間で培ったスキルや学びをアピールする方法
ブランク期間中に職務経験がなかったとしても、その期間が無意味だったわけではありません。資格取得のための学習、ボランティア活動、自己啓発、あるいは海外生活など、あなたがその期間に行った活動は、すべてあなたの財産です。これらを履歴書や職務経歴書、面接で積極的にアピールしましょう。
例えば、
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資格取得や語学学習:
「〇〇資格取得のため、ブランク期間中は毎日〇時間学習に取り組みました。この経験から得た計画性と目標達成力は、貴社の〇〇業務でも活かせるものと考えております。」 -
ボランティア活動:
「〇〇のボランティア活動を通じて、傾聴力や課題解決能力を培いました。特に〇〇の経験は、貴社の顧客対応において役立つと確信しております。」 -
病気療養の場合:
「病気療養期間中は、健康管理の重要性を再認識し、日々の生活習慣を見直しました。現在は完治し、業務に全く支障がない状態です。この経験から得た自己管理能力は、健康経営を推進する貴社でこそ活かせるものと考えております。」
このように、ブランク期間に何をして、そこから何を学び、それが応募先の仕事にどう活かせるかを具体的に伝えることが重要です。ネガティブな要素として捉えられがちなブランクも、あなたの成長と意欲を示すポジティブな材料に変えることができます。あなたの「空白期間」が「充電期間」であり、その後のキャリアにどう繋がるのかを明確に伝えましょう。
病歴・病気療養のため:どこまで書く?病院名の記載は必要?
病歴や病気療養の経験を履歴書に記載することは、非常にデリケートな問題です。不利になることを恐れて隠すべきか、正直に伝えるべきか、多くの人が悩むポイントでしょう。しかし、結論から言うと、基本的には業務に支障が出る可能性のある場合は正直に伝えるべきです。ここでは、その書き方と注意点について詳しく見ていきましょう。
正直な情報開示と、業務への影響を明確に伝える
履歴書において病歴を隠すことは、後々のトラブルの元になりかねません。特に、業務遂行に何らかの影響がある場合、それを伏せて入社し、後になって業務に支障をきたせば、会社からの信頼を失い、最悪の場合は解雇の理由となることもあります。誠実な姿勢で臨むことが、結果としてあなた自身を守ることにも繋がります。
重要なのは、「病歴そのもの」よりも「それが現在の業務に支障をきたすかどうか」という点です。もしすでに完治しており、業務に全く支障がないのであれば、健康状態欄に「良好」と記載するだけで問題ありません。しかし、定期的な通院が必要な場合や、特定の作業に制限がある場合などは、その旨を簡潔に伝える必要があります。
具体的な病名や治療法まで詳細に記載する必要は基本的にありません。個人情報保護の観点からも、必要以上に情報を開示する必要はないのです。あなたが伝えるべきは、「現在の健康状態が業務にどう影響するか」という、業務に直結する情報に限定しましょう。
通院の頻度や必要な配慮の伝え方
定期的な通院が必要な場合や、業務時間中に通院が必要な場合は、採用担当者に事前に伝えることで、入社後のミスマッチやトラブルを防ぎ、周囲の協力や理解を得やすくなります。
記載のポイントは以下の通りです。
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簡潔に、客観的に:
感情的にならず、事実のみを簡潔に記載します。 -
頻度と影響:
「月に1回、半日の通院が必要です」のように、具体的な頻度と、それが業務に与える影響(有給休暇の取得や早退など)を伝えます。 -
業務への影響は最小限であること:
「通院は業務時間外または有給休暇を利用して行いますので、業務への支障は最小限に抑えられます」といった形で、配慮を求めるだけでなく、自らも努力する姿勢を見せることも大切です。 -
必要な配慮:
もし特定の作業が困難な場合(例:重い物の持ち運びができない、長時間の立ち仕事が難しいなど)は、それも伝えますが、同時に「代替案」や「可能な業務」も併記することで、ネガティブな印象を和らげることができます。
【記載例】
「過去に〇〇の病気を患いましたが、現在は完治しており、業務に支障はございません。念のため、月に一度、定期検診のため半日程度の通院をしておりますが、有給休暇等を利用し、業務に影響が出ないよう調整いたします。」
このように、具体的な状況と、それに対するあなたの対応策を併せて伝えることで、採用担当者も安心して検討しやすくなります。
病歴を記載する際の注意点と、健康状態欄の活用
履歴書には通常、「健康状態」を記載する欄があります。この欄を適切に活用することが重要です。
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完治している場合:
すでに完治しており、業務に全く支障がない場合は、「良好」と記載すれば問題ありません。過去の病歴について、あえて詳細に書く必要はありません。 -
現在も治療中だが業務に支障がない場合:
健康状態欄に「良好」と記載しつつ、備考欄や本人希望欄に「現在、〇〇のため通院中ですが、業務への支障はございません」のように補足します。この際、病院名の記載は不要です。通院による影響(例:定期的な通院で午前中休みなど)がある場合は、その旨も簡潔に記載しましょう。 -
健康状態欄がない場合:
市販の履歴書の中には健康状態欄がないものもあります。その場合は、本人希望欄や備考欄、あるいは職務経歴書の自己PR欄に、現在の健康状態と業務への影響について簡潔に記載することを検討してください。
大切なのは、採用担当者に不安を与えないように、「業務に責任を持って取り組める状態である」ということを伝えることです。健康状態は個人情報の中でも特にデリケートな情報ですので、必要最低限の情報に留め、面接時に質問があった場合に詳しく説明する準備をしておきましょう。誠実な姿勢で伝えることが、信頼関係を築く第一歩となります。
志望動機との連携:履歴書の空白期間をポジティブに伝えるヒント
履歴書に空白期間がある場合、それを志望動機や自己PRと効果的に連携させることで、ネガティブな印象を払拭し、むしろあなたの強みとしてアピールできます。空白期間は「ブランク」ではなく、「充電期間」や「自己成長期間」だったと捉え、ポジティブなメッセージに変えましょう。
空白期間を強みに変えるストーリーテリング
空白期間があったからこそ得られた経験や成長を、志望動機や自己PRと結びつけ、一つのストーリーとして語ることで、あなたの人間性や学ぶ意欲を効果的にアピールできます。
例えば、介護のために離職した期間があったとします。この期間に培われた傾聴力、相手の状況を察する洞察力、問題解決能力、スケジュール管理能力などは、多くの職種で活かせる貴重なスキルです。これを志望動機に繋げることで、単なるブランクではなく、「人生経験を通じて得た深い洞察力や共感力」として、あなたの強みになります。
【ストーリーテリングの例】
「親の介護で数年間のブランクがございますが、この期間を通じて、相手の小さな変化にも気づき、ニーズを先回りして考える観察力と対応力を身につけました。貴社の顧客サポート業務では、お客様一人ひとりの状況に寄り添い、真に求めている解決策を提供する上で、この経験が必ず活きると確信しております。」
このように、空白期間の経験が、応募先の企業でどのように貢献できるか具体的に示すことで、あなたの言葉に説得力が生まれます。
過去の経験と未来の貢献を紐づける
空白期間に得た経験が、応募職種でどのように活かせるかを具体的に示すことは非常に重要です。単に「経験しました」と述べるだけでなく、それが企業にどのようなメリットをもたらすのかを明確に伝えましょう。
もし資格取得のためにブランクがあったのであれば、「〇〇資格取得のための学習で培った論理的思考力と地道な努力を続ける忍耐力は、貴社の〇〇プロジェクトを成功に導く上で不可欠だと考えます」のように、具体的に貢献できる点をアピールします。
また、病気療養によるブランクであれば、「療養期間中に自身の健康と向き合い、徹底した自己管理能力を身につけました。現在は完全に回復しており、この経験を通じて得た強い精神力と集中力で、貴社の一員として貢献したいと考えております」のように、健康回復と自己管理能力、そして仕事への強い意欲を前面に出すことが大切です。
空白期間の経験を、単なる過去の出来事としてではなく、未来の貢献に繋がる橋渡しとして位置づけることで、採用担当者はあなたのポテンシャルを高く評価してくれるでしょう。
自己成長への意欲をアピールする
空白期間は、キャリアを棚卸しし、将来の方向性を熟考するための貴重な期間だったとポジティブに捉えることができます。この期間に、あなたがどのような自己啓発に取り組み、どのように成長したのかをアピールしましょう。
例えば、
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オンライン学習プラットフォームでスキルを磨いた:
「ブランク期間中に〇〇のオンライン講座を受講し、〇〇に関する最新の知識を習得しました。常に新しいことを学び続ける意欲は、変化の激しい貴社の業界で役立つと信じております。」 -
ボランティア活動を通じて新たな視点を得た:
「〇〇のボランティア活動に参加し、これまで接点のなかった方々と交流することで、多様な価値観を理解し、協調性を深めることができました。この経験は、チームで働く上で不可欠な要素だと考えております。」
このように、空白期間を「立ち止まった期間」ではなく、「次の一歩のための準備期間」として位置づけ、具体的な行動とその成果を伝えることで、あなたの自己成長への意欲や、困難を乗り越える力をアピールできます。採用担当者は、あなたの過去の経験だけでなく、未来への可能性も見ています。自信を持って、あなたの成長ストーリーを語りましょう。
履歴書封筒の書き方:意外と見られている?基本マナーを再確認
履歴書の内容はもちろん重要ですが、封筒の書き方一つで、あなたのビジネスマナーや細やかさが見られます。せっかく素晴らしい履歴書を作成しても、封筒の書き方がずさんでは、第一印象を損ねてしまう可能性も。ここでは、履歴書を送る際の封筒の書き方と、意外と見落とされがちな基本マナーを再確認しましょう。
宛名の書き方:部署名・担当者名の重要性
封筒の宛名は、採用担当者が最初に目にする部分です。正確かつ丁寧に記載することで、あなたの誠実さを伝えることができます。
項目 | 書き方と注意点 |
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会社名 | 略さずに正式名称を記載します。「株式会社」を「(株)」などと略さないようにしましょう。 |
部署名 | 採用を担当する部署名が分かっている場合は、必ず記載します。例:「人事部」や「総務部」。 |
担当者名 | 担当者の氏名が分かっている場合は、氏名の後に「様」を付けます。例:「〇〇様」。氏名が不明な場合は、「採用ご担当者様」と記載します。 |
敬称 | 会社や部署宛ての場合は「御中」を、個人宛ての場合は「様」を使用します。「〇〇株式会社 御中 〇〇様」のように、「御中」と「様」を併用するのは誤りです。 |
縦書きの封筒を使用する場合は、郵便番号を縦書き用の枠に、住所を右から中央にかけて、会社名・部署名・担当者名を中央に大きく、敬称はその右下に小さめに書きます。横書きの封筒の場合は、左上に郵便番号、中央に住所・会社名などを記載します。どちらの場合も、バランス良く丁寧に書くことを心がけましょう。
封筒の表面・裏面への記載事項とポイント
封筒の表面と裏面には、それぞれ以下のような情報を記載します。
【封筒表面】
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郵便番号・住所:
郵便番号は枠内に、住所は都道府県から省略せずに正確に記載します。 -
会社名・部署名・担当者名:
上記で解説した通り、正式名称で丁寧に記載します。 -
「履歴書在中」の記載:
封筒の左下に赤字で「履歴書在中」と記載し、四角で囲みます。これは、受け取った相手に重要な書類が入っていることを知らせ、他の郵便物と混同されるのを防ぐ役割があります。油性ペンではっきり書きましょう。
【封筒裏面】
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自分の郵便番号・住所:
封筒の左下または中央下寄りに、自分の郵便番号と住所を省略せずに記載します。 -
自分の氏名:
住所の下に、自分の氏名を記載します。 -
封緘(封字):
封筒をのりでしっかり封をした後、封の中心に「〆」または「封」の字を書きます。これは「誰も開封していない」ことを示すビジネスマナーです。封字は通常、黒のペンで書きます。
封筒は、履歴書を折らずに入れられる角形2号(A4サイズの書類が折らずに入るサイズ)を使用するのが一般的です。クリアファイルに入れてから封筒に入れることで、雨濡れや折れ曲がりを防ぐことができます。
送付状(添え状)の役割とマナー
履歴書を送る際には、送付状(添え状)を同封するのが一般的なビジネスマナーです。送付状は、単に「何を送ったか」を伝えるだけでなく、あなたの丁寧さや気配り、そして改めて応募への熱意を伝える重要な役割を果たします。
送付状には以下の項目を含めます。
- 日付
- 宛名(会社名、部署名、担当者名)
- 差出人情報(あなたの氏名、住所、連絡先)
- 件名(例:「応募書類送付の件」)
- 拝啓・敬具(頭語と結語)
- 本文(応募の経緯、同封書類の内容、面接のお願いなど)
- 記書き(同封書類の一覧)
送付状は、履歴書、職務経歴書、その他の書類の一番上に重ねて封筒に入れます。書類の順番は、一般的に「送付状 → 履歴書 → 職務経歴書 → その他の書類(ポートフォリオ、資格証明書のコピーなど)」となります。全ての書類をクリアファイルにまとめてから封筒に入れると、より丁寧な印象を与えられます。
これらのマナーを守ることで、採用担当者に好印象を与え、あなたの熱意とプロ意識を伝えることができるでしょう。細部まで気を配り、自信を持って応募書類を送り出してください。
まとめ
よくある質問
Q: ダブルワークの場合、履歴書にはどのように記載するのが良いですか?
A: ダブルワークであることがわかるように、職務経歴欄に記載するのが一般的です。ただし、応募先企業が副業を禁止している場合もあるため、事前に就業規則などを確認することが重要です。
Q: 履歴書にブランク期間がある場合、どのように説明すれば良いですか?
A: ブランク期間については、正直に理由を説明しましょう。主婦であった場合は、家事・育児で培ったコミュニケーション能力や、時間管理能力などをアピールにつなげることができます。
Q: 病歴や病気療養のため履歴書に記載する場合、どこまで詳しく書くべきですか?
A: 詳細な病名や治療内容まで記載する必要はありません。療養期間と、現在では業務に支障がないことを簡潔に伝えれば十分です。場合によっては、診断書などの提出を求められることもあります。
Q: 前職や前々職について、書かないという選択肢はありますか?
A: 原則として、職務経歴は全て記載することが推奨されます。しかし、応募先企業が求める経験やスキルと関連性が低い場合などは、詳細を割愛することもあります。ただし、虚偽の記載は厳禁です。
Q: 履歴書の封筒の宛名に「御中」と「様」の使い分けがわかりません。
A: 部署名や会社名宛ての場合は「御中」、担当者名がわかっている場合は「様」を使います。例えば、「〇〇株式会社 御中」や「〇〇株式会社 採用ご担当者様」のように記載します。