概要: 新卒で初めて履歴書を作成する方向けに、基本的な書き方、写真や文字のルール、よくある疑問を解説します。見本や例文を参考に、自信を持って応募書類を作成しましょう。
新卒の履歴書、何を書く? 基本的な書き方と構成
新卒の皆さん、初めての履歴書作成は戸惑うことも多いですよね。「何を書けばいいの?」「どんなルールがあるの?」といった疑問を一つずつ解決していきましょう。ここでは、履歴書作成の土台となる基本的なルールから、各項目の具体的な書き方、そして採用担当者の心に響く志望動機・自己PRの作成術までを詳しく解説します。
履歴書作成の「基本のキ」:筆記用具から統一ルールまで
履歴書は、あなたを企業に紹介する大切な書類です。その第一歩として、作成の基本ルールをしっかりと押さえることが肝心です。まず、筆記用具は「黒のボールペンまたは万年筆」を使用しましょう。消せるボールペンや鉛筆、シャープペンシルはNGです。誤字脱字があった場合でも、修正液や修正テープの使用は避け、新しい履歴書に書き直すのが鉄則。これは、提出書類に対する誠実さを示すためです。また、誤字、脱字、略字、略語は避け、丁寧で正確な言葉遣いを心がけてください。空欄は「記入漏れ」と見なされかねません。記載することがない場合は「特になし」と記入し、右寄せで「以上」と記載するようにしましょう。
さらに、履歴書全体で表記の統一も重要です。日付や学歴の記載には、元号(和暦)または西暦のどちらかに統一し、一貫性を持たせましょう。日付は、郵送の場合は投函日、面接で手渡しする場合は提出当日の日付を記入するのが基本です。古い履歴書の使い回しは、日付のずれが生じるため厳禁。応募企業ごとに内容を調整し、必要であればコピーを取っておくことをお勧めします。テンプレートはJIS規格や厚生労働省推奨のものを選ぶと、見やすく必要な情報が過不足なく記載できます。Word、Excel、PDF形式のテンプレートが利用可能です。手書きの場合はPDF形式のテンプレートを印刷して使用すると良いでしょう。PCで作成する場合、フォントは明朝体などビジネスシーンに適したものを選び、サイズは10.5〜11pt程度で統一すると読みやすさが格段に向上します。
主要項目の具体的な書き方:学歴・職歴から本人希望まで
履歴書の各項目には、それぞれ書き方のポイントがあります。基本情報として、日付は郵送の場合は投函日、面接で手渡しする場合は提出当日の日付を記入します。年齢は、提出日時点の満年齢を正確に記入してください。学歴は中学校卒業から記入するのが一般的です。学校名は「〇〇高校」のように略さず、「〇〇高等学校」と正式名称で記載しましょう。入学・卒業年月も正確に記入します。
新卒の方の場合、職歴は「なし」と記入するのが一般的です。もしアルバイト経験などがある場合でも、基本的には職歴欄には記入しません。免許・資格欄には、取得年月と合わせて正式名称で記入します。例えば、「普通自動車第一種運転免許」などです。現在勉強中の資格があれば、「〇〇資格取得に向けて勉強中」と記載することも、学習意欲や向上心のアピールになります。
そして、多くの人が悩むのが志望動機と自己PRでしょう。履歴書ではスペースが限られているため、それぞれ100〜200文字程度に簡潔にまとめるのが目安です。企業が求める人物像を理解し、自分の強みや経験がどのように活かせるのか、具体的なエピソードを交えて伝えることが重要です。複数の企業に応募する場合でも、企業ごとに内容を調整し、その企業への熱意をアピールしましょう。本人希望記入欄は、特別な希望がない限り「貴社規定に従います」と記入するのが一般的です。新卒の場合は特に謙虚な姿勢が求められるため、この表現が無難です。
差がつく!志望動機・自己PRの作成術と文字数目安
履歴書の中でも、採用担当者が最も注目する項目の一つが志望動機と自己PRです。ここでいかに自分をアピールできるかが、選考通過の鍵を握ります。新卒の志望動機では、以下の4つの要素を盛り込むと効果的です。
- 結論:「なぜこの企業で働きたいのか」をまず端的に示す。
- 背景・動機:その結論に至った具体的な経験やきっかけを説明。
- その企業でなければならない理由:数ある企業の中からなぜこの企業を選んだのか、企業独自の魅力と自分の目標を結びつけて語る。
- 入社後の意気込み:入社後にどのように貢献したいか、将来の展望を具体的に示す。
これらの要素を、PREP法(Point-Reason-Example-Point)を活用して構成すると、論理的で説得力のある文章になります。具体的なエピソードを交えることで、他の就活生との差別化を図り、あなたの熱意や個性採用担当者に伝わりやすくなります。
企業が志望動機や自己PRで評価する点は、主に「企業が求める人物像と自身の強みが合致しているか」という点です。そのため、入念な企業研究が不可欠です。企業のビジョン、事業内容、社風などを深く理解し、自分が持つスキルや強みがその企業でどのように貢献できるかを具体的にアピールしましょう。履歴書の自己PRはスペースが限られているため、自身の最もアピールしたい強みを一つに絞り、簡潔に提示する必要があります。例えば、「私の強みは〇〇です。学生時代の〇〇の経験でその強みを活かしました」といった形式で、具体的な行動と成果を簡潔にまとめます。一方で、エントリーシート(ES)の自己PRは、より詳細な自己分析に基づき、自身の経験や強みが企業にどう関連するかを深く掘り下げて記載することが求められます。履歴書で興味を持たせ、ESでさらに深掘りしてもらう、という意識で臨むと良いでしょう。テンプレートや例文を参考にしつつも、自分の言葉でオリジナリティを出すことが重要です。
履歴書「写真」のルールとは? 昔の写真でも大丈夫?
履歴書に貼る写真は、あなたの第一印象を左右する重要な要素です。「たかが写真」と軽視してはいけません。採用担当者は写真から、あなたの清潔感や真面目さ、そして入社への意欲を感じ取ります。ここでは、好印象を与える写真のルールと、「昔の写真」がなぜNGなのかについて詳しく解説します。
履歴書写真の基本ルール:鮮度と印象が決め手
履歴書に貼る写真は、あなたの顔写真であり、同時にビジネスマナーを示す顔でもあります。基本となるのは、「3ヶ月以内に撮影されたもの」というルールです。これは、現在のあなたの容姿と写真に写っている姿が一致していることを保証するためであり、本人確認の正確性を保つ上で非常に重要です。たとえ少し前のものでも、髪型や顔つきに変化がある場合は新しい写真を準備しましょう。写真には、明るい表情で清潔感のある服装・髪型で写ることが求められます。表情は口角を少し上げ、自然な笑顔を意識すると、親しみやすく、前向きな印象を与えられます。
また、万が一履歴書から写真が剥がれてしまった場合に備え、写真の裏には氏名と学校名を記入しておくのがマナーです。これにより、どの履歴書のものかすぐに判別でき、紛失を防ぐことができます。写真のサイズは一般的に縦4cm×横3cmです。写真館や証明写真機で撮影する際は、履歴書用であることを伝えると適切なサイズで用意してくれます。以下のような写真はNGとされます。
- スナップ写真やプリクラ
- 表情が暗い、無表情、過度な笑顔
- 清潔感のない服装や髪型
- 画質が粗い、加工されたもの
- 背景がごちゃごちゃしている、風景が写り込んでいる
写真一枚であなたの印象が決まってしまうこともあるため、細心の注意を払って準備しましょう。
好印象を与える服装・髪型・表情のポイント
履歴書写真で好印象を与えるためには、服装、髪型、表情の三つのポイントを意識することが大切です。まず服装ですが、新卒の場合は基本的にスーツを着用します。男性はネクタイを締め、ジャケットを着用しましょう。シャツの襟元が乱れていないか、ネクタイが曲がっていないか確認が必要です。女性はブラウスまたはカットソーを着用し、ジャケットを羽織ります。ボタンの位置や襟元が開きすぎていないか、清潔感があるかを確認してください。色は、紺やグレー、黒といった落ち着いた色が望ましいです。
次に髪型です。男女ともに顔にかからないよう、清潔感を最優先しましょう。前髪は目にかからないようにし、サイドの髪も耳にかけるか、すっきりとまとめるのが良いでしょう。長い髪は、後ろで一つに結ぶか、ハーフアップにして顔周りをすっきりと見せることが大切です。寝癖やカラーリングが派手すぎるものは避け、自然で清潔感のあるスタイルを心がけてください。男性は、髭をきれいに剃り、短髪で整えるのが一般的です。
そして、最も重要なのが表情です。自然な笑顔は、明るく前向きな印象を与えます。具体的には、口角を少しだけ上げることを意識し、歯は見せない程度が良いでしょう。目線はまっすぐカメラに向け、自信と誠実さを感じさせる表情を作りましょう。緊張してしまうかもしれませんが、事前に鏡の前で練習したり、リラックスできる環境で撮影したりすると良い写真が撮れるはずです。背景は白、水色、グレーなどの無地でシンプルなものを選び、人物が際立つようにしましょう。写真館でのプロによる撮影は、これらのポイントを熟知しているため、最も確実で好印象を与える方法と言えます。
「昔の写真」がなぜダメなの? 避けたいNG例
履歴書に「昔の写真」を使用することは、多くの採用担当者から「使い回し」「手抜き」「熱意不足」と判断されてしまうため、絶対に避けるべきです。なぜ昔の写真がダメなのでしょうか。その理由はいくつかあります。
まず、一番の理由は「現在の容姿と異なる可能性がある」からです。人は時間の経過とともに髪型、顔つき、体型などが変化します。数年前の写真では、現在のあなたの姿と大きく異なることがあり、採用担当者が実際に会ったときに「写真と違う」と感じてしまう可能性があります。これは本人確認の際に混乱を招くだけでなく、企業に対する不信感につながりかねません。特に、面接官が履歴書を見て本人確認を行う際、写真が古いとスムーズに進まないことがあります。
次に、使い回しによる「熱意不足」の印象を与えてしまうことです。履歴書は応募企業ごとに丁寧に作成することが求められる書類です。写真も例外ではなく、その企業に応募するために新しく用意した、という姿勢が大切です。昔の写真を使い回すことは、「この応募者は今回の選考に真剣ではない」「他の企業への応募で使ったものをそのまま使っている」という印象を与え、結果として企業への志望度が低いと判断されてしまうリスクがあります。
さらに、写真自体が持つ「雰囲気の古さ」も問題となる場合があります。数年前の写真では、当時の流行の髪型や服装をしていることがあり、現代のビジネスカジュアルな服装やトレンドと異なる印象を与えることがあります。これは、あなたの時代感覚が古いと受け取られる可能性も秘めています。また、画質が劣化していたり、スナップ写真や加工された写真を使用することは、そもそもビジネスマナーとして適切ではありません。Web応募の場合でも、適切なファイル形式(JPEGやPNG)で、適切なサイズ(〇〇KB以内など指定がある場合が多い)に調整された、3ヶ月以内に撮影したプロ仕様のデータを使用するようにしましょう。履歴書写真は、あなたが選考に臨む真剣な態度を示すものです。手間を惜しまず、最新で最高の印象を与える写真を用意してください。
履歴書「文字」の大きさ・フォント・書き方で印象UP!
履歴書は、その内容はもちろんのこと、「文字」そのものが与える印象も非常に重要です。手書きかPC作成かによって注意点も異なりますが、共通して言えるのは「読みやすさ」が最も大切だということです。ここでは、文字の選び方や書き方で採用担当者に好印象を与えるためのコツを解説します。
手書きとPC作成:それぞれの「文字」の注意点
履歴書を作成する際、手書きかPC作成かで「文字」に対する注意点が異なります。手書きの場合、最も重要なのは「丁寧さ」です。一字一句、心を込めて楷書で読みやすく書きましょう。乱雑な文字や走り書きは、書類作成への意識の低さ、ひいては仕事に対する姿勢のいい加減さにつながると判断されかねません。文字の大きさを統一し、行がまっすぐになるように意識すると、より丁寧な印象になります。使用する筆記用具は黒のボールペンまたは万年筆に限定し、薄すぎるインクや色付きのインクは避けましょう。
一方、PCで作成する場合、文字の均一性や読みやすさは自動的に確保されますが、「フォント選び」と「文字サイズ」が重要になります。フォントは、ビジネス文書にふさわしい「明朝体」を選ぶのが一般的です。例えば「MS明朝」や「游明朝」など、読みやすく清潔感のあるフォントを選びましょう。奇抜なフォントや装飾的なフォントは、ビジネスシーンには不適切とされます。文字サイズは、履歴書全体で10.5〜11pt程度に統一すると、視認性が高く、すっきりとまとまった印象になります。項目名や見出し部分を少し大きくしたり、太字にしたりして、メリハリをつけるのも効果的です。どちらの作成方法でも、誤字脱字がないか複数回にわたるチェックを徹底することが不可欠です。
読みやすい文字の大きさ・フォント選びのコツ
履歴書における「読みやすさ」は、採用担当者があなたの情報をスムーズに理解するために不可欠です。PC作成の場合、フォント選びは特に重要です。最も推奨されるのは、「明朝体」です。明朝体は縦線と横線の太さに強弱があり、筆文字に近い形状をしているため、日本語の文章を構成するのに適しており、ビジネス文書で広く使われています。シャープで知的な印象を与え、長文でも目が疲れにくいという特徴があります。ゴシック体も読みやすいフォントですが、履歴書では明朝体の方がよりフォーマルな印象を与えます。
文字サイズは、履歴書全体で10.5ptから11pt程度で統一すると、バランスが良く、読みやすいでしょう。ただし、履歴書のテンプレートによっては、学歴・職歴欄など情報量が多くなりがちな部分で、少し小さめのフォント(例:9ptや10pt)が推奨されることもあります。重要なのは、各項目内の情報が窮屈に見えないこと、そして一貫性があることです。見出し部分(氏名や各項目タイトル)は本文よりも少し大きめのフォントサイズ(例:12ptや14pt)にしたり、太字(タグ)を使用したりして、メリハリをつけるとさらに視認性が向上します。行間や文字間隔も、詰まりすぎず、かといって広すぎないよう、テンプレートのデフォルト設定を基本にしつつ、適宜調整することで、視覚的に整った印象を与えられます。手書きの場合も、字の大きさや文字と文字の間隔を意識し、行間も適切にとることで、読みやすい履歴書を作成できます。
「書き方」で差をつける!丁寧さと熱意の伝え方
履歴書の「書き方」は、あなたの個性や誠実さを伝える貴重な手段です。手書きの履歴書であれば、丁寧な文字そのものが、あなたの誠実さや几帳面さをアピールします。文字が上手である必要はありませんが、一画一画を丁寧に書く姿勢は、読み手に良い印象を与えます。特に、誤字脱字がないように細心の注意を払い、清書の前には必ず鉛筆で下書きをするなどの工夫を凝らすと良いでしょう。これにより、書き損じを防ぎ、最終的にきれいな履歴書を提出することができます。
PC作成の場合でも、レイアウトや文章構成に工夫を凝らすことで、丁寧さと熱意を伝えることができます。例えば、自己PRや志望動機などの自由記述欄では、長文になりがちな内容を箇条書き(
- タグ)を活用して情報を整理したり、適切な改行(<br>タグではなく、<p>タグでの段落分け)を入れて読みやすい段落構成にしたりすると効果的です。特にアピールしたいポイントやキーワードは、太字(タグ)で強調することで、採用担当者の目に留まりやすくなります。句読点の使い方や、段落の始まりを揃えるなど、細かい部分にも気を配ることで、全体として整った印象を与えられます。
- 鉛筆で下書きをする: 特に志望動機や自己PRなどの自由記述欄は、鉛筆で軽く下書きをしてから清書すると、バランスや誤字脱字の確認がしやすくなります。
- 集中して書く: 集中力が途切れるとミスが増えやすくなります。静かな環境で、一度にまとめて書く時間を確保しましょう。
- 声に出して確認する: 記入後に内容を声に出して読むことで、目で追うだけでは気づかない誤字脱字や不自然な表現を発見しやすくなります。
- 第三者にも確認してもらう: 自分では完璧だと思っていても、他の人に見てもらうことで新たな間違いが見つかることがあります。
- 間違えた箇所に二重線を引きます。
- 二重線にかかるように訂正印(認印で可、シャチハタは避ける)を押します。
- 二重線と訂正印の近くに正しい文字を記入します。
- 読みやすさ: フォントや文字の大きさが均一で、読みやすい仕上がりになります。
- 修正の容易さ: 誤字脱字があった場合でも、簡単に修正・編集が可能です。
- 効率性: 基本情報を一度作成すれば、志望動機や自己PRなどを企業ごとに調整するだけで済み、効率的に作成できます。
- 保管・共有: データとして保存できるため、管理がしやすいです。
- 熱意が伝わる: 一字一句丁寧に書かれた手書きの履歴書は、その人の誠実さや熱意が伝わりやすいと評価されることがあります。
- 個性の表現: 文字を通して、あなたの人柄や丁寧さをアピールすることができます。
- ベースを作成する: PCで履歴書のフォーマットと基本的な個人情報(氏名、住所、学歴など)を作成しておきます。
- 企業ごとにカスタマイズ: 志望動機や自己PR、本人希望記入欄などは、応募する企業ごとに企業研究を徹底的に行い、内容を調整します。その企業の事業内容、企業文化、募集職種で求められるスキルなどに合わせて、具体的なエピソードを交えながら記述しましょう。
- 日付の調整: 提出する直前に、正確な日付に更新します。
また、履歴書全体を通して「余白」を意識することも大切です。余白がないほど情報を詰め込みすぎると、圧迫感を与え、読みにくい印象を与えてしまいます。適度な余白は、情報を整理して見せる効果があり、読み手にとって快適な読書体験を提供します。下書きの段階で、文章量とレイアウトのバランスを確認し、読み手のことを考えた「書き方」を追求することで、あなたの熱意や配慮が伝わる履歴書を作成できるでしょう。
履歴書、間違えたら? 修正方法と注意点
履歴書を書いていて、うっかり書き間違えてしまった!そんな時、どうすれば良いのでしょうか。履歴書は公的な書類であり、採用選考における重要な判断材料です。安易な修正は、あなたの印象を大きく損ねてしまう可能性があります。ここでは、履歴書を間違えてしまった場合の正しい対処法と、注意点について解説します。
基本は「書き直し」!修正液・修正テープはNG
履歴書を書き間違えてしまった場合、まず心に留めておくべきは「基本は新しい履歴書に書き直す」ということです。特に、修正液や修正テープの使用は絶対にNGとされています。これは、履歴書が正式な書類であるため、修正液などによる訂正は「改ざん」の疑いを招く可能性があるからです。また、修正された箇所は見た目にも良くなく、あなたの書類作成に対する意識の低さや、仕事の丁寧さに欠ける印象を与えてしまいます。採用担当者は、そのような細部からも応募者の人柄や仕事ぶりを読み取ろうとします。
修正液・修正テープの使用は、履歴書という書類の信頼性を損なう行為であり、ビジネスマナーとしても不適切です。企業は、応募者が提出する書類に対して、正確性、丁寧さ、そして誠実さを求めます。書き間違いを修正液でごまかす行為は、これらの要素に反すると判断されかねません。手間がかかるかもしれませんが、完璧な状態の履歴書を提出することこそが、あなたの誠実さをアピールする最善の方法です。
PCで履歴書を作成している場合は、修正は非常に簡単です。誤字脱字を見つけたら、すぐに修正し、印刷し直すだけです。この手軽さから、PC作成の履歴書では、より一層の正確性が求められます。印刷前に何度も見直し、誤字脱字がないか、情報に誤りがないかを徹底的に確認するようにしましょう。
手書きで間違えた場合の正しい対処法と心構え
手書きの履歴書で書き間違いをしてしまった場合、唯一にして最善の対処法は、新しい履歴書に最初から書き直すことです。一文字の間違いであっても、修正液や修正テープを使用するくらいなら、迷わず書き直しましょう。この手間を惜しまない姿勢こそが、採用担当者に対してあなたの真面目さ、丁寧さ、そして入社への熱意を伝えることにつながります。
書き直しが必要になった時のために、履歴書用紙は複数枚用意しておくことを強くお勧めします。特に、市販の履歴書セットには通常1枚しか入っていないことが多いため、予備を用意しておくと安心です。また、履歴書作成にはある程度の時間を要するため、締め切りギリギリではなく、十分な時間的余裕を持って作成に取りかかるようにしましょう。焦って書くとミスが増えやすくなります。
書き間違いを防ぐための心構えとして、以下の点を意識してみてください。
これらの工夫を通じて、書き直しを最小限に抑え、完璧な履歴書を目指しましょう。
「やむを得ず」訂正印を使うケースとその手順(非推奨)
履歴書で訂正印を使用することは、極力避けるべきであり、原則としては「書き直し」が最優先です。しかし、本当に「やむを得ない」緊急時(例:締め切り直前で新しい履歴書が手元にない、印刷し直す時間がないなど)に限り、最終手段として訂正印を使用することを検討する場合があります。ただし、この方法は採用担当者からの評価を下げる可能性が非常に高いことを理解しておく必要があります。
もし、どうしても訂正印を使用しなければならない状況になった場合でも、その手順は正しく行う必要があります。公的文書における訂正印の正しい使用方法は以下の通りです。
ただし、この方法はあくまで緊急時の対応であり、履歴書のような採用選考の書類では、その「やむを得ない」状況自体が、計画性や注意力に欠けるという印象を与えかねません。多くの企業は、訂正された履歴書を受け取った場合、「この応募者は細部への注意が足りない」「書類作成に対して誠実さに欠ける」といったマイナス評価を下す可能性が高いです。特に新卒採用においては、社会人としての基礎的なマナーや丁寧さが見られているため、訂正印の使用は大きなマイナス要素となり得ます。
結論として、履歴書で訂正印を使用することは非推奨です。いかなる状況でも、完璧な状態の履歴書を提出することを目指し、そのためにも十分な準備期間を設け、余裕を持って作成に取り組むことが最も賢明な選択と言えるでしょう。提出前に必ず複数回見直し、誤字脱字がないかを確認する習慣をつけましょう。
新卒が知っておきたい!履歴書作成のよくある質問
履歴書作成は、多くの新卒の方にとって初めての経験であり、様々な疑問が湧いてくることでしょう。ここでは、履歴書作成に関するよくある質問をQ&A形式で解説し、皆さんの疑問を解消します。自信を持って履歴書を完成させましょう。
Q1. PC作成と手書き、どっちがいいの?
履歴書をPCで作成するか、手書きにするかという質問は、多くの方が抱える疑問です。結論から言うと、基本的にはどちらでも問題ありません。最も大切なのは、応募先の企業がどちらを指定しているかを確認し、その指示に従うことです。特に指定がない場合は、それぞれのメリット・デメリットを理解し、あなたに合った方法を選ぶと良いでしょう。
PC作成のメリット:
手書きのメリット:
最近ではPC作成が主流になりつつありますが、企業や業界によっては手書きを好む場合もあります(例:伝統的な業界、人柄を重視する中小企業など)。迷った場合は、「読みやすさ」と「内容の質」が最重要であることを忘れずに、PC作成を選ぶ方が無難でしょう。どちらの方法を選ぶにしても、誤字脱字がないか、丁寧で分かりやすい内容になっているかを徹底的に確認してください。
Q2. 空欄はNG?「特になし」はどう書く?
履歴書で空欄を見つけると、「何か書くべきなのだろうか?」と悩むことがありますよね。しかし、履歴書に空欄を作るのは基本的にNGです。空欄は「記入漏れ」と見なされ、書類作成の不備や、あなたの不注意な印象につながる可能性があります。記載すべき項目がない場合でも、何も書かずに空白のまま提出することは避けましょう。
例えば、職歴がない新卒の方の場合、職歴欄は「なし」と記入します。免許・資格欄で、特に記載する資格がない場合は、「特になし」と記入するのが適切です。この際、単に「特になし」と書くだけでなく、その右下に「以上」と右寄せで記載することで、その欄の記述がそこで終わりであることを明確にするのがビジネスマナーです。この「以上」の記載は、職歴欄など、複数の項目を記述する欄で、最後に記述する項目が終わったことを示す際にも活用されます。
また、本人希望記入欄についても、特別な希望(勤務地、職種など譲れない希望)がない限り、「貴社規定に従います」と記入するのが一般的です。新卒の場合、この欄に過度な希望を書きすぎると、柔軟性に欠ける印象を与えてしまう可能性があります。記載することがない場合でも、適切に「特になし」や「貴社規定に従います」と記述することで、丁寧に書類作成に取り組んでいる姿勢を示すことができます。空白を作らず、すべての欄を埋めることを意識しましょう。
Q3. 複数の企業に応募する際、履歴書は使い回しできる?
複数の企業に同時応募する際、「履歴書を使い回して良いのだろうか?」という疑問は当然湧いてくるものです。しかし、結論から言うと、履歴書の使い回しは基本的にNGです。
最も大きな理由の一つは、日付のずれです。履歴書に記入する日付は、郵送の場合は投函日、面接で直接手渡しする場合は提出当日の日付を記入するのが正しいマナーです。複数の企業に応募する場合、提出日がそれぞれ異なるため、使い回しをすると日付が異なり、企業側に「使い回しだ」とすぐに気づかれてしまいます。これは、書類作成の手抜きと判断され、あなたの応募に対する熱意が低いと見なされる原因となります。
さらに重要なのは、志望動機や自己PRの内容です。使い回しの履歴書では、それぞれの企業に合わせた具体的な志望動機や、企業が求める人物像に合わせた自己PRを記述することができません。採用担当者は、自社への入社意欲の高さや、自社で活躍できる人材かどうかを判断するために、応募者の志望動機や自己PRを重視します。汎用的な内容では、企業の目に留まることは難しく、他の応募者との差別化も図れません。
効果的な履歴書作成のためには、以下の方法を推奨します。
このように、手間はかかりますが、企業ごとにカスタマイズされた履歴書を提出することで、企業への真剣な姿勢と熱意を効果的にアピールすることができます。これが、選考を突破し、内定を勝ち取るための重要なステップとなるでしょう。
まとめ
よくある質問
Q: 新卒の履歴書で最も重要な項目は何ですか?
A: 学歴・職歴欄はもちろんですが、自己PR欄や志望動機欄が特に重要です。あなたの強みや入社意欲を具体的に伝えられるように工夫しましょう。
Q: 履歴書に貼る写真はいつ撮ったものでも良いですか?
A: 原則として、3ヶ月以内に撮影したものが望ましいです。清潔感のある服装で、表情も明るく写っている写真を選びましょう。昔の写真で印象が変わっている場合は、新しく撮り直すのがおすすめです。
Q: 履歴書の文字の大きさやフォントに指定はありますか?
A: 特に指定がない場合、一般的には10.5pt~12pt程度が読みやすいとされています。手書きの場合は、丁寧で読みやすい字を心がけましょう。フォントは、明朝体やゴシック体など、オーソドックスなものを選ぶのが一般的です。
Q: 履歴書の文字を間違えてしまった場合、どうすれば良いですか?
A: 手書きの場合は、修正液や修正テープは使用せず、新しい用紙に書き直すのが基本です。どうしても修正が必要な場合は、訂正印を押す方法もありますが、企業によってはNGの場合もあるため、書き直しが最も安全です。
Q: 履歴書で「よろしくお願いいたします」という言葉はいつ使いますか?
A: 手書きの履歴書の場合、最終ページの右下(または左下)に「以上」と記載した後に、その下に「履歴書在中」と記載することが一般的です。また、添え状に記載する際にも使用します。履歴書本文中に直接「よろしくお願いいたします」と書く必要はありません。