転職や新卒での応募において、履歴書はあなたの第一印象を決める重要な書類です。採用担当者に「会ってみたい」と思わせる履歴書を作成するための基本を、フォーマット、書き方、フォント・サイズに分けて徹底解説します。

  1. 応募書類を制する者が選考を制す!履歴書作成の重要性
    1. 履歴書は「あなた」の第一印象を決める名刺代わり
    2. 採用担当者が履歴書で重視する3つのポイント
    3. 「会ってみたい」と思わせる履歴書作成のステップ
  2. 【目的別】履歴書フォーマット・テンプレートの選び方(Numbers活用術も)
    1. 手書きorPC?状況に応じた最適な形式の選び方
    2. サイズ・テンプレートの選び方で差をつける!
    3. Numbersで履歴書をスマートに作成するコツ
  3. 採用担当者の目を引く!履歴書の基本項目と書き方のコツ(見本・早見表活用)
    1. 基本情報欄は「正確性」と「清潔感」が命
    2. 学歴・職歴は「正確」かつ「一貫性」を持って
    3. 免許・資格、本人希望欄で「アピール」と「配慮」を両立
  4. 未経験・転職者のための志望動機!熱意を伝える書き方
    1. 結論ファーストで相手の心を掴む志望動機の構成
    2. 企業への貢献を具体的に!経験と熱意の伝え方
    3. 自己PRは「エピソード」と「数字」で説得力を高める
  5. 履歴書作成でよくある疑問を解決!フォント・丸の囲み方など
    1. 「見やすい」を追求!フォントと文字サイズの黄金比
    2. これで完璧!誤字脱字チェックと空白期間の対処法
    3. 「希望」の丸の囲み方から提出時のマナーまで
  6. まとめ
  7. よくある質問
    1. Q: 履歴書は手書きとPC入力、どちらが良いですか?
    2. Q: 履歴書フォーマットはどこで手に入りますか?
    3. Q: 履歴書の「職務経歴」欄には何を書けばいいですか?
    4. Q: 未経験職種への応募で、志望動機はどう書けばいいですか?
    5. Q: 履歴書で使うフォントに決まりはありますか?

応募書類を制する者が選考を制す!履歴書作成の重要性

履歴書は「あなた」の第一印象を決める名刺代わり

履歴書は、採用担当者が応募者と初めて接する「顔」となる書類です。あなたがどれだけ優れたスキルや経験を持っていても、履歴書の内容が不十分であれば、面接の機会すら得られない可能性もあります。
第一印象が悪いと、その後の選考で挽回するのが難しくなるため、履歴書作成は選考プロセスにおいて最も重要なステップの一つと言えるでしょう。
丁寧で分かりやすい履歴書は、単にあなたの情報を伝えるだけでなく、「この応募者は仕事にも丁寧に取り組むだろう」「細部にも気を配れる人物だ」というポジティブな印象を与え、書類選考の通過率を大きく左右します。

例えば、誤字脱字が多かったり、修正液が使われていたりする履歴書は、どれだけ内容が良くても「注意力が散漫」「仕事が雑」といったマイナスイメージに直結します。
PC作成の場合でも、フォントやレイアウトの乱れは「ビジネス文書の基本ができていない」と判断されかねません。
履歴書は、あなたのスキルや経験だけでなく、人間性やビジネスパーソンとしての姿勢をも映し出す鏡なのです。

採用担当者が履歴書で重視する3つのポイント

採用担当者は、多くの応募書類に目を通す中で、効率的に応募者の評価を行います。
その際に特に重視するポイントは、主に以下の3点です。

  1. 基本情報と形式の正確性・統一性:
    日付、氏名、住所などの基本情報が正確か、誤字脱字はないか、元号・西暦表記が統一されているかなどを確認します。
    写真は清潔感があり、本人と一致しているか、印鑑は適切に押されているかなどもチェックされます。
    これらの情報が不正確だと、信頼性に疑問符が付きます。
  2. 応募企業へのマッチ度・貢献意欲:
    志望動機や自己PRを通して、応募者が企業の理念や事業内容を理解しているか、企業文化に合致しそうか、そして何よりも「入社後、どのように会社に貢献してくれるのか」という点を重視します。
    単なる「やる気」だけでなく、具体的なスキルや経験、熱意が伝わるかどうかが鍵です。
  3. 書類全体の完成度と読みやすさ:
    レイアウトは整っているか、フォントは適切か、文章は簡潔で分かりやすいかといった点も評価の対象です。
    採用担当者がストレスなく読めるように配慮された履歴書は、それだけで「相手への配慮ができる人」という印象を与えます。
    情報が詰め込みすぎず、重要なポイントが際立っているかどうかも重要です。

これらのポイントを意識して作成することで、採用担当者の目に留まり、「会ってみたい」と思わせる履歴書に一歩近づきます。

「会ってみたい」と思わせる履歴書作成のステップ

魅力的な履歴書を作成するには、単に項目を埋めるだけでなく、戦略的なアプローチが必要です。
ここでは、採用担当者の心を掴むための具体的なステップをご紹介します。

  1. 徹底した自己分析と企業研究:
    まず、自身の強み、弱み、経験、スキル、そして将来の目標を明確にしましょう。
    次に、応募企業の事業内容、企業理念、求める人物像、業界での立ち位置などを深く調べます。
    自己分析と企業研究をかけ合わせることで、「なぜこの会社で働きたいのか」「自分の何がこの会社で活かせるのか」という明確な志望動機と自己PRが生まれます。
  2. 戦略的な情報整理と記述:
    自己分析と企業研究で得た情報を基に、履歴書で何を伝え、何を強調するかを戦略的に整理します。
    特に、志望動機や自己PRの項目では、結論から述べ、具体的なエピソードや成果(可能な場合は数字)を交えて説得力を持たせることが重要です。
    応募企業が求める人物像に合わせて、アピールするポイントを調整しましょう。
  3. 第三者によるチェックと推敲:
    履歴書が完成したら、一度時間を置いてから読み返すか、友人やキャリアアドバイザーなど第三者にチェックを依頼しましょう。
    誤字脱字はもちろん、文章の分かりやすさ、論理の一貫性、そして企業への熱意が伝わる内容になっているかなど、客観的な視点から評価してもらうことで、自分では気づかない改善点が見つかります。
    複数回の推敲を重ねることで、履歴書の完成度は格段に向上します。

これらのステップを踏むことで、単なる事実の羅列ではない、「あなたらしさ」と「企業への貢献意欲」が伝わる、魅力的な履歴書が完成します。

【目的別】履歴書フォーマット・テンプレートの選び方(Numbers活用術も)

手書きorPC?状況に応じた最適な形式の選び方

履歴書の作成形式には「手書き」と「PC作成」の2種類があります。
どちらを選ぶべきかは、企業の指示やあなたの状況によって最適なものが異なります。

  • PC作成のメリット・デメリット:
    • メリット:
      修正が容易で、誤字脱字があってもすぐに直せるため、完璧な履歴書を作成しやすいです。
      また、文字が均一で読みやすく、テンプレートを活用すれば効率的に作成できます。
      複数企業に応募する場合も、企業ごとに内容を調整しやすい利点があります。
    • デメリット:
      手書きのような「人柄」や「熱意」が伝わりにくいと感じる採用担当者も一部にはいます。
      特に、応募企業が老舗企業や伝統を重んじる業界の場合、手書きを好む傾向があるため、注意が必要です。
  • 手書きのメリット・デメリット:
    • メリット:
      丁寧な字で書かれた手書きの履歴書は、「真剣さ」「誠意」「個性」を伝えやすいという強みがあります。
      特に、きめ細やかな作業や人柄を重視する職種では好印象を与えやすいでしょう。
    • デメリット:
      誤字脱字があった場合の修正が難しく、一から書き直す手間がかかります。
      文字の美しさも問われるため、苦手な人には負担が大きいかもしれません。

どちらを選ぶにしても、最優先すべきは企業の指示です。
「手書きで」と指定があれば必ず手書きで、「PC作成で」とあればPCで作成しましょう。
特に指示がない場合は、読みやすさや修正のしやすさからPC作成が一般的ですが、応募する企業の業界や文化に合わせて判断することが重要です。

サイズ・テンプレートの選び方で差をつける!

履歴書のサイズとテンプレート選びも、あなたの履歴書の印象を大きく左右します。

履歴書のサイズ

  • A4サイズ:
    一般的なビジネス文書のサイズであり、職務経歴書や送付状とサイズを統一しやすいというメリットがあります。
    情報量もB5より多めに記載できるため、転職者やアピールしたい経験が多い新卒者におすすめです。
    ファイルにまとめる際も管理しやすく、多くの企業で問題なく受け入れられます。
  • B5サイズ:
    A4よりも一回り小さく、情報量をコンパクトにまとめる必要がある場合に適しています。
    新卒や経験が少ない場合など、空白が目立つのを避けたい場合に選ばれることもあります。
    しかし、職務経歴書がA4の場合、サイズが混在して管理しにくくなることがあるため、基本的にはA4で統一する方が無難です。

企業からの指定がない限り、A4サイズを選ぶのが一般的で、最もおすすめです。

テンプレートの選び方

履歴書のテンプレートには、JIS規格のものから一般用、転職者用、アルバイト用など多種多様なものがあります。
自分に合ったテンプレートを選ぶことで、あなたの強みを最大限にアピールできます。

  • JIS規格:
    最もシンプルで、学歴・職歴欄が大きく設けられているのが特徴です。
    新卒者や、職歴を詳細に記載したい方に適しています。
  • 一般用:
    JIS規格よりも自己PRや志望動機欄が充実しているものが多く、アピールしたいポイントに合わせて選べます。
    自己PRに自信がある方や、パーソナリティを重視する企業に応募する際に有効です。
  • 転職者用:
    職務経歴書とセットで提出することを前提としているため、履歴書では最低限の職歴を記載し、自己PR欄が大きく設計されているものが多いです。
    経験をアピールしたい転職者向けです。

これらのテンプレートはWord、Excel、PDF形式で無料でダウンロードできるものが多数あります。
応募企業が求める人物像や、あなたが最もアピールしたい項目が強調されるテンプレートを選ぶことが、選考突破の鍵となります。

Numbersで履歴書をスマートに作成するコツ

macユーザーであれば、Appleの表計算ソフト「Numbers」を活用して履歴書を作成することも可能です。
Numbersは、Excelと異なり自由度の高いレイアウトと、直感的な操作性が特徴です。

Numbersで履歴書を作成するメリット

  • デザイン性の高さ:
    Numbersは、グラフや図形描画機能が充実しており、視覚的に美しい履歴書を作成しやすいです。
    テンプレートも豊富に用意されており、それらを活用することで、プロフェッショナルな見た目の書類が手軽に作成できます。
  • Macとの連携:
    iCloud Driveを通じて、iPhoneやiPadからも編集・閲覧が可能。
    外出先でのちょっとした修正にも対応でき、利便性が高いです。
  • 軽快な動作:
    Excelに比べて動作が軽く、スムーズに作業を進められます。

Numbers活用術の具体例

  1. 既存テンプレートの活用:
    Numbersには最初からビジネス文書やレポートのテンプレートが用意されています。
    これらのレイアウトを参考に、履歴書の項目に合わせてカスタマイズしていくと、一から作成するよりも効率的です。
    例えば、表計算機能を活用して、学歴や職歴の年号を自動計算させたり、文字数カウント機能を活用したりすることも可能です。
  2. PDF出力で互換性を確保:
    Numbersで作成した履歴書は、そのままNumbers形式で提出するのではなく、必ずPDF形式で書き出して提出しましょう。
    PDF形式であれば、どのOSやソフトウェアから開いてもレイアウトが崩れる心配がなく、採用担当者も安心して閲覧できます。
    「ファイル」メニューから「書き出す」→「PDF」を選択するだけで簡単に変換できます。
  3. 図形とテキストボックスの活用:
    Numbersの強みである図形やテキストボックスを駆使して、項目ごとのバランスを調整したり、写真の配置を細かく指定したりできます。
    特に、氏名欄や志望動機欄など、強調したい部分のテキストボックスを調整することで、視覚的なアピール力を高めることが可能です。

Numbersを使いこなすことで、機能性とデザイン性を兼ね備えた、あなただけのオリジナル履歴書を作成し、他の応募者と差をつけることができるでしょう。

採用担当者の目を引く!履歴書の基本項目と書き方のコツ(見本・早見表活用)

基本情報欄は「正確性」と「清潔感」が命

履歴書の基本情報欄は、あなたの第一印象を決定づける非常に重要な部分です。
正確かつ丁寧に記載することで、採用担当者に信頼感と誠実な印象を与えられます。

  • 日付:
    郵送の場合は投函日、持参する場合は提出日(面接日)を記入します。
    古い日付を使い回すのはNGです。
    また、元号(令和)と西暦(2024年)は、履歴書全体で統一してください。
  • 氏名・生年月日・現住所:
    氏名は読みやすく丁寧に記入し、「ふりがな」はひらがな、「フリガナ」はカタカナと正しく使い分けます。
    住所は都道府県からマンション名・部屋番号まで省略せずに正式名称で記入します。
    郵便番号も忘れずに記載しましょう。
    電話番号やメールアドレスは、日中連絡が取れる確実なものを記入し、特にメールアドレスはビジネスシーンにふさわしいものを選びましょう。
  • 写真:
    履歴書写真は、あなたの印象を大きく左右します。
    3ヶ月以内に撮影した、清潔感のあるスーツ姿のものを貼り付けましょう。
    サイズは一般的な「縦4cm×横3cm」です。
    表情は明るく、口角を少し上げた方が好印象を与えられます。
    写真スタジオでのプロ撮影を強くおすすめします。
    万が一剥がれてしまった場合に備え、写真の裏には氏名と学校名(在学中のみ)を記入しておくと安心です。
  • 印鑑:
    押印欄がある場合は、朱肉を使う実印または認め印をまっすぐきれいに押印します。
    シャチハタはビジネス文書では避けましょう。
    印鑑を押し間違えてしまうと履歴書が台無しになるため、空欄に押印練習をしてから慎重に押すか、あらかじめ押印してから記入を始めるのがおすすめです。

これらの基本情報を確実に、そして美しく記入することが、採用担当者への良い第一歩となります。

学歴・職歴は「正確」かつ「一貫性」を持って

学歴・職歴欄は、あなたのキャリアパスを簡潔に伝える重要な項目です。
正確かつ分かりやすく記載することで、あなたの歩みをスムーズに理解してもらえます。

学歴欄の書き方

  • 一般的に中学校卒業から記入します。義務教育のため小学校は不要です。
  • 学校名、学部・学科名、コース名などは、正式名称で省略せずに記入してください。
    (例:〇〇高等学校 〇〇科 卒業、〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学・卒業)
  • 入学年月と卒業年月は正確に記載し、和暦か西暦かを履歴書全体で統一します。
  • 浪人、留年、休学、転学などの経歴がある場合も、正直に記載し、必要であれば簡潔な理由を添えましょう。
    隠すよりもオープンにする方が、誠実な印象を与えます。

職歴欄の書き方

  • 入社・退社年月、会社名、所属部署、役職などを正式名称で正確に記入します。
    新卒の場合、アルバイト経験は通常、職歴には含めません。
  • 異動や昇進があった場合は、それらも記載するとキャリアパスがより明確になります。
  • 退職理由は「一身上の都合により退職」と簡潔に記載するのが一般的です。
  • 現在在職中の場合は、最終行に「現在に至る」と記入し、その下の行に「以上」と右寄せで記入します。
    退職済みの場合も、最終行に「以上」と右寄せで記入します。

記載例(早見表)

項目 記載例 注意点
学歴 令和〇年 3月 〇〇市立〇〇中学校 卒業
令和〇年 4月 〇〇県立〇〇高等学校 普通科 入学
令和〇年 3月 〇〇県立〇〇高等学校 普通科 卒業
令和〇年 4月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 入学
令和〇年 3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
正式名称、年号統一、中学校卒業から
職歴 令和〇年 4月 株式会社〇〇 入社
      〇〇事業部 〇〇課 配属
令和〇年 〇月 一身上の都合により退職
令和〇年 〇月 株式会社△△ 入社
      〇〇部 主任として現在に至る
正式名称、入退社年月、在職中は「現在に至る」

学歴・職歴は、あなたのキャリアの骨格を示す部分です。
正確性を第一に、誤解のないように記載しましょう。

免許・資格、本人希望欄で「アピール」と「配慮」を両立

免許・資格欄と本人希望記入欄は、あなたの能力をアピールしつつ、企業への配慮を示すための重要な項目です。

免許・資格欄の書き方

  • 取得年月順に、正式名称で記入します。(例:〇〇免許 普通自動車第一種運転免許)
  • 業務に直接関連する資格や、今後取得予定の資格は特にアピールポイントとなります。
    関連性の低い資格は、羅列しすぎず、スペースを考慮して本当に必要なものに絞りましょう。
  • 現在勉強中の資格があれば、「〇〇資格取得に向け勉強中」と記載することで、向上心を示すことができます。
  • 語学力についてはTOEICスコアなどを記入し、可能であれば「ビジネスレベル」「日常会話レベル」など具体的に補足すると良いでしょう。

記載例:

  • 令和〇年 〇月 普通自動車第一種運転免許 取得
  • 令和〇年 〇月 TOEIC公開テスト 850点 取得
  • 令和〇年 〇月 日商簿記検定2級 合格

本人希望記入欄の書き方

本人希望記入欄は、給与や勤務地など、応募者が企業に希望を伝えるための欄ですが、書き方には注意が必要です。
「貴社の規定に従います」と記載するのが基本です。

  • 給与:
    「貴社の規定に従います」と記載するのが一般的です。
    どうしても希望がある場合は、「現職の年収を考慮いただければ幸いです」「〇〇万円以上を希望いたします」のように、謙虚な姿勢で伝えましょう。
    「〇〇万円以下は不可」といった断定的な書き方は避けましょう。
  • 勤務地:
    転勤不可の場合など、譲れない条件がある場合のみ具体的に記載します。
    「〇〇(都道府県名)での勤務を希望いたします」のように簡潔に。
    特に希望がない場合は、「貴社の規定に従います」で問題ありません。
  • 職種:
    応募職種が複数ある場合や、別の職種にも興味がある場合に記載します。
    「〇〇職での勤務を希望いたしますが、貴社で貢献できる職務であれば柔軟に対応いたします」のように、柔軟性を示す表現を加えると好印象です。
  • 入社可能時期:
    「現在在職中のため、〇月〇日以降の入社が可能です」のように具体的に伝えましょう。

あくまで「希望」であることを忘れず、企業への配慮を示しながら、必要最低限の情報を伝えるように心がけましょう。

未経験・転職者のための志望動機!熱意を伝える書き方

結論ファーストで相手の心を掴む志望動機の構成

採用担当者は多くの履歴書を読みます。
その中であなたの志望動機に興味を持ってもらうためには、「結論ファースト」で書くことが非常に重要です。
これは、面接官が最も知りたい「なぜ弊社を志望するのか」を最初に提示することで、その後の説明にスムーズに誘導するためです。

具体的な構成は以下のようになります。

  1. 結論(この企業を志望する理由を端的に述べる):
    「私が貴社を志望するのは、〇〇という貴社の企業理念に深く共感し、自身の〇〇な強みを活かして貢献したいからです。」のように、最初の1~2文で最も伝えたいことを明確に述べましょう。
  2. 理由・根拠(具体的なエピソードや企業研究に基づいた説明):
    結論を裏付ける具体的なエピソードや、企業研究で得た情報(事業内容、サービス、社風など)を交えながら、なぜその企業に惹かれたのか、自分のどのような経験やスキルが活かせるのかを具体的に説明します。
    単なる「成長したい」「やりがいを求めたい」といった抽象的な表現ではなく、「貴社の〇〇というサービスに感銘を受け、私自身の〇〇の経験を活かし、顧客満足度向上に貢献したい」のように具体的に書くことが重要です。
  3. 入社後の貢献(企業でどのように活躍したいか):
    入社後、自分がどのように企業に貢献したいのか、どのような目標を持って仕事に取り組みたいのかを具体的に示します。
    これは、あなたが企業のビジョンを理解し、主体的に働こうとする意欲があることを示す証拠となります。

この構成で書くことで、採用担当者はあなたの志望動機を効率的に理解し、入社への熱意を感じ取ることができるでしょう。

企業への貢献を具体的に!経験と熱意の伝え方

志望動機で最も重要なのは、「なぜこの会社で働きたいのか」だけでなく、「この会社に何をもたらすことができるのか」を具体的に示すことです。
特に未経験者や転職者は、自身の経験や熱意を企業への貢献と結びつけて表現するスキルが求められます。

未経験者の場合

未経験の場合でも、これまで培ってきた「ポータブルスキル(汎用性の高いスキル)」を具体的にアピールできます。
例えば、営業職未経験でも、接客アルバイトで培ったコミュニケーション能力や課題解決能力、事務作業で養ったPCスキルやスケジュール管理能力などは、多くの職種で活かせる強みです。

  • 具体例:
    「前職の飲食店でのアルバイト経験を通じて、お客様のニーズを素早く察知し、最適なサービスを提供する『傾聴力と提案力』を培いました。
    このスキルを活かし、貴社の営業職としてお客様の課題解決に貢献したいと考えております。」
  • 熱意の示し方:
    未経験の分野への挑戦には、強い学習意欲と成長意欲が不可欠です。
    応募職種に関する知識を自主的に学んでいることや、関連資格の取得に向けた努力などを具体的に伝えることで、入社への本気度を示せます。

転職者の場合

転職者の場合は、これまでの職務経験で得た具体的な成果や課題解決能力を、応募企業の事業内容と結びつけてアピールします。
単なる経験の羅列ではなく、その経験を通じて何を学び、どのように成長したのかを明確に伝えましょう。

  • 具体例:
    「前職の〇〇社では、〇〇プロジェクトにおいてリーダーを務め、チーム全体の生産性を20%向上させました。
    この経験で培った『プロジェクトマネジメント能力とリーダーシップ』を活かし、貴社の新規事業開発において即戦力として貢献できると確信しております。」
  • 企業への貢献を意識:
    これまでの経験が、応募企業でどのように活かされ、どのような価値を提供できるのかを具体的に述べることが重要です。
    「私の経験+貴社の課題解決」という視点で書きましょう。

いずれの場合も、抽象的な表現は避け、具体的なエピソードと成果を交えながら、企業への貢献意欲と熱意を伝えることが成功の鍵となります。

自己PRは「エピソード」と「数字」で説得力を高める

自己PRは、あなたの個性や強みを企業に売り込むための重要なセクションです。
説得力のある自己PRを作成するためには、具体的なエピソードと客観的な数字を盛り込むことが不可欠です。

自己PRの構成例

  1. 結論(あなたの強みを端的に述べる):
    「私の強みは、〇〇な課題に対し、粘り強く解決策を見出す『問題解決能力』です。」のように、冒頭で最もアピールしたい強みを明確に提示します。
  2. 根拠となるエピソード(状況、課題、行動、結果を具体的に):
    結論で述べた強みが、どのような状況で発揮されたのかを具体的に記述します。
    この際、STARメソッド(Situation:状況、Task:課題、Action:行動、Result:結果)を意識すると、論理的で分かりやすい文章になります。

    • Situation(状況): どんな状況だったのか
    • Task(課題): どんな課題があったのか
    • Action(行動): その課題に対し、あなたがどう行動したのか
    • Result(結果): その行動によって、どんな成果が出たのか(具体的な数字を交える)

    例えば、「〇〇のプロジェクトで、顧客からのクレームが月間〇〇件に及ぶという課題がありました。
    そこで私は、原因を特定するために顧客アンケートを実施し、チームと連携してサービス改善策を提案しました。
    その結果、クレーム件数を3ヶ月で半分に削減することができました。」のように記述します。

  3. 入社後の展望(企業への貢献):
    その強みを活かして、応募企業でどのように貢献したいのかを述べます。
    「この問題解決能力を活かし、貴社の〇〇部門で、顧客満足度向上と業務効率化に貢献していきたいと考えております。」のように、具体的な目標を示すことで、企業はあなたが即戦力として活躍する姿をイメージしやすくなります。

文字数と推敲のポイント

自己PRは、長すぎず、簡潔にまとめることが重要です。
一般的に履歴書の自己PR欄では、200~400文字程度が目安となります。
内容を詰め込みすぎず、最も伝えたい強みに焦点を当てて記述しましょう。
完成後は、誤字脱字がないか、論理が飛躍していないか、そして声に出して読んでみて自然な文章かを確認し、推敲を重ねることが大切です。

履歴書作成でよくある疑問を解決!フォント・丸の囲み方など

「見やすい」を追求!フォントと文字サイズの黄金比

PCで履歴書を作成する場合、フォントと文字サイズの選び方は、読みやすさに直結し、あなたの印象を大きく左右します。
ビジネス文書として最適な「見やすい」を追求した黄金比を知っておきましょう。

フォントの選び方

  • 基本は明朝体:
    ビジネス文書では、「MS明朝」や「ヒラギノ明朝」といった明朝体が最も一般的で無難です。
    これらのフォントは、活字として読みやすく、落ち着いた印象を与えます。
  • Windows・Macでおすすめのフォント:
    Windowsユーザーなら「メイリオ」、Macユーザーなら「ヒラギノ角ゴシック」もおすすめです。
    これらのフォントは、可読性が高く、デジタルデバイス上でも非常に読みやすいとされています。
    ただし、デザイン性が高い「ポップ体」や「手書き風フォント」などはビジネス文書には不適切なので避けましょう。
  • 統一感を意識:
    履歴書と同時に提出する職務経歴書がある場合は、フォントを統一することで、書類全体にプロフェッショナルで丁寧な印象を与えることができます。
  • 英数字の扱い:
    メールアドレスや電話番号など、視認性が重要な英数字は、明朝体半角が基本ですが、「Century」や「Times New Roman」といったセリフ体も和文との相性が良く、すっきりとした印象を与えます。
    特に読み間違いを避けたい場合は、数字部分のみ「Century」や「Meiryo UI」のようなゴシック体にすることで、より視認性を高めることもできます。

文字サイズの黄金比

  • 本文の基本サイズ:
    履歴書の本文は、10.5pt~11ptで統一するのが一般的です。
    このサイズであれば、文字が小さすぎず、かつ用紙に適切な情報量を収めることができます。
  • 氏名欄などの強調部分:
    氏名欄など、特に目立たせたい項目は、13pt~18pt程度と少し大きめに設定すると良いでしょう。
    ただし、他の項目とのバランスを崩さないよう注意が必要です。
  • 適切な行間と文字数:
    A4サイズの場合、1行あたり35~40字程度に収めると、文字の大きさが均一になり、バランス良く見えます。
    行間も適切に設定することで、ぎっしり詰まった印象を与えず、読みやすさを確保できます。

これらのポイントを押さえることで、採用担当者がストレスなく読める、美しく整った履歴書を作成できます。

これで完璧!誤字脱字チェックと空白期間の対処法

履歴書の作成において、誤字脱字は致命的なミスとなり得ます。
また、キャリアの空白期間も、適切に説明することでポジティブな印象に変えることができます。

誤字脱字ゼロを目指すチェックリスト

  • 音読する:
    黙読では見落としがちな誤字脱字も、声に出して読むことで意外と気づくことが多いです。
    リズムや不自然な箇所も発見しやすくなります。
  • 印刷して確認する:
    画面上では気づかなかったレイアウトのずれや、文字の大きさの不揃いなども、実際に印刷することで発見できます。
    紙面でじっくりと隅々までチェックしましょう。
  • 第三者にチェックを依頼する:
    自分以外の目で見てもらうことが最も効果的です。
    友人や家族、キャリアアドバイザーなど、客観的な視点から誤字脱字や文章の分かりにくさ、不自然な表現などを指摘してもらいましょう。
  • 期間を空けて再確認する:
    完成直後ではなく、一晩寝かせたり、数時間後に見直したりすることで、新鮮な気持ちで間違いを発見しやすくなります。
  • NG行為は絶対に避ける:
    修正ペンや修正液の使用はNGです。
    PC作成の場合は、データ上で完璧に修正し、手書きの場合は、潔く新しい用紙に書き直しましょう。
    また、空欄のまま提出したり、古い日付の履歴書を使い回したりするのも厳禁です。

空白期間の対処法

病気療養、出産・育児、留学、資格取得のための勉強、家族の介護など、やむを得ない理由でキャリアに空白期間が生じることは少なくありません。
これらの期間を正直に記載し、前向きな姿勢で説明することが大切です。

  • 病気・療養の場合:
    「〇年〇月~〇年〇月 疾病療養のため休職(現在は完治しており業務に支障はございません)」のように、現在の健康状態に問題がないことを明確に伝えましょう。
  • 出産・育児の場合:
    「〇年〇月~〇年〇月 出産・育児のため退職(または休職)」と記載し、育児経験を通じて得たスキル(時間管理能力、マルチタスク能力など)をアピールすることも可能です。
  • 留学・語学学習の場合:
    「〇年〇月~〇年〇月 語学留学(英語力向上と異文化理解を深めました)」のように、空白期間中に何を学び、どのように成長したのかを具体的に記述しましょう。
    単なる「充電期間」ではなく、次のステップに向けた投資であったことを示します。
  • 資格取得・スキルアップの場合:
    「〇年〇月~〇年〇月 〇〇資格取得のため学習に専念」のように、具体的な目標を持って努力していたことを伝え、そのスキルが応募企業でどのように活かせるかを示しましょう。

空白期間は隠すのではなく、むしろ自身の学びや成長の機会としてポジティブに捉え、説明することが重要です。

「希望」の丸の囲み方から提出時のマナーまで

履歴書作成における細かい疑問や、提出時のマナーを知っておくことで、より完璧な印象を与えることができます。

「希望」の丸の囲み方

履歴書には「通信欄」「本人希望記入欄」などの項目で「希望」「特に希望なし」といった選択肢を〇で囲む箇所があります。

  • PC作成の場合:
    WordやExcel、Numbersなどのソフトには、図形描画機能があります。
    「挿入」メニューから「図形」→「楕円」を選択し、対象の文字に合わせてきれいな円を描きましょう。
    塗りつぶしなし、線の色を黒に設定します。
    手書きのような歪みがないため、PC作成ではこの方法が最もスマートです。
  • 手書きの場合:
    定規とコンパスを使うのが最も丁寧ですが、難しい場合はフリーハンドでできるだけきれいな円を描くように心がけましょう。
    鉛筆で薄く下書きをしてからボールペンで清書し、乾いてから消しゴムで下書きを消すのがおすすめです。

履歴書提出時のマナー

履歴書はただ提出すれば良いというものではありません。
郵送、持参、Web応募、それぞれの場面でのマナーを知っておきましょう。

  1. 郵送の場合:
    • 封筒:
      A4サイズの履歴書が折らずに入る角形2号(A4判用)の白色封筒を使用します。
      宛名は黒の油性ペンで楷書で丁寧に書き、表面左下に「履歴書在中」と赤字で明記し、定規を使って四角く囲みます。
    • 送付状:
      履歴書、職務経歴書と共に、送付状(添え状)を必ず同封します。
      送付状は、誰が何を送ったのか、応募の意図を簡潔に伝えるビジネス文書です。
    • クリアファイル:
      応募書類は水濡れや折れ曲がりを防ぐため、クリアファイルに入れてから封筒に入れるのがマナーです。
  2. 持参の場合:
    • クリアファイルに入れ、封筒に入れて持参します。
      封筒は、受付で渡す場合は糊付け不要ですが、面接官に直接手渡す場合は糊付けせずに封筒の口を閉じるのが丁寧です。
    • 手渡しの場合、封筒の向きは相手がすぐに読めるように渡しましょう。
  3. Web応募の場合:
    • 履歴書データをPDF形式に変換し、ファイル名を分かりやすく設定します。
      (例:履歴書_氏名_20240401.pdf、氏名_履歴書.pdf)
    • メールで送信する際は、件名と本文をビジネスメールの作法に則って丁寧に作成し、誤送信がないよう注意しましょう。

これらの細かなマナーも、あなたの気配りや丁寧さを伝える重要な要素となります。