概要: 転職活動で必須となる履歴書と職務経歴書。それぞれの役割や正しい書き方を基本から解説します。中途採用や正社員を目指す方のために、アピールポイントの見つけ方やよくある失敗例、訂正方法まで網羅しました。
転職活動において、履歴書と職務経歴書はあなたの「顔」とも言える重要な書類です。これらがなければ、どれほど素晴らしい経験やスキルを持っていても、企業にその魅力を伝えることはできません。このガイドでは、書類作成の基本から、採用担当者の目を引くための具体的な書き方、そしてよくある失敗例とその対策までを徹底解説。あなたの転職成功を強力にサポートします。
転職活動に必須!履歴書と職務経歴書の役割とは?
履歴書と職務経歴書、それぞれの目的を理解しよう
転職活動を成功させるためには、まず履歴書と職務経歴書がそれぞれどのような役割を果たすのかを正確に理解することが重要です。履歴書は、あなたの基本的なプロフィールを企業に伝えるための書類です。氏名、住所、連絡先といった個人情報に加え、学歴や職歴の「骨子」を時系列で記載します。これにより、採用担当者はあなたの基本的なキャリアパスを概観できます。言わば、あなたの「名刺」のようなものです。
一方、職務経歴書は、あなたのこれまでの職務内容、実績、培ってきた知識・スキルを具体的に、かつ詳細に伝えるための書類です。履歴書では書ききれない個々の業務内容やプロジェクトでの役割、そこで得られた成果などを具体例を交えて記述します。これは、あなたが企業に対してどのような価値を提供できるのかをアピールする「プレゼンテーション資料」と言えるでしょう。この二つの書類が揃うことで、企業はあなたの全体像と具体的な能力を深く理解し、採用後の活躍イメージを描きやすくなります。それぞれの目的を理解し、相互に補完し合うように作成することが、書類選考突破の第一歩となります。
企業が書類から読み取る「あなたの価値」とは?
採用担当者は、履歴書と職務経歴書から単に過去の経歴をなぞるだけでなく、その背後にあるあなたの「価値」を読み取ろうとしています。履歴書からは、社会人としての基本的な常識や丁寧さ、経歴の整合性を見ます。例えば、誤字脱字の有無や空欄の有無、写真の印象などから、入社後の仕事ぶりや性格までを想像する材料にします。基本的な情報が正確かつ丁寧に記載されているか、そして記載内容に一貫性があるかどうかが、あなたの信頼性を測る指標となるのです。
職務経歴書では、より具体的にあなたの即戦力性、問題解決能力、そして企業への貢献可能性を評価します。これまでの職務でどのような課題に直面し、それをどう解決したのか。どのようなスキルをどのように活用し、どのような成果を出したのか。これらの具体的な記述から、応募企業が抱える課題に対し、あなたがどのように貢献できるかを判断します。採用担当者の視点に立ち、「この人材を採用すれば、自社にどのようなメリットがあるか」を明確に伝えられるように、自身の経験やスキルを棚卸し、応募企業が求める人物像と合致する部分を強調してアピールすることが、書類の魅力を高める上で極めて重要です。
なぜPC作成が推奨されるのか?ツール活用で効率アップ!
近年、履歴書・職務経歴書の作成はPCでの作成が強く推奨されています。その最大の理由は、修正の容易さ、レイアウトの美しさ、そして読みやすさにあります。手書きの場合、一度書き損じるとすべて書き直す手間が生じますが、PCであれば簡単に修正・加筆が可能です。また、フォントや文字サイズ、行間などを調整することで、視覚的に整った読みやすい書類を作成できます。特に職務経歴書は文字量が多くなるため、PCで作成することで採用担当者の負担を減らし、内容をスムーズに理解してもらうことができます。
もちろん、応募先企業から「手書き」の指示がある場合はそれに従うべきですが、指定がなければPC作成がベターです。PC作成をさらに効率化するために、便利なテンプレートやツールを積極的に活用しましょう。例えば、Canvaではデザイン性の高い履歴書テンプレートが、yagish(ヤギッシュ)やリクナビNEXT、dodaなど大手転職サイトでは、職務経歴書まで含めた専門的なテンプレートが無料で提供されています。これらのツールを使えば、フォーマットに悩むことなく、内容の充実に集中できます。フォーマットに則って正確に記載することで、効率的に魅力的な書類を作成し、あなたの転職活動を次のステップへ進めましょう。
【基本】履歴書の正しい書き方:中途採用・正社員を目指すあなたへ
中途採用で差をつける!履歴書作成の5つのポイント
中途採用の履歴書は、新卒とは異なるアピールポイントが求められます。採用担当者の印象を左右する重要な書類だからこそ、以下の5つのポイントを押さえて差をつけましょう。
- 西暦・和暦の統一と誤字脱字の徹底チェック:履歴書全体で西暦か和暦かを統一し、誤字脱字がないか複数回確認しましょう。特に企業名や担当者名の誤りは致命的なミスです。
- 空欄を作らない工夫:希望勤務地や希望年収など、特に希望がない場合でも空欄は避け、「貴社規定に従います」と記載します。これにより、入社意欲を示すことができます。
- プロフィール写真の重要性:写真はあなたの第一印象を決定づけます。3ヶ月以内に撮影した、清潔感のある写真を選び、できればプロに撮影してもらいましょう。顔がはっきりとわかる明るい表情が好印象です。
- 連絡先の明確化:確実に連絡が取れる電話番号とメールアドレスを記載します。特にメールアドレスは、日常的に確認するアドレスにし、企業からの連絡を見落とさないように注意が必要です。
- 希望条件欄の賢い活用法:希望条件は具体的な記載を避けるのが無難ですが、譲れない条件がある場合は簡潔に、しかし具体的に記載します。例えば、「土日祝休みを希望」など、柔軟な姿勢を見せつつも譲れないラインを伝えることができます。
これらのポイントを意識することで、あなたの履歴書はよりプロフェッショナルな印象を与え、書類選考通過の可能性を高めることができるでしょう。
学歴・職歴欄の記入ルールと注意点
履歴書の中でも、学歴・職歴欄はあなたのキャリアパスを簡潔に伝える重要な部分です。正しい記入ルールと注意点を守ることで、採用担当者にスムーズに情報を伝えられます。
まず、学歴は義務教育卒業から順に記載します。中学校卒業、高等学校入学・卒業、大学入学・卒業といった流れです。学校名はもちろん、学部や学科名も正確に記載しましょう。学歴の記載が終わったら、中央に「職歴」と大きく記載し、その下の行から職歴を記載していきます。
職歴は、これまでの勤務先すべてを入社年月、退社年月、会社名、部署名、役職の順に記載します。在籍中の企業については、「現在に至る」と記載します。退職理由については、通常は「一身上の都合により退職」と簡潔にまとめますが、企業から記載を求められた場合は、ポジティブな内容を心がけて記載しましょう。例えば、「キャリアアップのため」といった前向きな理由が好ましいです。
職歴が非常に多くて書ききれない場合は、「詳細は職務経歴書記入」と記載することも可能です。ただし、その場合でも最低限主要な職歴は履歴書に記載し、職務経歴書で詳細を補足するという形を取ると良いでしょう。正確かつ簡潔に情報をまとめることが、採用担当者への配慮にも繋がります。
資格・免許、自己PR欄の効果的な活用術
履歴書の後半にある資格・免許、そして自己PR欄は、あなたの能力や個性をアピールする絶好の機会です。これらを効果的に活用し、他の応募者と差をつけましょう。
【資格・免許欄】
保有している資格や免許はすべて記載するのが基本ですが、記載順序には工夫が必要です。応募職種に直接関係する資格や、アピールしたい上位資格から優先的に記載することで、採用担当者の目に留まりやすくなります。例えば、営業職であれば普通自動車運転免許はもちろん、TOEICのスコアや簿記検定なども業務に活かせる可能性があります。取得年月も正確に記載し、正式名称で記入することを忘れないでください。もし取得に向けて勉強中の資格があれば、「〇〇検定〇級取得に向けて勉強中」と記載し、学習意欲を示すのも良いでしょう。
【自己PR欄】
自己PR欄は、あなたの強みや熱意、企業への貢献意欲を自由に表現できるスペースです。職務経歴書にも自己PRを記載しますが、履歴書ではより簡潔に、「なぜこの企業で働きたいのか」「自分のどのような強みが活かせるのか」という視点でまとめると効果的です。具体的なエピソードを一つ盛り込み、その経験から何を学び、どのように成長したかを伝えると、説得力が増します。例えば、「顧客課題解決に強みがあり、前職では○○プロジェクトで顧客満足度を△%向上させました。貴社が掲げる『顧客ファースト』の理念に共感し、この強みを活かしたいと考えております。」といった具合です。職務経歴書との内容重複を避けつつ、履歴書ならではの簡潔な表現で、採用担当者に強い印象を残しましょう。
職務経歴書で差をつける!アピールポイントの探し方
職務経歴書フォーマットの種類と選び方
職務経歴書にはいくつかの主要なフォーマットがあり、あなたのキャリアや応募職種に合わせて最適なものを選ぶことが重要です。主なフォーマットは以下の3つです。
- 編年体形式:職務経歴を時系列で古い順から記載する形式です。キャリアの変遷が分かりやすく、一般的な企業で広く用いられます。複数の企業での勤務経験があり、着実にキャリアアップしてきたことをアピールしたい場合に適しています。
- 逆編年体形式:直近の職務経歴から古い順に記載する形式です。現在または直近の経験やスキルが応募企業にとって最も関連性が高い場合に効果的です。特にIT業界や専門職など、最新のスキルが重視される職種で有効なアピール方法となります。
- キャリア形式(キャリアプラン形式/プロジェクト形式):職務経験を職種やプロジェクト、スキルごとにまとめて記載する形式です。転職回数が多い方や、特定の専門スキルを強くアピールしたい方に適しています。例えば、「プロジェクトマネジメント経験」「Webサイト開発経験」といった形でセクションを分け、それぞれの内容や実績を詳述します。
どの形式を選ぶかは、あなたの応募職種と自身のキャリア、そしてアピールしたい強みによって異なります。例えば、同じ業界で順調にキャリアを積んできたなら編年体、直近で身につけたスキルを即戦力としてアピールしたいなら逆編年体、多様なプロジェクト経験を武器にするならキャリア形式が考えられます。フォーマット選びも戦略の一つとして捉え、最大限にあなたの魅力を引き出せるものを選びましょう。
職務要約・職務概要で採用担当者の心を掴む!
職務経歴書の冒頭に記載する「職務要約」や「職務概要」は、採用担当者が最初に目にする部分であり、書類全体を読み進めてもらえるかどうかの鍵を握ります。ここでは、これまでのキャリア全体を簡潔にまとめ、あなたの最も重要な経験やスキルを凝縮して伝える必要があります。
職務要約の目的は、「あなたがどんな人物で、どのような経験を持つのか」を短時間で理解してもらい、興味を持たせることです。そのため、だらだらと長く書くのではなく、200〜250文字程度でまとめると効果的です。記載すべき内容は、以下の要素を含めると良いでしょう。
- 経験年数:「〇年間、〇〇業界で営業職に従事」のように、全体像を伝える。
- 主要な職務内容:最も得意とする業務や、応募職種に関連する業務を簡潔に。
- 主な実績・成果:数字を用いて具体的にアピールできるものがあれば盛り込む。
- 活かせるスキル:応募職種で特に求められるスキルを強調。
- 自己PRの核:応募企業に対する貢献意欲や、あなたの強みを一言で。
特に重要なのは、応募企業が求める人物像やスキルと合致する経験・スキルを中心に記述することです。求人情報に目を通し、企業がどんな人材を求めているのかを深く理解した上で、それに合わせて要約を作成しましょう。具体例としては、「BtoB営業として7年間、新規開拓から顧客育成まで一貫して担当。常に顧客の課題解決を追求し、前職では3年連続で目標達成率120%を記録。特に〇〇の分野では深い専門知識と実績があり、貴社製品の市場拡大に貢献できると確信しております。」のように、具体性と貢献意欲を示す表現が効果的です。この要約で引きつけることができれば、採用担当者は本文を読み進めてくれるはずです。
活かせる知識・スキル、自己PRの具体的な書き方
職務経歴書は、あなたの具体的な能力とポテンシャルを伝えるための「プレゼンテーション資料」です。特に「活かせる知識・スキル」と「自己PR」は、あなたの価値を明確にアピールする核心的な部分となります。
【活かせる知識・スキル】
ここでは、これまでの業務で培ってきた知識やスキルを具体的にリストアップし、どのように業務に活かせるかを記述します。単にスキル名を羅列するだけでなく、「PCスキル:Excel(関数、マクロによるデータ集計・分析)、PowerPoint(提案資料作成)、Word(企画書作成)」のように、どのレベルで、どのような場面で使えるのかを具体的に示すと良いでしょう。語学力、専門知識(例:マーケティング知識、プログラミング言語)、資格なども、関連業務での活用例を添えて説明します。
【職務経歴の詳細と実績】
最も時間をかけて具体的に記述すべきは、これまでの職務経歴とそこでの実績、成果です。各勤務先ごとに、「何を(担当業務)」「どのように(具体的な行動、工夫)」「なぜ(課題や目的)」「結果どうなったか(成果、数字)」というSTARメソッド(Situation-Task-Action-Result)を活用して記述すると、非常に分かりやすくなります。例えば、「〇〇プロジェクトにおいて、顧客からの要望増加による業務負荷増大という課題に対し、独自の業務フロー改善提案を行い、メンバーを巻き込み実行。結果、作業効率を20%向上させ、残業時間〇時間を削減に成功しました。」のように、具体的な数字やエピソードを盛り込むことで、あなたの能力と貢献度を明確にアピールできます。専門用語は避け、誰が読んでも理解できるように平易な言葉で説明するよう心がけましょう。
【自己PR】
職務経歴書における自己PRは、履歴書よりも詳細に自身の強みや熱意、企業への貢献意欲を伝える場です。これまでの経験から得た学びや、転職を通して実現したいこと、そしてなぜその企業を選んだのかを具体的に記述します。単なる意気込みだけでなく、「私の強みである課題解決能力は、貴社の〇〇事業における△△の課題解決に貢献できると考えております。具体的な事例としては…」のように、自身の強みが応募企業でどのように活かされるのかを具体的に示しましょう。企業研究を徹底し、企業のミッションやビジョン、事業内容と自身のキャリアビジョンを結びつけて語ることで、より説得力のある自己PRとなります。熱意と論理性を兼ね備えた自己PRで、採用担当者に「会ってみたい」と思わせる一文を作成してください。
履歴書・職務経歴書でよくある失敗例と訂正方法
誤字脱字、記入漏れが命取りに!?基本のチェックポイント
履歴書や職務経歴書における誤字脱字や記入漏れは、致命的な失敗となりかねません。採用担当者は、これらのミスから「注意力散漫」「仕事が雑」「志望度が低い」といったマイナスな印象を抱いてしまいます。どれだけ素晴らしい経験やスキルがあっても、基本的な部分でミスがあれば、書類選考の通過は困難になるでしょう。
特に注意すべきは、企業名や担当者名の誤りです。これは最も失礼にあたるミスであり、一発で不採用となる可能性が高いです。また、西暦と和暦が混在している、元号が間違っている、学歴・職歴の年月日がずれているなども、細かいながらも減点対象となります。職務経歴書においても、数字の誤りや専門用語の使い間違い、箇条書きの体裁が崩れているといった点もチェックが必要です。
これらのミスを防ぐための最も効果的な方法は、提出前の徹底的な複数回チェックです。作成後すぐに確認するだけでなく、一日置いてから読み直したり、可能であれば第三者に目を通してもらったりすることで、自分では気づかないミスを発見しやすくなります。声に出して読み上げることも、文章の流れや誤字脱字を見つけるのに有効です。完璧な書類を作成することで、あなたのプロフェッショナルな姿勢を示すことができます。
アピール不足を防ぐ!具体性に欠ける表現の改善策
履歴書や職務経歴書でよくある失敗の一つに、「具体性に欠ける表現」が挙げられます。「顧客満足度向上に貢献しました」「幅広い業務を経験しました」「チームで頑張りました」といった抽象的な表現では、採用担当者にあなたの具体的な能力や実績が伝わりません。結果として、「結局何ができる人なのか?」と疑問を持たれ、アピール不足に終わってしまいます。
このようなアピール不足を防ぐためには、具体的な数字や固有名詞、エピソードを盛り込むことが不可欠です。例えば、「顧客満足度向上に貢献しました」ではなく、「顧客アンケートの結果、満足度を前年比15%向上させました」と具体的な数字を示す。
「幅広い業務を経験しました」ではなく、「新規事業立ち上げにおいて、市場調査から企画立案、営業戦略まで一貫して担当しました」と具体的な業務内容を示す。
「チームで頑張りました」ではなく、「〇〇プロジェクトにおいて、リーダーとしてメンバー5名を統率し、納期遅延の危機を乗り越え、目標を達成しました」と自身の役割と貢献度を明確にする。
このように、曖昧な表現を具体的な事実や成果に置き換えることで、あなたの能力や経験が採用担当者により鮮明に伝わり、入社後の活躍イメージを描かせることができます。過去の業務を振り返る際は、「いつ、どこで、何を、どのように行い、結果どうなったか」を常に意識し、具体的なエピソードを掘り起こしましょう。これにより、あなたの書類は単なる経歴の羅列ではなく、あなた自身の価値を力強くアピールするツールへと変わるはずです。
提出時のマナー違反で印象ダウンを避ける
せっかく完璧な書類を作成しても、提出時のマナー違反で印象を悪くしてしまうのは非常にもったいないことです。応募書類の提出方法は、郵送、面接時持参、メールの3パターンが主ですが、それぞれに守るべきマナーがあります。
【郵送の場合】
必ず送付状(添え状)を同封し、履歴書・職務経歴書はクリアファイルに入れてから封筒に入れます。これにより、書類の折れ曲がりや汚れを防ぐことができます。封筒の宛名は「採用ご担当者様」と正確に記載し、会社名や部署名も略さずに正式名称で書きましょう。切手の料金不足にも注意し、郵便窓口で正確な料金を確認することをお勧めします。
【面接時に持参する場合】
この場合も、書類はクリアファイルに挟み、封筒に入れた状態で持参します。受付で提出を求められた際は、封筒から出さずに「〇〇と申します。本日面接に参りました。応募書類をお持ちしましたので、よろしくお願いいたします」と伝え、担当者に渡しましょう。面接官に直接手渡す場合は、封筒から取り出し、相手が読みやすい向きにして両手で差し出すのが丁寧な渡し方です。
【メールで送付する場合】
書類は必ずPDF形式に変換し、ファイル名は「20240101_履歴書_氏名」のように、日付と内容、氏名が分かるように設定します。個人情報保護のため、パスワードを設定して送信することも一般的です。パスワードは別のメールで送るなど、セキュリティに配慮しましょう。メール本文も、簡潔ながら丁寧な挨拶と、何の書類を送付したのかが分かるように記載します。件名も「応募書類送付(氏名)」など、一目で内容が分かるように工夫してください。
これらのマナーを守ることで、あなたのプロ意識と細やかな気配りが伝わり、好印象を与えることができます。提出までを完璧にこなし、転職成功に繋げましょう。
タウンワークなどの求人サイト利用時の注意点
求人情報の読み解き方:隠された意図を見抜く
タウンワークをはじめとする求人サイトには、膨大な数の求人情報が掲載されています。しかし、漫然と情報を眺めるだけでは、あなたにとって最適な企業を見つけることはできません。求人情報を単なる募集要項としてではなく、企業からの「メッセージ」として読み解くことが重要です。特に注目すべきは、募集職種の「必須スキル」と「歓迎スキル」、そして企業の「理念」や「ビジョン」です。
必須スキルは文字通り、応募に際して最低限求められる能力です。これらをクリアしていることはもちろん、歓迎スキルに多く合致しているほど、採用の可能性は高まります。さらに、企業の理念やビジョンからは、どのような価値観を重視し、どのような人材を求めているのかといった、企業の文化や求める人物像が見えてきます。これらが自身のキャリアビジョンと合致するかどうかを深く考えることで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
また、給与や待遇だけでなく、仕事内容の詳細、キャリアパス、募集背景にも目を向けましょう。募集背景に「事業拡大に伴う増員」「欠員補充」などと記載されていれば、その企業がどのような状況にあるのか、入社後にどのような役割が期待されるのかを推測する手がかりになります。例えば、急成長中の企業であれば、変化への対応力やスピード感が求められるかもしれません。求人情報に書かれている一言一句から、企業の「隠された意図」を読み解き、それが自分自身の強みや希望とどのように結びつくかを深く考察することが、求人応募の質を高めることに繋がります。
Web応募と書類応募、それぞれの準備ポイント
求人サイトを通じての応募方法には、主にWeb応募と書類応募(郵送・持参)があります。それぞれの特性を理解し、適切に準備を進めることが重要です。
【Web応募の場合】
多くの求人サイトでは、サイト内の応募フォームから直接履歴書・職務経歴書をアップロードする形式が主流です。この際、サイトによってはWeb履歴書という、サイト内で入力する形式の履歴書が利用できる場合があります。Web履歴書は、あらかじめ情報を入力しておけば、複数の企業へ応募する際に効率的に利用できるメリットがあります。入力フォームを利用する際は、入力必須項目を漏れなく埋めること、誤字脱字がないか最終確認することが重要です。また、添付する履歴書や職務経歴書は、先に解説したPDF形式で、ファイル名も分かりやすく設定し、企業の指示があればパスワード設定を行うなど、提出マナーを遵守しましょう。
【書類応募の場合】
企業から郵送や面接時の持参を指定された場合は、先に「提出時のマナー」で述べたポイントを再確認してください。具体的には、送付状の同封、クリアファイルの使用、封筒の宛名書きなど、細部にわたる配慮が求められます。手書きを指定された場合は、丁寧な文字で心を込めて書き上げることが大切です。いずれの応募方法でも、提出前にコピーを取っておくことをお勧めします。後から内容を確認したり、面接対策に役立てたりする際に役立ちます。
Web応募は手軽さが魅力ですが、丁寧さに欠けると見なされるリスクもあります。書類応募は手間がかかりますが、その分、丁寧さや熱意が伝わりやすいという側面もあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、応募先の企業の特性や指示に合わせて最適な方法を選択しましょう。
スカウト機能や匿名レジュメの賢い使い方
近年の求人サイトでは、応募だけでなく、企業側からあなたにオファーが届く「スカウト機能」や「匿名レジュメ」といったサービスが充実しています。これらを賢く活用することで、効率的に転職活動を進めることが可能です。
【スカウト機能・匿名レジュメの活用】
スカウト機能は、あなたが登録した職務経歴書(匿名化されたもの)を企業が閲覧し、興味を持った場合に直接オファーを送るシステムです。匿名レジュメとは、氏名や連絡先など個人が特定される情報を伏せた状態で、自身のスキルや経験を企業に公開する機能です。これらの機能を利用することで、自身の市場価値を客観的に測ることができます。思わぬ企業や職種からオファーが届くこともあり、これまで検討していなかった新たなキャリアの可能性を発見するきっかけにもなります。
ただし、情報公開の範囲には注意が必要です。現在勤務中の企業に知られたくない場合は、企業ブロック機能などを活用し、公開範囲を適切に設定しましょう。また、スカウトが届いたからといって安易に応募するのではなく、その企業や職務内容が自身の希望と合致するかどうかをしっかり見極めることが大切です。
【複数の求人サイト併用のメリット】
一つのサイトだけでなく、複数の求人サイトや転職エージェントを併用することも有効な戦略です。サイトによって掲載されている求人情報や企業に特色があり、幅広い選択肢の中から自分に最適な機会を見つけやすくなります。例えば、大手転職サイトで網羅的に情報を収集しつつ、業界特化型のサイトで専門性の高い求人を探すといった使い分けが考えられます。複数のサービスを利用する際は、情報管理が煩雑にならないよう、応募状況や進捗状況をしっかり記録しておくようにしましょう。
これらの機能を駆使することで、あなたから企業へアプローチするだけでなく、企業からもあなたへのアプローチを引き出し、より多角的な視点から転職活動を進めることができます。受動的な待ちの姿勢ではなく、能動的にこれらのツールを活用し、転職成功への道を切り開きましょう。
まとめ
よくある質問
Q: 履歴書と職務経歴書はどちらが重要ですか?
A: どちらも重要です。履歴書で基本的なプロフィールや学歴・職歴を確認し、職務経歴書で具体的な業務内容や実績をアピールすることで、企業はあなたの能力を多角的に判断できます。
Q: 履歴書で名前だけ手書きにするのは問題ないですか?
A: 基本的には全て手書き、または全てPC作成で統一するのが望ましいです。しかし、指定がない場合は、履歴書によっては名前のみ手書きでも問題ない場合もあります。ただし、履歴書訂正の際などは訂正印が必要になる場合があるので注意しましょう。
Q: 履歴書を間違えてしまった場合、どう訂正すればいいですか?
A: 履歴書の内容に誤りがある場合は、修正液や修正テープは使用できません。基本的には書き直すのが最も丁寧ですが、やむを得ない場合は、訂正箇所に二重線を引き、その横に訂正印(認印)を押して正しい内容を記入します。ただし、企業によっては書き直しを求める場合もあります。
Q: 履歴書は「なし」でも応募できますか?
A: 基本的には履歴書は必須書類です。求人情報に「履歴書不要」と明記されている場合を除き、必ず提出しましょう。「履歴書なし」で応募できるケースは稀であり、その場合は職務経歴書のみの提出になることが多いです。
Q: タウンワークなどの求人サイトで応募する場合、履歴書の書き方は変わりますか?
A: 求人サイト経由での応募でも、履歴書や職務経歴書の基本的な書き方は変わりません。ただし、一部の求人サイトでは、Web上で履歴書や職務経歴書を作成・送信できる機能が用意されている場合もあります。指示に従って作成しましょう。