概要: WinSCPでラズパイに接続できない、リスト取得エラー、ランタイムエラーなど、よくあるトラブルシューティング方法を解説します。ログの場所や見方も詳しく説明し、スムーズなファイル転送を実現しましょう。
WinSCPの便利な機能もご紹介しますので、トラブルシューティングから日々の作業効率アップまで、この記事をぜひ参考にしてください。
WinSCPとラズパイ接続でよくある「接続できない」エラーの原因
WinSCPでラズパイに接続できない場合、最も基本的な原因はホスト名やIPアドレスの入力ミス、またはネットワーク接続自体に問題があるケースです。また、ラズパイ側でSSHサービスが適切に設定されていないことも頻繁に発生します。ここでは、これらの基本的な接続エラーの原因と解決策を詳しく見ていきましょう。
ホスト名・IPアドレスの入力ミスとネットワーク接続の確認
WinSCPでの接続エラーで最も多いのが「Host does not exist(ホストが見つからない)」というメッセージです。これは、指定したラズパイのホスト名やIPアドレスが間違っているか、PCがその名前を解決できない(DNSエラー)、あるいはネットワーク上でラズパイに到達できない場合に発生します。
解決策としては、まずIPアドレスを正確に入力しているかを確認してください。ラズパイのIPアドレスは、ラズパイのターミナルでhostname -Iコマンドを実行することで確認できます。例えば、「192.168.0.12」のような形式です。ホスト名を使用している場合は、スペルミスがないか、またはPCのネットワーク設定でDNSサーバーが正しく設定されているかを確認しましょう。
重要な確認事項: コマンドプロンプト(Windows)やターミナル(macOS/Linux)から ping <Raspberry PiのIPアドレス> を実行し、ラズパイにネットワーク的に到達可能か確認してください。pingが成功しない場合は、PCとラズパイが同じネットワークに接続されていないか、途中にファイアウォールなどの障害がある可能性があります。
SSHサービス未起動とファイアウォールの問題
次に多いのが「Connection refused(接続拒否)」エラーです。このエラーは、WinSCPがラズパイの指定ポート(通常はSSHのポート22)に接続しようとしたものの、ラズパイ側で接続を拒否された場合に発生します。主な原因は、ラズパイでSSHサーバー(sshd)が起動していないこと、またはファイアウォールによってポート22が閉じられていることです。
ラズパイのSSHを有効にするには、いくつかの方法があります。GUI環境がある場合は、「Raspberry Piの設定」から「インターフェース」タブを開き、「SSH」を有効にしてください。GUIがないヘッドレス環境の場合は、SDカードにOSイメージを書き込む際に、Raspberry Pi Imagerの高度な設定でSSHを有効にするか、SDカードの/bootパーティション直下にsshという名前の空ファイルを作成することで有効化できます。
また、ラズパイのターミナルでsudo service sshd statusを実行し、SSHサービスが「active (running)」と表示されているか確認しましょう。もし停止している場合は、sudo service sshd startで起動を試みてください。
ファイアウォールの問題も考慮する必要があります。ラズパイにufwなどのファイアウォールが設定されている場合、ポート22が許可されているか確認が必要です。許可されていない場合は、sudo ufw allow 22/tcpなどのコマンドでSSHポートを開放してください。
その他の基本的な接続トラブルとその対処法
上記以外にも、WinSCPのセッション履歴に古い情報が残っていたり、使用している鍵ファイルに問題があったりすることで接続できない場合があります。
WinSCPの「セッション履歴」は、過去の接続情報を保存していますが、これが原因で誤った設定が適用されてしまうことがあります。一度、セッション履歴をクリアしてから再接続を試みてください。これは、WinSCPの起動画面で「ツール」メニューから「セッション履歴を削除」を選択することで実行できます。
また、SSH鍵認証を使用している場合は、秘密鍵(.ppk形式など)に問題がある可能性も考えられます。PuTTYgenを使用して鍵ファイルを再作成または再変換してみることで解決することがあります。特に、WinSCPとPuTTYを併用している場合、鍵の形式がWinSCPで正しく認識されていないケースがあります。
最後に、非常に基本的なことですが、PCとラズパイが本当に同じネットワークに接続されているか、ラズパイのIPアドレスが DHCP によって変更されていないか(特にルーターの再起動後など)を改めて確認することも重要です。
これらの基本的な確認と対処法で多くの接続問題は解決に向かうはずです。
「リスト取得のエラー」や「読み込み中に問題が発生しました」の対処法
WinSCPでラズパイに接続できたものの、ファイルリストが表示されなかったり、「ディレクトリの一覧を取得できません」「タイムアウトしました(データ用接続)」といったエラーが出たりすることがあります。これは接続設定やサーバー側の環境が原因であることが多いです。具体的な対処法を見ていきましょう。
パッシブモードとリモートディレクトリ設定の見直し
「ディレクトリの一覧を取得できません」エラーは、特にSFTPやFTP接続時に発生しやすい問題です。このエラーの原因の一つに、WinSCPの接続設定における「パッシブモード(Passive mode)」が関係していることがあります。パッシブモードは、FTP/SFTP接続でデータ転送のための接続をクライアント側から確立するモードですが、ネットワーク環境によってはこれがうまく機能しない場合があります。
解決策として、WinSCPの接続設定でパッシブモードを無効にしてみてください。WinSCPのログイン画面で「編集」をクリックし、「環境」または「転送」設定の中からパッシブモードに関する項目を探し、チェックを外します。
また、WinSCPのログイン設定で「リモートディレクトリ」に特定のパス(例: / や /home/pi)を指定している場合、これが原因でエラーが発生することがあります。この指定を空欄にすることで、サーバーのデフォルトディレクトリに接続を試み、問題が解決するケースがよく見られます。
SSH設定(sshd_config)とシェル環境の調整
SFTP接続において、サーバー側のSSHデーモン(sshd)の設定がリスト取得に影響を与えることもあります。
特に、ラズパイの/etc/ssh/sshd_configファイル内のSubsystem sftp /usr/lib/openssh/sftp-serverという行や、PasswordAuthenticationがyesに設定されているかを確認してください。PasswordAuthenticationがnoになっていると、パスワード認証でのSFTP接続が拒否される可能性があります。設定を変更した場合は、sudo service sshd restartでSSHサービスを再起動するのを忘れないでください。
さらに、WinSCPの「環境」設定で、SCP/Shellのシェル種類を/bin/bashに変更することで、ディレクトリリスト取得エラーが解決する場合があります。これは、SFTPサーバーが特定のシェル環境に依存してファイルパスや権限を正しく処理できない場合に有効な手段です。WinSCPはデフォルトで異なるシェル(例: /bin/sh)を使用しようとすることがあり、これが環境変数の違いなどからエラーを引き起こすことがあります。
ネットワーク環境や一時的な問題への対応
まれに、ネットワーク環境の一時的な不安定さが原因でリスト取得エラーが発生することもあります。特にWi-Fi接続を利用している場合、電波状況が悪かったり、他のデバイスによる帯域の占有があったりすると、データ転送用の接続がタイムアウトしてしまうことがあります。
このような場合は、一度WinSCPを完全に終了し、再度接続を試みる、またはラズパイ自体を再起動してみることで問題が解決することがあります。
また、ルーターやモデムなどのネットワーク機器の一時的な不調も考えられるため、それらの電源を入れ直してみるのも有効な手段です。
大容量のファイルを転送中にリスト取得エラーが発生する場合は、ファイル転送を一時停止し、小容量のファイルでテストしてみるなど、トラブルシューティングの切り分けを行うことが推奨されます。
ネットワークケーブルが劣化している場合や、Wi-Fiドングルが不安定な場合など、物理的な問題も考慮に入れると良いでしょう。
WinSCPのログを徹底活用!エラー原因特定と解決への道
WinSCPで問題が発生した際、何が起こっているのかを把握するための最も強力なツールが「ログ」です。ログには、接続プロセス、認証試行、ファイル転送など、WinSCPが行ったすべてのアクションと、それに対するサーバーからの応答が詳細に記録されています。このログを有効化し、正しく読み解くことで、エラーの真の原因を特定し、解決へと導くことができます。
WinSCPログの有効化と適切なレベル設定
WinSCPのログは、デフォルトでは詳細な情報が記録されない設定になっていることがあります。トラブルシューティングのために、まずはログを有効化し、適切なログレベルに設定することが重要です。
ログを有効にする手順は以下の通りです。
- WinSCPのログイン画面で「ツール」メニューから「環境設定」を開きます。
- 左側のメニューから「ログ」を選択します。
- 「ログを有効にする」にチェックを入れます。
- 「ログレベル」を「デバッグ2」に設定します。このレベルが最も詳細な情報を記録するため、エラー解析に最適です。
- ログの保存先を指定します。デフォルトではWindowsの一時フォルダなどに保存されますが、デスクトップなど分かりやすいパスを指定し、ファイル名も「WinSCP_log_YYYYMMDD.log」のように日付を入れると管理しやすくなります。
ポイント: ログレベルを「デバッグ2」に設定することで、通信の具体的なやり取りや暗号化アルゴリズムのネゴシエーション状況まで記録されます。これにより、どの段階で問題が発生しているのかをピンポイントで特定しやすくなります。
ログファイルからエラー情報を読み解くポイント
ログファイルはテキスト形式で出力されるため、メモ帳やVS Codeなどのテキストエディタで開いて内容を確認できます。ログファイルからエラー情報を読み解く際のポイントは、以下の通りです。
- キーワード検索:
Error,Failed,Rejected,Timeout,Connection refusedなどのキーワードで検索し、エラーメッセージやその前後の行に注目します。 - 接続シーケンスの確認: ログは接続の最初から順に記録されます。どの段階(例: DNS解決、SSHハンドシェイク、認証、SFTPサブシステムの起動など)で処理が中断されたり、エラーが発生したりしているかを確認します。
- サーバーからの応答: サーバーがWinSCPに対してどのような応答を返しているか(例: 「Permission denied」、「Authentication failed」)を読み解くことで、ラズパイ側の設定ミスや認証情報の誤りなどを特定できます。
- ポート番号とプロトコル: 接続を試みたポート番号(例: 22)や使用されたプロトコル(例: SFTP)が意図したものと一致しているか確認します。
ログには、一見無関係に見える情報が解決のヒントになることも多いため、全体をざっと眺めることも大切です。
サポートへの問い合わせとログファイルの活用
ログを読み解いても原因が特定できない、あるいは解決策が分からない場合は、WinSCPの公式フォーラムやRaspberry Piのコミュニティ、その他の技術サポートに問い合わせることを検討しましょう。その際、ログファイルを添付することは、問題解決への最短ルートです。
ログファイルには詳細な情報が含まれているため、状況を口頭やスクリーンショットだけで説明するよりも、はるかに正確に問題を伝えることができます。サポート担当者はログの内容から、より的確なアドバイスや解決策を提示してくれるでしょう。
ただし、ログファイルにはユーザー名やIPアドレスなどの情報が含まれることがあるため、公開フォーラムなどに添付する際は、個人を特定できる情報を一部マスクするなどの配慮も必要です。
ログファイルと合わせて、問題発生時の状況(例: どのような操作をしたか、どのようなエラーメッセージが表示されたか)や、これまでに試した対処法を具体的に記載することで、より迅速な解決に繋がります。
WinSCPの「ランタイムエラー」や「証明書エラー」に立ち向かう
WinSCPの接続エラーだけでなく、ソフトウェア自体の問題やセキュリティ関連のエラーに直面することもあります。ここでは、「ランタイムエラー」や「証明書エラー」といった、より深層的な問題の対処法を解説します。
WinSCPのランタイムエラー発生時の基本対処法
「ランタイムエラー」は、WinSCPプログラムが実行中に必要なコンポーネントやライブラリが見つからない、または破損している場合に発生します。これはWinSCPの問題というより、PCのOS環境やインストールされているソフトウェアの問題に起因することが多いです。
ランタイムエラーが発生した場合の基本的な対処法は以下の通りです。
- WinSCPの再インストールとアップデート: まずはWinSCPを一度アンインストールし、公式サイトから最新版をダウンロードして再インストールしてみてください。古いバージョンでは、最新のOS環境に対応できない場合があります。
- C++ Redistributableの確認: WinSCPはMicrosoft Visual C++ Redistributableなどのランタイムライブラリに依存しています。これらのライブラリがPCにインストールされているか確認し、必要であればMicrosoftの公式サイトから最新版をダウンロードしてインストールしてください(x86とx64の両方)。
- PCの再起動: システムの一時的な不具合である可能性もあるため、PCを再起動することで解決することがあります。
- セキュリティソフトの一時停止: アンチウイルスソフトやファイアウォールソフトがWinSCPの正常な動作を妨げている可能性も考えられます。一時的にこれらのソフトウェアを無効にして、問題が解決するかどうか確認してください(確認後は必ず有効に戻してください)。
エラーメッセージに具体的なコードやDLL名が表示されている場合は、それを手がかりにインターネットで検索すると、より詳細な解決策が見つかることがあります。
SSHホストキーと証明書エラーの解決策
WinSCPでラズパイにSSH接続する際、初回接続時に「不明なホストキー」という警告が表示されることがあります。これは正常な挙動で、サーバーの公開鍵(ホストキー)を信頼できるものとしてPCに登録するかどうかを確認しています。ここで「はい」を選択すると、ホストキーがPCのknown_hostsファイルに保存され、次回以降は警告が表示されなくなります。
しかし、ラズパイを再インストールしたり、IPアドレスが変更されたりした場合に、以前のホストキーと現在のホストキーが異なることで警告が表示されることがあります。この場合、「危険な可能性のあるホストキー変更」といったメッセージが表示されます。この警告はセキュリティ上の重要な通知であり、意図しないサーバー(中間者攻撃など)に接続している可能性を示唆しています。もし心当たりがない場合は接続を中止すべきです。
自分でラズパイのOSを再インストールしたなど、ホストキー変更に心当たりがある場合は、PCのknown_hostsファイル(通常はC:\Users\あなたのユーザー名\.ssh\known_hosts)から、該当するラズパイのホストキー情報を削除してから再接続を試みてください。WinSCPの「セッションの編集」画面で「SSH」>「認証」タブにある「ホストキーキャッシュをクリア」を使用する方法もあります。
また、ごく稀にSSL/TLS証明書に関するエラーが発生することがありますが、これは主にFTP over TLS接続などで発生し、WinSCPとラズパイ間の時刻設定のずれや、セキュリティソフトの影響が原因となることがあります。PCとラズパイのシステム時刻が正確に同期されているか確認してください。
安定した接続環境を保つためのPCとネットワークのメンテナンス
WinSCPのエラーは、必ずしもWinSCPやラズパイ側の問題だけとは限りません。PC側のリソース不足や、ネットワーク環境の不安定さが原因で、ランタイムエラーや接続のタイムアウト、ファイル転送の失敗といった問題を引き起こすことがあります。
PCを常に最適な状態に保つために、以下のメンテナンスを心がけましょう。
- 定期的なOSアップデート: WindowsやmacOSを最新の状態に保ち、必要なセキュリティパッチやドライバーが適用されていることを確認します。
- リソースの確認: WinSCP使用中にPCのメモリやCPU使用率が高くなりすぎていないかタスクマネージャーなどで確認します。不要なアプリケーションは終了させ、リソースを解放します。
- ネットワークドライバーの更新: PCの有線/無線LANアダプターのドライバーが最新版であることを確認します。古いドライバーはネットワークの安定性に影響を与える可能性があります。
また、ネットワーク機器(ルーター、モデムなど)のファームウェアを最新に保ち、定期的に再起動することで、安定した通信環境を維持できます。物理的なケーブル接続も確認し、緩みや劣化がないかチェックすることも重要です。これらの基本的なメンテナンスは、WinSCPを始めとするネットワークアプリケーションを快適に利用するための土台となります。
WinSCPの便利な機能:履歴、ログアウト、ローカルディレクトリ表示
WinSCPは、単なるファイル転送ツールとしてだけでなく、日々の作業を効率化するための便利な機能を多数備えています。接続履歴の管理から、安全なログアウト、そして直感的なローカルディレクトリ表示まで、これらの機能を活用することで、ラズパイとの連携がよりスムーズになります。
接続履歴とセッション管理で効率アップ
WinSCPの「セッション」機能は、一度接続したラズパイの情報(ホスト名、ユーザー名、パスワード、認証方式、ディレクトリパスなど)を保存し、次回以降の接続を非常にスムーズに行えるようにします。
ログイン画面に表示される履歴から、過去に接続したサーバーをワンクリックで開くことができますし、よく使う接続先は「保存」ボタンでセッションとして保存しておくことで、より永続的に管理できます。
保存したセッションは、名前を付けて整理したり、フォルダーを作成してグループ分けしたりすることが可能です。例えば、「開発用ラズパイ」「本番用ラズパイ」といった形で整理しておくと、複数のラズパイを使い分けている場合に迷わずアクセスできます。
また、WinSCPはタブ機能も備えており、複数のセッションを同時に開いて作業することが可能です。これにより、異なるラズパイ間や、ローカルPCと複数のラズパイ間でファイルを効率的に移動・同期することができます。
セッションを複製して、一部の設定だけを変更した新しいセッションを作成することもでき、非常に柔軟な運用が可能です。
適切なログアウトと接続終了の重要性
WinSCPでラズパイに接続した後、作業が終了したら適切にログアウト(切断)することが重要です。単にWinSCPのウィンドウを閉じるだけでも接続は切断されますが、より確実なのは、WinSCPのメニューから「セッション」>「切断」を選択するか、タブを右クリックして「タブを閉じる」を選ぶ方法です。
適切なログアウトを行うことで、ラズパイ側でSSHセッションが正常に終了し、余計なプロセスやリソースが残り続けることを防ぎます。サーバー側で放置されたセッションが多いと、システムのリソースを圧迫したり、最悪の場合、セキュリティ上の脆弱性につながったりする可能性もゼロではありません。
また、WinSCPには「接続を維持」というオプションや、「アイドルタイムアウト」設定もあります。長時間の作業で接続が切断されないように「接続を維持」を利用したり、一定時間操作がない場合に自動的に接続を切断する「アイドルタイムアウト」を設定したりすることで、利便性とセキュリティのバランスを取ることができます。
セキュリティ上の注意: 公共のPCなど、不特定多数が利用する環境でWinSCPを使用した場合は、作業終了後に必ずログアウトし、保存したセッションや履歴を削除することをおすすめします。
ローカルディレクトリ表示とファイル同期機能の活用
WinSCPのメインウィンドウは、通常、左側にローカルPCのディレクトリ、右側にラズパイ(リモートサーバー)のディレクトリを表示する2ペイン構成になっています。この直感的なインターフェースにより、ローカルとリモート間のファイル操作を簡単に行うことができます。
ローカルディレクトリ側では、Windowsのエクスプローラーと同様にフォルダーを移動したり、新しいフォルダーを作成したりできます。よく使うローカルパスは「お気に入り」として登録しておくと、素早くアクセスできて便利です。例えば、ラズパイの設定ファイルを一時的にPCにコピーして編集する際などに役立ちます。
さらにWinSCPの強力な機能の一つに「同期」があります。これは、ローカルとリモートのディレクトリ内容を比較し、指定したルールに基づいてファイルを自動的に更新・追加・削除する機能です。
| 同期オプション | 説明 |
|---|---|
| ミラーリング | 片方のディレクトリの内容をもう片方に完全に一致させます。双方向の同期も可能です。 |
| 更新のみ | 新しいファイルや更新されたファイルのみを転送します。 |
| 削除を含む | 片方のディレクトリから削除されたファイルをもう片方からも削除します。 |
この同期機能は、ラズパイ上の開発プロジェクトのバックアップや、Webサイトのデプロイ、設定ファイルの管理などに非常に有効です。ドラッグ&ドロップによる手動転送だけでなく、このような高度な機能を活用することで、ファイル管理の効率を大きく向上させることができます。
WinSCPとラズパイ、AIアシスタントで接続トラブルもサクサク解決!
「WinSCPでラズパイに接続できない…」そんな悩みを抱えているあなたへ。この記事では、よくあるエラーとその解決策、そしてログの活用法を詳しく解説しています。さらに、AIをあなたの「秘書」や「優秀なアシスタント」として活用することで、これらの作業をよりスムーズに進める方法をご紹介します。AIは万能ではありませんが、あなたの思考を整理し、効率を格段にアップさせる強力なパートナーとなり得ます。
【思考の整理】記事のテーマをAIで整理・優先順位付けするコツ
WinSCPとラズパイの接続トラブルは、原因が多岐にわたるため、どこから手をつければ良いか迷うこともありますよね。そんな時、AIに「WinSCPでラズパイに接続できない主な原因と、それぞれの解決策を、重要度が高い順にリストアップして」と指示してみましょう。AIは、記事で解説されている内容を基に、接続エラー、リスト取得エラー、ランタイムエラーといった可能性のある原因を整理し、優先順位をつけて提示してくれます。これにより、闇雲に試行錯誤するのではなく、最も可能性の高い原因から効率的に調査を進めることができます。
また、「ラズパイ接続エラーで確認すべきログファイルとその内容の要点を教えて」と質問することで、ログの重要性や、どのログに注目すべきかといった情報も整理できます。AIが提示したリストや要点は、まさにあなたが次に取るべきアクションの「たたき台」となります。これにより、限られた時間の中で、最も効果的なトラブルシューティングに集中できるようになるのです。
【実践の下書き】そのまま使えるプロンプト例( を使用)
AIに具体的な指示を出すことで、あなたの思考を整理し、効率的な解決策を見つけるための「下書き」を作成してもらいましょう。例えば、以下のようなプロンプトは、記事の内容を基に、AIにあなたの状況を理解させ、役立つ情報を提供させるためのものです。
WinSCPでラズパイに接続できません。エラーメッセージは「Permission denied」と表示されています。考えられる原因と、それを特定するための具体的な確認手順を、初心者にも分かりやすく教えてください。特に、SSH設定やユーザー権限に関する確認事項を重点的にお願いします。
なぜこの指示を出すと役立つのかというと、AIは与えられた情報(エラーメッセージや状況)を基に、記事で解説されている知識の中から関連性の高いものを抽出し、論理的に整理して回答を生成します。「Permission denied」という具体的なエラーメッセージを伝えることで、AIはより的を絞ったアドバイスを提供できます。また、「初心者にも分かりやすく」「重点的に」といった指示を加えることで、あなたの求めるレベル感に合った、実行しやすい手順書を作成してもらうことができます。このAIが生成した回答を参考に、ご自身の状況に合わせて一つずつ確認していくことで、迅速な問題解決へと繋がるでしょう。
【品質の担保】AIの限界を伝え、人がどう微調整すべきかの知恵
AIは強力なアシスタントですが、万能ではありません。AIが生成した回答は、あくまで「たたき台」や「候補」として捉え、鵜呑みにしないことが重要です。特に、トラブルシューティングにおいては、AIが提示した解決策があなたの具体的な環境に完全に合致するとは限りません。例えば、AIが「SSH設定の鍵認証を試してください」と提案した場合でも、あなたのラズパイのSSH設定がパスワード認証になっている場合や、そもそもSSH自体が有効になっていない場合など、状況は様々です。
そのため、AIの回答を参考にしつつも、最終的な判断と実行は必ずあなた自身が行ってください。AIの提案をそのまま適用するのではなく、「これは私の状況に合っているか?」「他に考慮すべき点はないか?」と自問自答することが大切です。必要であれば、AIにさらに詳細な情報を追加で質問したり、複数のAIツールや情報を比較検討したりしながら、ご自身の判断で最適な解決策へと微調整していくことが、AIを最大限に活用し、確実な問題解決へと繋げるための鍵となります。
まとめ
よくある質問
Q: WinSCPでラズパイに接続できない主な原因は何ですか?
A: SSHサーバーがラズパイで起動していない、ファイアウォール設定、IPアドレス間違い、ポート番号(デフォルトは22)の不一致、ユーザー名やパスワードの誤りが考えられます。
Q: 「リスト取得のエラー」や「読み込み中に問題が発生しました」というエラーはどうすれば解決できますか?
A: ラズパイ側のファイルパーミッションの問題、ディスク容量不足、ネットワークの一時的な不安定さ、WinSCPのバージョン互換性などが原因として考えられます。ログを確認し、ラズパイ側の状況を調査することが重要です。
Q: WinSCPのログはどこで確認できますか?また、どのように見ればよいですか?
A: WinSCPのメニューから「オプション」→「環境設定」→「ログ」でログの場所や種類を設定できます。デフォルトでは、通常Windowsのアプリケーションデータフォルダ内に保存されます。ログファイルには、接続試行やファイル操作に関する詳細な情報が記録されており、エラー発生時の原因特定に役立ちます。
Q: 「ランタイムエラー」や「証明書エラー」が出た場合の対処法は?
A: ランタイムエラーは、WinSCP自体の問題か、OSとの互換性問題が考えられます。最新版へのアップデートや再インストールを試みてください。証明書エラー(「ルート証明書」関連)は、SSHサーバーのホストキーが変更された場合に発生することがあります。WinSCPの接続設定でホストキーを削除・再確認することで解消される場合があります。
Q: WinSCPで文字コード「932」のファイルを読み込む際に問題が発生するのですが、どうすればよいですか?
A: 「932」は日本語のShift_JISを指すことが多いです。WinSCPの接続設定やファイル転送設定で、適切な文字コード(UTF-8など)を指定してみてください。また、ラズパイ側のファイルが実際に932で保存されているか確認することも重要です。