概要: AWSの無料枠は、EC2やLambdaなど様々なサービスを試す絶好の機会です。本記事では、無料枠の対象サービスからEC2でのMinecraftサーバー構築、Lambdaの活用法まで、具体的な利用方法を解説します。
AWS無料枠で始める!EC2やLambdaの賢い使い方
クラウドサービスの学習や検証を始める際、初期費用は気になるところですよね。そんな時に心強い味方となるのが「AWS無料利用枠」です。Amazon Web Services (AWS) が提供するこの制度は、特定のサービスを一定量まで無料で利用できるため、コストを気にせずクラウドの世界に飛び込むことができます。
本記事では、AWS無料枠の基本的な仕組みから、人気サービスであるEC2やLambdaの具体的な活用法、さらには見落としがちなコスト源とその対策まで、最新の正確な情報に基づいて詳しく解説します。この記事を参考に、あなたもAWS無料枠を最大限に活用し、クラウドスキルを磨いていきましょう。
AWS無料枠の概要と対象サービス
AWS無料利用枠とは?基本的な仕組み
AWSをこれから始める皆さんにとって、まず知っておきたいのが「AWS無料利用枠(Free Tier)」です。これは、AWSアカウントを作成した日から一定期間、または無期限で、特定のサービスを一定量まで無料で利用できる非常に便利な制度です。例えば、クラウドでWebサイトを構築してみたいけれど、どれくらい費用がかかるか不安…といった場合に、この無料枠を活用すれば、初期費用を気にせずに学習や検証を始めることができます。新しい技術を試す際の障壁を大きく下げる役割を果たしており、世界中の開発者や企業がAWSを使い始めるきっかけにもなっています。
AWS無料利用枠の目的は、ユーザーがAWSの多岐にわたるサービスを気軽に体験し、その価値を理解してもらうことにあります。特に、クラウドインフラストラクチャの知識がまだ浅い初心者の方にとっては、実際に手を動かしながら学ぶための絶好の機会を提供してくれます。また、小規模なプロジェクトやテスト環境の構築であれば、無料枠の範囲内で十分に運用できるケースも少なくありません。この制度を上手に活用することで、クラウドサービスへの理解を深め、より高度な利用へとステップアップしていくための土台を築くことができるでしょう。
(出典: 参考情報)
3つの無料利用枠の種類と2025年7月からの変更点
AWS無料利用枠には、主に3つのタイプが存在します。一つ目は「12ヶ月無料枠」で、アカウント作成から12ヶ月間、EC2の特定のインスタンスタイプやS3のストレージなど、特定のサービスを無料で利用できます。期間終了後や無料枠を超過した場合は課金対象となるため注意が必要です。二つ目は「無期限無料枠(常時無料枠)」で、期間の制限なく、指定された利用量まで無料で利用できます。AWS LambdaやDynamoDBなどがこれに該当し、サーバーレスアーキテクチャの学習や、小規模なアプリケーションの運用に非常に役立ちます。そして三つ目は「無料トライアル」で、特定のサービスを初めて利用する際に、短期間(例:30日間)お試しで利用できる枠です。
さらに、AWS無料利用枠は2025年7月15日以降、仕組みが大きく変更されました。新しいシステムでは、新規ユーザーに最大200米ドルのAWSクレジットが付与される「クレジットベースのシステム」へと移行します。サインアップ時にまず100米ドルが付与され、特定のサービスアクティビティを完了することで追加の100米ドルが付与される場合があります。また、アカウント作成時に「無料プラン」か「有料プラン」かを選択できるようになり、「無料プラン」はクレジットの消費または6ヶ月の期間が経過した時点で失効し、一部利用できないサービスがある点も重要な変更点です。これらの変更点を理解し、ご自身の利用状況に合わせて最適なプランを選択することが、賢いAWS利用の鍵となります。
(出典: 参考情報)
主要サービスの無料枠内容早見表
ここでは、AWS無料利用枠で特に利用頻度の高い主要サービスについて、その具体的な無料枠の内容をまとめてみました。これらの情報を参考に、ご自身のプロジェクトや学習目的に合わせてサービスを選定し、コストを抑えながらAWSを最大限に活用してください。
| サービス名 | 無料枠の種類 | 無料枠の内容 |
|---|---|---|
| Amazon EC2 | 12ヶ月無料枠 | t2.microまたはt3.microインスタンスが月750時間 |
| AWS Lambda | 無期限無料枠 | 月100万リクエスト、400,000GB秒の実行時間 |
| Amazon S3 | 12ヶ月無料枠 | 5GBの標準ストレージ、20,000件のGETリクエスト、2,000件のPUTリクエスト |
| Amazon RDS | 12ヶ月無料枠 | MySQL、PostgreSQLなどを実行するdb.t2.microデータベースを月750時間、20GB汎用SSD、20GBバックアップストレージ |
| Amazon DynamoDB | 無期限無料枠 | 25GBのストレージ、月200万リクエスト |
| Amazon CloudFront | 12ヶ月無料枠 | 月50GBのデータ転送、200万件のHTTP/HTTPSリクエスト |
| Amazon EBS | 12ヶ月無料枠 | 30GBの汎用SSD(gp2)ストレージ |
この表からわかるように、多くの主要サービスが無料で試せるようになっています。しかし、無料枠を超過すると自動的に課金が発生するため、利用上限を常に意識し、AWS Budgetsなどのコスト管理ツールでアラート設定を行うことが非常に重要です。特にRDSのOracleやMicrosoft SQL Serverは無料枠の対象外となる場合があるため、データベースの種類選択には注意が必要です。
(出典: 参考情報)
EC2(t2.micro)とMinecraftサーバー構築
EC2無料枠の基礎知識と賢いインスタンス選び
AWSのComputeサービスの中核をなすAmazon EC2(Elastic Compute Cloud)は、仮想サーバーをクラウド上で利用できるサービスです。そのEC2には、AWSアカウント作成から12ヶ月間利用できる無料枠があり、t2.microまたはt3.microインスタンスが月750時間まで無料で利用可能です。(出典: 参考情報)この「月750時間」というのは、1ヶ月がおよそ730時間であるため、t2.microまたはt3.microインスタンスを1台、常に起動しっぱなしにしても無料枠の範囲内で収まる計算になります。これは、検証環境や小規模なウェブサーバー、あるいは特定の目的を持ったアプリケーションサーバーを運用する上で非常に大きなメリットとなります。
賢いインスタンス選びのポイントは、まず「t2.microまたはt3.micro」というインスタンスタイプを厳守することです。これ以外のインスタンスタイプを選択したり、複数台のインスタンスを同時に起動して合計時間が750時間を超えたりすると、すぐに課金対象となってしまいます。また、利用するAWSリージョンによって無料枠の対象となるインスタンスタイプが異なる場合もあるため、事前に必ず確認しましょう。例えば、学習用途であれば、CPU性能とメモリ容量がバランス良く、無料枠で提供されるt2.microまたはt3.microで十分なケースがほとんどです。自身の要件に合わせて最適なインスタンスタイプを選ぶことが、無駄なコストを発生させないための第一歩となります。
(出典: 参考情報)
無料枠で実現!Minecraftサーバー構築ステップ
AWS無料枠を最大限に活用する具体的な例として、t2.microインスタンスを使ったMinecraftサーバーの構築は非常に人気があります。お子様との遊びや友人とのプライベートサーバーとして、コストを気にせず自分だけのMinecraftワールドを構築できるのは大きな魅力です。まず、AWSマネジメントコンソールからEC2インスタンスを起動する際に、無料枠対象の「t2.micro」タイプを選択します。OSは、多くのガイドが利用可能なAmazon Linux 2やUbuntu Serverなどがおすすめです。
インスタンスが起動したら、SSHで接続し、Java Development Kit(JDK)をインストールします。MinecraftサーバーはJavaで動作するため、これは必須のステップです。次に、Mojang公式サイトから最新のMinecraftサーバーJARファイルをダウンロードし、インスタンス内に配置します。その後、JARファイルを実行してサーバーを起動すれば、基本的なMinecraftサーバーのセットアップは完了です。必要に応じて、サーバーのプロパティファイル(server.properties)を編集して、ゲームモードや難易度、ホワイトリスト設定などを調整できます。インターネットからのアクセスを許可するために、EC2のセキュリティグループでMinecraftが使用するポート(デフォルトは25565)を開放するのを忘れないようにしましょう。
ただし、注意点として、Minecraftサーバーは常に稼働しているため、月750時間の無料枠を消費し続けます。また、プレイヤーが増えたり、マップデータが大きくなると、データ転送量やEBSストレージの容量が増え、無料枠を超過する可能性があります。特に、インターネットへのデータ転送量には注意が必要ですので、後述するデータ転送量に関するセクションも必ずご確認ください。
(出典: 参考情報)
無料枠を超えないためのEC2運用テクニック
EC2を無料枠内で安全に運用するためには、いくつかの重要なテクニックがあります。最も基本的ながら最も重要なのは、「不要になったリソースは速やかに停止または削除する」という原則です。(出典: 参考情報)検証や学習目的で一時的にインスタンスを起動した場合、使い終わったら必ず停止または終了しましょう。停止したインスタンスはストレージ(EBS)にのみ課金が発生し(EBSにも無料枠はありますが)、実行時間による課金は発生しません。完全に不要であれば、終了(削除)することで課金を完全に停止できます。
次に、AWS Budgetsを利用したコストアラートの設定は必須です。(出典: 参考情報)無料枠を超過すると自動的に課金が発生するため、予算を設定し、そのしきい値に達しそうになったら通知を受け取るように設定することで、予期せぬ高額請求を防ぐことができます。月間のEC2利用時間や推定コストを予算として設定し、例えば予算の80%に達したらメールで通知するといった設定が有効です。さらに、利用するリージョンとサービスの対象範囲を事前に確認することも重要です。(出典: 参考情報)AWS無料枠は特定のリージョンで提供されていることが多く、意図せず無料枠対象外のリージョンでサービスを起動してしまうと、すぐに課金対象となってしまいます。定期的にAWSの請求ダッシュボードを確認し、利用状況を把握する習慣をつけましょう。(出典: 参考情報)
(出典: 参考情報)
Lambda、App Runner、API Gatewayの活用法
Lambda無料枠で始めるサーバーレス開発
AWS Lambdaは、サーバーのプロビジョニングや管理をすることなくコードを実行できる、まさに「サーバーレス」なサービスです。イベント駆動型で動作し、特定のイベント(S3へのファイルアップロード、APIリクエストなど)が発生したときにのみコードが実行されるため、使用した分だけの料金が発生するという極めて効率的な課金モデルが特徴です。さらに、Lambdaには非常に generous な無期限無料枠が用意されており、月100万リクエスト、および400,000GB秒の実行時間が無料で提供されます。(出典: 参考情報)これは、多くの小規模なアプリケーションや検証環境であれば、実質的に無料で運用できるレベルの無料枠です。
この無料枠を最大限に活用することで、サーバーの維持管理コストや手間を一切気にすることなく、アプリケーション開発に集中できます。Web APIのバックエンド処理、cronのような定期実行されるバッチ処理、S3にアップロードされた画像の自動リサイズ処理、IoTデバイスからのデータ処理など、その活用範囲は非常に広いです。例えば、簡単な問い合わせフォームの送信処理をLambdaで実装すれば、サーバーを立てることなく、必要な時に必要なだけリソースが消費されるため、コストを最小限に抑えることが可能です。サーバーレスアーキテクチャは、開発のスピードアップ、運用コストの削減、高いスケーラビリティといった多くのメリットをもたらし、特にスタートアップや中小企業にとって強力な味方となります。
(出典: 参考情報)
API Gatewayとの連携で高度なWebサービスを構築
AWS Lambdaは単体でも強力ですが、Amazon API Gatewayと連携することで、より高度で堅牢なWebサービスを構築できます。API Gatewayは、AWS Lambda関数やその他のAWSサービス、あるいはご自身のWebアプリケーションに対する「フロントドア」として機能し、APIの作成、公開、保守、モニタリング、および保護を容易にします。API Gatewayにも無料枠があり、月100万回のAPIコールが無料枠の対象となる場合があります(詳細な無料枠情報は公式ドキュメントをご確認ください)。この無料枠をLambdaと組み合わせることで、静的なウェブサイト(例えばS3でホスティングされたSPA)のバックエンドに動的なAPI機能を、ほとんどコストをかけずに実装することが可能になります。
例えば、ユーザー認証機能を備えたRESTful APIを構築する場合、API Gatewayでエンドポイントを定義し、そのバックエンドにLambda関数を設定します。Lambda関数は、DynamoDBなどのデータベースと連携してデータを操作し、API Gatewayを通じてその結果をクライアントに返します。API Gatewayは、レート制限、キャッシュ、認証・認可(CognitoやIAMと連携)、リクエスト/レスポンスのマッピングといった様々な機能を提供し、APIの運用を効率化します。これにより、開発者はインフラ管理に煩わされることなく、ビジネスロジックの実装に集中でき、スケーラブルでセキュアなWebサービスを迅速に市場に投入できるようになります。
(出典: AWSの一般的な無料枠情報と関連サービス連携の知識に基づいて記述しています)
App Runnerで手軽にコンテナアプリをデプロイ
もし皆さんがコンテナベースのアプリケーションをデプロイしたいと考えているけれど、ECSやEKSのような複雑なコンテナオーケストレーションは避けたい、という場合に最適なのがAWS App Runnerです。App Runnerは、コンテナ化されたウェブアプリケーションやAPIを、非常に簡単にデプロイ・スケールできるフルマネージドサービスです。ソースコードリポジトリ(GitHubなど)またはコンテナイメージから直接デプロイでき、インフラのプロビジョニングやロードバランシング、スケーリング、証明書の管理などをすべてAWSが自動的に行います。
App Runnerにも無料枠があり、例えば月1440CPU時間、100GBメモリが無料枠の対象となる場合があります(詳細な無料枠情報はAWS公式ドキュメントでご確認ください)。この無料枠を活用すれば、シンプルなWebアプリケーションや、ポートフォリオサイト、小さなプロトタイプなどを手軽に公開できます。デプロイは数クリックで完了し、インフラ知識が少なくてもコンテナのメリットを享受できるため、開発者はアプリケーションのコード作成に集中できます。特に、継続的デプロイメント(CD)機能が組み込まれているため、ソースコードを更新するたびに自動的にアプリケーションが再デプロイされる点も、開発効率を大きく向上させるでしょう。App Runnerは、コンテナ化されたWebサービスを手軽に試したい、または小規模なサービスを運用したいと考えている方に強くおすすめできるサービスです。
(出典: AWSの一般的な無料枠情報とサービスの特徴に基づいて記述しています)
Secrets Manager、WAF、NAT Gateway、Backupの無料枠
セキュリティを強化!Secrets ManagerとWAFの基礎
クラウド上でアプリケーションを運用する際、セキュリティは最優先事項の一つです。AWSは、このセキュリティを強化するための様々なサービスを提供しており、その中には無料枠で利用開始できるものもあります。AWS Secrets Managerは、データベースの認証情報、APIキー、その他のシークレットを自動的にローテーション、管理、取得できるサービスです。パスワードなどをコードに埋め込む必要がなくなり、セキュリティリスクを大幅に低減できます。Secrets Managerにも無料枠が設定されており、例えば最初の30日間は無料で、その後は月30日間の有効なシークレット数が30日まで無料、かつ月10,000APIコールまで無料といった形で提供される場合があります(詳細な無料枠情報は公式ドキュメントをご確認ください)。これにより、テスト環境や小規模なアプリケーションで安全なシークレット管理を実践できます。
次に、AWS WAF(Web Application Firewall)は、WebアプリケーションやAPIを一般的なWebエクスプロイトやボットから保護するためのサービスです。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)といったOWASP Top 10の脅威からアプリケーションを守ります。WAFにも無料枠が設定されており、例えばWeb ACLが1つ、ルールが10個まで、かつ月500万リクエストまで無料で利用できる場合があります(詳細な無料枠情報は公式ドキュメントをご確認ください)。これらのサービスを組み合わせることで、アプリケーションの認証情報を安全に保ちつつ、悪意のある攻撃から保護するという、強固なセキュリティ基盤を無料枠の範囲内で構築し始めることが可能です。クラウドにおけるセキュリティの重要性を理解し、無料枠を活用して実践的な対策を学ぶことは、非常に価値のある経験となるでしょう。
(出典: AWSの一般的な無料枠情報とサービスの特徴に基づいて記述しています)
コスト削減に貢献!NAT Gatewayの代替策
AWSの無料枠を活用する上で、特に注意が必要なサービスの一つがNAT Gatewayです。NAT Gatewayは、プライベートサブネット内のインスタンスがインターネットにアクセスできるようにするためのマネージドサービスですが、残念ながら無料枠の対象外であり、利用すると課金が発生します。特に、データ転送量やプロビジョニングされた時間に対してコストがかかるため、運用によっては意外と高額な費用が発生するケースもあります。したがって、無料枠内でAWSを運用したい場合や、コストを最小限に抑えたい場合は、NAT Gatewayの代替策を検討することが非常に重要です。
代替策としては、まずNATインスタンスの利用が挙げられます。これはEC2インスタンスをNATとして機能させるもので、EC2の無料枠(t2.microなど)を活用すれば、NAT Gatewayよりも大幅にコストを抑えることができます。ただし、NATインスタンスはEC2インスタンスであるため、自身で管理・運用が必要となり、可用性やスケーラビリティの面でNAT Gatewayに劣る点は考慮する必要があります。また、プライベートサブネット内のリソースが特定のAWSサービスにのみアクセスできれば良い場合は、VPCエンドポイントを利用することで、インターネットを経由せずにセキュアかつ安価にサービスにアクセスできます。あるいは、セキュリティ要件が許せば、リソースをパブリックサブネットに配置するという選択肢もありますが、この場合はインターネットからの直接アクセスが可能になるため、セキュリティグループの設定をより厳密に行う必要があります。プロジェクトの要件とコストバランスを考慮して、最適な代替策を選択しましょう。
(出典: AWSの一般的な無料枠情報とサービスの特徴に基づいて記述しています)
データ損失から守る!Backupサービスと無料枠
クラウド環境におけるデータは、ビジネスにとって最も貴重な資産の一つです。そのため、万一のデータ損失に備えて、適切なバックアップ戦略を立てることは不可欠です。AWS Backupは、Amazon EBS、Amazon RDS、DynamoDB、Amazon EFS、AWS Storage Gatewayなど、複数のAWSサービスのリソースを一元的に管理し、自動化されたバックアップを可能にするフルマネージドサービスです。これにより、個別のサービスごとにバックアップ設定を行う手間を省き、ポリシーベースでバックアップ、保持、復元を行うことができます。
AWS Backupにも無料枠が用意されており、例えば月100GBのバックアップストレージと、月100GBの復元データ量が無料で提供される場合があります(詳細な無料枠情報は公式ドキュメントをご確認ください)。この無料枠を活用すれば、小規模なデータベースやEBSボリュームのバックアップを気軽に試すことができ、データ保護の重要性を実践的に学ぶことが可能です。無料枠の範囲内で定期的なバックアップポリシーを設定し、万一のデータ障害に備えることで、安心感を高めることができます。バックアップ戦略を立てる際は、RPO(目標復旧時点)とRTO(目標復旧時間)を考慮し、どれくらいの頻度で、どれくらいの期間データを保持する必要があるかを明確にすることが重要です。AWS Backupは、これらの要件を満たす柔軟なバックアップ計画を、無料枠を足がかりに構築できる強力なツールと言えるでしょう。
(出典: AWSの一般的な無料枠情報とサービスの特徴に基づいて記述しています)
データ転送量と無料枠の注意点
見落としがちなコスト源!データ転送量の注意点
AWS無料枠を賢く活用する上で、多くのユーザーが見落としがちなのが「データ転送量」による課金です。AWS内のサービス間データ転送は無料である場合が多いですが、インターネットへのデータ転送(アウトバウンド)は、無料枠を超過すると課金対象となります。AWSは、全AWSサービスからのインターネットへのデータ転送に対して、月100GBまでを無料枠として提供しています。これを超過すると、データ量に応じて料金が発生し、ウェブサイトやアプリケーションの人気が高まるにつれて、このデータ転送コストが予期せず膨らんでしまうことがあります。特に、動画配信サービスや大量のファイルをダウンロードさせるようなアプリケーションでは、注意が必要です。
データ転送コストを抑えるための有効な手段の一つが、Amazon CloudFrontの活用です。CloudFrontは、AWSのCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)サービスで、世界中のエッジロケーションにコンテンツをキャッシュすることで、ユーザーに最も近い場所からコンテンツを配信し、高速化とコスト削減を実現します。CloudFrontにも12ヶ月無料枠として、月50GBのデータ転送と200万件のHTTP/HTTPSリクエストが提供されています。(出典: 参考情報)この無料枠を利用して、静的コンテンツ(画像、CSS、JavaScriptファイルなど)をCloudFront経由で配信することで、EC2やS3からの直接のデータ転送量を減らし、トータルコストを抑えることができます。データ転送量は、特に利用が拡大していくと無視できないコスト要因となるため、初期段階から意識して設計することが賢明です。
(出典: 参考情報)
無料枠を超過しないための予算アラート設定
AWS無料枠を超過した際に最も懸念されるのが、予期せぬ課金発生です。これを防ぐための最も効果的かつ重要なツールが、AWS Budgetsを利用した予算アラートの設定です。(出典: 参考情報)AWS Budgetsは、月ごと、四半期ごと、年ごとなどの期間で予算を設定し、実際の利用額が予算のしきい値に達しそうになったり、超過したりした場合に通知を受け取ることができるサービスです。これにより、コストの状況を常に把握し、手遅れになる前に対応することができます。
予算アラートの設定は非常に簡単です。AWSマネジメントコンソールから「請求(Billing)」ダッシュボードに進み、「Budgets」セクションを選択します。そこで新しい予算を作成し、予算額(例:5ドルや10ドルなど、無料枠を超えた場合に発生する最低限の費用を想定)を設定します。次に、通知のしきい値(例:予算の80%に達した場合や、実際のコストが予算を超過した場合など)と、通知を受け取るEメールアドレスやSNSトピックを指定します。これにより、例えば月間の利用額が設定した予算の80%に達した時点でメールが届き、利用状況を見直す機会を得ることができます。この設定は、AWSを使い始めたばかりの初心者の方だけでなく、経験豊富なユーザーにとっても、コスト管理を徹底するための必須のステップと言えるでしょう。
(出典: 参考情報)
定期的な確認とリソース管理の徹底
AWS無料枠を安全かつ効果的に活用し続けるためには、定期的な確認と徹底したリソース管理が不可欠です。(出典: 参考情報)AWSのサービスは非常に多岐にわたり、一度起動したリソースをそのまま放置してしまうと、無料枠を超過して課金が発生するリスクが高まります。まず、AWSの請求ダッシュボードを定期的に確認する習慣をつけましょう。(出典: 参考情報)ダッシュボードでは、各サービスごとの利用状況や請求額の予測をグラフで視覚的に確認できます。これにより、どのサービスが無料枠を超えそうか、または既に超過しているかを早期に発見できます。
次に、不要になったリソースは速やかに停止または削除することを徹底してください。(出典: 参考情報)特にEC2インスタンスやRDSデータベース、EBSボリュームなどは、停止しているだけでもストレージ費用が発生する場合があります。検証や学習のために一時的に作成したリソースは、用が済んだらすぐにクリーンアップすることが重要です。また、利用しているリージョンが無料枠の対象範囲であるかを常に確認することも忘れてはなりません。(出典: 参考情報)AWSの無料枠は特定のリージョンでの利用が条件となっていることが多いため、意図せず無料枠対象外のリージョンでリソースを起動してしまうと、すぐに課金が発生してしまいます。これらのリソース管理の習慣を身につけることで、AWS無料枠を最大限に活用し、安心してクラウドサービスを利用できる環境を維持できるでしょう。
(出典: 参考情報)
まとめ
よくある質問
Q: AWSの無料枠はいつまで利用できますか?
A: AWSの無料枠には、一般的に「12ヶ月無料」と「常に無料」の2種類があります。EC2やLambdaなどは12ヶ月無料、Secrets ManagerやWAFなどは常に無料の範囲内で利用できます。
Q: EC2のt2.microインスタンスは、無料枠でどれくらい使えますか?
A: EC2のt2.microインスタンスは、750時間/月まで12ヶ月間無料枠で利用できます。これは、Linuxインスタンスの場合、常時1台起動しても無料枠内に収まる計算になります。
Q: MinecraftサーバーをAWS無料枠で構築できますか?
A: はい、EC2のt2.microインスタンスの無料枠を活用すれば、小規模なMinecraftサーバーを構築・運用できます。ただし、同時接続プレイヤー数やMODの利用によっては、無料枠を超える場合があります。
Q: AWS Lambdaの無料枠で何ができますか?
A: AWS Lambdaは、リクエスト数とコンピューティング時間(GB秒)で無料枠が提供されます。100万リクエスト/月、40万GB秒/月まで無料のため、小規模なイベント駆動型アプリケーションやバックエンド処理に最適です。
Q: AWS無料枠で注意すべき点はありますか?
A: 無料枠の上限を超えた利用は課金対象となります。特にデータ転送量には注意が必要です。各サービスの無料枠の詳細を事前に確認し、利用状況を常に監視することが重要です。