1. ネットワークエンジニアの仕事内容を徹底解説!インフラエンジニアとの違いから1日の流れまで
  2. ネットワークエンジニアとは?インフラエンジニアとの違いを理解しよう
    1. ネットワークエンジニアの役割と定義
    2. インフラエンジニアとの明確な違い
    3. なぜ今、ネットワークエンジニアが求められるのか
  3. ネットワークエンジニアの仕事内容:構築から運用まで
    1. ネットワークの「心臓部」を設計する要件定義と設計フェーズ
    2. システムを形にする構築・設定フェーズ
    3. 安定稼働を支える運用・保守・監視とセキュリティ対策
  4. ネットワークエンジニアの1日の流れ:リアルな現場を覗いてみよう
    1. プロジェクト推進型の一日:設計・構築フェーズ
    2. 安定稼働を支える一日:運用・保守・監視フェーズ
    3. 緊急時に備える責任と働き方
  5. ネットワークエンジニアのキャリアパスと将来性
    1. 着実にスキルアップ!キャリアパスの選択肢
    2. 市場価値を高めるための資格と専門性
    3. DX時代におけるネットワークエンジニアの将来性
  6. ネットワークエンジニアという仕事、正直どう?(メリット・デメリット)
    1. 達成感と専門性:ネットワークエンジニアのやりがい
    2. スキルアップと高収入の可能性
    3. プレッシャーと責任:大変な点も
  7. まとめ
  8. よくある質問
    1. Q: ネットワークエンジニアとインフラエンジニアの違いは何ですか?
    2. Q: ネットワークエンジニアの主な仕事内容を教えてください。
    3. Q: ネットワークエンジニアの1日の典型的な流れはどのようなものですか?
    4. Q: ネットワークエンジニアになるために必要なスキルは何ですか?
    5. Q: ネットワークエンジニアの仕事で「やめとけ」と言われる理由は何ですか?

ネットワークエンジニアの仕事内容を徹底解説!インフラエンジニアとの違いから1日の流れまで

私たちの日常生活に欠かせないインターネット。そして、企業活動を支える社内ネットワーク。

これら「つながり」の基盤を設計し、構築し、安定稼働を維持するプロフェッショナルが「ネットワークエンジニア」です。

この記事では、ネットワークエンジニアの具体的な仕事内容から、混同されがちなインフラエンジニアとの違い、リアルな1日の流れ、そして将来性までを徹底解説します。

IT業界へのキャリアチェンジを考えている方や、ネットワークエンジニアの仕事に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

ネットワークエンジニアとは?インフラエンジニアとの違いを理解しよう

ネットワークエンジニアの役割と定義

ネットワークエンジニアは、企業や組織における情報通信の生命線とも言えるネットワーク環境を、一から作り上げ、そして守り続ける専門職です。

彼らの主な役割は、快適で安定したデータ通信環境を提供し、同時に外部からの不正アクセスやサイバー攻撃からネットワークを守るためのセキュリティを確保することにあります。

ルーターやスイッチ、ファイアウォールといった多種多様なネットワーク機器を駆使し、まるで血管のように張り巡らされた情報網を設計し、構築し、そして日々の運用・保守を通じてその機能を最大限に引き出すことが求められます。

現代社会において、ネットワークはあらゆるビジネス活動の基盤であり、ネットワークエンジニアはまさにそのITインフラの根幹を支える、極めて重要な存在と言えるでしょう。

インフラエンジニアとの明確な違い

「インフラエンジニア」という言葉を耳にすることも多いかと思いますが、これはネットワークエンジニアと混同されがちです。しかし、両者には明確な違いがあります。

インフラエンジニアは、ITシステム全体の基盤を幅広く担当するエンジニアの総称であり、サーバー、データベース、クラウド環境、セキュリティなど、非常に多岐にわたる領域をカバーします。

例えるなら、インフラエンジニアがITインフラという「総合病院」の医師全体を指すのに対し、ネットワークエンジニアは特にネットワークという「循環器内科」に特化した専門医、といったイメージです。

ネットワークエンジニアはインフラエンジニアの一部であり、その中でも特にネットワーク領域に深く専門性を持ち、日々の業務を通じてその技術を研ぎ澄ませていく職種と言えるでしょう。

なぜ今、ネットワークエンジニアが求められるのか

現代社会は、スマートフォン、IoTデバイス、クラウドサービス、そしてリモートワークの普及によって、かつてないほどネットワークに依存しています。

企業活動においても、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が加速しており、ビジネスの根幹を支えるITインフラ、特にネットワークの重要性は増すばかりです。

参考情報にもある通り、DX推進によりIT人材の需要は拡大の一途を辿っています。

また、サイバー攻撃の巧妙化・高度化に伴い、強固なセキュリティ対策が不可欠となっており、ネットワークの専門知識を持つエンジニアの需要は非常に高まっています。

常に安定したネットワーク環境を提供し、ビジネスを止めないための専門知識と技術力を持つネットワークエンジニアは、まさに現代社会に不可欠な存在として強く求められています。

ネットワークエンジニアの仕事内容:構築から運用まで

ネットワークの「心臓部」を設計する要件定義と設計フェーズ

ネットワークエンジニアの仕事は、顧客の要望を深く理解することから始まります。この「要件定義」フェーズでは、クライアントがどのような目的で、どれくらいの規模のネットワークを求めているのかを詳細にヒアリングします。

その後、「設計」フェーズへと移行し、ヒアリングした情報をもとに、ネットワークの目的や規模に合わせた最適な構成を考えていきます。ここには、使用するルーターやスイッチなどのネットワーク機器の選定、IPアドレスの割り当て設計、そして将来的な拡張性や障害発生時の可用性を考慮したネットワークトポロジーの考案などが含まれます。

単に機器を繋ぐだけでなく、データが効率的に流れ、かつセキュアであるための論理的な設計が求められる、まさにネットワークの「心臓部」を形作る重要な工程です。

このフェーズで作成される設計書は、後続の構築作業の指針となります。

システムを形にする構築・設定フェーズ

設計書が完成したら、いよいよ実際にネットワークを形にする「構築」フェーズへと移ります。

ここでは、設計書に基づき、ルーターやスイッチ、ファイアウォールといった物理的なネットワーク機器を設置し、配線を行い、それぞれの機器に対して詳細な設定を行っていきます。

コマンドラインインターフェース(CLI)を用いた設定作業は、まさにエンジニアの腕の見せ所です。IPアドレスの割り当て、ルーティングプロトコルの設定、VLAN(仮想LAN)の構築、セキュリティポリシーの適用など、多岐にわたる設定項目を正確に実施する必要があります。

近年では、物理的な機器だけでなく、クラウド環境上での仮想的なネットワーク(VPC: Virtual Private Cloudなど)を構築するケースも増えており、仮想化技術やクラウドプラットフォームに関する知識も重要になっています。

構築後は、実際に通信が可能か、性能は問題ないかといったテストや検証作業も欠かせません。</

安定稼働を支える運用・保守・監視とセキュリティ対策

ネットワークは一度構築したら終わりではありません。むしろ、そこからがネットワークエンジニアの真骨頂とも言える「運用・保守・監視」フェーズの始まりです。

構築したネットワークが常に安定して稼働するよう、日々のネットワークトラフィックや機器の状態を監視ツールを用いてチェックします。定期的な設定変更やソフトウェアのアップデート作業も、セキュリティと安定性を保つ上で不可欠です。

万が一、ネットワーク障害が発生した際には、迅速に原因を特定し、復旧させるための対応が求められます。これは、ビジネスの停止に直結するため、非常にプレッシャーのかかる業務です。

さらに、ネットワークセキュリティも重要な業務の一つです。不正アクセスやサイバー攻撃からネットワークを保護するため、ファイアウォールやVPN(Virtual Private Network)の導入・設定、IDS/IPS(侵入検知・防御システム)の運用などを行い、常に最新の脅威に対応するための対策を講じます。

ネットワークエンジニアの1日の流れ:リアルな現場を覗いてみよう

プロジェクト推進型の一日:設計・構築フェーズ

ネットワークエンジニアの1日は、担当するプロジェクトのフェーズによって大きく異なります。まず、新しいネットワークの設計や構築を進めている「プロジェクト推進型」の一日を見てみましょう。

午前中は、出社後、まずはメールチェックや前日の業務報告、日報作成からスタートします。その後は、現在進めているネットワーク設計の内容について詳細な検討を行う時間です。

関連部署や顧客との打ち合わせも頻繁に行われ、設計方針の確認や技術的な課題の解決に向けた議論を重ねます。

午後は、実際にルーターやスイッチなどのネットワーク機器の設定作業や、テスト環境での構築作業が中心となります。設計書通りに動作するかを検証し、必要に応じて設定を調整します。

クライアントへの進捗報告や、今後の作業計画の共有なども重要な業務です。新しいものを作り上げる創造性と、それを実現するための緻密な作業が求められる一日と言えるでしょう。

安定稼働を支える一日:運用・保守・監視フェーズ

次に、既存のネットワークが安定稼働しているかを日々チェックし、トラブル対応を行う「運用・保守・監視フェーズ」の一日を見てみましょう。

午前中は、出社後すぐにシステム監視ツールを確認し、ネットワークの稼働状況に異常がないかをチェックします。アラートが発生していないか、トラフィック量に異常な変化がないかなど、細かく監視を行います。

もし障害が発生していれば、その原因を特定し、迅速に復旧するための一次対応を行います。同時に、顧客や社内からのネットワークに関する問い合わせにも対応し、技術的なサポートを提供します。

午後は、定期的なメンテナンス作業や、既存ネットワークの設定変更作業が行われることが多いです。例えば、セキュリティパッチの適用や、新たなサービスに対応するためのVLAN設定変更などです。

週に一度はチームミーティングが設けられ、現状の課題共有や今後の改善策について議論することもあります。ルーティンワークと突発的な対応がバランス良く組み合わさった一日となります。

緊急時に備える責任と働き方

ネットワークエンジニアの仕事には、緊急時の対応がつきものです。特に、大規模なネットワーク障害が発生した場合、その影響は企業のビジネス活動全体に及ぶため、24時間365日体制で迅速な復旧が求められることがあります。

このため、夜間や休日に緊急対応が発生することも少なくありません。シフト制勤務やオンコール体制が敷かれる場合もあり、不規則な勤務体系になることもあります。

しかし、社会の重要なインフラを支えているという強い責任感と、無事にトラブルを解決できた時の達成感は、この仕事の大きなやりがいの一つです。

厚生労働省は、情報サービス業における長時間労働の要因と対策を示した「働き方改革ハンドブック」を作成しており、労働環境の改善に向けた取り組みも進められています。より働きやすい環境が整備されつつあるのも事実です。

ネットワークエンジニアのキャリアパスと将来性

着実にスキルアップ!キャリアパスの選択肢

ネットワークエンジニアとしてのキャリアパスは、多岐にわたります。まずは実務経験を積み、ジュニアエンジニアからシニアエンジニアへとステップアップするのが一般的です。

シニアエンジニアになると、より複雑なプロジェクトの設計や、若手エンジニアの指導・育成なども担当するようになります。さらに専門性を深める道としては、特定の技術領域に特化したスペシャリストになる選択肢があります。

例えば、データセンターネットワーク、クラウドネットワーク、セキュリティネットワークなど、最先端技術を追求する道です。また、プロジェクト全体の進捗管理やメンバーをまとめるプロジェクトマネージャー、あるいはネットワーク部門を統括するチームリーダー・マネージャーといったマネジメント職へのキャリアアップも考えられます。

ネットワークの知識をベースに、インフラ全体を統括するインフラアーキテクトや、事業会社の情報システム部門へと転職するケースもあります。

市場価値を高めるための資格と専門性

ネットワークエンジニアとしての市場価値を高めるためには、実務経験はもちろんのこと、専門知識を証明する資格の取得が非常に有効です。

最も代表的なのが、シスコシステムズ社の認定資格であるCCNA(Cisco Certified Network Associate)です。これは、ネットワークの基礎知識からルーティング、スイッチング、セキュリティ、ワイヤレス、自動化まで、幅広い技術を証明する国際的な資格であり、多くの企業で高く評価されます。

さらに上位資格のCCNPやCCIEを取得することで、より高度な専門性をアピールできます。また、ITエンジニアとしての基礎知識を証明するITパスポート試験基本情報技術者試験なども、キャリアの入り口として役立ちます。

これらの資格取得と並行して、クラウド技術(AWS, Azure, GCPなど)やプログラミング(Pythonによるネットワーク自動化など)といった周辺技術を学ぶことで、自身の専門性を広げ、より幅広いプロジェクトで活躍できるエンジニアへと成長できるでしょう。

DX時代におけるネットワークエンジニアの将来性

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は、ネットワークエンジニアの仕事に大きな変化をもたらし、同時にその将来性を一層高めています。

クラウドコンピューティングの普及により、物理的なネットワークだけでなく、クラウド上での仮想ネットワークの設計・構築・運用が主流になりつつあります。また、SDN(Software-Defined Networking)やNFV(Network Functions Virtualization)といった技術の進化により、ネットワークの自動化・プログラマブル化が進んでいます。

これは、単に機器を物理的に設定するだけでなく、ソフトウェアを用いてネットワークを柔軟に制御する能力が求められることを意味します。

AIやIoTの導入が進む中で、大量のデータを安全かつ高速に伝送するネットワークの重要性は増すばかりです。ネットワークエンジニアは、これらの最先端技術を理解し、ビジネスの要件に合わせて最適なネットワークソリューションを提案する役割が期待されています。

社会の基盤としてネットワークが存在し続ける限り、それを支えるネットワークエンジニアの需要は高く、今後も進化し続けることが確実です。

ネットワークエンジニアという仕事、正直どう?(メリット・デメリット)

達成感と専門性:ネットワークエンジニアのやりがい

ネットワークエンジニアの仕事には、多くのやりがいがあります。まず、社会や企業の「つながり」という重要なインフラを自らの手で作り上げ、支えているという強い社会貢献性達成感を感じることができます。

自分が設計し、構築したネットワークが実際に稼働し、多くの人々の仕事や生活を支えている様子を目の当たりにすると、大きな充実感を得られるでしょう。

また、ネットワーク技術は非常に奥深く、常に新しい技術が登場するため、継続的に学習し、専門知識を深めていける点も魅力です。

複雑なネットワーク障害を解決したり、難易度の高い要件をクリアする設計を構築したりした時には、技術者としての大きな成長と成功体験を実感できます。
日々の業務を通じて、問題解決能力や論理的思考力も自然と磨かれていきます。

スキルアップと高収入の可能性

ネットワークエンジニアは、専門性が高く需要も高いため、比較的高い収入が期待できる職種です。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、システムエンジニア(基盤システム)の平均年収は660万円以上となる場合もあるとされており、日本人全体の平均年収(458万円)と比較しても高い水準にあることが分かります。
(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)

もちろん、年収はスキルレベルや経験、担当する業務の専門性によって変動しますが、継続的にスキルを磨き、上位資格を取得したり、クラウドなどの新しい技術領域に挑戦したりすることで、さらに市場価値を高め、高収入を得る可能性が広がります。

常に学び続ける意欲があれば、専門性を深めながらキャリアアップし、安定した収入を得られる職種と言えるでしょう。

ネットワークエンジニアの年収イメージ(参考)
経験年数 年収目安 特徴
未経験~3年 350万~500万円 基礎スキル習得、OJT中心
3年~7年 500万~700万円 中規模プロジェクト担当、専門性向上
7年以上 700万円~ 大規模プロジェクト、マネジメント、コンサルティングなど

※上記の年収はあくまで目安であり、企業規模やスキル、地域によって大きく異なります。

プレッシャーと責任:大変な点も

一方で、ネットワークエンジニアの仕事には、大変な側面も存在します。

最も大きなプレッシャーは、システム障害が発生した際の責任です。ネットワークが停止すると、企業のビジネス活動が停止したり、社会インフラに大きな影響が出たりするため、障害発生時には精神的な負荷が高まります。

迅速かつ正確な原因究明と復旧対応が求められ、時には夜間や休日の緊急対応が必要となることもあります。

参考情報にもあるように、ITエンジニア全体の所定外労働時間は平均26.0時間とされており、特に客先常駐のエンジニアは労働時間が長くなる傾向があるため、体力的な負担も考慮する必要があります。

また、ネットワーク技術は常に進化しているため、継続的な学習と自己研鑽が不可欠です。最新技術へのキャッチアップを怠ると、すぐに知識が陳腐化してしまう可能性があります。</これらの課題はありますが、それらを乗り越えることで、より高度なスキルと経験を身につけ、プロフェッショナルとして成長できるでしょう。