源泉徴収税額表の最新情報!令和7年度版の見方と改正点を徹底解説

令和7年度(2025年)分の源泉徴収税額表に関する情報が、国税庁より公表されました。給与計算や年末調整に携わるご担当者様、またご自身の給与明細に記載される税額について理解を深めたい個人の方々にとって、この最新情報は非常に重要です。

本記事では、公的機関の情報を基に、令和7年度版の源泉徴収税額表の概要、今年度の税制改正による変更点、そして実務上の注意点などを徹底的に解説します。複雑に思える税額表も、ポイントを押さえればスムーズに理解できますので、ぜひ最後までご一読ください。

  1. 令和7年度源泉徴収税額表の基本:何がわかる?
    1. 源泉徴収税額表とは?その役割と目的
    2. 令和7年版の大きな変更点と注意すべき点
    3. 復興特別所得税の扱いについて
  2. 最新の税額表(令和7年分)の見方:月額・日額・賞与
    1. 月額表の基本と適用対象者
    2. 日額表の活用シーンと注意点
    3. 賞与に対する源泉徴収税額の計算方法
  3. 源泉徴収税額表の「丙欄」と「甲乙」の違いとは?
    1. 「甲欄」適用者とその特徴
    2. 「乙欄」適用者と副業・兼業の場合
    3. 「丙欄」の適用条件と実務上の注意点
  4. 令和7年度版!改正点と知っておくべき変更点
    1. 基礎控除・給与所得控除の引き上げとその影響
    2. 扶養控除・配偶者控除等の所得要件緩和と新たな控除
    3. 改正が適用される時期と実務への影響
  5. 源泉徴収税額表の計算方法と注意点
    1. 正しい計算のためのステップバイステップガイド
    2. 年末調整手続の電子化と効率的な活用法
    3. 特定親族特別控除適用時の源泉徴収簿の扱い
  6. ChatGPTを使って「源泉徴収税額表(令和7年度版)」にどう対応するか
    1. ① 税額表の改正点・変更の有無を素早く把握する
    2. ② 【そのまま使える】源泉徴収税額表の確認・整理用プロンプト例
    3. ③ 社内マニュアル・引き継ぎ資料の作成に活用する
  7. まとめ
  8. よくある質問
    1. Q: 源泉徴収税額表はいつ更新されますか?
    2. Q: 月額表と日額表の違いは何ですか?
    3. Q: 賞与にかかる源泉徴収税額表は、通常の給与の税額表と違うのですか?
    4. Q: 「丙欄」とはどのような場合に使われますか?
    5. Q: 源泉徴収税額表の改正点はどこを確認すればよいですか?

令和7年度源泉徴収税額表の基本:何がわかる?

源泉徴収税額表とは?その役割と目的

源泉徴収税額表は、企業が従業員に給与や賞与を支払う際に、所得税(復興特別所得税を含む)を徴収するための基準となるものです。国税庁が毎年作成・公表しており、この表に基づいて正確な税額を計算し、従業員の給与から天引きして国に納めることが企業の義務とされています。

この仕組みにより、従業員は一括で高額な税金を支払う負担を軽減でき、企業側も国からの指示に従ってスムーズに税金を徴収・納付できるという利点があります。令和7年分の源泉徴収税額表は、令和7年1月1日以降に支払われる給与等から適用されます。

源泉徴収税額表には、月額表、日額表、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表などがあり、従業員の給与形態や支払い時期に応じて使い分けられます。これらの表を活用することで、毎月の給与計算や年末調整の基礎となる税額を正しく導き出すことが可能になります。

出典:国税庁「令和7年分 源泉徴収税額表」

令和7年版の大きな変更点と注意すべき点

令和7年度の源泉徴収税額表について、まず最も重要なポイントは、「令和7年分の源泉徴収税額表の税額自体は、令和6年分から変更されていません」という点です。これは、毎月の給与から天引きされる所得税額が、基本的に令和6年と変わらないことを意味します。

しかし、これはあくまで「税額表に記載されている税額」についてであり、令和7年度税制改正による変更点には注意が必要です。特に、所得税に関するいくつかの重要な改正は、令和7年12月1日より施行され、令和7年分以後の所得税に適用されます。

このため、令和7年12月以降の源泉徴収事務には影響が生じますが、令和7年11月までの事務には直接的な影響はありません。具体的には、年末調整の計算や、12月以降の給与計算で新たな控除などが適用される可能性があるため、実務担当者はこれらの変更点を事前に把握し、対応準備を進める必要があります。

出典:参考情報より

復興特別所得税の扱いについて

所得税と密接に関わるのが「復興特別所得税」です。これは、東日本大震災からの復興財源を確保するために導入されたもので、平成25年1月1日から令和19年12月31日までの期間に生ずる所得に対して課されます。

企業は、源泉所得税を徴収する際に、この復興特別所得税も併せて徴収し、国に納付する義務があります。この点は、源泉徴収事務を行う上で非常に重要なポイントとなります。

安心すべきは、令和7年分の源泉徴収税額表に含まれる税額には、すでにこの復興特別所得税相当額も含まれているという事実です。したがって、企業側で別途計算して上乗せする必要はなく、税額表に示された金額をそのまま徴収すれば問題ありません。

従業員の方も、給与明細に記載される「所得税」等の項目には、復興特別所得税が含まれていることを理解しておくと良いでしょう。

出典:参考情報より、国税庁の発表に基づく

最新の税額表(令和7年分)の見方:月額・日額・賞与

月額表の基本と適用対象者

「月額表」は、ほとんどの企業で最も頻繁に使用される源泉徴収税額表です。毎月支払われる給与から所得税を徴収する際に用います。この表の基本的な見方は、まず従業員の給与総額を確認し、次に「扶養親族等の数」に応じて該当する欄を参照することです。

具体的には、

  • 「甲欄」:「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している、主たる給与の支払者から給与を受けている従業員に適用されます。
  • 「乙欄」:主に副業・兼業などで、主たる給与以外の給与を受けている従業員に適用されます。
  • 「丙欄」:日雇い労働者など、日々雇用される従業員で日払いの給与が支払われる場合に適用されます。

月額表では、扶養親族等の数が多いほど源泉徴収される税額が少なくなる傾向があります。これは、扶養控除などが考慮されるためです。例えば、月額25万円の給与で扶養親族が0人の甲欄適用者と、扶養親族が2人の甲欄適用者では、源泉徴収される税額が異なります。国税庁の「令和7年分 源泉徴収税額表」には、これらの情報が詳細に記載されていますので、必ず最新版を確認して適用してください。

出典:国税庁「令和7年分 源泉徴収税額表」

日額表の活用シーンと注意点

「日額表」は、日雇い労働者や短期アルバイトなど、日々雇用される従業員に日払いで給与を支払う場合に適用されます。月額表とは異なり、日々の給与支払額に応じて源泉徴収税額が決定されます。

日額表も、月額表と同様に「甲欄」と「乙欄」があります。

  • 「甲欄」:雇用期間が2ヶ月以内であることが明確であり、かつ「扶養控除等申告書」を提出している場合に適用されます。
  • 「乙欄」:「扶養控除等申告書」を提出していない場合や、2ヶ月を超える雇用が見込まれるが申告書の提出がない場合に適用されます。

日額表の最大の特徴は、「丙欄」が存在することです。これは日雇い賃金として支払われる給与に適用され、一定額以下の日当であれば源泉徴収が不要となる特例があります。例えば、令和7年分の場合、日当9,300円未満であれば源泉徴収税額は0円となります(国税庁の「令和7年分 源泉徴収税額表」を参照)。

しかし、日雇いとして雇用していた従業員の雇用期間が長期化し、継続的に給与を支払うことになった場合は、途中で日額表の適用から月額表の適用に切り替えるなど、対応に注意が必要です。実務では、雇用契約の形態を明確にし、適切な税額表を適用することが求められます。

出典:国税庁「令和7年分 源泉徴収税額表」

賞与に対する源泉徴収税額の計算方法

従業員に賞与(ボーナス)を支払う際にも、源泉徴収税額の計算が必要です。賞与については、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用します。この表は、月額表や日額表とは異なる計算ロジックに基づいています。

基本的な計算ステップは以下の通りです。

  1. 前月の給与額と扶養親族等の数を確認する: 賞与を支給する直前の月の社会保険料控除後の給与額と、その時点での扶養親族等の数を確認します。
  2. 算出率を特定する: 上記1の情報に基づき、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」から該当する算出率を探します。
  3. 賞与額に算出率を乗じる: 支給する賞与の額(社会保険料控除後)に、特定した算出率を乗じて源泉徴収税額を計算します。

例えば、前月の給与が社会保険料控除後で25万円、扶養親族0人の従業員に、50万円の賞与を支給する場合を考えます。表から該当する算出率を見つけ、50万円に乗じることで源泉徴収税額が算出されます。この計算は、特に金額が大きくなる賞与において重要であり、誤りがないよう細心の注意を払う必要があります。

賞与に対する源泉徴収税額の計算は、年末調整において最終的に調整されますが、毎回の徴収を正確に行うことで、従業員の税負担の急激な変動を防ぐことができます。

出典:国税庁「令和7年分 源泉徴収税額表」

源泉徴収税額表の「丙欄」と「甲乙」の違いとは?

「甲欄」適用者とその特徴

源泉徴収税額表の「甲欄」は、企業に勤める多くの正社員やフルタイムの従業員に適用されるものです。この甲欄が適用される最大の条件は、従業員が給与の支払者に対して「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していることです。

この申告書は、主に給与の支払者が1か所である従業員が提出し、扶養親族の有無やその人数、その他の控除に関する情報を申告するためのものです。申告書が提出されている場合、会社は当該従業員を主たる給与の受給者とみなし、扶養親族等の状況に応じた最も低い税額で源泉徴収を行います。

甲欄が適用される従業員は、毎月の給与から控除される所得税額が比較的少なく、年末調整によって最終的な税額が確定します。これにより、年間の所得税負担が平準化され、従業員が一時的に多額の税金を支払う負担が軽減されます。そのため、甲欄適用者は、自身の給与明細に記載される税額と年末調整の仕組みを理解しておくことが重要です。

出典:国税庁「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に関する情報

「乙欄」適用者と副業・兼業の場合

「乙欄」は、主に以下のような場合に適用されます。

  • 2か所以上から給与を受けており、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を主たる給与の支払者(通常は本業の会社)に提出しているため、副業先や2か所目の勤務先には提出していない従業員。
  • 何らかの理由で「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を給与の支払者に提出していない従業員。

乙欄が適用される場合、甲欄よりも高い税額が源泉徴収されます。これは、乙欄適用者は他に主たる収入源がある、あるいは控除の申告をしていないため、扶養控除などの各種控除が考慮されない税額が徴収されるためです。

近年、副業や兼業が一般的になりつつある中で、乙欄が適用される従業員が増加しています。副業先の会社は、従業員から「扶養控除等申告書」の提出がない場合、自動的に乙欄を適用して源泉徴収を行います。

乙欄が適用された場合でも、徴収された税額は年末調整(主たる給与の会社で行う)や確定申告によって最終的に精算されます。そのため、副業をしている従業員は、年末調整時に全ての収入を合算して申告するか、自身で確定申告を行う必要があります。これにより、過不足なく所得税が精算され、払いすぎた税金は還付されることになります。

出典:国税庁「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に関する情報

「丙欄」の適用条件と実務上の注意点

「丙欄」は、日額表にのみ存在する特別な欄で、主に「日雇い賃金」に対して適用されます。具体的には、日々雇用される従業員(日雇い労働者、短期アルバイトなど)に給与を支払う場合に適用されます。

丙欄が適用される主な条件は以下の通りです。

  • 日々雇用されている者に対して支払われる賃金であること。
  • 雇用期間が短期間(通常は2ヶ月以内)であることが明確であること。

丙欄の特徴は、日当が一定額以下であれば源泉徴収税額が0円となる点です。例えば、令和7年分の日額表では、日当が9,300円未満の場合、源泉徴収は不要とされています(国税庁の「令和7年分 源泉徴収税額表」より)。これは、短期間の雇用で生計を立てる労働者への配慮と言えます。

しかし、実務上は注意が必要です。日雇いとして採用した従業員が、結果的に長期にわたって勤務し、雇用期間が2ヶ月を超えて継続するような場合、もはや「日雇い」とは見なされず、途中で丙欄の適用から月額表の甲欄または乙欄に切り替える必要があります。この切り替えを怠ると、源泉徴収不足や過徴収が発生し、後の年末調整や税務調査で問題となる可能性があります。企業の人事・経理担当者は、日雇い従業員の雇用状況を常に把握し、適切な税額表を適用するように心がけましょう。

出典:国税庁「令和7年分 源泉徴収税額表」

令和7年度版!改正点と知っておくべき変更点

基礎控除・給与所得控除の引き上げとその影響

令和7年度税制改正において、所得税に関わる重要な変更点の一つが、基礎控除と給与所得控除の引き上げです。これは、特に低所得者層の税負担を軽減することを目的としています。

具体的な改正内容は以下の通りです。

  • 給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。これは、給与収入が190万円以下の場合に適用されます。
  • これらの改正により、所得税がかからなくなる年収の目安、いわゆる「壁」が従来よりも引き上げられます。例えば、基礎控除と給与所得控除を合わせた「160万円の壁」が示唆されています。

この変更は、所得税の課税対象となる年収のハードルを引き上げるため、特に年収が低い方々やパート・アルバイトで働く方々の手取り額に影響を与える可能性があります。これにより、より多くの給与所得者が所得税の納税対象から外れたり、納税額が減少したりすることが期待されます。

この改正が適用されるのは、令和7年12月1日より施行され、令和7年分以後の所得税です。したがって、年末調整や確定申告において、これらの新しい控除額が適用されることになります。企業の人事・経理担当者は、この変更点を踏まえて年末調整の準備を進める必要があります。

出典:参考情報より

扶養控除・配偶者控除等の所得要件緩和と新たな控除

令和7年度税制改正では、基礎控除・給与所得控除の引き上げだけでなく、扶養控除や配偶者控除等の所得要件も緩和されることになりました。

これにより、これまで扶養控除等の対象外だった親族が、新たに控除の対象となる可能性が出てきます。例えば、アルバイト収入のある学生や高齢の親を扶養している家庭において、控除適用を受けられる範囲が広がることで、世帯全体の税負担軽減に繋がるでしょう。

さらに、今回の改正では、新たに「特定親族特別控除」が創設されました。これは、特定の親族(「特定親族」)を扶養している場合に適用される特別な控除です。

  • この控除の適用を受けるためには、「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を給与の支払者に提出する必要があります。
  • 国税庁が作成する申告書様式は、「給与所得者の基礎控除申告書」、「給与所得者の配偶者控除等申告書」、「所得金額調整控除申告書」との兼用様式となる予定です。

従業員側は、自身が特定親族特別控除の対象となるか確認し、忘れずに申告書を提出することが重要です。企業側は、新しい申告書の様式への対応と、従業員への周知を徹底する必要があります。

出典:参考情報より

改正が適用される時期と実務への影響

今回の令和7年度税制改正による変更点、特に基礎控除・給与所得控除の引き上げや新たな特定親族特別控除の創設は、令和7年12月1日より施行され、令和7年分以後の所得税に適用されます。この適用時期が、実務において非常に重要なポイントとなります。

具体的には、令和7年12月以降の源泉徴収事務に変更が生じます。これに対し、令和7年11月までの源泉徴収事務には、これらの改正による直接的な影響はありません。

主な実務への影響としては、年末調整の手続きが挙げられます。年末調整は、その年の1月1日から12月31日までの所得に対して行われるため、12月以降に適用される改正内容は、令和7年分の年末調整全体に影響を及ぼします。

  • 従業員は、新しい控除要件や特定親族特別控除の適用を受けるために、最新の申告書様式を提出する必要があります。
  • 企業の人事・経理担当者は、これらの改正内容を理解し、年末調整の計算システムや給与計算ソフトの更新、従業員への情報提供・説明などの準備を滞りなく行う必要があります。

国税庁は、「令和7年版 源泉徴収のしかた」などを公表していますので、実務担当者はこれらの資料で詳細を確認し、適切な対応を講じることが強く推奨されます。

出典:参考情報より、国税庁の発表に基づく

源泉徴収税額表の計算方法と注意点

正しい計算のためのステップバイステップガイド

源泉徴収税額を正しく計算するためには、いくつかのステップを踏む必要があります。特に令和7年度の改正点を踏まえ、以下の手順で進めましょう。

  1. 適用する税額表の確認: 支払う給与が「月額給与」「日額給与」「賞与」のどれに該当するかを確認し、対応する源泉徴収税額表(月額表、日額表、賞与に対する算出率の表)を選択します。
  2. 従業員の状況確認: 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の提出有無を確認し、甲欄・乙欄・丙欄のどれを適用するか判断します。また、扶養親族等の数も正確に把握します。
  3. 支給額の確認と社会保険料控除: 支給する給与や賞与の総額から、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料など)を控除した後の金額を算出します。この金額が税額表を適用する際の基準となります。
  4. 税額表からの抽出: ステップ2で判断した欄(甲、乙、丙)と、ステップ3で算出した社会保険料控除後の金額を基に、源泉徴収税額表から該当する税額を抽出します。賞与の場合は算出率を乗じます。

具体例: 月収25万円(社会保険料控除後22万円)、扶養親族0人の甲欄適用者の場合、月額表の「甲欄」「220,000円」の行を参照し、該当する税額を源泉徴収します。

この手順を正確に実行することで、過不足のない源泉徴収が可能となります。不明な点があれば、国税庁の資料や専門家への相談が不可欠です。

出典:国税庁「令和7年分 源泉徴収税額表」、筆者作成の計算手順

年末調整手続の電子化と効率的な活用法

近年、国税庁は年末調整手続の電子化を推進しており、これにより企業と従業員双方にとって業務の効率化が図られています。

年末調整手続の電子化の主なメリットは以下の通りです。

  • 書類作成・確認の効率化: 従業員はスマートフォンやPCから申告書を作成・提出でき、記載ミスや漏れが減少します。企業側も、提出されたデータを一元管理しやすくなります。
  • 保管業務の軽減: 電子データでの提出・保管が可能となるため、紙の書類を保管する手間やスペースが削減されます。
  • 業務負担の軽減: 給与の支払者(勤務先)および給与所得者(従業員)双方において、年末調整に関する業務全般が大幅に効率化されます。

国税庁では、従業員が控除申告書を簡単に作成できる「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」などを提供しています。企業側は、これらのツールを積極的に導入し、従業員に活用を促すことで、年末調整事務の負担を大きく軽減することができます。

電子化を進める際には、システムの導入費用や従業員への周知・教育が必要となりますが、長期的には多くのメリットを享受できるため、積極的に検討する価値があります。

出典:国税庁「年末調整手続の電子化」に関する情報

特定親族特別控除適用時の源泉徴収簿の扱い

令和7年度税制改正で創設された「特定親族特別控除」は、年末調整事務において新たな注意点となります。特に、源泉徴収簿を利用して年末調整を行う企業は、その扱いに注意が必要です。

国税庁ホームページに掲載されている「令和7年分給与所得に対する源泉徴収簿」の標準様式では、右側の「年末調整」欄において、特定親族特別控除を含めた計算ができない場合があります。これは、既存の様式が新たな控除に対応しきれていないためです。

特定親族特別控除を適用する際には、以下のいずれかの対応が必要になることがあります。

  • 源泉徴収簿の余白部分を用いる: 控除額を記載する余白スペースや備考欄を活用し、手書きで計算内容を追記します。
  • 別途計算シートを作成する: 特定親族特別控除に関する計算を別途行い、その結果を源泉徴収簿に反映させる形を取ります。
  • 給与計算ソフトの更新を確認する: 多くの給与計算ソフトは税制改正に対応してバージョンアップされるため、利用しているソフトが特定親族特別控除に対応しているか確認し、更新を行います。

実務担当者は、年末調整作業に入る前に、国税庁の最新情報や利用している給与計算ソフトベンダーからの情報を確認し、適切な処理方法を確立しておくことが重要です。誤った処理は、従業員の税額の誤りや税務上の問題に繋がりかねません。

出典:参考情報(国税庁「令和7年分給与所得に対する源泉徴収簿」に関する注意点)