【初心者必見】スマホで完結！消費税申告を楽にする方法

【初心者必見】スマホで完結！消費税申告を楽にする方法

消費税の申告は、初めての方にとって複雑で難しいと感じるかもしれません。しかし、今はスマートフォンの活用とe-Tax（イータックス：国税電子申告・納税システム）を組み合わせることで、自宅にいながらにして申告手続きを完結させることが可能です。

本記事では、初心者の方でも安心して消費税申告に取り組めるよう、最新の情報に基づいたスマホ申告の具体的な方法を分かりやすく解説します。

消費税申告、スマホでできるって本当？

国税庁が推進！スマホ申告の驚きの手軽さ

「消費税申告までスマホでできるの？」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、これは紛れもない事実です。近年、国税庁はスマートフォンの活用を積極的に推進しており、e-Taxを利用したスマホでの確定申告は、所得税だけでなく消費税についても非常に便利になっています。

インターネット環境があれば、いつでもどこでも国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、画面の案内に沿って必要事項を入力するだけで、消費税の申告書作成から提出までの一連の作業を進めることができるのです。

これにより、税務署に出向いたり、書類を郵送したりする手間が一切不要になります。忙しい事業者にとって、場所や時間を選ばずに申告作業ができることは、大きなメリットと言えるでしょう。

場所を選ばない！スマホ申告の具体的なメリット

スマホ申告の最大の魅力は、その手軽さと利便性にあります。主なメリットをいくつかご紹介しましょう。

• 場所を選ばない: 自宅やカフェ、移動中など、インターネット環境さえあればどこからでも申告作業が可能です。わざわざ税務署に行く必要はありません。
• 入力漏れ・計算ミス軽減: 国税庁のシステムや会計ソフトには自動計算機能が備わっており、複雑な消費税額の計算も正確に行われます。これにより、ヒューマンエラーによる入力漏れや計算ミスのリスクを大幅に減らせます。
• e-Taxによる電子申告: 作成した申告書はそのままe-Taxを通じて電子的に提出できるため、郵送の手間や費用、控えの保管スペースなども削減できます。
• マイナポータル連携: マイナンバーカードと連携することで、控除証明書などのデータを自動で取り込み、申告書へ反映させることができます。これにより、入力の手間がさらに省け、よりスムーズな申告が可能になります。

特に注目すべきは、令和7年1月からはAndroid端末のみスマホ用電子証明書に対応し、マイナンバーカードの読み取りが不要になる点です。iPhoneユーザーは現時点ではマイナンバーカードの読み取りが必要ですが、今後さらに利便性が向上する可能性を秘めています。

課税事業者？免税事業者？まずは自身の確認から

消費税の申告・納付義務があるのは「課税事業者」です。自分が課税事業者なのか、それとも免税事業者なのかを最初に確認することが、消費税申告への第一歩となります。

一般的に、課税事業者の条件は、基準期間（個人事業主の場合、前々年）の課税売上高が1,000万円を超える場合です。しかし、近年導入されたインボイス制度（適格請求書等保存方式）の登録を受けた場合は、課税売上高に関わらず課税事業者となるケースもあります。

一方で、課税売上高が1,000万円以下の事業者や、インボイス制度の登録を受けていない事業者は「免税事業者」となり、消費税の申告・納付義務は免除されます。

ご自身の事業がどちらに該当するかは、消費税の納税義務の有無を判断する上で非常に重要です。インボイス制度の影響もあり、これまで免税事業者だった方も課税事業者になる可能性がありますので、国税庁のウェブサイトや税理士に相談するなどして、必ず事前に確認するようにしましょう。

freee、マネーフォワード、SAP…あなたに最適なスマホ申告ソフトは？

クラウド会計ソフトが申告を強力サポート

消費税申告をスマホでスムーズに行うためには、クラウド会計ソフトの活用が不可欠です。freee会計やマネーフォワード クラウドといったサービスは、日々の取引入力から決算、そして消費税申告書の作成までを一元的にサポートしてくれます。

これらのソフトは、銀行口座やクレジットカード、電子マネーとの連携機能が充実しており、取引データを自動で取り込み、仕訳を自動作成してくれます。これにより、面倒な手入力作業を大幅に削減し、会計知識が少なくても効率的に帳簿付けを進めることが可能です。

入力されたデータに基づいて、消費税額の計算も自動で行われ、申告書作成時には必要な項目が自動で反映されます。SAPのような大規模企業向けの基幹システムとは異なり、中小企業や個人事業主のニーズに特化しているため、直感的で使いやすいインターフェースが特徴です。

初めて消費税申告を行う方や、会計処理に時間をかけたくない方にとって、クラウド会計ソフトは強力な味方となるでしょう。

freeeとマネーフォワード、それぞれの特徴とは？

数あるクラウド会計ソフトの中でも、特に人気が高いのがfreee会計とマネーフォワード クラウドです。それぞれに特徴があるため、ご自身のビジネススタイルや会計知識レベルに合わせて選びましょう。

freee会計の特徴

• 会計知識不要の直感的な操作: 簿記の知識がなくても、質問形式で回答していくことで簡単に帳簿付けが可能です。
• 自動仕訳・自動連携の強力さ: 銀行口座やクレジットカード、POSレジなどとの連携が非常にスムーズで、取引データが自動で取り込まれ、自動で仕訳が作成されます。
• 申告書作成までオールインワン: 所得税の確定申告書だけでなく、消費税申告書も簡単に作成でき、e-Tax連携でスムーズに提出できます。

マネーフォワード クラウドの特徴

• 細やかな機能と高いカスタマイズ性: 簿記の知識がある方や、より詳細な会計管理をしたい方に向いています。
• 家計簿アプリとの連携: 同じマネーフォワードの家計簿アプリと連携することで、プライベートとビジネスの収支を一元管理しやすいのが魅力です。
• 豊富なレポート機能: 経営状況を把握するための多様なレポート機能が充実しており、データに基づいた経営判断に役立ちます。

どちらのソフトも、消費税申告に必要な機能を網羅していますが、操作感や得意とする分野が異なります。ご自身にとってより使いやすいと感じる方を選ぶことが大切です。

スマホアプリで完結！連携機能でさらに効率UP

多くのクラウド会計ソフトは、高機能なスマホアプリを提供しています。これにより、PCを開かなくても、日々の業務や申告準備をスマホひとつで進めることが可能です。

例えば、出先で受け取ったレシートをスマホカメラで撮影するだけで、自動的に会計データとして取り込み、仕訳を作成してくれる機能があります。これにより、レシートを溜め込むことなく、その場で経費計上が完了します。

また、銀行口座やクレジットカードとの自動連携も、スマホアプリ上でリアルタイムに確認できます。入出金データを常に最新の状態に保てるため、記帳漏れや入力ミスを防ぎやすくなります。

さらに、作成した消費税申告書は、会計ソフトから直接e-Taxと連携して電子申告することができます。申告書作成から提出までの一連のプロセスをスマホアプリで完結できるため、非常に効率的です。税務署の窓口に行ったり、郵送で送ったりする手間は一切ありません。

これらの連携機能を最大限に活用することで、消費税申告にかかる時間と労力を大幅に削減し、本来の事業活動に集中できる環境を整えることができるでしょう。

消費税申告ソフト選びのポイントと注意点

課税方式に合わせた選び方

消費税の課税方式には、「原則課税」「簡易課税」「2割特例」の3種類があります。どの課税方式を選択するかによって、必要な計算方法や入力項目が大きく異なるため、選ぶ会計ソフトが自身の課税方式に対応しているかを確認することが重要です。

• 原則課税: 売上にかかる消費税額から、仕入れや経費にかかった消費税額を差し引いて計算する方法です。仕入税額控除の計算が複雑になるため、対応する会計ソフトは、細かな取引入力と正確な計算が求められます。
• 簡易課税: 基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者が選択でき、事業内容に応じて定められた「みなし仕入率」を用いて計算します。原則課税より計算がシンプルなので、多くの会計ソフトが対応しています。
• 2割特例: インボイス制度をきっかけに免税事業者から課税事業者になった場合に利用できる特例措置で、売上にかかる消費税額の2割を納付する、最も簡易な計算方法です。この特例は令和8年まで適用可能で、多くの新規課税事業者が利用しています。ソフトがこの特例に対応しているかは、特に確認すべきポイントです。

ご自身の課税方式を事前に確認し、その計算をスムーズに行えるソフトを選ぶことが、申告作業を効率化する鍵となります。

費用対効果とサポート体制を確認しよう

会計ソフトを選ぶ際には、単に機能だけでなく、費用対効果とサポート体制も重要な判断基準となります。

多くのクラウド会計ソフトには、月額料金や年額料金がかかります。提供されるプランによって機能の範囲が異なるため、ご自身の事業規模や必要な機能を考慮し、無駄なく利用できるプランを選びましょう。中には、無料で基本的な機能が利用できるプランや、お試し期間を設けているサービスもありますので、活用してみるのも良いでしょう。

また、初めて消費税申告を行う方や会計知識に不安がある方にとって、困った時にすぐに相談できるサポート体制は非常に重要です。

• チャットサポート
• メールサポート
• 電話サポート
• FAQやヘルプ記事の充実度

これらのサポートが充実しているか、日本語での対応が可能かなどを確認しましょう。特に申告期限が近づくと問い合わせが殺到することもあるため、迅速な対応が期待できるかも見ておくと安心です。

複数ソフトを試して最適なものを見つけるコツ

会計ソフトは、一度導入するとデータを移行するのが手間になるため、慎重に選びたいものです。そこで、複数のソフトを比較検討し、実際に試してみることを強くおすすめします。

ほとんどのクラウド会計ソフトには、無料体験期間が設けられています。この期間を活用して、実際にデータを入力したり、申告書の作成シミュレーションを行ったりしてみましょう。

試用期間中に確認すべきポイント

• インターフェースの使いやすさ: 直感的に操作できるか、画面は見やすいか。
• 必要な機能が揃っているか: 銀行連携、レシート読み取り、消費税計算、e-Tax連携など、ご自身が求める機能がスムーズに利用できるか。
• サポートへのアクセス: ヘルプ記事やFAQは分かりやすいか、チャットやメールで気軽に質問できるか。

また、実際に利用している他のユーザーのレビューや評判も参考にすると良いでしょう。SNSやブログ、比較サイトなどで、リアルな声を確認してみるのも有効です。いくつかのソフトを実際に試すことで、ご自身の事業に最もフィットする「最高の相棒」を見つけることができるはずです。

スマホ申告をさらにスムーズにする！クレジットカード決済と添付書類

納税もキャッシュレスでスマートに！

消費税の納税も、今や現金だけでなく多様なキャッシュレス決済に対応しています。e-Taxを利用した電子申告のメリットを最大限に活かすためにも、キャッシュレス納付を検討してみましょう。

主なキャッシュレス納付方法には、以下のものがあります。

• クレジットカード納付: 国税庁の「国税クレジットカードお支払サイト」を通じて、クレジットカードで納税が可能です。ポイントが貯まるメリットや、支払いを分散できる利点がありますが、決済手数料が発生する点には注意が必要です。
• スマートフォン決済: 一部の国税では、PayPayやLINE Payなどのスマホ決済アプリを利用した納付も可能です。手軽に納税できるのが魅力です。
• インターネットバンキング（ダイレクト納付）: e-Taxと連動したダイレクト納付を利用すれば、金融機関のインターネットバンキングを通じて即座に納税が完了します。
• コンビニ納付: QRコードを印字した納付書をコンビニエンスストアに持参して納付する方法もあります。

これらの方法の中から、ご自身にとって最も便利でメリットのある納税方法を選び、納税手続きをよりスマートに行いましょう。特に、クレジットカード納付は、手元に現金がなくても納税でき、かつポイント還元も期待できるため、多くの事業者に利用されています。

添付書類は？スマホで保存・管理の賢い方法

消費税申告では、所得税の確定申告のように源泉徴収票や生命保険料控除証明書といった具体的な添付書類の提出は、原則として不要です。

しかし、これは「書類を保管しなくて良い」という意味ではありません。消費税額を計算する際の根拠となる領収書、請求書（特にインボイス制度導入後は適格請求書）、帳簿などは、法律で定められた期間（原則7年間）の保存義務があります。

これらの書類を適切に管理するために、スマホを活用したデジタル管理が非常に有効です。

• レシート撮影アプリ: クラウド会計ソフトの連携アプリや、専用のレシート撮影アプリを利用して、受け取ったその場でレシートを撮影・データ化しましょう。これにより、物理的なレシートの保管が不要になり、紛失のリスクも減らせます。
• クラウドストレージの活用: 請求書などのPDFデータは、Google DriveやDropboxといったクラウドストレージに保存し、適切にフォルダ分けして管理しましょう。いつでもどこでもアクセスでき、データのバックアップも兼ねられます。
• 電子帳簿保存法への対応: 2022年1月施行の改正電子帳簿保存法により、要件を満たせば領収書などを電子データで保存することが認められています。これを機に、ペーパーレス化を進めることも検討しましょう。

デジタルで書類を管理することで、整理の手間が省け、必要な書類を迅速に探し出すことが可能になります。申告時だけでなく、税務調査の際にもスムーズに対応できるようになります。

忘れちゃいけない！納期限と手続きの流れ

消費税申告は、申告書の作成・提出だけでなく、納税までを期限内に行う必要があります。期限を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税などのペナルティが課される可能性があるため、注意が必要です。

個人事業主の場合、消費税の課税期間は原則として1月1日から12月31日までの1年間です。そして、その課税期間の末日の翌日から2ヶ月以内に申告書を提出し、納税まで完了させる必要があります。つまり、多くの場合、申告期限は翌年の3月31日となります。

（※法人や、課税期間の特例の適用を受けている場合は異なりますので、ご自身の状況を必ず確認してください。）

消費税申告・納税の基本的な流れ

1. 日々の取引をクラウド会計ソフト等で記帳・管理する。
2. 申告期限までに、会計ソフトや国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して消費税申告書を作成する。
3. e-Taxを通じて作成した申告書を電子提出する。
4. 申告期限までに、指定の方法（キャッシュレス納付など）で消費税を納税する。

この一連の流れをスムーズに進めるためには、日頃からの記帳を怠らないこと、そして早めに申告準備に取り掛かることが重要です。期限直前になって慌てることのないよう、計画的に作業を進めましょう。

e-Taxと連携！電子申告で賢く消費税申告を終わらせよう

e-Tax利用の事前準備を完璧に

スマホで消費税申告を完結させるためには、e-Taxの利用準備が最も重要なステップです。初めて利用する方は、少し手間がかかるかもしれませんが、一度準備を済ませてしまえば、次回からは格段にスムーズになります。

e-Tax利用のための事前準備

• マイナンバーカードの取得: e-Taxの利用には、原則としてマイナンバーカードが必要です。
• マイナンバーカードを読み取れるスマートフォンの準備: 国税庁が推奨するNFC対応スマートフォンを用意しましょう。対応機種は国税庁のウェブサイトで確認できます。
• マイナポータルアプリのダウンロード: マイナンバーカード方式でe-Taxを利用する場合、このアプリが必要です。
• e-Taxの利用開始手続き: 国税庁のウェブサイトからe-Taxの利用開始手続きを行い、利用者識別番号を取得します。

前述の通り、令和7年1月からはAndroid端末のみスマホ用電子証明書に対応し、マイナンバーカードの読み取りが不要になります。これにより、さらに手軽にe-Taxを利用できるようになるため、今後の動向にも注目しておきましょう。

課税方式の選択で迷わない！2割特例を賢く使う

消費税申告において、どの課税方式を選ぶかは納税額に直結する重要な判断です。特にインボイス制度導入後、免税事業者から課税事業者になった方は「2割特例」の利用を検討する価値が大いにあります。

改めて、3つの課税方式の特徴を見てみましょう。

課税方式	特徴	対象事業者
原則課税	売上税額から仕入税額を差し引いて計算。最も正確だが計算が複雑。	全ての課税事業者（条件なし）
簡易課税	みなし仕入れ率で計算。原則課税より計算が簡便。	基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者
2割特例	売上にかかる消費税額の2割を納付する。最も計算が簡便。	インボイス登録を機に課税事業者となった事業者

2割特例は、令和5年10月から令和8年までの期間限定措置です。国税庁のデータによると、令和5年分の消費税申告者のうち、インボイス登録者で新たに課税事業者となった方の約85%が2割特例を適用しており、その利用の多さが伺えます。

この特例は、新たに課税事業者となった方々の事務負担を軽減するために設けられました。ご自身が対象となる場合は、積極的に活用を検討しましょう。

スムーズな電子申告で時間と労力を節約！

e-Taxを利用した電子申告は、消費税申告を賢く終わらせるための最終手段です。ここまで準備してきた内容を活かし、スムーズに手続きを完結させましょう。

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」（https://www.keisan.nta.go.jp/）にアクセスし、画面の案内に従って作成した消費税申告書データをe-Taxで送信します。クラウド会計ソフトを利用している場合は、ソフトから直接e-Tax連携で提出できるものがほとんどです。

電子申告の最大のメリットは、税務署の閉庁時間を気にせず、自分の都合の良い時間にいつでも申告できる点です。また、送信データは暗号化されているため、セキュリティ面でも安心です。

送信が完了したら、必ず完了画面が表示されることを確認しましょう。これにより、申告手続きは無事に完了です。

スマートフォンとe-Tax、そしてクラウド会計ソフトを賢く活用すれば、消費税申告は決して難しいものではありません。この記事を参考に、ぜひあなたもスマートな申告ライフを始めてみてください。不明な点があれば、国税庁のウェブサイト（タックスアンサー、チャットボットなど）や税務署、税理士に相談することも検討しましょう。