概要: マイナンバーカードを紛失してしまった場合、慌てずに対処することが重要です。紛失時の連絡先から再発行、さらに結婚などによる氏名変更や有効期限切れの対応まで、この記事で手続きを分かりやすく解説します。
マイナンバーカードは、行政手続きや本人確認に不可欠なICカードですが、万が一紛失してしまった場合や、記載事項に変更が生じた際には、速やかな手続きが求められます。
悪用リスクを避けるためにも、正しい知識と手順で対応することが大切です。この記事では、マイナンバーカードを紛失・変更した際の具体的な手続き方法や、有効期限、よくある質問について詳しく解説します。
マイナンバーカードを紛失したらまずやること
カード機能の一時停止手続き
マイナンバーカードを紛失してしまった場合、最も重要なのがカード機能の一時停止手続きです。
マイナンバーカードは単なる身分証明書ではなく、署名用電子証明書や利用者証明用電子証明書といった電子証明書が搭載されており、e-Taxでの確定申告や、マイナポータルへのログイン、コンビニでの住民票等交付サービスなど、さまざまな行政サービスに利用されています。
これらの機能が不正に利用されることを防ぐため、紛失に気づいたら直ちにマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に連絡し、カードの一時停止を依頼してください。
このフリーダイヤルは24時間365日対応しており、緊急時でも安心です。一時停止手続きを行わないまま放置すると、個人情報が悪用されるリスクが高まり、取り返しのつかない事態に発展する可能性もあります。
カードの電子証明書機能が停止されることで、不正なオンライン取引や情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。
警察への遺失届提出
自宅外でマイナンバーカードを紛失した場合や、盗難に遭った場合は、一時停止手続きと並行して、速やかに最寄りの交番または警察署へ遺失届を提出してください。
遺失届の提出は、単にカードを探してもらうためだけではありません。
後のマイナンバーカードの再交付手続きの際に、「遺失届の受理番号の控え」が必要不可欠となるため、必ず発行してもらい、大切に保管しておく必要があります。
受理番号がないと、再交付手続きが滞ってしまう可能性があるため、この手順を飛ばさないように注意しましょう。
また、万が一カードが悪用されて被害が生じた場合、警察に届け出ていることで捜査の対象となりやすく、被害回復につながる可能性も出てきます。
自宅内での紛失の場合は必ずしも遺失届は必要ありませんが、再交付の際に紛失届が必要となりますので、状況に応じて適切な対応を取りましょう。
市区町村窓口での届出と対応
一時停止手続き、そして必要に応じて警察への遺失届提出が完了したら、次はお住まいの市区町村の窓口での手続きです。
一時停止後に運良くカードが見つかった場合は、窓口で「一時停止解除」の手続きを行ってください。
この手続きをしない限り、カードや搭載された電子証明書は利用できません。
もしカードが見つからず、再交付を希望する場合は、市区町村窓口で「マイナンバーカード紛失・廃止届」を提出します。この届出により、紛失したカードは完全に無効化され、その後見つかったとしても利用することはできなくなります。
廃止後は、新しいカードの申請が必要になりますので、注意が必要です。窓口での手続きには、本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)が必要となりますので、忘れずに持参してください。
紛失・廃止届を提出することで、紛失したカードの機能は完全に停止され、悪用リスクを根本的に排除できます。
マイナンバーカードの再発行手続きについて
再発行申請が必要なケースと費用
マイナンバーカードの再発行申請は、紛失・盗難のほかにも、焼失したり、カードが著しく破損して使用できなくなった場合に可能です。
原則として、マイナンバーカードの再発行には手数料がかかります。具体的には、マイナンバーカード本体が800円、電子証明書が200円で、合計1,000円が必要となることが一般的です。
ただし、盗難や火災による焼失など、やむを得ない事情による再交付の場合は、手数料が免除されるケースもあります。
例えば、消防署が発行する罹災証明書や、警察署が発行する遺失届の受理番号の控えを提示することで、無料になる場合がありますので、詳細はお住まいの市区町村の窓口に事前に確認することをおすすめします。
再交付申請を行う前には、必要となる書類や費用についてしっかりと把握し、準備を進めるようにしましょう。
再発行申請の方法:交付時来庁方式と特急発行
マイナンバーカードの再交付申請には、主に二つの方法があります。
一つは「交付時来庁方式」で、これは最も一般的な申請方法です。申請書を提出後、市区町村でカードが作成され、準備ができ次第「交付通知書」が郵送されます。
その後、再度窓口へ来庁してカードを受け取る形となり、申請から受け取りまでには約1ヶ月半程度の期間を要します。
もう一つは、特定の要件を満たす場合に利用できる「特急発行」です。これは、急ぎでカードが必要な方のために設けられた制度で、最短で7開庁日程度で発行される場合があります。
特急発行の対象となるのは、乳児、紛失・破損による再交付希望者、海外転入者などが挙げられます。
緊急でカードが必要な方は、ご自身が特急発行の対象となるか、お住まいの市区町村の窓口で確認してみてください。
いずれの方法でも、正確な手続きを行うことが重要です。
再発行に必要な持ち物リスト
マイナンバーカードの再交付申請を行う際には、以下の書類などが必要となります。不足がないよう、事前にしっかりと準備しましょう。
- マイナンバーカード紛失・廃止届: 市区町村窓口で入手できます。
- 本人確認書類: 運転免許証、健康保険証、パスポートなど。顔写真付きのものは1点、顔写真なしのものは2点など、市区町村の規定に従ってください。
- 遺失届の受理番号の控え: 自宅外での紛失・盗難の場合に警察から発行されるものです。
- 消防署等が発行する罹災証明書: 焼失が原因で再交付申請をする場合に必要です。
- 再交付手数料: 原則として1,000円(マイナンバーカード800円、電子証明書200円)が必要ですが、免除されるケースもあります。
これらの持ち物は、申請方法や市区町村によって異なる場合がありますので、必ずお住まいの市区町村のウェブサイトで最新の情報を確認するか、事前に窓口に問い合わせてから訪問することを強くおすすめします。
必要なものが揃っていないと、手続きが一度で完了しない可能性があるため、注意が必要です。
マイナンバーカードの変更手続き:こんな時に必要
氏名・住所などの変更時
マイナンバーカードは、記載された個人情報が住民票と一致している必要があります。そのため、結婚や離婚による氏名変更、または転居による住所変更があった際には、カードの券面記載事項を変更する手続きが必要です。
これらの変更があった場合、住民票の異動届や戸籍届出を提出する際に、同時にマイナンバーカードを持参して変更手続きを行いましょう。
窓口で新しい氏名や住所をカードに追記してもらうことで、カードの情報を最新の状態に保つことができます。
変更手続きを怠ると、カードが本人確認書類として利用できなくなったり、公的なサービスを受ける際にトラブルが生じたりする可能性があります。
手続きに必要な持ち物は、マイナンバーカード本体と、変更後の氏名や住所が記載された新しい本人確認書類(運転免許証など)、あるいは戸籍謄本などです。
速やかな対応が、トラブル回避につながります。
電子証明書の更新・失効
マイナンバーカードには、署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書の2種類の電子証明書が搭載されています。これらの電子証明書には、発行から5年という有効期限が設定されています。
有効期限が近づくと、市区町村から更新案内通知書が送られてきますので、有効期限の2~3ヶ月前から更新手続きを行うことが可能です。
電子証明書が失効してしまうと、e-Taxでの確定申告、マイナポータルへのログイン、オンラインでの各種申請、コンビニ交付サービスなど、電子証明書を必要とするオンラインサービスが一切利用できなくなります。
これらのサービスを継続して利用するためには、電子証明書の更新が不可欠です。
更新手続きは、お住まいの市区町村窓口で、マイナンバーカードを持参し、暗証番号を入力することで行えます。特にオンラインでの行政手続きを頻繁に利用する方は、期限切れに注意し、忘れずに更新しましょう。
国外転出・転入時の対応
海外へ転出する際、マイナンバーカードの扱いは通常とは異なります。
原則として、日本から国外へ転出する場合は、マイナンバーカードを市区町村窓口へ返納することになります。しかし、転出届を提出する際に申請を行うことで、カードを継続して利用することも可能です。この場合、カードの追記欄に転出情報が記載され、一時的に海外でも有効な状態が保たれます。
詳細は、必ずお住まいの市区町村窓口で確認してください。
一方、海外から日本へ転入してきた方(海外転入者)は、住民票登録後にマイナンバーカードの新規申請が可能となります。
そして、この海外転入者は再発行手続きにおける「特急発行」の対象となるため、急ぎでカードが必要な場合に迅速な対応が期待できます。
海外での生活や、日本への再帰国における行政手続きにおいて、マイナンバーカードは重要な役割を果たすため、転出・転入の際には適切な手続きを行うことが肝要です。
マイナンバーカードの有効期限について
カード本体の有効期限と更新
マイナンバーカード本体には、有効期限が設定されています。
具体的には、18歳以上の方は発行から10回目の誕生日まで、18歳未満の方は発行から5回目の誕生日までが有効期限です。
この有効期限が近づくと、お住まいの市区町村から「更新案内通知書」が郵送されてきます。この通知書が届いたら、有効期限の2~3ヶ月前から更新手続きを開始することができます。
カードの有効期限が切れてしまうと、本人確認書類として利用できなくなったり、搭載されている電子証明書も失効してしまったりするなどの影響が生じます。
スムーズな行政サービス利用や本人確認の継続のためにも、通知書が届き次第、早めに更新手続きを進めることが推奨されます。
更新は原則無料で、新しい有効期限が設定されたカードが交付されます。
電子証明書の有効期限と更新
マイナンバーカードに搭載されている電子証明書(署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書)にも有効期限があります。
電子証明書の有効期限は、発行から5回目の誕生日までと定められています。ただし、カード本体の有効期限が5年未満の場合は、カード本体の有効期限までとなります。
カード本体とは別に、電子証明書のみの更新も可能で、こちらもカード本体と同様に有効期限の2~3ヶ月前から更新手続きを行うことができます。
電子証明書が有効期限切れになると、e-Taxやマイナポータルログインなど、オンライン上での行政サービスが利用できなくなってしまいます。
特に、確定申告などで電子証明書を日常的に利用している方は、期限切れに細心の注意を払い、忘れずに更新手続きを行うようにしましょう。
更新は市区町村窓口で、暗証番号を入力することで完了します。
有効期限切れによる影響と対策
マイナンバーカードや電子証明書の有効期限が切れてしまうと、以下のようなさまざまな影響が生じます。
- 本人確認書類としての利用不可: 役所手続きや、銀行口座開設、携帯電話契約などで、公的な本人確認書類としてマイナンバーカードが使えなくなります。
- オンラインサービスの利用停止: e-Taxでの確定申告、マイナポータルへのログイン、健康保険証としての利用、コンビニ交付サービスなど、電子証明書を必要とする全てのオンラインサービスが利用できなくなります。
- 新しいカードの交付に時間がかかる可能性: 更新手続きが遅れると、期限切れ後に改めて新規申請と同じ手間と時間がかかる場合があります。
これらの影響を避けるための最善の対策は、市区町村から送られてくる更新案内通知書が届いたら、速やかに更新手続きを行うことです。
余裕を持って手続きを進めることで、行政サービスや日常生活への影響を最小限に抑えられます。有効期限はしっかりと把握し、計画的に更新を行うように心がけましょう。
マイナンバーカード紛失・変更に関するQ&A
紛失・盗難時の悪用リスクと対策
マイナンバーカードには高度なセキュリティ対策が施されていますが、紛失や盗難による悪用リスクはゼロではありません。
参考情報によれば、カードのICチップ情報に対する偽造は確認されていないものの、券面偽造による虚偽契約などの事例は報告されています。
万が一、カードが闇金業者や詐欺組織の手に渡ってしまった場合、情報が悪用され、知らないうちに不正な借金や契約を結ばされてしまう可能性も否定できません。
また、暗証番号を知られてしまった場合には、マイナポータルに不正ログインされ、個人情報が閲覧されたり、各種サービスが悪用されたりするリスクもあります。
対策としては、まず暗証番号を他人には教えず、厳重に管理することが基本です。また、不審な連絡や契約の勧誘には警戒し、万が一被害に遭ったと感じたら、速やかに警察や消費生活センターへ相談することが重要です。
早期の対応が悪用被害の拡大を防ぐことにつながります。
再発行にかかる時間と費用
マイナンバーカードの再発行にかかる時間と費用は、申請方法や状況によって異なります。
最も一般的な「交付時来庁方式」の場合、申請からカードの受け取りまで約1ヶ月半程度の期間が必要です。これは、申請書提出後、カードが作成され、交付通知書が郵送されてから再度窓口へ来庁するまでの期間を含みます。
一方、特定の条件を満たす場合には「特急発行」を利用することができ、最短で7開庁日程度でカードを受け取れる可能性があります。
費用に関しては、原則としてマイナンバーカード800円と電子証明書200円の合計1,000円が必要となります。ただし、盗難や火災など、やむを得ない事情による再交付の場合には、手数料が免除されるケースもありますので、申請前に市区町村の窓口で確認することをおすすめします。
急ぎでカードが必要な場合は、特急発行の利用を検討し、手数料については事前に確認しておきましょう。
最新の交付状況と問い合わせ先
マイナンバーカードの交付状況は、全国的に高い水準で推移しており、2024年12月末時点の総務省データによれば、多くの国民がカードを保有しています。
最新の交付率の推移や詳細なデータは、総務省のウェブサイトや、マイナンバーカード普及状況ダッシュボードで確認することができます。
これらの情報は、カードの普及状況を理解する上で役立ちますが、個別の手続きに関する詳細や不明な点については、直接問い合わせるのが最も確実です。
具体的な手続き方法、必要書類、受付時間などに関する質問は、お住まいの市区町村の窓口、またはマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に問い合わせるようにしましょう。
地域によっては独自の取り組みや追加情報がある場合もありますので、常に最新の公式情報を参照することを心がけてください。
まとめ
よくある質問
Q: マイナンバーカードを紛失したら、まず何をすれば良いですか?
A: まず、警察に遺失届を提出し、その後マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に連絡して、カードの一時利用停止手続きを行ってください。自宅の固定電話からは050-3818-1250でも受け付けています。
Q: マイナンバーカードの再発行にはどのような手続きが必要ですか?
A: 紛失・盗難の場合は、警察に届け出た後に「紛失届」を提出します。その後、市区町村の窓口で「再交付申請書」を記入し、本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)を提示して申請します。
Q: 結婚して苗字が変わった場合、マイナンバーカードの変更手続きは必要ですか?
A: はい、結婚などにより氏名に変更があった場合は、マイナンバーカードの氏名変更手続きが必要です。新しい氏名が記載された住民票が発行されたら、速やかに市区町村の窓口で手続きを行ってください。
Q: マイナンバーカードの有効期限はありますか?
A: マイナンバーカードの電子証明書の有効期限は発行から5年間です。カード自体の有効期限はありませんが、電子証明書の更新手続きが必要です。有効期限が近づくと、更新時期が記載された通知書が届きます。
Q: マイナンバーカードを紛失し、その後見つかった場合はどうなりますか?
A: 見つかった場合でも、悪用されるリスクがあるため、速やかに市区町村の窓口に届け出て、一時停止解除の手続きを行ってください。そのまま使用することは推奨されていません。
