マイナンバーカードの疑問を解消!旧姓併記、結婚、相続まで徹底解説

マイナンバーカードは、社会保障や税の手続きだけでなく、本人確認書類としても幅広く利用されるようになっています。しかし、その利用範囲の広さゆえに、「結婚したらどうなるの?」「旧姓を併記したい」「相続手続きで使う?」といった疑問も尽きません。

この記事では、皆さんが抱えるマイナンバーカードに関する疑問を解消するため、最新情報や具体的な手続き方法を徹底解説します。ぜひ最後までお読みいただき、マイナンバーカードをより便利に、安心して活用してください。

  1. マイナンバーカードの基本情報:正式名称から桁数、サイズまで
    1. 正式名称とカードの概要
    2. 普及状況と利用率の現状
    3. カードの利用範囲とメリット
  2. 結婚・離婚・姓の変更は?マイナンバーカードの氏名変更手続き
    1. 結婚・離婚時の氏名・住所変更手続き
    2. 署名用電子証明書の再発行について
    3. 住所変更と顔認証マイナンバーカードの注意点
  3. 旧姓併記や性別、生年月日などの登録情報について
    1. 旧姓(旧氏)併記のメリットと手続き
    2. 性別、生年月日などの変更と注意点
    3. 電子証明書の有効期限と更新手続き
  4. マイナンバーカードに関する苦情や、生活保護との関係
    1. マイナンバーカードに関する主な苦情と対応
    2. 生活保護受給者とマイナンバーカード
    3. 情報セキュリティとプライバシー保護について
  5. マイナンバーカードの相続手続きと、関連するQ&A
    1. 相続税申告におけるマイナンバーの利用
    2. 預貯金口座管理制度と相続手続きの簡素化
    3. 不動産情報照会制度とQ&A
  6. まとめ
  7. よくある質問
    1. Q: マイナンバーカードの正式名称は何ですか?
    2. Q: 結婚したらマイナンバーカードの氏名は変更が必要ですか?
    3. Q: マイナンバーカードに旧姓を併記することはできますか?
    4. Q: マイナンバーカードに関する苦情はどこに伝えればよいですか?
    5. Q: マイナンバーカードは相続手続きで必要になりますか?

マイナンバーカードの基本情報:正式名称から桁数、サイズまで

正式名称とカードの概要

マイナンバーカードの正式名称は「個人番号カード」といい、プラスチック製の顔写真付きのカードです。表面には氏名、住所、生年月日、性別、顔写真が記載されており、公的な身分証明書として利用できます。

裏面には12桁のマイナンバー(個人番号)が記載されています。この番号は、社会保障、税、災害対策の分野で行政機関に提出する書類に記載が必要です。

さらに、カードにはICチップが搭載されており、電子証明書機能が内蔵されています。これにより、e-Taxでの確定申告やマイナポータルへのログインなど、オンラインでの本人確認や電子署名が可能になります。

カードのサイズは一般的な運転免許証やクレジットカードと同じ大きさで、お財布に入れて携帯しやすいよう設計されています。これらの機能により、マイナンバーカードは私たちの生活に深く浸透しつつあります。

普及状況と利用率の現状

マイナンバーカードの普及は着実に進んでいます。デジタル庁の最新情報によると、2025年2月末時点での保有枚数は約9,700万枚に達し、これは日本の人口の約78.0%を占めています。

都道府県別の普及率を見ると、宮崎県が最も高く84.4%、次いで鳥取県、鹿児島県、島根県、徳島県と続き、比較的西日本で高い傾向が見られます。一方、沖縄県は66.6%と最も低い水準です。

また、デジタル庁の調査では、マイナンバーカードを「常に持ち歩いている」と回答した人は、回答者全体の43%(保有者に限定すると50.2%)でした。これは、身分証明書としての利便性が広く認識されていることを示しています。

健康保険証としての「マイナ保険証」の利用率も増加傾向にあり、2025年6月時点では30.64%に達しました。2025年1月には25.42%でしたが、従来の健康保険証の新規発行が終了した影響もあり、今後も利用率の増加が予想されます。

カードの利用範囲とメリット

マイナンバーカードは、その多様な機能から非常に幅広い場面で活用されています。最も基本的な利用方法は、公的な本人確認書類としての提示です。

金融機関での口座開設、携帯電話の契約、パスポートの申請など、様々な場面で身分証明書として利用できます。顔写真付きのため、これ一枚で本人確認が完結する大きなメリットがあります。

また、コンビニエンスストアに設置されている多機能端末(マルチコピー機)を利用すれば、住民票の写しや印鑑登録証明書などの公的な証明書を早朝から夜間まで取得できます。これにより、役所の開庁時間外でも必要な書類が手に入り、非常に便利です。

さらに、内蔵されている電子証明書機能を使えば、自宅からe-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用して確定申告を行ったり、マイナポータルにログインして自身の医療費情報や税情報などを確認したりすることも可能です。

2024年秋には紙の健康保険証が廃止され、マイナ保険証へと一本化される予定であり、医療機関での受付もよりスムーズになることが期待されています。

結婚・離婚・姓の変更は?マイナンバーカードの氏名変更手続き

結婚・離婚時の氏名・住所変更手続き

結婚や離婚により氏名や住所に変更が生じた場合、マイナンバーカードの記載事項変更手続きは非常に重要です。この手続きは、新しい氏名や住所が住民票に記載された日から14日以内に行う必要があります。

手続きは、住民票のある市区町村の窓口で行います。必要なものは、変更後の氏名や住所が記載されたマイナンバーカード、そして変更内容を証明する書類(戸籍謄本や婚姻届受理証明書など)です。また、本人確認のための書類が別途求められる場合もあります。

窓口では、カードのICチップに登録されている情報の更新作業が行われます。多くの場合、手続きの際には暗証番号の入力が必要となりますので、忘れずに控えておきましょう。もし暗証番号を忘れてしまっても、窓口で再設定が可能です。

この手続きを怠ると、カードが身分証明書として機能しなくなったり、各種行政サービスが利用できなくなったりする可能性があるので、速やかに手続きを行いましょう。

署名用電子証明書の再発行について

氏名変更に伴い、マイナンバーカードに搭載されている「署名用電子証明書」は自動的に失効します。署名用電子証明書は、e-Taxでの確定申告や、マイナポータルを通じたオンライン申請など、インターネット上での本人認証や電子署名に利用される重要な機能です。

この証明書が失効すると、これらのオンラインサービスが一時的に利用できなくなってしまいます。そのため、引き続きオンラインサービスを利用する予定がある場合は、氏名変更手続きと同時に、または後日改めて署名用電子証明書の再発行手続きを行う必要があります。

再発行手続きも、住民票のある市区町村の窓口で行えます。必要なものは、新しい氏名が記載されたマイナンバーカードと、本人確認のための書類です。手続きの際に、新しい暗証番号(6~16桁の英数字)を設定します。この手続きをすることで、オンラインでの行政サービスを再びスムーズに利用できるようになります。

ただし、顔認証マイナンバーカードの場合は、券面変更手続きの際に暗証番号の入力が不要ですが、電子証明書の再発行には暗証番号の設定が必要です。

住所変更と顔認証マイナンバーカードの注意点

引越しなどで住所が変わった場合も、マイナンバーカードの記載事項変更手続きが必要です。この手続きは、転出届や転入届と合わせて、新しい住所地の市区町村窓口で行うのが一般的です。

転入届を提出する際に、マイナンバーカードを窓口に提示し、新しい住所をカードに記録してもらいます。この際も、多くの場合は暗証番号の入力が求められます。期限は転入した日から14日以内、かつ転出予定日から30日以内です。

ここで特に注目したいのが、「顔認証マイナンバーカード」の取り扱いです。顔認証マイナンバーカードは、暗証番号を使わずに顔認証または目視での本人確認を行うためのカードで、主に高齢者や暗証番号の管理に不安がある方向けに発行されます。

通常のマイナンバーカードの場合、住所変更などの券面変更手続きの際に暗証番号の入力が必要ですが、顔認証マイナンバーカードの場合は、券面変更手続きの際に暗証番号の入力が不要というメリットがあります。暗証番号を忘れてしまったり、設定していなかったりする場合でもスムーズに手続きを進めることができ、利便性が向上しています。

旧姓併記や性別、生年月日などの登録情報について

旧姓(旧氏)併記のメリットと手続き

2019年11月からは、マイナンバーカードに旧姓(旧氏)を併記できるようになりました。これは、結婚後も旧姓をビジネスシーンや社会生活で活用したいと考える方にとって、非常に大きなメリットとなります。

旧姓を併記することで、旧姓のままで本人確認が必要な場合や、旧姓で作成した契約書や資格証明書とマイナンバーカードを照合する際に、身分証明書としてスムーズに利用できるようになります。これにより、結婚による氏名変更がキャリアに与える影響を軽減できる可能性があります。

手続きは、まず住民票に旧姓を併記することから始まります。住民票に旧姓を記載する際は、本人の戸籍謄本等に記載されている過去の氏の中から1つを選んで記載します。

この住民票への旧姓併記を行うと、その情報が自動的にマイナンバーカード、印鑑登録証明書、そして公的個人認証サービスの署名用電子証明書にも反映されます。一度記載した旧姓は、その後の婚姻等により氏が変更されたとしても、引き続き記載され、他の市区町村へ引っ越した場合でも引き継がれるという特徴があります。これにより、生涯にわたって自身の旧姓を公的に証明できるようになります。

性別、生年月日などの変更と注意点

マイナンバーカードに記載されている性別、生年月日、国籍・地域といった情報は、戸籍や住民票といった公的な記録に基づいています。これらの情報は通常、生涯を通じて変わることのない個人識別情報ですが、中には特別な事情により変更が生じるケースもあります。

例えば、性同一性障害の診断を受け、家庭裁判所の審判を経て戸籍上の性別が変更された場合などがこれに該当します。戸籍情報が変更された場合は、マイナンバーカードの記載情報も変更手続きが必要です。

手続きは、住民票の記載事項変更と同様に、新しい戸籍謄本などを添付して市区町村の窓口で行います。これにより、カードの記載内容が最新の公的記録と一致するように更新されます。

生年月日については、通常は変更されることはありませんが、極めて稀なケースとして戸籍訂正などがあった場合には、同様の手続きが必要となります。これらの情報は個人の根幹に関わる重要な情報であるため、記載事項に変更が生じた場合は速やかに手続きを行うことが求められます。

電子証明書の有効期限と更新手続き

マイナンバーカードには、カード本体の有効期限とは別に、ICチップに搭載されている電子証明書(署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書)にも有効期限があります。これらの証明書の有効期限は、発行から5回目の誕生日まで(発行時に20歳未満の場合は、5回目の誕生日ではなく生年月日まで)と定められています。

電子証明書は、e-Taxでの確定申告、マイナポータルへのログイン、コンビニエンスストアでの証明書取得など、オンラインサービスを利用する上で不可欠な機能です。有効期限が切れてしまうと、これらのサービスが利用できなくなってしまいます。

特に重要なのは、「期限内に更新しないと、マイナ保険証として利用できなくなる場合がある」という点です。マイナ保険証を利用している方は、医療機関での受診に支障が出ないよう、必ず期限を確認し、更新手続きを行いましょう。

更新手続きは、有効期限の3ヶ月前から住民票のある市区町村の窓口で可能です。更新の際は、マイナンバーカードと暗証番号が必要となります。更新時期が近づくと、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から有効期限通知書が郵送されますので、そちらも参考にしてください。

マイナンバーカードに関する苦情や、生活保護との関係

マイナンバーカードに関する主な苦情と対応

マイナンバーカードの普及が進む一方で、利用者からは様々な疑問や苦情の声も聞かれます。主なものとしては、「情報漏洩への不安」「紐付けミスによるトラブル」「操作の難しさ」、そして「紛失・盗難時の対処への不安」などが挙げられます。

情報漏洩については、マイナンバーカードのICチップには高いセキュリティが施されており、個人情報が一元的に管理されているわけではないことが政府から繰り返し説明されています。異なる機関が保有する情報は、それぞれ分散管理されており、不正なアクセスを防ぐための厳重な対策が講じられています。

紐付けミスや操作の難しさについては、デジタル庁や各市区町村の窓口、コールセンターが相談対応にあたっています。不明な点があれば、まずはこれらの窓口に問い合わせることが解決への第一歩となります。

また、紛失・盗難時には、24時間365日対応のマイナンバー総合フリーダイヤルに連絡することで、カードの一時利用停止措置を迅速に行うことができます。このように、利用者一人ひとりの不安を解消するためのサポート体制が整備されています。

生活保護受給者とマイナンバーカード

生活保護を受給されている方も、一般の国民と同様にマイナンバーカードを取得することができます。マイナンバーカードの取得は義務ではありませんが、生活保護の申請や医療機関受診時など、様々な行政手続きにおいてメリットがあります。

例えば、マイナ保険証として利用することで、医療機関での受付がスムーズになり、自身の医療費情報や薬剤情報などをマイナポータルで確認できるようになります。また、オンラインでの各種申請や、コンビニでの証明書取得など、利便性の高いサービスを利用できます。

マイナンバーカードの交付手数料は初回は無料です。顔写真付きの本人確認書類が少ない方にとっては、公的な身分証明書としても有効に活用できます。

生活保護受給者の方も、マイナンバーカードの取得を検討することで、よりスムーズに、そして安心して行政サービスを利用できる機会が増えるでしょう。不明な点があれば、お住まいの地域の福祉事務所や市区町村の担当窓口に相談してください。

情報セキュリティとプライバシー保護について

マイナンバーカードに関する最も大きな懸念の一つが、情報セキュリティとプライバシー保護です。政府は、これらに対して多層的な対策を講じています。

まず、マイナンバーカードのICチップには、高度な暗号技術が組み込まれており、不正な読み取りや改ざんから情報を保護しています。カードの券面に記載されている情報(氏名、住所、生年月日など)と、ICチップに記録されている情報(電子証明書など)は別々に管理されており、例えばICチップから全ての個人情報が抜き取られるということはありません。

また、マイナンバーは税や社会保障などの特定分野でのみ利用が限定されており、法律で認められた目的以外での利用は禁止されています。各行政機関は、マイナンバーを含む個人情報をそれぞれ分散して管理しており、個人情報が一つのデータベースで一元管理されることはありません。

万が一、カードを紛失したり盗難に遭ったりした場合は、24時間365日対応のマイナンバー総合フリーダイヤルに連絡することで、直ちにカードの機能停止措置を取ることができます。これにより、第三者による不正利用を防止することが可能です。

これらの対策により、マイナンバーカードは高いセキュリティレベルを確保しながら運用されています。

マイナンバーカードの相続手続きと、関連するQ&A

相続税申告におけるマイナンバーの利用

相続が発生した場合、相続税の申告書には、被相続人(亡くなられた方)のマイナンバーではなく、相続人全員のマイナンバーの記載が必要です。これは、相続税法により定められており、税務手続きにおける正確な情報管理を目的としています。

マイナンバーカードを保有している相続人は、番号確認(マイナンバーが正しいことの確認)と本人確認(カードの提示による本人確認)の両方を一度に行えるため、手続きが非常に簡素化されます。税務署の窓口での手続きや、税理士に依頼する場合でもスムーズに進められます。

もしマイナンバーカードがない場合は、マイナンバー通知カードまたはマイナンバーが記載された住民票の写し、加えて運転免許証やパスポートなどの顔写真付き本人確認書類のコピーが必要となります。これらの書類を準備する手間を考えると、マイナンバーカードがある方が手続きの負担は格段に軽くなります。

相続手続きは多岐にわたるため、マイナンバーカードを有効活用することで、時間と労力の節約に繋がります。

預貯金口座管理制度と相続手続きの簡素化

相続手続きにおいて、被相続人(亡くなられた方)がどの金融機関に、どのような口座を持っていたかを把握することは、相続人にとって大きな負担となることが少なくありませんでした。しかし、2025年4月からは「預貯金口座管理制度」が始まり、この状況が大きく改善されることが期待されています。

この制度により、預貯金口座とマイナンバーの紐付けが容易になりました。これにより、相続人が被相続人の口座情報を把握しやすくなることが期待されています。具体的には、特定の条件のもとで、被相続人の預貯金口座に関する情報を照会できるような仕組みが整備されつつあります。

これまでは、相続人が個々の金融機関に問い合わせて口座の有無を確認する必要があり、手間と時間がかかっていましたが、マイナンバーとの連携が進むことで、より効率的な情報収集が可能となり、相続手続きの負担軽減に繋がる見込みです。

これは、相続税申告における財産評価や、遺産分割協議を進める上で非常に有益な制度であり、今後の相続手続きの標準的なプロセスとなることが予想されます。

不動産情報照会制度とQ&A

相続手続きにおける財産把握の簡素化は、預貯金だけにとどまりません。さらに、2026年2月には、不動産の所有情報を一括で照会できる制度が開始される予定です。これにより、相続人が被相続人が所有していた不動産の情報を、より効率的に把握できるようになります。

これまでは、被相続人が所有していた土地や建物を特定するために、市町村の固定資産税課税台帳を個別に確認したり、登記情報を調べたりと、非常に手間がかかっていました。この新制度が導入されれば、マイナンバーを活用して、全国各地に散らばる不動産情報を一括で検索・照会できるようになり、相続人の負担が大幅に軽減されることが期待されます。

このように、マイナンバーカードは将来的に、相続手続き全般をよりスムーズにするための重要なツールとなっていきます。

【マイナンバーカードに関するQ&A】

  • Q. マイナンバーカードを紛失したらどうすればいいですか?
    A. 24時間365日対応のマイナンバー総合フリーダイヤル(電話番号:0120-95-0178)に連絡し、一時利用停止の手続きを行ってください。その後、警察に遺失物届を提出し、市区町村窓口で再発行の手続きを行います。
  • Q. 暗証番号を忘れてしまいました。
    A. 住民票のある市区町村の窓口で、暗証番号の再設定が可能です。本人確認書類を持参して手続きしてください。
  • Q. マイナンバーカードは無料で取得できますか?
    A. 初回交付は無料です。紛失等による再発行には手数料がかかる場合があります。