年金はいくらもらえる?金額の調べ方・計算方法を徹底解説【夫婦・専業主婦・公務員】

この記事は約16分で読めます。

この記事で得られること

将来の年金受給額に不安を感じている方、自身の年金額を正確に知りたい方、年金制度の仕組みや計算方法に関心がある方、特に夫婦、専業主婦、公務員など特定の状況における受給額を知りたい方。

  1. 年金いくらもらえる? まずは自分の受給額を確認しよう!
    1. 公的年金の基本構造と平均受給額を理解する
    2. 夫婦・専業主婦・公務員それぞれの年金受給額の特徴
    3. 確実に自分の年金受給額を把握するための調べ方と計算方法
      1. 年金額の計算方法の基本
  2. 年金受給額の基本的な計算方法と仕組みを理解する
    1. 日本の年金制度の2階建て構造とは?基本の仕組みを押さえる
    2. 年金の受給額の計算方法:老齢基礎年金と老齢厚生年金の具体例
    3. 年金額の確認方法と計算ツールの活用法:ねんきんネットとねんきん定期便
      1. 年金受給額を調べる際のポイント
  3. 【ケース別】あなたの年金はいくら?具体的な受給額シミュレーション
    1. 夫婦別の年金受給額の具体例と比較
    2. 専業主婦の年金受給額と受給額アップの方法
      1. 専業主婦が年金を増やす方法
    3. 公務員の年金受給額の特徴と計算ポイント
      1. 公務員の年金受給額の構成
  4. 平均受給額はどれくらい?自分の年金額を相対的に把握する
    1. 国民年金と厚生年金の平均受給額を知る
    2. 夫婦別の年金受給額の平均とその特徴
      1. 夫婦の年金受給額の特徴まとめ
    3. 専業主婦と公務員の年金受給額の特徴
      1. 年金計算のポイント
  5. 年金額は今後どう変わる?知っておきたい「いつ決まる」「推移」のポイント
    1. 年金額が決まるタイミングと制度改正の流れ
    2. 年金額の推移と老後の生活設計に与える影響
    3. 最新情報の活用と年金額の確認方法
  6. まとめ
  7. よくある質問
    1. Q: 年金支給日と金額はどこで確認できますか?
    2. Q: 国民年金しか払っていませんが、いくらもらえるのでしょうか?
    3. Q: ねんきん定期便はいつ届きますか?また、見方を教えてください。
    4. Q: 夫婦で共働きの場合、年金受給額は専業主婦(夫)の場合とどう違いますか?
    5. Q: 年金受給額を増やす方法はありますか?

年金いくらもらえる? まずは自分の受給額を確認しよう!

公的年金の基本構造と平均受給額を理解する

年金制度は大きく分けて「国民年金(1階部分)」と「厚生年金(2階部分)」の二階建てになっています。すべての日本国民が加入する国民年金は、自営業者や専業主婦を含めた基礎となる年金です。一方、会社員や公務員は国民年金に加えて厚生年金にも加入しており、この厚生年金が年金額を大幅に上乗せします

国民年金の満額は2024年度で年額816,000円、月額に直すと約6.8万円です。例えば、自営業など国民年金のみの方は、令和3年の平均月額が約5.6万円となっています。これに対して、厚生年金を含む会社員や公務員の場合は、国民年金と合わせて令和3年で平均約14.5万円となり、こちらは約2倍以上の受給見込み額と言えます。

また、年金は原則として65歳から受給開始ですが、繰り上げ受給や繰り下げ受給の選択も可能です。ご自身の生活設計に合わせて受給開始時期を調整できるため、まずは基本構造と平均額を把握してから、自分に合った受給タイミングを検討することが重要です

夫婦・専業主婦・公務員それぞれの年金受給額の特徴

年金の受給額は世帯構成や本人の就業形態によって大きく異なります。夫婦の組み合わせ別に平均受給額を見てみると、夫婦ともに会社員の場合の老齢年金平均は令和4年度で月額約27万6,553円です。これは国民年金と厚生年金の両方をしっかり受け取るケースです。

一方で、夫が会社員、妻が専業主婦の場合は、妻は国民年金の第3号被保険者※となり保険料の負担はありませんが、老齢基礎年金を受給できます。このケースの夫婦の平均受給額は約21万8,176円で、厚生年金の専業主婦負担なしのメリットが反映されています。夫婦とも自営業の場合は、国民年金のみとなるため平均受給額は月額約10万5,241円にとどまります。

専業主婦は受給額の目安として年額816,000円(月額約5.4~5.6万円)を受け取れますが、繰り下げ受給や免除期間の追納など各種増額方法もあります。公務員は2015年まで共済年金制度がありましたが、現在は厚生年金に統合され、独自の退職給付年金も受け取れます。国家公務員は約21.7万円、地方公務員は約22.5万円の平均受給額が目安です。

確実に自分の年金受給額を把握するための調べ方と計算方法

最も正確に自分の年金情報を把握できるのが、日本年金機構が提供する「ねんきんネット」です。これはインターネットのサービスで、年金記録の確認や将来の受給見込み額のシミュレーション、電子版の「ねんきん定期便」の閲覧が可能です。利用にはID登録が必要ですが、登録後は24時間いつでも最新の年金情報をチェックできます

また、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」も重要な情報源です。こちらにはこれまでの年金加入期間や納付実績、将来の年金見込み額が記載されています。特に加入期間や報酬額に誤りがないか確認し、もし不備があれば速やかに日本年金機構へ連絡しましょう。

年金額の計算方法の基本

  • 老齢基礎年金:満額816,000円×(保険料納付済の月数/480月)で計算されます。免除期間は別途計算が必要です。
  • 老齢厚生年金:現役時代の平均報酬額と加入期間に応じて計算されます。

こうした計算方法を理解した上で、ねんきんネットのシミュレーション機能を活用すれば、現在の状況に応じた将来の年金額を具体的にイメージできます。まずはこれらツールで自身の加入履歴や納付状況を確認し、将来設計の基礎を固めることが何より大切です

年金受給額の基本的な計算方法と仕組みを理解する

日本の年金制度の2階建て構造とは?基本の仕組みを押さえる

日本の公的年金制度は、「国民年金(1階部分)」と「厚生年金(2階部分)」の2階建て構造で成り立っています。すべての国民が加入する国民年金は、自営業者や学生、専業主婦も対象で、満額受給すれば2024年度では年間816,000円(月額約6.8万円)となっています。これは老齢基礎年金と呼ばれ、老後の最低限の生活を支える基盤です。

一方、会社員や公務員などは国民年金に加え、厚生年金に加入します。厚生年金は現役時代の給与や賞与に基づいて報酬比例で計算されるため、老齢基礎年金よりも高い受給額が期待できます。令和3年の調査では、厚生年金加入者の平均受給額は国民年金と合わせて月額約14.5万円です。これにより、生活水準を維持しやすくなります。

さらに、企業年金やiDeCoなどの私的年金制度(3階部分)を利用することで、より充実した老後資金を準備できます。制度の細かな違いや自分に適したプランは、それぞれの加入歴や職業、収入によって異なりますが、まずは国民年金と厚生年金の仕組みを理解することが金額を正しく知る第一歩です。

年金の受給額の計算方法:老齢基礎年金と老齢厚生年金の具体例

年金の受給額は主に老齢基礎年金と老齢厚生年金の合算で計算されます老齢基礎年金は、保険料を納付した期間に応じて決まります。2024年度の満額は年額816,000円で、加入期間は最大40年間(480ヶ月)です。計算式は「満額×(保険料納付月数/480)」となり、例えば保険料を40年満額支払っていれば満額が支給されますが、免除や未納期間があれば調整されます。

一方、老齢厚生年金は、現役時代の平均給与や標準報酬月額、加入期間をもとに計算されます。具体的には、標準報酬月額や賞与から算出される報酬比例部分が基本です。例えば、平均月収が30万円で30年間加入していた場合、受給額は報酬比例の倍率と加入年数に応じて増加します。

これらを合わせて、会社員や公務員の平均的な年金受給額は月額約14.5万円とされています。なお、条件によっては繰り上げ受給(早めに年金を受け取るが減額)や繰り下げ受給(後ろ倒しに受給開始し増額)も選択可能で、自身の生活設計に合わせた活用が望まれます。

年金額の確認方法と計算ツールの活用法:ねんきんネットとねんきん定期便

自身の年金見込額を正確に知るには「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用することが重要ですねんきんネットは日本年金機構が提供する公式インターネットサービスで、会員登録後に年金記録の確認や将来の年金額の試算が手軽に行えます。年金の繰り上げ・繰り下げ受給のシミュレーションも可能で、自分の働き方や希望に応じた老後資金設計ができます。

また、毎年誕生月に郵送されるねんきん定期便には、加入期間や保険料納付実績、将来の年金見込額が記載されており、自身の年金記録を定期的にチェックするうえで役立ちます。特に免除期間の確認や記録ミスの有無を把握できるため、早めの対応が可能です。

年金受給額を調べる際のポイント

  • 「ねんきんネット」登録はマイナンバーカードや本人確認書類が必要です。
  • 加入期間や報酬額に誤りがないか定期的に確認しましょう。
  • 将来的な働き方や繰り上げ・繰り下げ受給の影響も計算ツールでシミュレーションできます。

これらのツールを活用し、自身の年金加入状況や納付履歴を正確に把握することが、必要な老後準備の第一歩です。具体的にいくらもらえるのかを明確にすることで、今後の資産形成や生活設計がより安心・確実になります。

【ケース別】あなたの年金はいくら?具体的な受給額シミュレーション

夫婦別の年金受給額の具体例と比較

年金の受給額は、夫婦の働き方や職業の組み合わせで大きく変わります。令和4年度のデータによると、夫婦ともに会社員の場合の平均受給額は月額約27万6,553円です。これは、共に厚生年金に加入していたため、国民年金の老齢基礎年金に加え、厚生年金部分の受給ができるからです。

一方で、夫が会社員で妻が専業主婦の場合は、配偶者が働いている厚生年金により妻は「第3号被保険者※」となり保険料負担なしで国民年金に加入します。この場合、平均的な夫婦の年金受給額は月額約21万8,176円となっています。夫の給料にかかる厚生年金が支給されるため、専業主婦の妻も老齢基礎年金の満額を受け取れるのが特徴です。

また、夫婦ともに自営業や個人事業主の場合、国民年金のみの加入となるため、平均受給額は月額約10万5,241円にとどまります。これは厚生年金に比べて保障が少ないためです。夫婦の年金受給額を把握する際は、それぞれの加入状況を踏まえ、厚生年金の有無や保険料納付期間の違いを考慮することが大切です

専業主婦の年金受給額と受給額アップの方法

専業主婦は原則として、配偶者の厚生年金加入により「第3号被保険者※」として国民年金に加入し、保険料負担なしに老齢基礎年金を受給できます。2024年度の老齢基礎年金の満額は年額816,000円(月額約6.8万円)です。専業主婦が受け取る平均的な年金額は約5.4万円から5.6万円とされています。

ただし、年金額を増やすためには以下のような対策も有効です

専業主婦が年金を増やす方法

・繰り下げ受給で最大14%の増額を狙う(65歳以降最大70歳まで)
・免除期間があれば国民年金保険料の追納を行う
・60歳以降の任意加入制度で保険料を納める
・付加保険料の納付で年金を増やす
・国民年金基金への加入
・iDeCo(個人型確定拠出年金)や個人年金保険への加入で私的年金を上乗せする

また、独身時代に厚生年金に加入していた期間がある場合は、その期間に応じた老齢厚生年金も受け取れます。自身の年金額を正確に把握し、将来設計に役立てるため、これらの選択肢を検討してみることをおすすめします。

公務員の年金受給額の特徴と計算ポイント

公務員は「第2号被保険者※」として国民年金と厚生年金に加入しており、2015年10月までは共済年金に加入していました。現在は共済年金が廃止されて厚生年金に一本化されていますが、共済年金時代の「職域加算」に代わって、公務員独自の年金制度である「年金払い退職給付」が設けられています。

2024年度の受給額の目安としては、国家公務員が平均約21万7,000円、地方公務員が約22万5,000円(老齢基礎年金を含む)となっています。これは一般の会社員よりやや高い水準です。

公務員の年金受給額は、以下の3つの要素で構成されます。

公務員の年金受給額の構成

・老齢基礎年金(満額年額816,000円を基準に計算)
・老齢厚生年金(報酬比例部分。現役時代の給与や加入期間によって決まる)
・年金払い退職給付(有期年金および終身年金の形で支給)

計算方法は複雑ですが、現役時代の報酬額と加入期間が長いほど厚生年金の受給額は増えます。また、「ねんきんネット」を活用すれば、これらを踏まえた将来の受給見込み額を正確に試算できます。公務員の方は、共済年金時代の加入実績の有無も含め、定期的に自身の年金記録を確認することが重要です。

平均受給額はどれくらい?自分の年金額を相対的に把握する

国民年金と厚生年金の平均受給額を知る

公的年金は、全国民が加入する「国民年金(1階部分)」と、会社員や公務員が加入する「厚生年金(2階部分)」の二階建て制度で構成されています。まずは、この2つの年金制度の平均受給額を知ることが、自分の年金額を相対的に把握する第一歩です。

令和3年時点のデータによると、国民年金のみで受給する自営業者やフリーランスの平均月額受給額は約5.6万円です。また、40年間保険料を納付した場合の満額は2024年度で年額816,000円(月約6.8万円)となっています。これに対して、会社員や公務員が加入する厚生年金を含めると、国民年金と合わせた月額受給額の平均は約14.5万円まで上がります。

この差は厚生年金が「報酬比例部分」を持つため、現役時代の収入に応じて受給額が増える点が大きな要因です。例えば、同じ年代で会社員経験者は自営業者に比べて約2.5倍の年金受給が見込めます。これを基準に、自分の働き方や加入形態と比較しながら、おおよその年金額の目安を掴んでおくことが大切です。

年金額は保険料の納付期間や収入によって変動するため、自分の加入記録と比べてどの程度の受給額が期待できるか把握しましょう。これにより、将来の生活設計に必要な資金準備の検討がスムーズになります。

夫婦別の年金受給額の平均とその特徴

年金受給額は個人だけでなく、夫婦単位での受取総額も重要な指標です。特に老後の生活費の計画では、夫婦双方の年金支給額を合算して考えることが多くなっています。

令和4年度の調査によると、夫婦ともに会社員であった場合の平均受給月額は約27.6万円です。これは夫婦それぞれが厚生年金と国民年金の両方を納付し、老齢厚生年金の恩恵を受けているため、高い受給額となっています。

一方で、夫が会社員で妻が専業主婦の場合は約21.8万円と少し下がります。専業主婦である妻は国民年金の第3号被保険者として保険料負担はありませんが、受給額は老齢基礎年金が中心となるためです。

さらに、夫婦ともに個人事業主(国民年金のみ加入)のケースでは平均月額が10.5万円とさらに低くなります。夫婦で約10万円台では、厚生年金に比べて老後の資金不足を感じる方も多いでしょう。

夫婦の年金受給額の特徴まとめ

・夫婦ともに会社員:平均約27.6万円/月
・夫が会社員、妻が専業主婦:平均約21.8万円/月
・夫婦とも個人事業主(国民年金のみ):平均約10.5万円/月

夫婦の生活スタイルや就業形態から、自身の家計に合った年金受給見込みを把握し、必要に応じてiDeCoや企業年金など私的年金の活用も検討しましょう。

専業主婦と公務員の年金受給額の特徴

専業主婦や公務員の場合、それぞれ受給できる年金額や年金制度の内容に特徴があります。自分や家族の状況を理解することで、より適切な年金の見込み額や増やし方を把握できます。

専業主婦は配偶者が厚生年金に加入している場合、「第3号被保険者」として保険料負担なしで国民年金に加入しています。2024年度の老齢基礎年金満額は年額816,000円(月額約6.8万円)ですが、専業主婦が受け取る平均月額は約5.4万円~5.6万円程度です。また、免除期間がある場合は追納が可能で、繰り下げ受給や付加保険料の納付など、年金額を増やす方法も複数あります。例えば、60歳以降に国民年金に任意加入することで、将来の年金額を増額できます。

一方、公務員はかつて共済年金に加入していましたが、2015年10月以降は厚生年金に一元化されています。共済年金時代の「職域加算」は廃止され、「年金払い退職給付」という公務員独自の年金給付制度に置き換わりました。これにより、公務員の平均受給額は国家公務員で約21.7万円、地方公務員で約22.5万円(いずれも老齢基礎年金含む)と会社員とほぼ同等の水準です。

年金計算のポイント

・専業主婦は第3号被保険者として老齢基礎年金を主に受給
・年金額増加には繰り下げ受給や追納が有効
・公務員は厚生年金加入になり、公務員独自の年金払い退職給付が加算
・共済年金加入期間がある場合は、別途加算給付もある

専業主婦の方も公務員の方も、自身の年金加入期間や報酬歴を詳細に確認し、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で最新の年金見込み額を確認することをおすすめします。これにより将来の年金受給額を相対的に把握し、計画的な老後資金準備が可能となります

年金額は今後どう変わる?知っておきたい「いつ決まる」「推移」のポイント

年金額が決まるタイミングと制度改正の流れ

年金の金額は一度決まれば終わりではなく、定期的な見直しや法改正により変動します。年金額は原則として毎年度の制度改定基準日に見直され、次年度以降の受給額に反映されます。この見直しは、物価や賃金の動向を反映させるためのもので、「年金額の改定」と呼ばれます。

年金改定の基準日は通常「4月1日」であり、前年度の経済状況を踏まえて政府と日本年金機構が調整を行います。例えば、賃金が上がっている局面では年金額も引き上げられやすく、逆に物価下落時は凍結や減額の可能性もあります。

加えて、制度の大幅な変更がある場合は、国会での法改正が必要です。こうした法改正の動向は数年に一度起こることが多く、経済状況や財政状況によって見直しの方向性が決定されます。実際に、2024年度の年金満額(国民年金の老齢基礎年金)が年額816,000円に改定されたのはこうした経緯によるものです。

したがって、年金の受給を見込む際には「毎年の改定情報をチェックする」「法改正のニュースに注意する」ことが重要です。特に繰り上げ・繰り下げ受給の検討や、専業主婦や公務員の特有の制度変更に注目するとよいでしょう。

年金額の推移と老後の生活設計に与える影響

公的年金の受給額は、長期的に見ると様々な要因で変わっていきます。過去の推移では、物価上昇に伴う年金増額が見られましたが、近年は人口構造の変化や経済環境の影響で増額が抑制される「マクロ経済スライド」※など調整メカニズムが導入されています。

※マクロ経済スライド…人口減少や高齢化により年金支給額を自動的に調整する制度。

これは、年金の財政を健全に保つための仕組みで、受給者ひとり当たりの給付水準が過度に急増しないようにするための制度です。そのため、例えば夫婦ともに厚生年金に加入していた場合でも、将来的には月額27万円台の平均受給額が横ばいかやや減少する可能性があります。

また、専業主婦は基礎年金のみの受給となるため、現在の単独受給額の約5.6万円(月額)を基準にしつつ、追納や任意加入、iDeCoなどによる上乗せ対策が求められます。公務員の場合は、厚生年金に加えて独自の退職給付があるものの、共済年金の厚生年金への統合に伴い制度の細部が変わってきています。

こうした年金額の推移は、老後の生活設計に大きく影響します。年金だけに頼らず、個人年金や資産形成も視野に入れた計画作りが不可欠です

最新情報の活用と年金額の確認方法

年金額の変動を把握し、自身の将来の受給額を正確に知りたい場合は、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を積極的に利用することが最も手軽かつ確実な方法です

「ねんきんネット」は日本年金機構が運営する公式オンラインサービスで、無料の登録をすれば自分の加入記録やこれまでの納付状況、さらには将来の年金見込額を詳細にシミュレーションできます。例えば、繰り上げ受給をした場合の月額減額率や、繰り下げ受給による増額効果を簡単に比較・試算可能です。

一方で、「ねんきん定期便」は毎年誕生月に郵送されるハガキまたは封書で、その年までの加入実績や保険料納付状況、将来の見込み年金額がまとめられています。この通知は記録漏れや誤差チェックにも役立つため、捨てずに保管し定期的に確認しましょう。

また、最新の制度変更情報や年金額の改定については厚生労働省や日本年金機構の公式サイトで毎年更新されているため、定期的に公式発表を確認することをおすすめします。こうした情報に基づいて、受給開始年齢の選択や納付追納・付加保険料の検討なども可能になります

年金額の「いつ決まる」かを知り、その推移を正しく理解することで、老後資金計画を確実に立てることができます。まずは「ねんきんネット」の登録から始めてみましょう。

まとめ

この記事では、年金の金額を知るための「調べ方」と「計算方法」について詳しく解説しました。年金ネットやねんきん定期便を活用した確認方法から、国民年金と厚生年金の仕組み、夫婦、専業主婦、高年収、公務員など具体的なケース別の受給額シミュレーションまで網羅しています。平均受給額との比較や、将来の年金額がどう変動し「いつ決まる」のかといったポイントも理解することで、漠然とした不安を解消し、より具体的な老後資金計画を立てる一助となるでしょう。ご自身の年金額を正確に把握し、安心できる未来設計を始めましょう。

よくある質問

Q: 年金支給日と金額はどこで確認できますか?

A: 年金支給日は毎年6月に送付される「年金振込通知書」や「ねんきんネット」で確認できます。具体的な金額もこれらで確認可能です。また、日本年金機構のウェブサイトでも年間の支給日を確認できます。


Q: 国民年金しか払っていませんが、いくらもらえるのでしょうか?

A: 国民年金のみに加入していた場合、原則として老齢基礎年金のみが支給されます。満額(40年間保険料を納付)の場合の年金額は毎年変動しますが、2024年度は月額約6.8万円です。納付期間が短い場合は、その期間に応じて減額されます。


Q: ねんきん定期便はいつ届きますか?また、見方を教えてください。

A: ねんきん定期便は、毎年誕生月に日本年金機構から郵送されます。50歳未満の方には「これまでの年金加入期間と納付状況」、50歳以上の方には「これまでの加入期間に応じた年金見込額」が記載されています。特に50歳以上の方のものは、将来いくらもらえるかの目安として非常に重要です。


Q: 夫婦で共働きの場合、年金受給額は専業主婦(夫)の場合とどう違いますか?

A: 夫婦共働きの場合、夫婦それぞれが国民年金と厚生年金に加入しているため、それぞれが個別に年金を受給します。一方、専業主婦(夫)は配偶者の扶養に入る「第3号被保険者」として国民年金に加入し、自身の老齢基礎年金のみを受給します。共働き夫婦の方が、一般的に世帯全体の年金受給額は高くなる傾向があります。


Q: 年金受給額を増やす方法はありますか?

A: 年金受給額を増やす方法としては、国民年金の任意加入や付加年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAなどの私的年金制度の活用、繰り下げ受給(年金の受給開始年齢を遅らせる)などが挙げられます。また、厚生年金に長く加入し、高水準の賃金を得ることも有効です。